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中共テクノクラートも日本同様、経済後退で無能

中国株式の暴落に続く人民元の切り下げ騒動で中国指導部の経済運営への信頼感が一挙に崩壊しました。日本のバブル崩壊の轍は踏まないと言ってきた中共テクノクラートが経済後退局面では日本の官僚同様に無能でした。前兆は2013年に顕在化した深刻な大気汚染騒ぎにあったと見ます。いま世界陸上競技大会が開かれ、間もなく国威発揚の軍事パレードがある北京の空は青く晴れ上がっているとニュースになっていますが、このために北京と周辺の6省市で1万の工場と4万の建設現場が操業停止になったと伝えられています。システム的に誘導するのではなく、場当たりの強権発動でしか事態を動かせない体質を象徴しています。日本の官僚も右肩上がりの時代には経済の各種調節弁を巧みに使って優秀だったものですが、いま必要なのは調節ではなく改革です。

 中国経済は明らかに減速しているのに政府発表のGDP成長率は7%維持です。日経新聞の《中国経済の行方(中)》が経済実態との乖離をこう指摘します。

 《李首相がかつて注目していると発言した銀行融資残高、電力消費量、鉄道貨物輸送量をもとに、「李克強指数」が作成されている。同指数ではこの3つの指標のウエートは電力消費量が40%、鉄道貨物輸送量が25%、銀行融資残高が35%になっている。15年上期(1〜6月)の同指数の伸び率は2%台に下落している(図参照)。個別にみると、銀行融資残高は14%前後伸びているが、電力消費量の伸び率は1.3%しかなく、鉄道貨物輸送量はマイナス10%程度と大きく落ち込んでいる》

 電力消費量はGDP2桁成長時代には前年同月比で10%以上増加が当たり前でしたが、今年に入ってマイナスになる月が増えています。製造業から三次産業への比重移動があるにせよ、電気消費が落ちるのは異様です。低成長どころかマイナス成長に落ち込んだのではないかとまで疑われる要因です。詳しいグラフが《中国経済の減速と電力消費量・鉄道貨物輸送量の推移》で提供されています。

 大気汚染騒ぎの始まりで国民的な関心を呼んだ米国大使館によるPM2.5濃度測定公表に対し、中国政府の立場は「迷惑な活動」でした。資源の超浪費型経済成長への危機感がなく、世界の石炭消費の半分を中国が占める恐ろしさを知らず、むしろ誇っていました。2014年の第412回「中国重篤スモッグの巨大さが分かる衛星写真」で論じたように、ドライブできないほど事態は重篤化しました。

 思うままの制御が効かないのは大気汚染など環境問題だけではなく、株式市場や為替市場も同じと知らない中国指導部は第492回「中国の妄想、市場の美味しい所だけ取り逃げ」で指摘した「食い逃げ」の愚行に出ました。

 ロイターの《アングル:元切り下げの影響に驚く中国当局、相場安定図る意向》が狼狽ぶりを報じています。

 《代表的な政府系シンクタンクの有力エコノミストは、政策担当者は人民元切り下げが世界経済に及ぼす影響を過小評価していたと説明する。李克強首相と先月、政策について協議したというこのエコノミストは「経済が減速し株価が急落したタイミングを選んでしまったため、切り下げを通じた景気テコ入れを狙っているとの間違ったシグナルを諸外国に送り、切り下げ競争を招いてしまった」と明かし、「そういうわけでわれわれは守りの姿勢に入った」と続けた》

 中国網の《中国経済は「ジャパン・シンドローム」をどう回避するか=北京大学国家発展研究院院長》は内陸部の発展はこれからで「中国の経済成長に大きな潜在力がある」との立場です。可能性があるとしても賃金上昇などで生産コストが既に米国並みに高くなってしまった中国に新たな投資が来るのか、疑問大です。逆に人民元切り下げで資本流出が想像以上に大きくなり、人民元相場を買い支えているのが実情です。第481回「中国の夢、技術強国化は構造的に阻まれている」で指摘した発展阻害要因にもお気付きでないと見えます。


天津爆発、中国の安全管理は文明国レベルにない

 12日に天津で起きた大爆発事故は中国の安全管理が消防技術、社会制度、モラル崩壊、いずれも文明国レベルに達せずと見せつけました。暴露された体質の悪さから同様の危険が地雷原のように全土に拡散と思わせます。これまで原発や環境問題でウオッチしてきた以上に酷く、改善に向かって自律的に進むとは思えません。新聞記者をした経験で言えば漏れ伝わる実態は、早々にニュースになっているべきスキャンダルであり、言論の自由、取材と報道の自由が無い国に正常な発展はあり得ません。ところが、爆発事故当初にまず中国指導部がとった措置は国営通信社へのニュース発信一本化による報道統制でした。

 TNT火薬にして3トン分くらいの爆発がまずあり、30秒後にTNT火薬21トン分の大爆発があったとされています。現場には直径100メートルの大穴が開いています。現場の危険物倉庫にどんな薬品がどれくらいあったか、事故1週間たってようやく伝え始められました。

 人民網日本語版の20日付《天津爆発、危険化学物質の種類と量が公表 約40種類・2500トン》によると《危険化学物質は大きく3つに分けられる。1つ目は酸化物(硝酸アンモニウム、硝酸カリウム)で、計約1300トン。2つ目は可燃物(主に金属ナトリウムおよびマグネシウム)で、計約500トン。3つ目はシアン化ナトリウムを中心とする猛毒で、約700トン》です。

 青酸ソーダとも呼ぶ猛毒シアン化ナトリウムについては許可貯蔵量の30倍以上と言われ、水が掛かれば爆発的に発火する金属ナトリウムや、爆薬の原料になり210度で爆発する硝酸アンモニウムにしてもこれほど大量に貯蔵しておくとは信じられません。倉庫会社の幹部役員が元・天津港公安局長の息子であり、コネで許可を得ていたとの証言が出ています。法律で住宅地区から1キロ以内には建設不可のはずが、マンション群から600メートル近くに造られました。

 人民解放軍の化学防護部隊が18日から散乱しているコンテナや容器をしらみつぶしにあたり、金属ナトリウムが入っているかどうか分別にかかっています。金属ナトリウムは遠く住宅地区まで飛んでいったようで、雨がかかると煙が出る白い粉があるとの訴えが住民多数から出ています。1万7000戸に及ぶ住宅損壊の問題はこれからです。

 最初の爆発は何らかの火災への消火放水が金属ナトリウムに掛かって起き、それによる高温が硝酸アンモニウムを大爆発させたと見てよいでしょう。化学薬品がある場所に消防士が安易に放水してしまうなんてと不審に思えますが、中国の消防士を日本のプロフェッショナル消防士と一緒にしてはいけません。

 福島香織さんの《プロの消防士がいない中国〜天津化学薬品倉庫爆発事故、悲劇の必然》が消防士研修は3カ月しかなく、《主力の公安消防隊は、解放軍傘下の武警消防隊を通じて徴用される「消防新兵」と呼ばれる兵士たちである。彼らは2年の任期でほとんど義務兵役のような形で配属される。このため、ベテラン消防士というのはほとんど存在せず、その多くが20〜28歳で、その経験不足から死傷率が高い》と中国消防士の実情を伝えています。

 しかも、このレベルの消防士ですら圧倒的に不足しているのです。今度の事故で180人を超えている死者・行方不明者の大部分が「非正規」の消防団員だったと伝えられて、政府も正規消防士と同じく「烈士」として扱うと言い出しました。千人を超す消防士が出動したと言われますが、危険な化学火災に対して、とてもお寒い内情だったようです。

 では端緒の火災はどうして起きたか、示唆的な報道があります。レコードチャイナの《<天津爆発>危険物質の利益率は40%、コスト削減のため業者が管理規定守らず―中国メディア》が業者による、とんでもない規則無視と違反を報じています。

 《天津は危険化学物質の輸出港として中国北部最大規模を誇り、その生産、輸送、保管に関しては厳格な規定が定められている。専用の車両、人員、路線、確認作業が定められ、多大なコストがかかるが、物流企業と生産企業が結託し、普通貨物として取り扱うことでコストを圧縮している。港湾付近の道路は各種の車両で混雑し、危険物質が積載された車もその中に混じっており、本来ならば積み降ろしにも厳格な規定がある。「時限爆弾を抱えて走っているようなもの」と匿名の専門家は指摘する》

 拝金主義が蔓延した結果、重大なモラル崩壊が起きています。それを止める力が日常的な利益供与を受けている共産党幹部にあろうはずがありません。一番の早道は報道の自由化によるメディアと国民の大衆的監視強化ですが、党指導部にはその気はありません。むしろ報道締め付けによる批判の封じ込め、共産党独善の道を走っています。

 中国原発については第419回「新型炉ばかりの中国原発、安全確保に大きな不安」などで、大気汚染など環境問題では第439回「中国の大気汚染、改善遅く改革に絶望的閉鎖性」などで論じてきました。中国政府は天津爆発は特異事例として逃げる方針のようですが、むしろ社会制度やモラルまで含めた安全システム構築失敗が凝縮された典型例のように見えます。


中国の妄想、市場の美味しい所だけ取り逃げ

 3日連続で拡大する中国人民元切り下げを中国メディアは一挙両得感覚で伝えています。輸出産業へ支援になり、人民元国際化も果たすと。しかし、市場が思惑通りに動いて果実が手に入る場面しか考えていないようです。市場が逆流したらどうなるか、先の中国株暴落で手痛い目にあったのすら忘れ、美味しい所だけ取り逃げ出来るとの妄想が中国指導部を支配していると申し上げざるを得ません。一度、為替市場自由化を言い出したら、人民元高や想定以上の元安で苦しむ場面も必ず到来します。

 人民元の相場は中国人民銀行がその日、基準になる中間値を設定、上下2%の変動幅でしか取引を認めていません。その中間値設定を恣意的でなくして前日の終値近くにすると透明化したために、毎日最大2%ずつの切り下げが可能になりました。3日間では5%近い切り下げになっています。人民元はドルと組んで為替は安定していると思い込まれていただけに、世界的にショックが大きくなりました。

 中国網の《人民元の適度な切り下げは、一挙両得の措置》は新興国に及ぼすはた迷惑などお構いなし、《中央銀行は衝撃的かつ賢明な手段により、人民元の積極的な切り下げを実現した》と意気揚々としています。切り下げ1%で輸出は1%増加する一方、5兆円の資本流出になるとの推計があります。

 《中国が巨額の外貨準備高を保有する状況下、適度かつ積極的な人民元切り下げは、経済の安定という大局にとって有利であり、一国の通貨のソフトパワーを示している。また合理的な範囲内の切り下げは、資金の大量の外部流出を促さない。人民元の適度かつ合理的な切り下げは一挙両得の措置である。これによって、人民元相場が長期的に低下する可能性は低い》

 人民元高で苦しむ場面など考えてもいないのでしょうが、ブルームバーグの社説《中国自身も知らない人民元切り下げの意義−社説》は先行きの不安を指摘します。

 《今回の切り下げは中国の輸出を促し、海外からの輸入を割高にする景気刺激策の一形態でもあり、中国指導部が市場の力のプラス面を認めるには好都合なタイミングと受け止められる。こうした市場の力が先行き反転して元高方向に働き、中国の輸出部門が不利な立場に置かれるような事態となれば、同国当局はジレンマに直面する。その時に一連の疑問への答えは明らかとなるだろう。現時点では部外者は何が起こるか確信が持てず、中国指導部もたぶん分からないはずだ》

 中国社会科学院金融研究所の研究員による《なぜ人民元を切り下げた?・・・「輸出促進でも経済疲弊でもない」と政府系専門家見解》に本音が垣間見えるので引用します。

 《人民元が国際通貨基金(IMF)の国際準備資産SDR(特別引出権)の通貨バスケットに採用されるか否かのタイミングで、中国が切り下げを行ったのは「国内外の経済環境の変化を考慮してのこと」と主張。中国株式市場における大規模な実験は「失敗に終わった」と伝え、中国は金融市場の改革の道筋を変えようとしているとし、「改革の新たな突破口こそ為替制度なのだ」と主張した。さらに、中国の金融市場の改革における新たな突破口が「良い成果を収められるようであれば改革を深化させるであろうし、危険を伴うようであれば為替を通じた改革も限定的にとどまるであろう」と論じた》

 株で駄目だから為替で、しかし、本来の市場機能を活かすつもりはなく、手に負えなくなったら打ち切りの、腹が座らぬ愚かな姿勢です。先月の第490回「中国の無謀な株式市場介入に海外批判止まず」で示した世界からの批判と期待が実現することはないと見られます。中国国内でほぼ完結していた株式市場ならともかく、世界への影響が大きな為替市場で中国独善のマネーゲームが拡大するのは怖すぎると指摘します。


核燃サイクルの愚図ぶり、官民ともあんまりだ

 核燃体制見直し作業部会で日本原燃へ批判集中と報じられました。十年前に言われるべき指摘がやっと記事になり、新規制基準審査で来春の工場完成が絶望的になっているのを見ると、この愚図ぶりは官民とも酷すぎます。経済産業省の見直しも核燃料サイクルそのものに触れる気はなく、電力自由化で電力業界のお荷物になる機運を前にして、国策として関与する権限を明確にしたいだけのよう。核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)完成予定は1997年だったのに、20年も遅れる不始末の責任を取る人が誰もいない不思議です。この工場は運転していないのに年間維持費が1100億円も要るバケモノです。

 東京新聞の《日本原燃の経営感覚に批判集中 核燃体制見直し議論で》はこう伝えました。

 《原燃の再処理工場は相次ぐトラブルなどで運転開始を22回延期し、当初6900億円と想定した建設費も2兆円を超えている。この日の会合で原燃は運転開始が遅れている原因として、事業の特殊性や技術確立の困難さを繰り返し強調した。作業部会の委員の一人は「民間企業の感覚では信じられない。経営や目標設定で外部組織の関与、監視が必要だ」と指摘した》

 7月にあった第69回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合の議事録が公開されました。昨年10月に書いた第448回「死に体の核燃料再処理、政府の救済人事も無理か」で「重大事故についての項目が多数あるのにほとんど対応できていない点が目につきます」と指摘しました。そこからどれほど進んだか、サイクル推進派から言わば救済役として原子力規制委に起用された田中知委員のまとめ発言を読むと、審査のために来年3月まで完工を延期したのも無意味と知れます。

 《個別の重大事故については本日で一通り説明を受け、あとは個別の重大事故以外の放射性物質の漏えいによる重大事故が残っている状況ではありますが、いずれの事故においても、まだ入り口の段階であって、それぞれが単独で発生した場合の範囲内にとどまっているものもありまして、重大事故の重畳など、まだ論点が残っているかと思いますので、その辺についても十分検討の上、説明いただけたらと思います》

 大きく5つの分野がある重大事故をようやく並べ終わった段階です。その対策について原子力規制委からの疑問に答え切れていない項目も多数ありますし、「重大事故の重畳」と言われたら日本原燃の技術的想像力が対応できるか、おそらく無理でしょう。例えば当日の審査でこんな指摘が出ていますから、新規制基準をパスするのは至難です。

 《もう少し先の議論をすると、重大事故が起こっているときに、多分、通常運転時と違ったいろいろな移送が行われたりすると。そういうときの誤操作も含めて、非常に混乱している中、確実な操作ができるようになっているのかというところの検討も含めた、我々は誤移送とか、そういったものをお尋ねしているという意味で、かなり幅広の通常運転時以外の重大事故が起こっていて、いろいろなことが各所でやられている中の状態も含めた誤移送の可能性というのが、設計基準を超えた世界で起こる可能性を御質問している》

 核燃料再処理工場の年間維持費が1100億円は、2012年に東京新聞が発掘した実態です。『動かぬ再処理工場に年維持費1100億円:東京新聞』で紹介しました。核燃サイクルは原爆の潜在的保有能力を裏付けており、いくらお金がかかっても目をつぶるのが政府の方針と推察されています。


TPP大詰め報道と中身が議論できない不条理

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が最終決着一歩前で終わりました。月内にも最後の会合を開くといいます。決着することが善とする報道が目立ち、問題点が議論できないもどかしさが山積する一方です。安全保障関連法案といい、有権者は安倍政権に何をしても良いと丸投げしたつもりはありません。交渉の経過、問題点を開示すべきなのに、例えば著作権条項についてなら現行の保護期間50年から70年への延長や非親告罪化が既に合意されたと漏れ伝えられるだけです。きちんと異を唱えないマスメディアの姿勢は異様で、最終決着が延びた機会を捉えて広く議論すべきです。

 7月下旬には「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」が改めて緊急声明と110団体・3637人の賛同署名を内閣府TPP政府対策本部に提出しました。INTERNET Watch《TPP著作権条項への反対署名、コミケや二次創作への萎縮効果を懸念》で詳しく伝えられています。

 《TPPにおける著作権など知的財産権の条項について、各国の利害対立の大きい知財条項を妥結案から除外し、海賊版対策のような異論の少ない分野に絞ることや、条項案を含む情報公開を求める緊急声明》です。「日本の文化・社会にとって重要な決定が国民不在の密室の中で行われ、21分野一体のため事実上拒否できない妥結案だけが国民に提示される事態を、深く憂慮する」と主張されています。

 著作権消滅作品の電子テキスト化に取り組んでいる青空文庫の《TPPによる著作権保護期間延長が行われた場合の青空文庫の対応》(2014年09月15日)を見てみましょう。

 《70年への延長が今年の年内に起ったとする。来年年頭、再来年年頭から公開可能になる作家(三好達治、江戸川乱歩など)の作業受付を停止する。来年年頭から公開可能な作家は2035年年頭から、再来年年頭から公開可能な作家は2036年年頭から公開可能になるからだ。現在、進行中の作業は一時、取りやめにすることになる。遡及されなかった場合には、現在公開しているファイルに変化はない。ただ、今後20年新規作家の追加は起らないことになる》――これだけでも無視できない影響があります。

 日本の著作権法はガチガチの制約を課す法体系であり、米国流のフェアユースを認めるような柔軟さがありません。米国のNPO「Internet Archive」が世界中のウェブを蓄積しているのに、日本では公的機関が国内分ウェブだけ蓄積を検討して無理とした判断した例が端的です。第483回「日本のパソコン技能がOECD最低報道の誤解」の《ネット活用オリエンテーション》にあげた「消えてしまったホームページの検索」のように柔軟に使いこなすどころか、より強化された法律で縛り上げて国内サブカルチャーの豊かささえ犠牲にしてしまう恐れ大です。