<< May 2016 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
Latest Entry
Profile  Facebook
Dando's Site
Category
Search

Archives
Recent Comment
Recent Trackback
Admin
   
Mobile

スマホやタブレットで手軽に科学的測定が可能に

 グーグルが身近にあるスマホやタブレットで光や音、力を表す加速度の測定ができるアプリを公開しました。概略紹介があるばかりで実践した例が少ないので、手軽にどんなデータが取れるのか、ちょっと試みてみました。アプリはアンドロイドOS用に作られた「サイエンスジャーナル」です。もともとスマホなどがカメラ撮影や通信、姿勢制御のために備えているセンサーを科学的測定に活用しています。その場でグラフが出来るのが面白いですね。子どもの「科学ごころ」を育てる趣旨のように見受けますが、大人が関心を持てるレベルですし、大人から子どもに使わせる提案をしてあげるべきでしょう。まずは自宅周辺の道に80メートルの直線区間を設定、歩いたり走ったり自転車でと……。


 加速度(m/s2)は左右、前後、上下の3軸方向で測定できます。今回は80メートルを進む際の力を測るので前後方向(y軸)を見ています。使ったのは8インチのタブレットで、カメラマンベストの胴回りにある大きなポケット入れて測定しました。歩いて42秒、走って26秒、自転車でも最後はブレーキを掛けてゆっくり止めているので26秒でした。ポケットに入れたり出したりする時間が要るので前後にロスタイムが付いています。出し入れと操作ボタンを押す時間です。

 加速度は体重を掛け算すると掛けた力になります。最大値が早足で「26」なのに駆け足で「39」と50%増しでした。自転車ならスタート時に最大「25」と踏み込んで加速してしまうと惰性が働くので後はあまり力が要らない様子が見えます。使ったエネルギーはグラフの山を足した値だと思えばいいでしょうから、自転車に乗ると歩く場合と走る場合に比べて圧倒的にエネルギーを使っていません。走っているとエネルギーの大きな追加はずっと必要です。駆け足の後半は前半に比べてペースを落としているのも見えます。


 次に音を測ってみました。身近な騒音といえば電車や地下街です。阪急電車に乗って十三と中津の駅間2分間と、阪神デパートの地下食品売り場の2分間を測定してみました。最大レベルは電車が「80」デシベル、地下が「81」デシベルであまり変わりません。電車の場合、中間の騒音が高くなっており、これは淀川をまたぐ鉄橋の区間です。平均値が「62」でデパ地下の「67」より低く、鉄橋区間を除くと地下街よりもうるさくないと見ていいでしょう。デパ地下でも売り子さんの声が多い場所に近づくと騒音レベルが一段と上がります。

 WIREDの《グーグル「スマホで科学実験を楽しむプロジェクト」を開始》はこんなデータを載せています。《『WIRED』UKはこのアプリケーションを試すため、複数のスタッフに、クローゼットの中で可能な限り大きな声で叫んでもらった。アプリケーションの録音機能を使ったこの「実験」の目的は、叫び声が最も大きい人を知ることだ。結果は80〜83デシベルだった》

 光の測定はもっと手軽にできるでしょう。我が家のリビングはLED照明になっており、フル照明では明るすぎるのでいつもは調光状態です。175センチ下のテーブル上で測ると「456」ルックスでした。フル照明だと「1000」ルックスを超え、保安灯状態なら「1」ルックスでした。仕事場のパソコンのキーボード上では「100」ルックス程度になっていました。

 グーグルが英語版ながら「Making & Science」《Science Journal》で使い方解説をしています。米国では風を測定するキットが買えます。スマホに備わるセンサーとしてもうひとつGPSがあり、今回は使われていないもののユーザーフォーラムを見ると「使えるようにして」と要望があり、検討されるようです。

 これまでも『本格的に空中散歩が味わえるグーグル3Dマップ』『グーグルアースの3Dマップが地方都市にも拡大』で紹介したように実践的に使えるツールを提供してくれるのは素晴らしいと思います。今回の測定アプリで例えば電車やバスの発進・停止の加速度を調べれば乗り心地が分かり、運転者の熟練度が見えるはずです。アイデア次第で生活の中や身近な自然の測定に活かせるでしょう。


日本列島を揺する地震軸エックス交差を地図に

 富士川河口断層帯の位置を産総研が特定したニュースを見て、日本列島を震撼させている地震の中心軸が二つである点を思い起こしました。エックスに交差している2大軸を一緒に見せる地図が無いので自ら作成しました。ひとつは西端で今回の熊本地震の震源になっている中央構造線で東の端は関東に至ります。もうひとつは東海地震や南海地震が心配されている南海トラフで、その延長が富士川河口断層帯で上陸して富士山の西を北上、長野県諏訪湖付近で中央構造線と交差し日本海に抜けます。グーグルマップ「中央構造線」の上に南海トラフなどのデータを書き込んだのが次の地図です。濃い青が中央構造線で空色は推定部分、南海トラフと延長は赤い線です。


 中央構造線から南側の陸地は、列島がまだ大陸の一部だったころ南方からプレートに乗ってやってきて元の列島北部と接合した部分です。その後、大陸の辺縁が割れ始めて列島が大陸から分離する際に、南海トラフと列島東側を南北に走る日本海溝とが強い力を及ぼして中央で折れた状態になりました。陥没したフォッサマグナ、大地溝帯の出現です。有名な糸魚川静岡構造線はその西側境界で、東側境界は新潟から東京東部・千葉に南下するラインにあります。

 産総研(2016/05/18)の《富士川河口断層帯の位置を陸・海で連続的(シームレス)に特定》はこう言います。

 《2013年に駿河湾北部沿岸域で地質・活断層調査を行い、沿岸部の陸域から海域にかけて連続的(シームレス)に富士川河口断層帯の地質構造を明らかにした。特に、富士川河口断層帯と駿河トラフは、雁行して配列する位置関係にあり、連続性があることが判明した》《富士川河口断層帯は、南海トラフで大地震が発生した場合に、連動して大きな被害をもたらす可能性がある》

 南海トラフの延長はフォッサマグナの境界ではなく中を走る形になっています。この付近の断層分布詳細をご覧になりたければ産総研の《起震断層・活動セグメント検索[GoogleMaps版] 》を見て下さい。延長が日本海に落ちた先は北上して日本海東部地震の震源域に繋がるようです。太平洋では南海トラフから中央構造線までの間には西から南海地震震源域や東南海地震震源域、さらには東海地震の推定震源域が連なっています。危惧されているのはこうした大地震が連鎖する事態です。

 こうして地図にしてみると日本列島の地震が連鎖しないわけがないと改めて思えます。第524回「熊本の大地震が関西にも地震を呼んだ観測結果」で熊本地震が関西地域に及ぼした観測結果を紹介しました。個々の地震について吟味しなくても地域として大づかみすれば見えるのです。地図で2大軸が交差した諏訪湖付近の地下は地表から見えないものの、折れ曲がりからして錯綜した構造になっているでしょう。南海トラフで巨大地震が起きる時には、平行している西日本の中央構造線だけでなく、交差している関東甲信越の部分にも響く可能性を考えたほうが良いと思います。


独裁志向は挫折するか、習政権の変調があちこち

 中国共産党と国家、軍の実権を一身に集めて独裁志向を強めている習近平主席に、スーパーマンぶりは無理と示す変調が伝えられています。経済が右肩上がりの成長期でなくなった今、独裁で万事さばくのは不可能です。ウォールストリートジャーナルの《中国、エコノミストの経済見通しにも圧力》は《政府当局は、経済についての公的な発言が政府の楽観的な声明とずれているコメンテーターたちに口頭での警告を発してきた》と報じています。さらには下がり続ける株価に苛立って主要証券会社などに株の売買を頻繁にしないように指令するなど、無理無茶を言わなければならなくなっています。


 上海株式総合指標の過去1年間チャートをヤフーファイナンスから引用しました。昨年6月の大暴落から何度もテコ入れをしても結局は下がり続け、当面の落とし所と目論んでいると言われる「3000」をも割り込んでいます。昨年7月の第490回「中国の無謀な株式市場介入に海外批判止まず」で指摘したように「市場に任せるしか無い」のに、全く逆方向に介入と統制一辺倒で進んできた結果です。

 国家主席が一人で笛を吹いていてもどうにもならないと示すのがダイヤモンドオンラインの《中国の公務員にサボり、無責任、非効率が横行する訳》です。商標登録証用の用紙がずっと届かないから国家商標局が業務を停止していたと言います。

 《国家商標局が7ヵ月間で一度も商標登録証を発行していないため、多くの企業がビジネスチャンスを失い、重大な損失を被っている》《商標局の用紙切れは去年8月からだが、今年1月になってようやく商標局は用紙サプライヤーの入札募集を行った。この4ヵ月以上にわたる空白期間について、政府からは何の説明もない》

 日経新聞の《中国版AKB、文革賛歌で“詐欺”騒動》が伝えた少女アイドルグループが「毛・習」礼賛を歌った騒ぎにも注目です。毛沢東が発動した文化大革命の惨状を経験した中国共産党は、二度と個人崇拝に陥らないよう集団指導体制を守ってきました。個人崇拝に踏み込もうとしているかのような習主席に「褒め殺し」を仕掛けた形跡が匂います。

 中国の財政相の懸念を伝える《エリート幹部も懸念する「中所得国の罠」》は経済実務家の問題意識が習主席指向の強権体制とかけ離れていると示しています。

 《楼財政部長が提起したのは、中国は今後5年から10年にわたって「中所得国の罠」からの脱却について真剣に考えざるをえない、という点である。しかも彼は、中国がその罠に陥る可能性は五分五分だとまで述べる。罠に陥らないためには労働市場を再び柔軟なものにし、知的財産権を保護し、土地の流動性や開放的な経済体制をとるべきだと言う》《楼部長はスピーチの最後に、2020年までの間にこうした任務が完了できなければ、「中所得国の罠」を乗り越えることはできない、と結んだ。そして感想として、債務が過大であること、もうひとつは、いまや社会の安定と改革の進捗とのバランスがきわめて苛酷な現実として浮き出ているとの認識を付け加える》

 1年前に読んだ《コラム:中国の習近平氏「独裁」阻む3つの壁》を思い出しました。《第1に、中国経済の構造的欠陥が足かせとなっている》《第2に、習氏の政治的地位は、見掛けほど強力ではない》とし《中国の社会構造や経済構造のシステム的な欠陥を考慮すれば、習氏が国家を動かしているのと同じぐらい、習氏が社会に動かされていることは明らかだ。もし習氏が党のルールと社会の安定を保ちたいなら、これらの問題すべてに対処しなくてはならない》と結びます。

 巨大になった中国こそ「神の見えざる手」に任せるべきであり、その市場を機能させるには自由な情報流通、言論の自由が不可欠です。しかし、第515回「中国の異様な言論統制、安全弁も根こそぎ圧殺」で示したように習近平政権になってからの4年間は全く逆行してきました。


ワイヤレスで騒音カットのヘッドフォンは絶品

 初代ウォークマンの頃からヘッドフォンやイヤフォンを持ち歩いて来て、決定版と思える製品に出会えた思いです。ワイヤレスで騒音カットできるヘッドフォンは交通機関や地下街でも音楽の細かな味わいに没入できます。ソニーの新製品で「MDR-100ABN」です。既に百時間以上、慣らし運転をしながら試して素性の良さが分かりました。接続コードが無いのは確かに快適ですし、流行のハイレゾを掲げてもいますから、色々な場面の使い勝手を報告してみます。


 購入したのは5色ある内の青系で、3万円くらいで入手できます。折りたためる構造で幅18センチ、奥行き15センチの携帯ケースが付いてきました。Bluetooth 4.0に対応したワイヤレスで、私の場合はタブレットに蓄えた224kbpsのMP3ファイルを主に聴いています。圧縮音楽ファイルの高音域を回復させる機構が常時ONになっており、結構効いている感じです。写真左下のケーブルでも接続可能です。本体が電池切れの場合にも使いますが、音質は鈍くなります。右側部の下に曲送りやボリュームの操作部が見えます。

 ノイズキャンセリング機能が付いたヘッドフォンを前々から狙っていたものの、ノイズ打ち消し作用から癖が出る製品が多くて試聴して気に入る製品に出会えませんでした。このヘッドフォンはエージングを済ませると音楽を楽しめる高い品質があります。最低で30時間は必要で、これで楽器には十分ですが、最初きつい感じがあるボーカルは100時間くらい経過しないと滑らかになりません。普通の振動系だけでなく電気系統まで含めたエージングが要るのでしょう。

 大阪・梅田の地下街はゴーという大きな騒音に人の話し声などが乗っている環境です。このヘッドフォンを着けると密閉型であるためにぐっと騒音が減ります。さらに電源をONにしてキャンセリング機能を効かせると、おやっと思うほど静かになり、普段は意識しない耳の底にあるシーンという耳鳴りが表に出ます。《音楽を聞いて仕事に集中に最強! ソニー「MDR-100ABN」》に詳しい解説や類似製品との比較があり、周辺の騒音状態に合わせて3つあるキャンセリングのモードを自動的に切り替えているようです。

 家庭のリビングルームなら誰かがテレビを見ていても、あまり気にならずにタブレットで音楽やWOWOWなどのビデオ・オン・ディマンドを楽しめます。10メートルまでは離れて使えますから、飲み物を取りに行く場合など装着したままです。パソコンのそばでキャンセリングONにしてみると、換気ファンの騒音が消えたのにびっくりでした。パソコンにUSBで繋いだパイオニアのDA変換ヘッドフォンアンプ「U-05」と有線接続でハイレゾ・ファイルを聴いています。『流行のハイレゾ再生、ソフト選択で音質劣化に』で問題にした音質劣化もきちんと確認できて、ハイレゾの性能も間違いないようです。

 ベルリン・フィルのデジタルコンサートホールがこの春からハイレゾ・ファイルのネット配信を始めています。パソコンのヘッドフォン端子に有線接続するだけで良質状態で聞けた点も報告しておきます。

 我が家のメインヘッドフォンであるゼンハイザー「HD800」ほど先鋭な表現力はありませんが、その分、聴きやすいと思います。密閉型らしい骨太な低音を持つのでジャズやポップス系はHD800よりも楽しい感じがあります。ずっと静かな環境で聞いている感じになるので音楽のボリュームを上げる必要を感じません。埋もれていた弱音の微妙さが聴き分けられ、ダイナミックレンジが十分に取れているからです。

 これまでは騒がしい地下街で音楽を聴くならイヤフォンを大きな音にしないとダメでした。このヘッドフォンを着けて自分だけ静かな環境にいて、クラッシクの器楽曲など細かい音楽表現を楽しんでいるのは不思議な感覚です。ただし問題もあります。周囲の人の気配が耳から感じられなくなるのでぶつからないよう注意して下さい。クルマが来る屋外は危険です。屋外だと風が強い日は風切音が気になりますが、川沿いの散歩道を歩きながらゆったり楽しむのはいいと思いました。