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緊急措置効かぬ怪物スモッグが中国政府を打ちのめす

 丸6日も悪化し続けた中国の重篤スモッグについて、朝日新聞WEBRONZAで標題のリポートをリリースしました。上から2番目のオレンジ警報まで発動して立ち向かった中国政府の敗北感は計り知れないでしょう。北京の米国大使館が測定した6日間のPM2.5濃度グラフや日本への越境汚染マップを添えています。前文を以下に収録します。

 《いざとなれば打つ手はあると中国政府は身構えていたのに、モンスター級の重篤スモッグは繰り出される緊急措置を悠然と払いのけた。丸6日も続いた大気汚染、下がるどころか尻上がり上昇のPM2.5濃度で面目丸つぶれ。人工衛星で見た今回スモッグの重篤部分は81万平方キロ。東京から博多まで直線で約900キロあり、これを一辺とした正方形面積に相当した。こんな膨大な空間に汚染物質が充満したら、小手先の対策は効かない。中国がエネルギーと資源の大浪費型経済成長に突き進んできたツケが噴き出している》

 本文はWEBRONZAでお読みください。後半部分は朝日新聞有料会員でないと読めませんが、第410回「警報の効き目無い中国大気汚染、25日から日本覆う」第411回「越境PM2.5スモッグ、広域で注意喚起レベル85超」などを読まれたら補えると思います。結語に引用したWHOのくだりだけ収録します。《世界保健機関(WHO)が25日、今回の長期スモッグを憂慮して大気の改善を求める警告を出している。「簡単な解決策はなく、産業と経済の管理が必要」とのコメントが付けられている》


越境PM2.5スモッグ、広域で注意喚起レベル85超

 中国から越境してきた微粒子PM2.5スモッグが25日午後から各地に現れ、午後6時現在で環境省が設定した注意喚起レベル超えが26地点、環境基準超えは全国測定基地の4割、474地点にもなっています。注意喚起レベルはPM2.5が大気1立方メートル当たり85マイクログラム、環境基準は同35マイクログラム。85マイクログラムを超えているのは富山・石川・福井・兵庫・大阪・島根・福岡で、最高は大阪・柏原市内の147マイクログラム、2番目106マイクログラムの島根・浜田市では注意喚起レベル超えが3時から続いています。環境省のデータをグラフ化している「PM2.5まとめ」から汚染マップを引用します。


 黒が注意喚起レベル超え、赤が環境基準超えを表します。中国・北京周辺では汚染大気の移動で一時改善する予測があったのですが、逆に重汚染はますます酷くなり、24日夜からPM2.5の値が400マイクログラム前後にも上っています。第410回「警報の効き目無い中国大気汚染、25日から日本覆う」で、重篤スモッグ初のオレンジ警報が21日に発動された経緯を参照してください。中国側は27日からようやく空気が良好になると予測しています。

 【追補】注意喚起レベルを超えた新潟や大阪などの府県で、市民へ外出の自粛などが実際に呼びかけられました。注意喚起レベル地点は午後8時の34地点を最高にその後は減っていますが、環境基準超え地点は増え続けて、26日午前0時で601地点と全国測定ポイント1124の半数を超えています。26日は次の正午汚染マップが示すように東北から関東の東日本に広がりました。ひどい場所ではPM2.5が丸1日以上100マイクログラム前後を保った地点がいくつもありました。環境基準超えどころか、倍の70マイクログラム前後で1日維持の地点も珍しくなく、我が家に近い観測基地も含まれました。健康に響くほどのPM2.5越境汚染が非常に広範囲にあった点は記憶されるべきでしょう。





警報の効き目無い中国大気汚染、25日から日本覆う

 重篤スモッグが連日になっている北京市は21日、上から2番目に重いオレンジ警報を発動しました。車両ナンバーの偶数奇数で半数を強制停止する赤色警報を残していますが、緊急措置の大気汚染改善は明確でありません。赤色警報にならなかった理由は24日に冷たい空気が入って一息つける見込みがあり、3日間連続で最悪の「厳重汚染」にならないためだそうです。しかし、この空気移動で25日から日本全国が濃厚になったPM2.5スモッグに覆われそうなのですから迷惑な話です。日本のSPRINTARSチームによる25日21時の微粒子大気汚染予測図を掲げます。


 連日スモッグの原因は高気圧に覆われる中で上空1000メートル付近に空気の逆転層が出来て、対流による拡散が阻まれている要因が大きいようです。警報発動による主な対策は▼公共交通機関の輸送力を増やしてクルマからの転換を促す▼交通規制とアイドリングの停止▼道路の清掃やスプリンクラーでの水散布を大幅に増やす▼花火や野焼きを禁止、屋台の焼き肉店も閉めさせる▼北京市内のセメントや鉄鋼化学など111企業で生産停止や大幅削減――が排出源側です。市民側には学校での屋外活動停止や、外で運動しないよう呼びかけがされています。

 では室内なら安全か、法制晩報の記者が屋外でPM2.5が大気1立方メートル当たり330マイクログラムあった海淀区で、スポーツジムを訪ねて室内のPM2.5濃度を測っています。ビルの4階、20人以上が運動していた場所で91マイクログラムでした。中国の環境基準に照らしてもアウトですし、日本なら論外です。専門家が「運動不足があるとしても激しい運動は避けるべき」とコメントとしています。


 警報に青・黄・橙・赤の4段階とは第409回「中国大気汚染の緊急措置、無為・ずさんが露呈中」で紹介しました。「橙(だいだい)」になじみが薄くなっているので英語式にオレンジとしました。中旬のスモッグでは初歩的な青色警報しか出さずメディアから大ブーイングを浴びました。今回は黄色警報にして、直後にオレンジ警報まで格上げしたのですが、上に掲げた「北京AQI図」のように22日土曜夜まで「厳重汚染」(大気質指数AQI300以上:PM2.5なら250マイクログラム以上)が続いています。赤色警報でクルマの半分を止める「劇薬」がどれほど効くか試しておくべき好機だったでしょう。半分運行停止は2008年の北京五輪期間を乗り切った伝説の奥の手ながら、中国の車両台数が当時の2.5倍にも膨らんでいます。第398回「中国政府も深刻大気汚染の底知れ無さに目覚める」を参照してください。

 日本へのPM2.5スモッグ飛来は昨夏の第373回「中国大気汚染が高濃度で関東から西日本を覆う」で書いています。11月の「西日本各地でPM2.5による重汚染の異常事態」にある日中の重汚染継続も現実に起きていて、早朝・午前中のPM2.5濃度動向で判断する環境省の対応で手ぬるいことは明らかです。今回のスモッグはかなりの濃度のままで25、26日の2日間居座りそうです。期間中に雨があれば消えるのですが、期待できません。

 【参照】インターネットで読み解く!
     「『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない」
     第401回「中国大気汚染の実態:二次合成と工場が2大源」


中国大気汚染の緊急措置、無為・ずさんが露呈中

 中国政府が1月に大気汚染時の強力な緊急措置を発表しました。しかし、今月中旬の最悪レベル汚染に有効な手が打たれず、国営メディアから失望されています。さらに警報が出ても地方政府が何もしなかったケースも報道される有り様です。昨年1月からクローズアップされた重篤スモッグ、北京など北部ばかりか上海など東部地区や香港・広東など南部地区へと広がる一方です。強力な緊急措置を発動したら経済活動に打撃を与えるのは確実ながら、こんなに重篤でも発動しないのかと不満は高まるばかりです。


 人民日報には毎日のように各都市の汚染ランクがグラフで掲示されるようになりました。上には東部各都市がスモッグに覆われた12月のグラフを引用しました。微粒子PM2.5が大気1立方メートル当たり35マイクログラムが日本の環境基準ですが、上海・南京など軒並み10倍前後に達していました。

 爆竹や花火が使われる旧正月の締めくくり元宵節の14日から、北京はこれに勝るとも劣らない汚染に見舞われました。北京市環境保護監測センターの調べで16〜17日の24時間PM2.5平均濃度が432マイクログラム/立方メートルと言います。一時900マイクログラムの記録もあり、大気質指数AQIの最大値500を超えてしまう「爆表」が発生の厳重汚染状態連続でした。

 ところが、緊急措置で最も低い青色警報が発令されただけであり、ほとんど効き目は無かったようです。このため《大気汚染に措置講じず 国営TVが北京市政府を痛烈批判=中国》が次のように伝える事態になりました。

 《中国網はCCTV経済チャンネルの公式微博(ウェイボー、中国語版ツイッター)アカウントが15日に発表した2つの「つぶやき」を紹介した。1つめの「北京政府よ、霧に乗じて盲目を装うな」という「つぶやき」では、「政府は盲目であってはならない。自分の責任を負え、無恥、無為になるな。ここでは、霧を管理している人はいるのかと言いたい」とした。2つめではPM2.5で記録的な数値が出ているのにいつまでたっても車両通行制限や工場の操業停止などといった措置をとらなかったことを批判。「どんな汚染状況になったら『伝説』の緊急措置案を発動するのかわれわれには分からない」と語気を強めた》

 これが多数のメディアに転載されたのですが、検閲によってほとんど削除されています。現在、読めるのは国営英文メディアのチャイナ・デイリー《Beijing govt criticized for ongoing smog》だけのようです。

 当局の説明によると警報には青・黄・橙・赤の4段階があり、車両の半分をナンバープレートの偶数奇数で強制運行停止させる「赤」に至るには厳重汚染が3日間連続する予測が必要とされています。3日先まで見通してとは、極めて恣意的な判断になると考えられます。

 そんな中、北京の隣、河北省の保定市では13日にクルマの通行規制を伴う黄色警報が発令されたのに、交通警察など規制部門が発令に気付かなかった失態が報道されました。しかも、このようなミスは初めてではないようです。

 昨年末の第398回「中国政府も深刻大気汚染の底知れ無さに目覚める」で国営新華社通信の覚醒を伝えましたが、まだまだ道遠しです。中国メディア自身が「北京は人間が住める場所でなくなりつつある」と言い出しました。1年前の問題意識「『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない」がまだ有効であり、日本のメディアは汚染の上っ面にしか関心がないようです。


働く高齢者増加はやはり若者の職を奪っている

 日経新聞朝刊トップ《高齢者が働く人の1割に 636万人、世界に先行》が気になって、元になっている労働力調査速報を見直しました。年齢別就業率の推移から、やはり若者の職を奪っていると言わざるを得ません。「日本が高齢者雇用で世界に先行していることを裏づけた」と前向きにうたっていますが、高齢者の視点ばかりでは困ります。若者層への影響には65歳以上の高齢者以外に、60〜64歳の層が過去10年で8.2ポイントも就業率を上げた点も見逃せません。最も割を食っている15〜24歳の男性と並べてグラフにしたのでご覧ください。


 2008年のリーマン・ショックで15〜24歳男性の就業率が目減りしたのに、60〜64歳と65〜69歳の層は影響を受けず、就業率を伸ばし続けました。60歳定年制での再雇用が中心でしょうから給与は大幅に減っているはずです。それが職業経験がない若者の新規雇用を阻んだと考えられます。過去10年間で65〜69歳は5.2ポイント、70〜74歳でも2.2ポイントも就業率を増えました。これに対して15〜24歳男性は1.2ポイント、25〜34歳男性は0.6ポイントそれぞれ減らしています。

 就業者と完全失業者を合わせた労働力人口の対人口比率が、65歳以上の高齢者で20.5%ある点も「人口減少下で日本経済が成長するには、海外に比べて遅れている女性の活用に加え、高齢者雇用をさらに促すことが必要になる」と手放しで歓迎できるか疑問です。欧州諸国ではこの数字は1桁が当たり前です。高齢になってまで働きたくないけれど、やむを得ず働く層が相当多数いると考えられるからです。

 【参照】インターネットで読み解く!
     第403回「暗雲続くアジアの若者層、失業率は高止まり」
     第368回「生涯未婚率は男35%、女27%にも:少子化対策無力」


エネルギー基本計画の錯誤、核燃サイクルは瀕死

 政府策定中のエネルギー基本計画をめぐり高速増殖炉もんじゅに言及するニュースが続いています。まだ活用できるとの錯誤は、再処理工場を含め核燃料サイクルが技術的瀕死状態にあると知らないから出来る愚かな議論です。イエスマンだった原子力安全委員会時代ならば、政府が核燃サイクルを動かす決定ができました。しかし、独立した原子力規制委員会は航空機テロによる破壊まで考えて重大事故時の安全性を厳しくチェックする姿勢です。第407回「核燃料再処理工場の不合格確定、核燃サイクル崩壊」で重大事故を考えない再処理工場は新規制基準をパスする見込みが無くなったと指摘しました。水を掛けて冷やせない金属ナトリウム冷却の高速炉もんじゅは、重大事故に至ったら打つ手を無くして爆発的に暴走します。どう使うにせよ、運転を許可される見込みは極めて薄いのです。

 2月8日の日経新聞《もんじゅ転用 壁高く 「増殖炉」エネ計画に盛らず》が口火を切った感があります。《政府は新たなエネルギー基本計画で2050年までに高速増殖炉を実用化する従来目標を盛り込まない方針。原子力発電所から出る核のゴミを減らす研究機能を前面に出す案も検討している》

 16日の朝日新聞《もんじゅの研究機能強化、自民が検討 3月に最終決定》は《自民党の高市早苗政調会長は16日のNHK番組で、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の役割について「高レベル放射性廃棄物の減容化、毒性期間の短縮化を実現できるか、党内で検討させている」と述べ、核のごみを減らす研究開発機能を強化する考えを示した》と伝えています。

 北海道新聞などが「もんじゅの単なる延命策であり、廃炉にして核燃サイクルから撤退する方策を示すのが筋」と批判しています。ナトリウム漏れ事故以降のずさんな保守管理状況から、原子力規制委はもんじゅの運転準備さえ禁じているのが現状です。もんじゅの技術的な問題は第353回「高速炉もんじゅ稼働を絶望にする安全設備要求」に詳しく書きました。

 いまエネルギー基本計画を作るならば、核燃料サイクル計画全体に正面から向き合うべきです。2兆円も投下して完成できない核燃料再処理工場、1995年から停止したままで年間200億円の維持費がかかる高速増殖炉もんじゅ、そして何よりも外国への再処理委託でプルトニウムを44トンも所有してしまった始末です。8キロあれば原爆が1発できるプルトニウムをこんなに膨大に持ってどうするのか。過去の路線失敗を隠すために、もんじゅを延命する小細工をしても始まりません。完工延期を17年も続けている再処理工場が現設備では運転できないと判明する、全面的な行き詰まりが年内に露呈します。


核燃料再処理工場の不合格確定、核燃サイクル崩壊

 福島原発事故をうけた新規制基準の適合性審査が始まった青森・六ケ所再処理工場は、早くも不合格が確定したとお伝えすべき惨状になっています。高速増殖炉もんじゅも動く可能性はなく、核燃料サイクルは崩壊です。原子力規制委での審査会合は2月3日の第3回から実質審査に入りました。再処理工場は使用済み核燃料からウランとプルトニウムを分離、その過程で被覆管に封じ込められた大量の放射性希ガスや高レベル廃棄物を解放してしまうので非常な危険が伴います。これまで考えなかった重大事故を想定せよとの新規制基準は、第369回「再処理工場、新規制基準は設計やり直さす大鉄槌」で指摘したように重たすぎる課題です。

 審査開始とは言え被覆管のせん断からの本工程は先の話、使用済み核燃料をプールに受け入れる段階が対象になっただけです。まだ早いが、念のためにとユーチューブ動画中継「第3回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合」を視聴して、事業者である日本原燃の技術レベル、理解レベルの貧しさに唖然とさせられました。この頭の固さなら、最初の再処理工場完成予定から17年も遅れているのも無理からぬと改めて思いました。

 核燃料プール受け入れ段階で日本原燃側は重大事故の想定をしなかったと言えます。遠い昔の工場設計段階で並べていた事故事象から、プール冷却水配管に穴が開いてちょろちょろと水が漏れ出すケースなどをリストアップしただけです。こんなのんびりした事故なら現有設備で十分に対応できますから、貯水槽・貯水池から臨時のホースラインを敷設してポンプで水を送るので「問題ありません」と答えて平然としています。

 日本原燃の説明が大半終わった頃、原子力規制委から堪りかねたように疑問が出ました。「プールから水の大量漏えいで燃料が危うくなった場合を想定するのではないのか」「ポンプでの送水は高温になった燃料を冷やせる能力があるか検証すべきではないか」「放射線量が上がった環境が考えられていない。水蒸気が充満して監視カメラは使えないはず。現有タイプの水位計も使えないのではないか」「被覆管が溶け出すジルコニウム火災、それによる放射性希ガスの放出は考えないのか」

 日本原燃側は「深層防護としてどこまで考えるべきか検討したい」と、しどろもどろになります。原子力規制委の更田委員が「この段階にこだわらず、ひと通りやり取りしてから重大事故の網羅性に戻ってもいい。後の段階にもっと大きな問題があるかも知れない」と引き取りました。

 福島原発事故では何が起きているのか全く見えなかった――新規制基準はその深刻な反省に立って、従来の想定で扱わなかった重大事故に踏み込んでいます。大規模自然災害や航空機テロまでも含めて、思いがけぬ事態に至って設備と人がどこまで対応できるかストレステストの意味合いも含みます。その理解の上で、燃料受け入れプール段階のやり取りだけで、再処理工場側の新規制準備は適合性審査を受ける段階に至っていないと申し上げます。今年10月の工場完工予定など、夢のまた夢です。

 【参照】インターネットで読み解く!第353回「高速炉もんじゅ稼働を絶望にする安全設備要求」


鳥インフルエンザ流行第2波、200人突破し拡大

 昨年の第1波に続く中国の鳥インフルエンザH7N9型流行第2波が9日、患者数200人を突破しました。ウイルス感染は拡大の一方であり、防疫に努めている中国当局にも制御出来なくなっていると見られます。ヒト・ヒト感染が疑われる家族内での多発例が3件あり、死者数も40人に迫っています。WHOが先月出したリポートにある週ごとの発生例数グラフに、人民日報などが報じている最新のデータを加筆して掲げます。


 1月第3週ごろから毎日の発生数が膨らみ続け、各地の衛生庁が発表した日でまとめると1日11例になった日もあります。最近の3週間は40人を超える患者が出ています。旧正月の帰省による人の移動が大規模にあり、感染の機会が増えたのは間違いありません。お祝いに生きた鳥をさばいて料理する食習慣も悪影響を与えています。

 《<鳥インフル>中国はウイルスまん延の制御に失敗した、専門家が指摘―独紙》が《独紙ディ・ヴェルトは、ウイルスまん延の制御に失敗したとの専門家の声を紹介している。中国は1月31日から旧正月休み。数億人が移動する帰郷ラッシュに伴ってウイルスが拡散した可能性が懸念されている》と伝える通りです。

 高齢者から若い世代に拡大する傾向はますます強くなり、最近1週間で10歳未満の患者が6人も報告されました。また、死亡してから鳥インフルエンザと確定診断されるケースも跡を絶ちません。第356回「感染爆発寸前、鳥インフルエンザの困った事情」で指摘した中国医療保険制度の貧しさに起因する悲劇です。

 【参照】インターネットで読み解く!第405回「再流行の鳥インフルエンザ、患者規模が昨年を超す」


インド大気汚染、信じられないほどのPM10値継続

 年明けから大気汚染の深刻さは中国以上と伝えられているインドで、7日昼過ぎから信じられないPM10値が継続されています。大気1立方メートル当たり1985マイクログラムで測定上限の「2000」を超えている模様。デリー首都圏北西部のパンジャブ・バーグにある観測ポイントで、以下に掲げるグラフのように7日午後1時、「170」前後から一気に上昇、夜通し高水準のままです。インド環境基準の20倍にもなります。微粒子の粒が小さいPM2.5の方はせいぜい「120」程度で推移しています。PM10値は東部の交通拠点アナンド・ビハールでも7日夕に「813」に達しました。


 地元紙ザ・タイムズ・オブ・インディアが「デリーと北京、どちらの汚染が酷いか」を6日に掲載したばかりです。健康被害がより大きいPM2.5の比重が高い中国と単純比較できないものの、インドの問題は行政が放置して取り組もうとしない点だと指摘します。そうなる理由は中国と違って市民からの抗議がほとんどないからだ、というのでは困った国です。

 しかし、医療関係者は「かつて無いほど大量の呼吸器系患者が、特に子供に多く見られる。このまま汚染が進めば子どもたちの肺機能が損なわれるだろう」と警告しています。

 昨年11月に書いた第391回「インド大気汚染さらに悪化、危険過ぎるPM2.5とPM10値」ではPM2.5が「1020マイクログラム」にもなった状況を捉えています。インドと中国では汚染源や気象条件にかなりの違いがあるようです。 なお、日本大使館の「インドの大気汚染と粒子状物質(PM10及びPM2.5)について」にも中印の比較データがあります。


政治の閉塞破るには自公選挙複合体の解体が必要

 安倍政権の右ぶれ・横暴ぶりが目立つ中、歯止めをかけられる野党がなくなりました。連立を組んでいる公明党の存在も霞む一方です。内政でも外交でも無視され続けるなら本来の中道政党として連立政権を出るべきです。選挙の足腰が弱くなった自民を組織力の公明が下支えする「自公選挙複合体」を解体する機会が来たと言えます。本来なら民主党が政権を取って下野した際に解消さるべきだったのに、選挙上の都合からしっかりした政策合意の担保もなしに継続して政治を歪めています。次に掲げる政党支持率推移グラフにあるように、自民には次の総選挙を心配する必要が無くなりました。


 時事通信の《率直さ目立つ安倍首相答弁=持論展開、高支持率で自信?−参院予算委》が《「安倍色」の強い政策には連立を組む公明党に抵抗があるが、同党の反応を気にしている様子はうかがえない》と首相の「独善」ぶりを伝えています。これに対して公明はこうでしかありません。《こうした首相の姿勢は公明党を刺激している。同党幹部は「今後の選挙協力を考えれば、首相も強引なことはできないはずだ」と話すが、首相の真意をつかみ切れていないのが実態だ》

 集団的自衛権や改憲問題、教育委員会の改組、中韓との外交など、平和と福祉の看板を掲げる公明との摩擦を引き起こす問題が目白押しです。その公明が与党であるために議論に遠慮していては政治を閉塞させてしまいます。なにせ直近の国政選挙で得票率第2党なのですから。

 昨夏の参院選比例代表の主な政党得票率は次の通りでした。
  自民党  34.68% 
  公明党  14.22% 
  民主党  13.40% 
  維新の会 11.94% 
  共産党   9.68% 
  みんなの党 8.93% 

 安倍政権が擦り寄りつつある維新の会やみんなの党を取り込めれば、公明と離れても構わないと考えている可能性があります。安倍色を出すには公明の平和主義は迷惑であり、自公選挙複合体は以前の民主党のような強力な対立政党が無くなった現在、無用なのです。過去4回の国政選挙における政党支持率と得票率との関係を、第372回「自民の超大勝を有権者は望んでいなかった:参院選」でグラフ化しているので参照してください。


パソコンで音楽ならハイレゾよりまずワサピを

 PCオーディオでハイレゾ機能搭載商品が急速に増えてきました。しかし、それに手を出すならWASAPIが先でしょう。ウインドウズパソコンを使っている方、劇的に音が良くなること請け合いの使い方をお試しあれ。WASAPIとはウインドウズ・オーディオ・セッション・アプリケーション・プログラミング・インタフェースの頭文字です。Windows Vista以降のパソコンで標準搭載機能です。これまでのパソコンでもCDは聞けましたが、実は音質は良くなかったのです。WASAPIを使って初めてCDプレーヤ並になったと言えます。問題は買ってきたパソコンにWASAPIを使うソフトが備わっていない点です。

 ソニーの「Music Unlimited」などの音楽配信サービスを利用された方は音質が良いことに気づかれると思います。音楽配信サービスは音楽のデジタル盗み取りを防ぐために、ウインドウズOSのミキサーをパスして直接、音を出力します。音質への配慮が無いミキサーが音を悪くしていました。透明感の高い楽器や声を通すと、響きにニジミのようなモヤモヤ感が付与されているのが分かります。いわゆる歪で、ちゃんとしたオーディオ機器は歪率に気を配って設計されますが、ウインドウズOSのミキサーは未だに無頓着です。

 「WASAPI排他モード」を使うと音楽配信サービスソフトのようにミキサーをパスして音を出してくれます。前のウインドウズ時代からこの機能を使う面倒なセッティングをしてきました。先月、ウインドウズ7・OSが機能停止してハードディスクを買い替えインストールをやり直したのを機会に、「MPC-HC」というフリーソフトのWASAPI利用機能で間に合わせることにしました。《Media Player Classic - Homecinema》から最新版がダウンロードできます。AVCHD系の動画も見られる高機能AVソフトです。


 上の図のように、「表示」タブ一番下の「オプション」画面を呼び出します。出力の項目にあるオーディオレンダラを「MPC-HC Audio Renderer」に切り替えてOKすれば、WASAPI排他モードで音を出すようになります。「排他モード」とは音の出力を独占する意味なので、このソフトを起動すると他のソフトの音声機能が停止されますから、不要なときは起こさないでください。また「MPC Audio Rendererが壊れている、使用しないでください」とのメッセージが出るように、一時停止時などにたまに暴走しますが、停止して起動し直せば問題はありません。

 メインのデスクトップパソコンは『続・ベルリンフィルに耐えるPC用オーディオ』で紹介した2万円クラスのUSBオーディオインターフェースを使っています。今回は一般向けに、2009年の東芝ノートパソコン(15.6型)ヘッドフォン端子で音の比較をしました。ハーマンカードンの小型スピーカを積んだ音にこだわった機械で、AKGのK404という3千円台で買えるヘッドフォンでも明瞭に差が出ます。ちりちりした歪が除去されたクリアーな音になります。もちろん何万円かする上級機なら当然、明解です。

 CDよりも高精細の波形が扱えるハイレゾ機能のUSB機器に買い換えたいとも考えています。健康診断の耳の高音チェックでもあまり衰えていないので楽しみにはしていますが、アルバム1点3000円くらいを新たに買い揃えるのは大変です。月980円の「Music Unlimited」で以前に興味があったけれど聞けなかったアルバムをたくさん聞く方が面白いとも感じています。最近、美空ひばりの重厚なコレクションが加わったのも魅力です。この不世出の歌手、実はオリジナル曲はあまり聴きません。持っているアルバムは晩年に本人が選んで歌った「日本の名曲」シリーズ中心で、どれをとってもオリジナル歌手より深い読み込みと圧倒的に多彩な表現力にまいります。そのカバーソング集が大量に聴けるようになりました。ハイレゾ機器への投資は今少し待ちましょう。