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消費税を上げたら実質消費が縮んだ家計調査報告

 総務省の家計調査報告を見て、消費増税での消費者対策にマジックは存在しないと改めて感じました。家計の収入が増えていないから増税分だけ実質消費が減る――アベノミクスがどうだろうと無から有は産めないのです。消費は回復基調と言われても、増税分の壁は厳として存在するでしょう。サンプリングがいい加減なインターネット調査などをさんざん見せられた後で、きちんとした家計調査を手にすると胸に落ちます。《家計調査報告(家計収支編)―平成26年(2014年)平均速報結果の概況―》から以下のグラフを作りました。いずれも4月が増税時期だった前回1997年と今回2014年との月別比較です。


 2人以上の世帯での「消費支出(季節調整済実質指数)の推移」です。前回1997年は消費増税の裏で所得税の減税などがあって、庶民の実質的な懐具合はあまり変化しなかったとされます。ところが2014年は年間8兆円をそっくり国庫に取り上げてしまう増税でした。1997年グラフが消費の落ち込みをほとんど見せていないのも当然です。しかし、2014年は5月が「92.5」と大幅に落ち、12月になっても「96.5」ですから3%増税の壁の下に留まっています。

 2人以上の世帯の月平均支出額と実質増減率を過去5年並べてみます。

  2010  290244円  0.3%
  2011  282966円  −2.2%
  2012  286169円  1.1%
  2013  290454円  1.0%
  2014  291194円  −2.9%

 庶民は自分の財布にあるお金を使うしかないのです。「増税後、節約くっきり」とか、やや見当違いな報道がありましたが、使えるお金は使っています。また、厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2014年は4年ぶりに給与総額が増えて0.8%増加と報じられました。それでも物価上昇も込にしてしまうと実質賃金は2.5%減でした。

 実質的な経済成長を成し遂げないまま次の2%を増税していけば、実質消費はさらに縮んで行くしかありません。安倍政権が経済成長に「第三の矢」と唱えて久しいのですが、どこにも見当たりません。国際的にも成長策が信用してもらえていないのは第461回「IMFは『失われた30年』認定、首相の強気は虚構」で明示した通りです。


中国大気汚染は北京より地方省都がずっと深刻

 重篤スモッグで世界から注目される北京よりも、地方の省都の方がPM2.5による被害がずっと深刻であると判明しました。北京大の調査で10万人当たりの死者数が百人を超える10市に比べ北京は79人に留まりました。2013年時点で河北省の石家庄134人、山東省の済南128人、湖南省の長沙124人など北京の西や南、さらに内陸部の方が大気汚染はひどいと示しています。新華社が伝えたランク表から22位の北京まで上位部分を以下に引用します。


 《中国初のPM2.5による死者データ発表、石家庄や済南は最も深刻》は全国31の省都・直轄市でPM2.5による死者は人口10万人当たり90人と報じました。喫煙による死者は70人、交通事故による死者は9人に過ぎませんから、健康へのリスクは非常に大きくなっていると言えます。北京の場合はこの平均値よりずっと低いのです。上海も20位ですから北京とほぼ同列です。

 昨年10月の報道で、北京のPM2.5飛来元は地方からが通年で28〜36%ながら深刻な汚染時には50%以上にのぼると北京市環保局の見解が伝えられました。昨年の「APECブルー」実現に河北省などの工場操業停止が必要だったわけです。北京市を政治、文化、国際交流、科学技術革新の中心にし、これに合わない汚染企業300社を操業停止と撤退にする方針が打ち出されましたが、安定した青空を取り戻すには全国的な改善が不可欠と見られます。

 昨年3月の第412回「中国重篤スモッグの巨大さが分かる衛星写真」でそれぞれ900キロずつ離れた北京、西安、南京3都市を覆い尽くす巨大スモッグを載せました。今回のランク上位の都市は多くがこの3都市三角形に含まれています。


セウォル号救助失敗に国家の罪を認める判決

 300人を超える犠牲者を出した韓国・セウォル号沈没事故で海洋警察の救助艇長に懲役4年の実刑判決が出されました。一線の国家公務員に大きな過失があったと認定、政府は民事上の損害賠償も迫られる見込みです。現場に到着しながら乗客の退船を誘導しない業務上過失致死と、していない退船放送を実施と艦艇日誌を改ざんした虚偽公文書作成の罪です。漫然としている救助艇員が写っている当時の現場写真(朝鮮日報掲載)を以下に引用します。


 4年の実刑判決が妥当かは議論があるところでしょう。乗客に退船指示をしないで逃げ出した船長には36年の懲役、幹部船員に15〜30年、運航担当船員に5〜10年の実刑判決が出されています。中央日報は、船員たちより艇長の過失が重いとは言えないとの量刑判断があったと伝えています。

 しかし、昨年9月の第447回「セウォル号沈没での不作為なければ全員助かった」で法廷で防災の専門家が乗客は全員脱出可能だったと証言していると伝えました。上の写真にある状態からしばらく経過して、左手に見える操舵室から船員が飛び出して来ますが、その時点でも退船指示を実施していれば10分以内に乗客は全員が抜け出せたというのです。

 写真で唯一甲板に上がっている救助艇員(破線の円内)は救命ボートが作動するか確認に行っていますが、ペンキの重ね塗りで開きません。救助艇の舳先では艇員4人が思案投げ首の風です。日本の海上保安官に当たる海難救助の第一線として、これほど船体が傾いたら直ちに乗船して乗客は甲板に出よと呼びかけるのが当然と考えられます。船員に事情を聴いている段階ではなく、海難専門家として動くべきなのは明白です。

 ハンギョレ新聞の《光州地裁「123警備艇長が退船を誘導していれば56人は脱出できた」》が裁判所側の微妙な判断ぶりを報じています。《裁判所はキム前艇長の業務上過失と被害者たちの死亡の間の因果関係を部分的にのみ認めた》《裁判所は123艇が退船命令と退船誘導措置を行った場合、「セウォル号4階船尾の3個の船室にいた乗客56人は脱出できた」と見た。 光州地方裁判所関係者は「残りの乗客は当時退船放送が聞こえなかったり、たとえ退船放送が聞こえたとしても脱出が容易でない状況だったと見た」と説明した》

 救助艇長への業務上過失致死罪適用に当初は法務省が反対した経緯も伝えていて、国家賠償につながると嫌がったといいます。救助可能性を極めて限定した裁判所判断もこれに連動しているかも知れません。司法の独立性が疑われている韓国らしい、お寒い内情に見えます。『奇怪な韓国の闇、民衆は達観する「愚政府・愚役人」』で国家としていかがなものかと思える周辺事情を追及しています。


本質に触れぬ働き方改革、メディアは理解せず

 日本人の働き方がこのままで良いのかと問われれば手直しは是非ものです。しかし「残業代ゼロ」が目玉になる厚労省改革案は本質を改めるものでなく、報道するメディアも表面をなぞるばかりで改革の視点を持ちません。この構図はウワツラの思い付き政策押し付けで大学の基盤を壊しつつある文科省の大学改革と似てきました。第435回「2016年に国立大の研究崩壊へ引き金が引かれる」で憂慮したのと歩調を合わせて、労働の現場でも来年から大きな崩壊がありそうな気がしてなりません。

 6日に出された「残業代ゼロ」となる働き方の創設など厚労省報告案について、日経新聞の《日本型労働に風穴〜生産性向上へ厚労省報告書案 脱「年功」、企業の課題》は「脱・時間給」と読み替えて明確に応援団です。《内閣府の推計によると、このままでは日本の労働力人口が2030年までにいまより約900万人減る。労働力が少なくなるのを補おうと労働時間を延ばせば、家庭がおろそかになって少子化に拍車がかかるおそれがある。メリハリのきいた効率的な働き方を広げて、生産性を上げるしかない。脱・時間給の対象も、厚労省が示した5職種から広げる必要がある》。一方、朝日新聞などの報道は労働側の反発を伝えるだけの皮相なものです。

 問題の核心を個人の働き方感覚に見るのは間違いです。ジョブとして仕事の中身を明確にし企業と契約を交わしている欧米の労働者と違い、日本企業では正社員というメンバーになることしか決まっていません。日本のメンバーシップ型だと仕事はいくらでも増やせるのです。

 《メンバーシップ型日本教師の栄光と憂鬱》の例を見れば分かりやすいでしょう。経済協力開発機構の中学校教員の勤務状況調査を取り上げて、国際的比較では《日本の教師が、教師のジョブの中核であるはずの教える時間(teaching)がとても少ない方なのに、事務仕事(Administrative work)がとても多く、とりわけ課外活動(Extracurricular activities)が飛び抜けて多い》と論じます。今回、「残業代ゼロ」となるやや高給な専門職が教員のような仕事の押し付けから逃れられる法律的な保証はありません。

 非正規雇用の問題も本当の「同一労働同一賃金」になっていれば、低い給与が改善される可能性があります。ところが、メンバーシップ型に慣れきっている日本の管理職は、業務全体をジョブとして切り分ける能力に欠けます。いざとなれば「総動員して何とかこなしてしまえ」です。業務の切り分けが生産性を上げる道であるはずで、日本の働き方が根本のところで変わらなければならない時期に来ています。第384回「結婚も離婚後も危うい非正規雇用の給与格差」の問題にも効いて来るのです。


グーグルアースの3Dマップが地方都市にも拡大

 昨年初めに首都圏と宮城県エリアで始まったグーグルアースの3Dマップが全国の地方都市にまで拡大しています。建築物の精巧な3次元化なのでヘリで上空を飛ぶ感じが味わえます。自分の街の空を飛んでみてください。例として広島市の原爆ドーム付近と札幌市の中心部を切り出した写真を掲げます。




 昨年1月の『本格的に空中散歩が味わえるグーグル3Dマップ』では東京の丸の内や新宿などの写真を引用しました。グーグルアースの地名検索で該当の都市に行ったら、マウスのホイール操作などで拡大してください。たくさんある写真のマークにカーソルを合わせると現場の写真が見られます。

 グーグルアースの「ツール」タブにあるフライトシュミレータも使えますが、かなり上空を飛ばないと失速、墜落してしまいます。ヘリのように建物を眺めながら飛ぶには上の写真程度に大きくして、矢印キーで飛行方向を操作するのが善いでしょう。参考にフライトシュミレータでの画面を以下に引用します。大阪の淀川上空を飛んでいるところです。