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日本に続き中国も超特急で超高齢社会へ突入予定

 中国の「一人っ子政策」が終わりそうとの報道が目立ちます。しかし、既に超高齢社会へ入った日本と、中国は似た年齢構成で30年遅れて後を追っており、富む前に老いてしまうと恐れての政策転換は手遅れのようです。65歳以上の老年人口が総人口に占める割合「高齢化率」が14%を超えると高齢社会、21%超えなら超高齢社会と分類します。中国は2025年過ぎには高齢社会に、2035年過ぎに超高齢社会に入ると予測され、子供を増やすなら早期に方向転換するべきでした。また、先行する日本社会の老齢化も間もなく無為無策であってはならないレベルまで深刻化します。

 日中の老齢化カーブが比較しやすい老年人口指数の推移グラフを国連推計から作りました。老年人口の生産年齢人口(15〜64歳)に対する割合です。


 1995年に高齢社会、2007年に超高齢社会になった日本のカーブとそっくり並行して、中国の高齢化が進みます。女性が生涯に生む子の数、合計特殊出生率が2005年に1.26まで下がった日本は実質的に一人っ子政策をしていたようなものでした。また外国人が人口の2%もいない「移民拒絶国」ですから、国民の老齢化がストレートに反映されます。中国では不法入国者の報道が聞かれ始めましたが、数は知れています。

 財経新聞の《中国の一人っ子政策:2016年から撤廃も、急速に進む高齢化に対応》は「急速に進む高齢化に対応するため、一人っ子政策を撤廃することが政府の内部で検討されており、早ければ2016年から実行される」と伝えました。しかし、同時に「第6回人口調査では女性の合計特殊出生率が1.18」しかなく、この数字は不妊や独身などの女性を含まない過大なものだったとの指摘も紹介しています。人口統計の不備で高齢化が隠れている恐れがあります。

 子どもが多いアジアの大人口国、例えばインドネシアが高齢社会になるのは2045年ごろ、超高齢社会は2075年ごろです。巨大人口を賄う食糧供給の弱点を抱えて高齢化に突き進んでいる中国と、大きな差があります。《コラム:中国「二人っ子政策」は遅きに失する》など、海外メディアに政策転換の効力に懐疑的な論調が目立ちます。

 ところで、2050年には中国の老年人口指数は現在の日本並みの40%になってしまいます。いま農村部でゼロに等しい社会福祉制度は整備できているでしょうか。一方、2050年の日本、70%を超える状態も想像しにくいものがあります。是非とも指数50%に達するこの数年の間に、このまま進んで世界に対して競争力がある経済運営が出来るのか、国家の行く末を検討しなければなりません。

 1999年に書いた第73回「非婚化の先に見える多民族社会」を読み返して、21世紀に漠然と願望された出生率の本格回復はありませんし、拡大期待の国際結婚ブームも萎縮しています。海外移民導入を拒んだまま、極東のこじんまりした国にしてしまうのか、大局的な国家進路選択の時は迫っているように見えます。

 【参照】第368回「生涯未婚率は男35%、女27%にも:少子化対策無力」
     インターネットで読み解く! 「中国」関連エントリー


現状把握が出来ない東電に代わり政府廃炉本部を

 問題は出尽くしたとの保証が無くて対策を立てる意味がありません。福島原発の放射能汚染水流出問題で、東電が現状把握すらしていない実態が明らかになったのだから政府責任で廃炉実施本部を作るしかありません。東電非難だけが続いているのは不当で、責任を放棄している政府こそ非難されるべきです。構内全域で放射線量の記録をする程度の実務能力にも欠けている東電に代わって、モニタリング体制の構築からやり直さなければなりません。そんな細かい実務指示までスタッフが手薄な原子力規制委に委ねるのは不可能ですから、別の執行機関が必要です。

 新たなタンクからの汚染水漏れと側溝からの海洋流出は、政府が8月はじめに打ち出した汚染水流出対策に含まれていない後背地で起きています。対策に入っている原子炉建屋から海に迫った場所でも、新たな高濃度大量汚染水が見つかったばかりなのにです。

 NHKの《原子力規制委員「東電は国に要望を」》を見て再び驚かされました。《更田委員は「タンクから漏れることを前提とした準備が取られていたとは思えない。異常に気付くには小さな変化も見逃せないが、そのために必要となるタンク周辺の通常の放射線量の記録などが残されていないのは点検に対する姿勢を疑わざるをえない」と東京電力の対応を批判しました》《東京電力側からは「点検を強化するには4倍の人員が要る」などと説明があったということで、これに対して更田委員は「できないことがあれば声を上げてほしい」と呼びかけた》

 重大な問題を呼ぶ異常を早く見つけるには、変化をモニターして検出しなければならないという技術常識すら東電の幹部にはありません。後背地には大量の汚染水タンクがひしめいています。安普請をして間に合わせたタンク群、これまでの安直な対策実施にどんな瑕疵があるか、分かったものではないと考えられます。きちんとした作業マニュアルを作る能力が無いと見受けられますから、廃炉実施本部にはプラントの現場が分かる専門家の動員が要ります。

 原子力に批判的な京大原子炉の小出裕章助教は《報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」》で、2011年4月にあった高濃度汚染水海洋流出と漏れ口をコンクリート投入で塞いだ処置についても、根本的な疑問を投げています。

 《ピットというところがあって、海に向かってジャージャーと滝のように汚染水が流れている事が目に見えたのです》《「これは大変だ」という事で、東京電力はそこを大変な苦闘をしながら塞いだのです。その塞いだ途端にマスコミの方々は「ああ、これで汚染水の漏れは防いだ」と思ったのかもしれませんが、そんなことはある道理が無いのです。コンクリートというのはもともと水を蓄える・漏らさないという力はありませんし、福島第一原子力発電所の場合には大きな地震に襲われて、そこいら中にひび割れが生じているはずで、目に見えなくても地下で汚染水はもうダダ漏れだったのです》それならば流出放射能量はこれまでの推定よりも遥かに多いことになります。

 国際的な批判が高まってきている汚染水海洋流出です。流出を封じる本格的な遮水壁で囲うには1〜2年はかかると、のんびり構えていられるのでしょうか。判断の主体が東電でなく政府ならば、海外への説明・対応を考えても手ぬるすぎると言われるでしょう。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


祝イチロー4000本。目指せプロ世界最高安打数

 イチローが22年の短期間で日米4000安打達成です。今後まだまだ伸びる記録については日米にまたがっている点で前々から議論があります。いや、スローガンを変えたらいいのです。目指せ「プロ世界最高安打数」です。大リーグ記録のピート・ローズ4256本を超えた時点で「日米摩擦」が起こりかねないと心配する方がいるほどですが、大リーグ3000本まで278本のイチローなら当然やってしまうでしょう。

 MLB公式サイトの記事『Ichiro joins select group with 4,000th hit』も記録の議論に触れていて、ローズら2人以外にもマイナーリーグまで通算すると4000安打グループは増えると指摘します。有名な強打者ハンク・アーロン4095本など3人を挙げています。

 しかし、プロ野球選手の記録が整備されている日米でこれだけしか4000安打記録者はいないのです。ちまちました限定条件を付けずに、すっきりと世界最高安打数を目指せと主張します。『10年連続200安打、まだまだ夢は続くイチロー』で、10年連続200安打達成についてピート・ローズとの確執があったと紹介しました。相手は大リーグにこだわっているのですから、なおのこと細かなカテゴリー分けを排した世界一で勝負しましょう。

 ヤンキースの同僚たちがダッグアウトから全員出てきて、記録達成した1塁上のイチローをハグして祝福してくれたシーンには熱いものを感じました。ヤンキースに移籍してよかったなと思わせる瞬間でした。MLBサイト記事でキャプテンのジーターが「consistent」とう言葉を使ってイチローを讃えています。「首尾一貫」「信念がある」などの訳語がありますが、「誰にも負けないひたむき」の意味に解しておきましょう。

 【参照】インターネットで読み解く!「イチロー」関連エントリー


全く着々とは進んでいない福島原発事故の廃炉

 原子力規制委が14日に福島第一原発の廃炉計画を認可しました。汚染水問題で四苦八苦しているのにと概要を眺めたら、するべき宿題を山積みにして見せた絵に描いた餅でした。田中俊一委員長が癇癪を起こして当然です。1〜3号機で炉心溶融して何処に行ったのか知れない核燃料の所在を探し、安全に取り出すための技術開発をしなければなりません。東電が出来るはずもなく、旧原研のスタッフを引き継ぐ日本原子力研究開発機構がするしかないでしょう。ところが、同機構所管官庁の文部科学省は高速炉もんじゅ運営に特化させる方向なのです。

 日経新聞の《規制委員長、もんじゅ切り離し要求 原子力機構改革 文科省案を批判》はこう報じました。《田中俊一委員長は14日の記者会見で、文部科学省が示した日本原子力研究開発機構の組織改革案について「これでは安全研究が立ちゆかない」などと批判し、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の運営を原子力機構から切り離すことを求めた。原子力機構は秋をメドに独自の改革案をまとめる方針だが、改革の行方は見通せなくなってきた》

 核燃料サイクルに肩入れしている日経だから、大きな状況をつかみ損ねています。『核燃料サイクルは新安全規制で事実上の凍結へ』で指摘しているように、原子力規制委は既に「核燃料サイクルは無理ですよ」と判断していると見るべきです。溶融燃料の完全回収は不可能かも知れませんが、対外的にも取り組まざるをえない福島原発廃炉計画に研究資源を集中すべきなのです。

 廃炉計画要になっている溶融燃料を扱った「 燃料デブリの取出し・廃炉」にはこう書かれています。「現時点において情報を入手できていないため,燃料デブリ等を取り出すための具体的な方策を確定することは難しい状況にある。しかし,燃料デブリを冠水させた状態で取り出す方法が作業被ばく低減等の観点から最も確実な方法の1つであると考えていることから,まずは調査装置等を開発し,格納容器の水張りに向けた調査を行ない,止水に向けた具体的な方策を構築するものとする。また,燃料デブリの取り出し技術の開発に向けて,開発した装置を用いて格納容器内の状況調査を実施する」

 状況調査の方法も既存の管を活用してやってみようとしている段階であり、調査してもは所在不明の燃料が出るのは避けらないでしょう。そもそも格納容器内に燃料は留まっていると東電は主張していますが、格納容器の底を突き破っている恐れも排除できません。水素爆発を起こす前の事故初日から放射能「だだ漏れ」だった事態を第244回「福島第一原発は既に大きく壊れている可能性」に記録してあります。高温高圧になった格納容器は1〜3号機ともに損傷しており、全体に水を張れるように止水するために高い放射線量の下で補修作業をしなければなりません。やってみるしかないけれど、実現はどれも確約は出来ない厳しい道です。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


日米ともに若者はビール嫌い:正統な飲み方は

 若者は苦味があるビールが嫌いと言われます。米国ではギャロップ世論調査が30歳未満の若年層で嗜好変化を伝えています。日本でも家計調査が同じ傾向を示し、他の調査では若い世代ほど甘いお酒を好むようです。連日続いている暑さを乗り切るにはビール万能とは思いません。爽快感があるチューハイやリキュール類、カクテルもいいのではないでしょうか。でも正統派のビールの飲み方知っていれば、ビールに対する見方が変わるはずです。

 IRORIOの《若者のビール離れが加速!? アメリカ世論調査で明らかに》は「30歳未満の若年層でワインやリキュールよりもビールを選ぶ人の割合は1992〜1994年には71%に達していたが、今回の調査では41%と大幅に減少していた」「若年層の好みはこの20年で劇的に変化しており、ワインを好む割合は14%→24%、リキュールは13%→28%と、こちらは大幅アップする結果となっている」と伝えました。


 これは総務省統計局が出している家計ミニトピックス《ビール・「発泡酒・ビール風アルコール飲料」への支出》から引用したグラフです。2人以上世帯の昨年の家計調査で、世帯主が29歳以下家庭は、30歳以上の世代に比べてビールやビール風飲料の年間購入量に歴然とした差があります。60歳代の60リットルに対して29歳以下は27リットルです。日米の若者嗜好は同じと見て良いでしょう。日米で食い違っているのは年上世代の嗜好で、米国の50代以上ではワインが最も好まれ、日本ではワインはまだ少数派です。

 若者はどんなお酒がいいのか、M1F1総研のアンケート調査《若者の“ビール離れ”の検証》によると、20代前半は20代後半に比べてもチューハイ・サワーや梅酒などの果実酒といった甘いお酒が好きと出ています。30代後半よりも年上の世代で甘いお酒を好む割合は、20代に比べれば半分以下になります。

 苦味を感じるビールをますます苦くさせるのが、缶ビールをそのまま飲む最近の習慣です。『缶ビールそのまま飲まないで:若者のビール離れ』で紹介しているように、コップに注いで泡をたてることで苦味成分を泡に移せるのです。本来は甘みがあるビール本体液に、自分が好む程度の苦味を残して飲むのが正統な飲み方です。温度も冷やせば冷やすほど良い訳ではなく、味の濃いビールは室温に近い温度で、薄いビールはギンギンに冷やして飲みます。

 【参照】インターネットで読み解く! 「ビール」関連エントリー


汚染水流出に国が乗り出すも緊急対策は穴だらけ

 福島原発事故による汚染水が海に流出している問題は東電に任せておけないと、政府は緊急対策と1〜2年をかける抜本対策を打ち出しました。この緊急対策ではほとんど何も変わらないだろうと検討すれば見て取れます。海洋放射能汚染防止を国際的に説明はどうするのでしょうか。マスメディア報道は抜本対策に目が向いていますが、1年以上も先の話に注目しないで現在起きている問題点を詰めるべきです。取材相手の設定する土俵に振り回されて、自分で問題は何か考えない愚かさは相変わらずです。


 首相官邸の第31回原子力災害対策本部会議に出された経済産業省の資料です。対策ごとに設ける施設の図面があります。

 緊急対策は、地下のトレンチに溜まった高濃度汚染水を8月中旬から除去▼汚染エリアの地盤など改良と地下水の汲み上げ▼山側から降りてくる地下水を手前のバイパスラインで汲み上げて原発に近づけない――の3点です。最後の、サイト手前で地下水を汲み上げる策は魅力的ですが、大いに疑問有りです。

 経済産業省は毎日1000トンの地下水が原発サイトにやって来て、400トンが建屋地下の高濃度汚染水に流入、300トンが汚染土壌を通過して海へ、300トンが汚染がないまま海へと推定しました。地下水脈と原発の地下は完全に繋がっています。手前のバイパスラインで大量に汲み上げることは可能ながら、それをすれば地下水の水位が山側で下がり、サイト内から高濃度汚染水が逆流する事態が起き得ます。地下の汚染拡大を恐れるなら手探りで様子を見ながら加減するしかありません。

 1日400トンの建屋地下流入であっぷあっぷしている東電は汚染された海岸部で1日100トン程度の汚染地下水を汲み上げ、タンクに保管する対策を考えています。それが1日300トンにもなれば計画が破綻しますが、そもそも地下水を汲み上げれば、周囲の汚染されていない地下水が水位が低いところに集まってきます。山側での地下水ブロック量と関係するので量的に不詳ですが、どこかで汲み上げれば300トンという目安は動くはずで、300トン汲み上げたら安全と国際的に説明できる数字ではないでしょう。

 抜本対策にある原発を囲む陸側遮水壁と海岸を囲む海側遮水壁が完成すれば、地下水の流れが遮断され状況は一変します。巨額になり東電の資金力では難しいので、政府は来年度予算で補助金をつける意向です。完全な遮水壁を早く作るべきだと、原発に批判的なグループは事故直後から主張していました。今回の緊急対策だけで海洋流出が防げると自信を持って言うのは難しく、『東電任せは駄目と明白にした新たな大量汚染水』で期待した強力な司令塔には程遠く見えます。2年半近く構内の放射能汚染マップすら完備しなかった東電に任せてきたツケは大きくなりそうです。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


クロマグロ規制を好機に漁業資源持続へ転換を

 北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)が強力な資源回復策を勧告すると伝えられています。日本が逃げてきた本格的な漁業規制を始める好機と受け止めて、クロマグロに限らぬ漁業資源持続利用へ行動を起こす時です。乱獲漁業が続けば国際的な研究で21世紀半ばには世界の食卓から魚が消えるとの予測があり、現実にニホンウナギが日本の食卓から消える日が見えてきつつあります。国際的な監視の枠組みを持たないニホンウナギは警鐘を鳴らす時期を失しました。クロマグロは下の地図で示す日本の海で生まれ、回遊するのです。数百グラムしかない幼魚ヨコワを採って食べる食習慣を抑制するだけで資源回復効果はあるはずです。(地図引用元


 東京新聞の《太平洋クロマグロ規制へ 漁獲量削減を勧告 国際機関》はこう報じています。《報告書を受け、関係国は年末に開かれる資源管理機関の「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」総会で対策をまとめる。厳しい国際規制の導入は避けられない情勢となりつつある。報告書は特に近年、漁獲の大半を占めている若い魚の漁獲量削減を求めた》

 幸い日本はクロマグロの完全養殖で先行していて、採卵条件を制御できる陸上大型養殖施設がこの夏、稼働を始めました。海中の産卵では自然条件調整が難しく、当たり外れが大きかったのですが、陸上養殖でうまく行けば大量の幼魚を自前で用意して養殖に使えるようになります。

 長崎新聞の《陸上採卵施設にマグロ搬入》が詳しく伝えています。《採卵用親魚になる2歳の「成魚」が搬入された。卵を計画的に安定採取する技術開発を目的に、7月3日から本格稼働する。4年後をめどに、年間1千万粒の採卵を目指している》《主施設の試験棟には、産卵に適した水温や光などを調整できる直径20メートル、深さ6メートルの大型水槽を2基設置。各水槽に成魚約100匹を収容し、2年ほどかけて産卵可能な「親魚」に育てる。採取した受精卵は、西海区水産研究所奄美庁舎(鹿児島・加計呂麻(かけろま)島)へ空輸し、海面いけすで成魚まで育て再び長崎庁舎へ戻す》

 世界のマグロ資源では大西洋と地中海のクロマグロ、インド洋のミナミマグロが深刻な資源枯渇に直面しています。日本が大量に輸入し、新興国でも食べられ始めたからです。太平洋もこれに続く今回の事態ですが、まだまだ資源量がある今だからこそ持続可能な漁業への転機にすべきです。大西洋マグロの危機が表面化した2010年に『クロマグロ禁輸で漁業と水産養殖を見直せ』で「マグロだけに気を取られてはいけない」と訴えました。「世界の海産食品資源は1950年に利用できたものの29%が2003年時点で失われており、残ったものも2048年までにはすべて消えてしまうだろう」との予測を、2013年の今、噛み締めてみるべきです。中国漁船の乱獲などでいっそう資源は海洋悪化している現実があります。


ブルーレイが個人用でDVD逆転:高画質アニメが牽引

 ブルーレイ・レコーダが世に現れて10年、6月ついに個人用ソフトの販売金額がDVDを上回りました。牽引しているのは「ヱヴァンゲリヲン」など国産の高画質アニメで、ハリウッド映画でない点が興味深いところです。家庭用テレビはほとんどが高精細タイプに置き換わってDVD画質では不満が出る状況ですから、ブルーレイが主流になるのは当然の成り行きです。

 AVWATCHの《販売用BDの単月売上金額が初めてDVDを上回る》は「6月の販売用BD/DVDの売上金額は前年同月比90.7%の147億7,300万円となったが、DVDの売上金額が同63.7%(71億9,400万円)と落ち込んだのに対し、BDの売上金額は同151.5%(75億7,900万円)の伸長となった。このため、販売用の単月売上金額で、初めてBDがDVDを上回った」と伝えました。

 日本映像ソフト協会が発表した「2013年 ビデオソフト月間売上速報」によると上半期の合計では、DVDの505億円に対してブルーレイは372億円です。2012年は1.7倍の差があったのに、この上半期で1.35倍になり、ついに単月で逆転です。

 今年前半でブルーレイの売上トップは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.33 YOU CAN (NOT) REDO.」で37万6000枚を売りました。DVD版の2倍も売れています。オリコンの最新ウィークリーランク8月5日付では「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語」が8万枚ですし、「宇宙戦艦ヤマト2199」や「ガールズ&パンツァー」などの国産アニメがよく売れています。

 ブルーレイソフトのレンタルが始まった2010年初めに『ブルーレイディスクの本格普及が見えた』を書いています。日本市場がブルーレイソフト普及の世界的先駆けであり、マニアックで高度な家電製品を真っ先に買う日本の消費者の特性を指摘しました。それから3年かけてのDVD逆転です。画質の差を意識されるようになるとブルーレイの普及が加速されるはずです。


対岸の火事でないPM2.5、抜本的な浄化支援が必要

 7月下旬の1週間、関東以西の日本列島は微粒子PM2.5に覆われ、変動はあるもののほとんどの測定地点で環境基準を超える有様でした。汚染源の中国から聞く対策は愚かしく、強力な浄化支援で身を守るべき事態です。中国環境保護部によると、今年上半期に主要74都市で中国大気汚染基準を満たさなかった日が45%もあったといいます。しかも20%の日は中度以上の汚染という酷さ。スモッグ報道写真が印象鮮烈な北京を中心にした河北エリアは基準を満たさなかった日が69%、外出しないよう呼びかける重度汚染が観測された日が21%もありました。(人民網参照


 上に引用した国内の研究グループ「SPRINTARS」による越境汚染が酷い予測を見て、第373回「中国大気汚染が高濃度で関東から西日本を覆う」を7/25に書いています。環境省のデータを利用している「PM2.5まとめ」でウオッチするそれから1週間、常に200〜400地点で大気1立方メートルあたり35マイクログラムを超える状態が続きました。通常なら下の図のように、韓国を越えてきた汚染大気は早く拡散するのですが、この時期、日本海に梅雨前線を抱えて停滞が続きました。何日も通して環境基準超が持続という観測地点さえありました。

 健康への影響を一般の市民も感じ始めています。日経新聞が《PM2.5で市民7割が「喉の違和感」 福岡市調査》で《アンケートは、3〜5月にPM2.5の1日の平均濃度が国の環境基準値を超えた後の3回と、黄砂飛来前後の4回、メールを通じて実施。各回約1100〜約1800人の市民が回答した。このうち何らかのアレルギー症状を持つ人は56%。PM2.5の飛散後に目のかゆみを感じた人は70%、くしゃみが出た人は60%に上った。市環境保全課は「特にアレルギー症状を持つ人は、市の予測情報を活用して対策をとってほしい」としている》と伝えました。

 人民網(7/12)の《中国、煙霧対策に本腰 「大気汚染防止計画」近く発表》によれば27兆4300億円の資金を投入する計画が7月中にも発表のはずでした。《計画の中で特に注目すべき点は、今後5年以内に大気の質をある程度のレベルまで改善することを明確に示している》といいます。しかし、8月になっても進展がありません。

 未だに汚染発生源を移転して済ませる発想が以下のように見られますから、これは道遠しです。《計画の改正作業に携わった専門家は「例えば、北京・天津・河北地域では、石炭燃焼を大幅に削減するという目標が掲げられた。というのも、この地域の大気汚染は、石炭燃焼に起因するところが大きく、汚染物質の排出量が多く、受容能力を超えているのが、この地域の環境汚染の主因となっているからだ」と指摘した。また、この専門家は、「計画では、大気中の汚染物質含有量の減少を目的として、生産能力の一部を、汚染がそれほど進んでいない他の地域に移転することについても言及している」と続けた》

 中国に多い石炭火力発電などで日本が持つ環境技術を使えば、石炭からの汚染物質は中国の現状に比べ10分の1以下に封じ込められます。東京都の呼びかけを袖にした北京市は北欧のフィンランドと提携しましたが、民間レベルでの環境技術売り込みを含め隣国日本から支援を推し進めたいと考えます。最近見た中国側と初の技術協力のニュースで《微小粒子状物質:日中韓で大気汚染研究 県環境科学国際セン、越境するPM2.5調査 /埼玉》があります。期待できる実態解明研究なのでこれをテコにして、実効がある押し掛け協力に発展させたいものです。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     遅々として進まぬ中国の大気汚染への実効対策
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     第343回「中国大気汚染の絶望的な排出源構成と規制遅れ」
     第345回「中国で暴露、ぼろぼろの環境行政と水資源管理」


東電任せは駄目と明白にした新たな大量汚染水

 福島原発で新たに高濃度の大量汚染水が確認されました。最も驚く点は発電所構内で放射能汚染レベルを確認していない場所が存在する管理の愚劣さです。汚染マップが出来ていないのでは海洋流出防止は全く不可能です。1日には護岸近くで地中の遮水壁工事1列目が完成と伝えられました。水ガラスを地下2メートルから16メートルの深さまで注入した構造では、新たに見つかった汚染水には対応できない恐れがあります。国際的に非難される海への放射能流出は完全に止めねばなりません。政府の権限で強力な司令塔を現地に入れて、指揮を取らせるべきです。2号機取水口付近の地図を原子力規制委の資料から引用します。


 東京新聞の《福島第一 新たに大量の汚染水確認 最大9億5000万ベクレル》はこう伝えています。「最大で放射性セシウムは一リットル当たり計九億五〇〇〇万ベクレル、放射性ストロンチウムなどは五億二〇〇〇万ベクレルを検出」「汚染水が確認されたのは、いずれも直径七メートルほどの巨大な立て坑。タービン建屋に冷却用の海水を引き込むため地下二十数メートルまで掘られた配管を収容するトレンチに接続している。耐震性は非常に高いとされるが、海からは数十メートルしか離れていない」

 遮水壁工事1列目は1・2号機側の対策です。セシウム9億5000万ベクレルが検出された立て坑も1・2号機側ですが、接続しているトレンチの深さが16メートルを上回っています。しかも、海水の取水配管トレンチだというのですから、海への漏洩経路の恐れすらあります。もうひとつ見つかったセシウム3200〜3900万ベクレルの立て坑が3・4号機側です。

 第370回「セシウム日常的海洋流出を東電、福島県は認識」で指摘した通り、3号機取水口付近では、原子炉等規制法の放射性廃棄物濃度限度を超えた汚染が日常的に検出されています。福島県もこの数値を認識しているのに、感覚が麻痺しています。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー