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『がん村』放置は必然、圧殺する中国の環境司法

 中国政府の環境保護部が『がん村(癌症村)』の大量存在を公式に認めました。建前は日本と同じ公害無過失責任追及の国なのに、どうして放置されたままか――環境司法が裁判の場まで持ち込ませず封じ込めています。日本の科学研究費で中国人研究者が実施した研究「中国環境司法の現状に関する考察〜裁判文書を中心に〜」が2006年全国環境統計公報から推定した、環境公害紛争に対する行政と司法の圧殺ぶりは凄まじ過ぎます。環境紛争数61万6122件に対して行政手続受付済の事案数9万1616件で、司法手続受付済の事案数は何と「2418件」にすぎません。255分の1です。

 公害事件の企業などに無過失賠償責任を負わせる法改正は、日本では1972年に成立しました。通常の考え方「過失があるから責任が生じる」を公害に適用すると、被告企業に比べて企業内情報の入手でも裁判費用の面でも非常に弱い立場の原告が、企業側の過失を立証しなければなりません。長い公害との戦いで獲得した国内の共通認識を、法改正の前年1971年の新潟水俣病地裁判決がこう述べています。

 「化学企業が製造工程から生ずる排水を一般の河川等に放出して処理しようとする場合においては、最高の分析検知の技術を用い、排水中の有害物質の有無、その性質、程度等を調査し、これが結果に基づいて、いやしくもこれがため、生物、人体に危害を加えることのないよう万全の措置をとるべきである」「最高技術の設備をもってしてもなお人の生命、身体に危害が及ぶおそれがあるような場合には、企業の操業短縮はもちろん操業停止までが要請されることもあると解する」

 住民による血のにじむ戦いで得られた日本の法律での公害無過失責任と違って、改革開放前の中国は1980年代の水汚染防止法や大気汚染防止法で既に無過失責任を定めていました。先進国の惨状を知っていた上に、社会主義国家として成り立ちから当然といえば当然なのでしょう。しかし、理念だけの法律では生身の人間を動かせません。

 「中国環境司法の現状に関する考察」は全国規模で収集した「裁判文書に反映された法律の適用状況からすると人民法院によって受理される環境事件は水質汚染や騒音問題、近隣関係等の幾つかの種類しか確認できなかった。この傾向は、大量の環境紛争事件が未だに司法の領域に受け入れられていないことを意味し、環境司法への道のりはなお様々な凶難が待ち受けていることを意味する」と指摘、こう指弾します。「人民法院と裁判官の環境司法への保護意識が欠如し、環境保護理念が裁判官の『内心の確信』要素として定着していないため、審理水準や審理能力面において環境紛争解決に必要な対応能力が不十分であり、場合によっては環境資源事件に対する事実認定や審理手続きの運営、法律の適用等の方面においてそれぞれ異なる方向性を示す結果、当事者の裁判への不服結果を招いてしまうことになる」

 さらに1992年、最高裁が無過失責任を補強するようで、実は骨抜きにしてしまう解釈の変更をしました。「中国民事訴訟における『挙証責任』」はこう説明します。《最高人民法院の民事証拠規定は、裁判官の裁量による「挙証責任」分配の規定を設けた。すなわち同規定 7 条は「法規に具体的規定がなく、本規定及びその他の司法解釈により『挙証責任』の負担を確定するすべのない場合には、人民法院は、公平の原則及び誠実信用の原則にもとづき、当事者の挙証能力等の要素を総合して挙証責任の負担を確定することができる」と規定した》

 改革開放による経済発展が始まった時期に、「裁判官の裁量で工場操業停止にも結びつく挙証責任を被告企業に負わせなさい」と言われて、腹が据わった人物がそうそう居るはずがありません。《中国の新「不法行為法」と環境責任》は《因果関係の立証に関しては,2009年不法行為法66条の因果関係に関する証明責任の転換ルールをどのように理解するべきかにつき,理論的検討が急がれる。本論で述べたとおり,同条のルールに関しては,被告側に全面的に証明責任を負担させるべきではなく,まずは原告側に一定の負担――「初歩的な証明」――を課すべきだというのが,学説の大方の見方である》としていて、最高裁変更が経済急成長期での原告立証負担増=被害切り捨てに結びついています。


 第345回「中国で暴露、ぼろぼろの環境行政と水資源管理」で100カ所以上とした『がん村』はさらに200カ所以上とも報道されています。セントラル・ミズーリ大学のリー・リウ(Lee Liu)氏の2010年論文「Made in China: Cancer Villages」にある詳しい地図を引用しました。行政区ごとにいくつの『がん村』があるか、色分けされています。非公式報告を含めると全中国で459カ所、河北省から湖南省までの東側ベルト地帯だけで396カ所と東部に多いものの広く存在します。水俣など日本4大公害病裁判の現地がこんなにあると考えたらよいのでしょう。

 福島原発事故の半年後、サーチナが《中国各地に“癌の村”…「日本の核汚染よりひどい」=重金属問題》を伝えています。《中国では、難病の多発地域が「癌の村」、「死亡村」などと呼ばれている。ほとんどの場合、土壌や地下水の汚染が原因と考えられている。現地当局は実態をよく把握していないので、たとえ発表したとしても「漠然(ばくぜん)とした表現にとどまっている」という。住民も慣れてしまった。「対策を何度も求めても、結局は何の反応もない」からという》

 イタイイタイ病症状が広く見られる《遼寧省葫蘆島市に住む劉鳳霞さんは今年2月2日、夫を亡くした。46歳だった。劉さんは「日本で(原発事故による)核汚染が発生したとのニュースを聞いた時、だれも恐ろしいとは思わなかった。ここの汚染は、日本よりよほどひどい」と述べた》

 『がん村』の住民が浮かばれない中国環境司法の惨状が改まるには法律関係者の内面にも至る改善が必要でしょう。「人治・談合」を止めさせ法治国家の建前に立ち戻るだけでは駄目なのです。住民の訴え・運動をマスメディアやネットの市民が支援してまず裁判に持ち込ませる、さらに環境裁判の在り方まで変えて行かねばならない、気が遠くなる道のりです。中国環境保護部(省に相当)が公式文書で存在を認めた以上は放置は出来ないはずであり、無過失賠償責任を徹底するしかありません。今回の大気汚染・重篤スモッグが関係者の目を開かせてくれればと希望します。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     日本への中国重篤スモッグ流入ぶり連続アニメ
     第343回「中国大気汚染の絶望的な排出源構成と規制遅れ」


中国で暴露、ぼろぼろの環境行政と水資源管理

 春節が終わって大気汚染が改善しないばかりか、中国からは環境汚染で国土も国民も悲惨なニュースが矢継ぎ早に流れてきます。権限が弱い中国環境保護部がこの際、ぼろぼろの環境行政の実態を見せたいかのようです。人間が生きていく上で空気とともに欠かせないのが水です。その水資源管理も破綻に直面しているのが現状と伝わります。どのニュースも日本ならば新聞の1面トップクラスなのに、あまりに淡々と伝えられるので価値判断が狂ってしまいます。

 強烈だったのはレコードチャイナの《中国当局、環境汚染が原因の「がん村」の存在認める=全国に100カ所以上―中国》です。有害な芳香族化合物の大量流出事件や違法な排出・廃棄が全国規模であり、規制する環境行政が後手に回っているために、取り返しがつかないほど住民被害が拡大しています。

 《中国環境保護部が発表した「化学品による環境リスク防止・制御に関する第12次5カ年計画」によると、中国政府は第12次5カ年計画(2011〜2015年)中に人体や生態環境に深刻な影響を及ぼす化学・工業汚染物質3000種以上に対し、全面的な防止・改善措置を施す予定だ》《計画によると、化学物質による環境汚染によって多くの地域で飲用水の深刻な汚染が発見されているだけでなく、がん患者が多発する「がん村」も全国に存在している。中国メディアの報道によると、その数は100カ所以上に上る。「がん村」は当初、海外からのアウトソーシング産業の発達が最も早かった東部沿海地域に集中していた。しかし、東部沿海地域の産業構造の調整や環境保護政策の強化によって環境汚染に関連する産業が内陸部へ移転し、それにともなって汚染エリアや「がん村」も内陸部へと徐々に拡大している》

 時事通信の《97%の都市で地下水汚染=高まる危機感―中国》も、日本ならとんでもない大騒ぎになるほど悪質です。化学工場や製紙工場が有害汚染水を高圧で地下に注入して、正規の廃水処理をサボっています。

 《中国の64%の都市で、地下水が深刻な汚染に見舞われていることが分かった。118都市で継続して調査したデータを基にしたもので、33%の都市も軽度の汚染があるといい「基本的に地下水が清潔な都市」は3%にとどまった。「このデータを報じた17日の中国紙・南方都市報(電子版)は「中国の地下水汚染は既に直視せざるを得ず、根本的に抑制せざるを得ない時に来ている」と危機感を訴えた。中国では水資源全体の3分の1を地下水に依存。高度経済成長により化学工場などが排出する汚水が地下に流れ込むケースが深刻化しているほか、有害物質に汚染された地下水を飲用することで健康被害も拡大しているとされる》

 水資源について調べてみると、大和総研から「中国における水環境問題〜深刻化する水質汚染問題の現状と中央政府の施策」がリリースされています。そこから「図表2 中国行政区別の一人当たり水資源量(2006年)」を以下に引用します。


 中国は長江など大河があって水は豊富でも、人口も多いために1人当たりなら豊富とは言えません。その上に広い国土で偏在しており、このグラフの通り、北京、上海、天津の重要な直轄市などは軒並み「年間1人当たり500立方メートル以下:絶対的水不足の状態」にあります。大都市は特に低く水資源量は上海154、北京142、天津96立方メートルしかありません。

 文部科学省の報告書にある、日本国内の記述と比べてください。《日本の水資源使用量は、生活用水に国民1人当たり1年間に約130立方メートル、工業用水の淡水補給量が1人当たりに換算して約110立方メートル、そして農業用水が約460立方メートルで、合計約700立方メートルになる》。北京、上海の水資源は日本で生活用水をまかなうだけの線に近いのです。

 北京では地下水に頼る割合が高く、地下水位は年々低下する一方です。他の大都市も似た状況で、地下水の工業廃液汚染は致命的です。水資源の豊富な南部の長江などから北部へ水路を造る「南水北調事業」が一方で進められていますが、工事は大幅に遅れており北京市への導水の見通しは立っていないようです。それでも人口の都市集中は止まりません。全国では3億人が飲用水に事欠く有り様とされています。

 ぎりぎりの資源が汚染の危機に瀕している中で、閣僚級である環境保護部長の2007年の発言を、大和総研のリポートが収録しています。《地方政府の幹部の環境責任を問う制度を導入した理由について、「いくつかの地方政府は区域・流域の環境許容能力が限界に近づいているにも関わらず、盲目的にGDP成長率のみを追求し、国家全体の利益や大衆の健康すら犠牲にしてまで少数(筆者注:地方政府の幹部や企業を指すと考えられる)の特定利益を保護している。このような状況を改善するためには教育や啓蒙だけでは不十分であり、強力な抑制メカニズムが不可欠である」》

 今回の重篤スモッグでも犯人の一角、自動車燃料の品質規制強化を環境保護部が求めても、最高指導部と結びついている国営大企業の壁を前にして遅々として進みません。これを好機と実情をぶちまけているのでしょうか、東京新聞の《中国、汚染通報2・6日に1件 半数は危険な化学製品》には《中国環境保護省は23日までに、同省に対して2008年から11年までの4年間に通報があった環境汚染は568件だったと発表した。平均で約2・6日に1件の通報があった計算となる。うち約半数の287件は危険な化学製品による汚染で、違法な垂れ流しや、生産過程や輸送中の事故が原因という。同省は「深刻な健康被害と社会問題を引き起こしている」と危機感を表明》とあります。環境保護部が正式で、日本政府と対応するよう「省」に変えて報道している場合があります。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     日本への中国重篤スモッグ流入ぶり連続アニメ
     第343回「中国大気汚染の絶望的な排出源構成と規制遅れ」


WEBRONZAに「東アジアの国際結婚ブームは去ってしまうのか」

 先日のブログエントリーを東アジア規模に拡張したストーリー《東アジアの国際結婚ブームは去ってしまうのか》を、WEBRONZAで公開しました。「21世紀に入って国籍の壁など吹き飛ぶのではないか、とも思わせた東アジアの国際結婚ブームが急速にしぼみつつある。最新2011年統計では、2005年に結婚件数の13.6%もが国際結婚だった韓国が9.0%に、2006年に6.1%だった日本が3.9%まで落ちた・・・」

 前半で日本と韓国、さらに「嫁不足」を起こしている女性自立の構図から、男女比が極度に男に偏っている中国の問題へと進みます。後半は有料会員でないと読めませんが、参照しているリンクにある私の記事リストに加え、人民網『男女比不均衡、新たな人口移動問題を誘発 中国』、レコードチャイナ『ミャンマーで女性の人身売買が横行、8割が嫁不足の中国へ売られる―ミャンマー紙』を素材にしています。興味がある方は検索してください。


中国の新設原発稼働、安全性に問題はないのか

 中国東北部で福島原発事故後で初の新設原発が稼働したと伝えられました。フランス製軽水炉の中国改良型と聞くだけで、大丈夫かと思ってしまうのは、かつて原子力を専門に取材した経験があるからです。欧州取材時のフリートークで、スウェーデンの原発幹部が「フランスの軽水炉なんて誰が信用するか」と斬り捨てたのを憶えています。それを、あの中国がコピーして「改良した」と称するのが百万キロワット級加圧水型炉「CPR1000」です。安手の改良品でしょう。福島事故の原発が旧式の第1世代だったのに比べれば、第2世代にはなっています。

 ロイターの《中国遼寧省の紅沿河原発が発電開始、福島事故後初めて=報道》はこう伝えました。「遼寧省にある紅沿河原子力発電所が17日、発電を開始した。18日付の同国英字紙チャイナ・デーリーが報じた。2011年の福島第1原発事故後に中国で原発が稼働するのは初めて」「これで中国では現在16基の原子炉が稼働中で、トータルの発電能力は12ギガワット超。2020年までに58ギガワットに引き上げる計画だ」


 紅沿河原発だけでさらに5基が計画、建設中で、上の航空写真(グーグルアースから)見てもかなり進行しています。紅沿河サイトは地震などの心配はないのかと言えば、渤海を隔てた唐山市が1976年に大地震に襲われ壊滅的大被害を出しました。中国では大津波は少ないとされますが、それがあてにならないことは東日本大震災で経験済みです。

 昨年書かれたブログ《中国原発「大濫造」の恐怖 数えきれない事故リスク要因》が《今年七月、中国政府は突然、国内の新規原発をウエスチングハウスの「AP1000」にまとめる方針を打ち出した。関係者によると、中国の原子力専門家自身が「CPR1000」など中国製原発の安全性に強い懸念を示したためだ。とりあえずは、不安な中国独自開発の原子炉の建設はストップされたが、中身の不安は今後も続く》と指摘しているように、危惧の念があるのは間違いありません。AP1000は第3世代に属する新型炉です。しかし、既に建設が始まっていた各地のサイトではCPR1000型が造られ続けています。

 参考になる資料として2011年の「中国の原子炉型と安全体制」をあげておきます。福島原発事故と対比しての記述もありますが、沸騰水型に比べて加圧水型が優位にあるくらいの差であり、「並の原発」であることに変わりはありません。

 【参照】インターネットで読み解く!「原発」関連エントリー
     第243回「中国の原発、無謀とも見える大増設は大丈夫か」(2011)


急速に縮む国際結婚の謎判明:経済成長率に依存

 グローバル化で年間4万5千組近くに達していた日本人の国際結婚が、2011年には2万5千組台にまで落ち込みました。実は、フィリピンなどからの興行ビザ規制の要因を除けば、経済成長率に依存していると判明しました。そして、この流れはインターネット普及による国際的な婚活、婚姻相手探し方の自由化から発していました。国際結婚がどうして急速に縮小しているのか謎が解けたのですから、マイナス基調の経済成長率が反転する時が訪れれば急回復する可能性があると考えられます。人口動態調査の統計表などから過去20年間をグラフ化したので、ご覧下さい。


 夫婦どちらかが日本人の国際結婚数は2011年には1990年代始めレベルまで下がっています。その1990年代に何があったのか――このグラフで一番の注目は、消費税増税のあおりでマイナス成長に落ち込んだ1998年からの動きです。実質経済成長率の動きを1年遅れて国際結婚数が追いかけていくのが明瞭です。2005年のやや停滞にもかかわらず結婚数が伸びたのは、このころフィリピン、中国、ロシア、インドネシアから年間13万人前後の若い女性が興行ビザで入国、各地の夜の街で男女の接触が増えたからです。アメリカ国務省の人身売買報告書(2004年)で非難されてからビザ厳格化が進んだ様は、フィリピン人との国際結婚が激減していくグラフ下部で歴然としています。

 タレントではない女性を排除する興行ビザ規制の影響が去っても下がり続ける国際結婚数です。最初の傾向に戻って実質経済成長率の動きと連動しているのです。リーマンショック後の2010年には、あまりに大きかった落ち込みの反動で数字だけはプラスに戻しましたが、庶民の懐感覚はマイナスに振れたままです。このグラフで見ると、実数が大きい中国人との国際結婚数の推移が、1年遅れで経済成長率の動きをよく追いかけているのが読みとれます。2001、2002年の経済停滞がきれいに反映されています。

 アジア諸国からの花嫁は1980年代から話題になりました。当時は嫁不足に泣く地方、過疎地の男性に様々なコネで結婚相手が紹介がされました。しかし、1998年からの動きは違います。1998年はインターネット普及率が11%、2001年には60%にも達するのです。都市の男性もネット上に積み上がっている情報を自由に集めて国際結婚戦略を立てられるようになりました。もちろん、企業の海外進出などで生身の人間同士の接触機会も膨らみました。留学などで来日する外国人も増えました。

 インターネットが実質的に立ち上がり、「goo」と「infoseek」でインターネット検索が利用できるようになった1997年に私のコラム連載は始まりました。その「インターネットで読み解く!」第1回「空前の生涯独身時代」で《結婚したくてできない男性に、国際結婚の動きがある。「夫婦の国籍別にみた婚姻件数の年次推移」という法務省データよると、10年ほど前から国際結婚の数が増え始め、20年前の4倍以上、年間27,000件にも達した》と触れています。その後で起きたストーリーを、この記事で分析したことになります。

 【参照】インターネットで読み解く! 人口・歴史分野
     過熱とも見える東アジアの国際結婚(2006)
     第152回「20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ」(2006)
     第213回「中国との国際結婚は嫁日照りから次の段階へ」(2010)
     第233回「30代の『家離れせず・出来ず』は相当に深刻」(2010)

 2/22 WEBRONZAに「東アジアの国際結婚ブームは去ってしまうのか」


中国並み微粒子大気汚染は国内店舗もと禁煙学会警鐘

 北京を中心に騒がれている重篤スモッグの主成分、「PM2.5」と呼ぶ微粒子はタバコの煙にも大量に含まれます。日本禁煙学会が13日公開の文書で「禁煙でない日本の飲食店内は1月13日の北京の大気と同じレベル」と警鐘を鳴らしました。北京ではPM2.5が空気1立方メートル当たり数百マイクログラムに達しましたが、身近な場所でも分煙が不完全だった場合は容易に同レベルになるとの指摘です。北京の場合はさらに黄砂まで含む様々な化学成分が重畳していると考えられています。


 《【PM2.5問題に関する日本禁煙学会の見解と提言】日本では国内の受動喫煙が最大のPM2.5問題です》に掲げられている図です。喫茶店やパチンコ店、ファストフード店、駅の喫煙コーナーなどが危険とされる高レベルになっています。自由喫煙の居酒屋に至っては、北京の主要中心部を覆った700マイクログラムのレベルにもなります。

 参照されている《受動喫煙ファクトシート2 敷地内完全禁煙が必要な理由》によると、理想的な環境ではタバコ臭いと感じるには空気1立方メートル当たり1マイクログラム、煙で眼や鼻が刺激されるには4マイクログラムになっています。しかし、通常は他の臭いがあるために隠されがちで、この10倍程度になっている可能性があります。刺激があるとすれば、PM2.5国内大気基準「年平均15マイクログラム以下かつ1日平均35マイクログラム以下」を超えているかも知れません。

 文書は1970年代は日本国内でも数百マイクログラムだった大阪の測定例を示し、「日本では、公害をなくすための多くの方々の取り組みの結果、大気汚染問題が大きく改善されてきました。中国の大気汚染の状況が一刻も早く改善することを願っています」としています。この一方、店舗などでの汚染は客にとっては短時間の滞在で済みますが、従業員には長時間の吸引になります。「これらの人々を深刻な大気汚染公害レベルのPM2.5の中で長時間働かせてよいでしょうか?私たちは、自らの足元の空気環境の清浄化に取り組む義務があります」と主張しています。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」
     第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     日本への中国重篤スモッグ流入ぶり連続アニメ


中国大気汚染の絶望的な排出源構成と規制遅れ

 中国で発生している重篤スモッグについて表に出てきた排出源をまとめました。中国側の説明では問題の微粒子の3分の2は自動車排ガスと石炭燃焼からで、零細な対象を早期に抜本改善するのは不可能に見えます。さらにスモッグの有害さは微粒子だけに限らず、複合的な化学反応が示唆されているのですから、中国当局が手を打つとしても何が効果的か判断しかねるでしょう。そもそも経済成長優先で作り上げられた利害関係の枠組みは最高指導部と結びついており、権限が弱い環境行政の手に余ります。

 国営新華社が伝えた《北京の大気汚染、自動車の排気ガスが最大の汚染源に―中国科学院調査》が第一の資料です。《中国科学院大気物理研究所の王躍思研究員によると、北京では、自動車が微小粒子状物質「PM2.5」の最大の発生源で、その比率は約4分の1。その次は石炭業と輸送業で、それぞれ5分の1を占める》《専門家は汚染物質の成分を分析し、「中国の中東部を覆った有害濃霧は、1952年代の英国の有害濃霧事件、1940〜50年代の米国光化学スモッグ事件での汚染物の混合体に、中国独特の黄砂による大気汚染が重なったもので、排出ガスと生態系破壊によって直接的に引き起こされた結果だ」と指摘した》

 英国の有害濃霧とは平均0.3ppmもあった二酸化硫黄ガス(SO2)で4千人もが死亡した事件であり、さらに光化学スモッグに黄砂まで絡んでいると化学反応の役者が増えすぎです。日本の資源エネルギー庁の「エネルギー白書2006年版」から汚染物質発生メカニズムの図を引用、中国の状況を付加します。


 硫黄分が多い石炭を主なエネルギー源にしている中国は、世界の石炭消費量の半分に迫っています。国家環境保護計画で2006年以降は脱硫装置による削減を進め、2011年には二酸化硫黄を2217万トンまで抑制したのですが、大気中の濃度は日本の10倍以上です。窒素酸化物排出量は2011年に2404万トンと削減どころか前年比5.73%も増やしました。自動車販売台数が増加著しく、2009年から年々5割増しペースで2000万台以上に達した背景もあります。中小が多い鉄鋼業の増産は窒素酸化物を大きく増やしました。これが光化学反応で微粒子になっていきます。


 自動車の汚染物質排出では旧型車の排出が圧倒的です。「中国発:中国自動車汚染白書を読む」から排ガス基準別の排出量グラフを引用しました。「国Iは2000年、国IIは04年、国IIIは07年から全国で適用されている」「2009年、全国の保有自動車の国家排出基準適合状況は、国Iより前の排ガス基準適合車が1062.1万台で17.1%、国I排ガス基準適合車は1598.7万台で25.7%、国II排ガス基準適合車は1973.1万台で31.8%、国III及びそれ以上の排ガス基準適合車は1575.5万台で25.4%を占めた」となっていて、国I以前と国Iの計2600万台を廃棄できれば大改善になりますが、望むべくもないでしょう。北京ではさらに厳しい基準が2月1日から施行されたものの、新車に限った話で中古車の売買は自由です。

 自動車燃料そのものも国際水準からかけ離れた劣悪さです。時事通信の《自動車燃料品質、先進国並みに=大気汚染の元凶批判受け―中国》が中国政府の決定を伝えました。《新規制「国5」は欧州排ガス規制「ユーロ5」に相当。硫黄含有量の上限を10ppmまで引き下げる。現在、中国の自動車燃料基準は、北京など一部大都市が硫黄含有量を50ppm以下に抑える「国4(ユーロ4)」を導入している以外は、同150ppmまで許容する「国3(ユーロ3)」の実施にとどまっている》《日欧より15倍も緩い自動車燃料の硫黄含有量規制が大気汚染の元凶だと指摘され、負担増を嫌い規制強化に抵抗する大手石油会社が批判を浴びている》ただし《2014年末を期限に、全国で「国4」を実施。「国5」については13年6月末までに一部地域で導入し、17年末までに全国一律で完全実施する》のですから当座の役には立たないでしょう。

 一方、工場からの実際の汚染排出量が表向きの統計よりも多いのではないか、との疑惑は以前から存在します。国際的に名が知れた大手国有企業まで環境にお金を掛けるより、少額の罰金で済ませようとします。wsj.comの《【オピニオン】中国の大気汚染減らすには本物の透明性と罰則強化が不可欠》はこう指摘します。《中国で排出ガスに関するデータの報告を拒否した場合の法令に基づく罰則金の最高額はわずか5万元(約75万円)で、排出基準を上回った場合の罰則金も最高でこの2倍の10万元にとどまる》《工場がなぜ不正を行うかは容易に理解できる。すでに設置が義務付けられている排出ガス制御装置を使うよりも、基準を上回る排出量に対する罰則金を支払う方が安上がりなのだ》

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」
     第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     日本への中国重篤スモッグ流入ぶり連続アニメ


大風呂敷に信頼が託しかねる原発新安全基準

 福島原発事故を経て最大の課題、原発の新安全基準案が示されて国民の意見募集が始まり、ツイッターの動向を見てもほとんど話題にならない不思議さです。改善改良策を山盛りにしただけでは、心に響かないとみます。政府事故調と国会事故調では事故の見立てそのものが違い、今回の新安全基準骨子案では事故原因を特定して新安全基準を作る普通の手法が採られていません。「深層防護の考え方の徹底」をお題目に、金に糸目は付けない多層防護増設の大風呂敷が実態です。電力会社が悲鳴をあげるのはある意味で当然です。それでも安全万全と見えぬのは、形だけに囚われているからと考えます。

 安全設備は十分に備えてある――とは従来も同様の考え方でした。それが過酷事故、シビアアクシデントで働かなかった、いや、働かせる知恵が人間側に無かったことは「恐ろしいほどのプロ精神欠如:福島原発事故調報告」などにまとめました。新安全基準(シビアアクシデント対策)骨子案は運転員の訓練や体制整備も含んでいますが、あっさりと付け加えられた14ページの最終行「(k) 発電所外部からの支援体制を構築すること。」がキーポイントだと思えます。

 福島原発事故では東電本店からも政府からも適切な助言が無く、現場はひたすら巨大システム相手に模索する有り様でした。この外部支援には当然、原子力規制委員会が含まれているはずです。現在も大飯原発は稼働していますからシビアアクシデント発生があれば、新設の原子力規制委・原子力規制庁に期待が掛かるのに、実はまだ何の準備も無いと1月に告白しています。

 時事通信の「事故悪化想定の専門家養成=福島第1事故教訓に−原子力規制庁」は1月21日、事故調査委がまとめた提言への対応状況を確認する有識者会議での答弁として「経済産業省の旧原子力安全・保安院に状況が悪化するさまざまな可能性を想定し、対策を進言できる専門家がいなかったことから、原子力規制庁は、庁内の専門家チームと各原発を担当する検査官の訓練を通じ、能力を向上させる方針を示した」と伝えました。原発から逃げ出した検査官から訓練する――これは道遠しです。

 年初の「日経が伝えた原発の新安全基準原案は無理筋か」での指摘「事故調報告不備が招いた無理な屋上屋」は変わりません。緊急時の冷却系や注水系統の追加が、現施設の機能と干渉することなく出来るのかも不明です。何よりも全てを整備するのに工事の審査から始めて何年間も掛かります。設備工事の認可さえあれば、原発再稼働オーケーと伝えられ始めていますが、骨子案のどこを見ても猶予するとは書かれていません。原発新安全基準の是非を国民に問うのなら、猶予条件などを全て明白にするべきです。膨大すぎる新安全基準は運用の実態として、移動式の非常用電源などお手軽に増やして再稼働を認めることになりかねないのです。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


中国発、微粒子大気汚染で国内基準超過が続出

 中国の重篤スモッグに起因する微粒子大気汚染が国内各地に広がり、国が定めた環境基準を超過したと福岡、大阪、香川などで報告されました。「直ちに健康に影響しない」と福島原発事故様の逃げは許されません。短時間、一時的な超過ではなく、「PM2.5」1日平均値で明らかに基準を突破しているのですから、自治体は速やかに住民に実態を知らせ、健康への影響を調べるべきです。国内への飛来予測を活用して、リスクが大きい人には外出を避けるよう助言すべきです。

 1月31日にPM2.5が国の基準を超える1日平均52.6マイクログラムを記録した福岡市は早速、観測網と情報公開を強化し、読売新聞がこう伝えました。高島市長が「5日の定例記者会見で、今夏にもPM2・5の予報を始める計画について、『健康被害が出る恐れもあり、市民に外に出ないよう警告や指示を出すことも検討する必要がある。市民を守る立場としてはシーズン(3〜6月)に対応したい』と述べた」。(福岡県の大気測定項目別日報

 空気1立方メートル当たりで「PM2.5」1年平均値が15マイクログラム以下、かつ、1日平均35マイクログラム以下が日本の大気環境基準です。四国新聞の《「PM2.5」基準値超え40日/香川県内》は次のように報じています。《県環境管理課によると、昨年12月を除くすべての月でPM2・5が環境基準を超過した日があった。昨年5月8日には国の環境基準(1日平均35マイクログラム以下)を大幅に超える70・9〜90・5マイクログラムを記録。今年に入っても測定値が高い傾向は変わらず、1月11、12日と30日〜2月1日までの計5日間、環境基準を超過した》


 「讃岐の空情報館」の「経時変化グラフ」で、観音寺市での測定値グラフを出しました。最高値は75マイクログラムにもなり、確かに1月30日からの3日間は大幅な超過があります。1日だけで済まなかった点は重症です。


 観測地点が多い大阪で2月1日午後7時の状況をマップにしたものです。この時間の最高値は75マイクログラムです。「大阪府 大気汚染常時監視のページ」でデータを得ています。この日は府内39地点の内、6地点で1日平均が35マイクログラムを超えました。マップの中央、黄色の部分とほぼ重なります。周辺の一段濃い部分は1日平均が30マイクログラム前後に相当します。大阪市南部に堺市、富田林市などを含む地域です。

 1月半ば、北京で軒並み700マイクログラムを超えて1000にも迫った中国とは比べられませんが、環境基準値を超え、しかも2倍以上や連続3日にもなるとは尋常ではありません。日本への本格的な飛来シーズンはこれからです。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」
     第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     日本への中国重篤スモッグ流入ぶり連続アニメ


中国大気汚染の防止策は大幅経済縮小しかない

 中国では春節(旧正月)の帰省ラッシュが始まったのに大気汚染、重篤スモッグは収まりません。全土がクリーンになる予測は連休になる春節直前の9日で、大幅な経済縮小しか抜本的な防止策はないと示唆しています。これまで言われてきたGDP8%成長など寝言、戯言類の話になりました。実際問題として中国当局が打ち出した対策は古い自動車18万台廃棄や緊急時の工場操業・車両運行停止などで見るべきものはなく、微粒子汚染の大きな排出源であるディーゼル燃料の環境基準強化に至っては2年後完全実施なのですから、失笑を買っています。


 米国が出している「PM2.5 リアルタイムの大気汚染指数」から北京の分(3日午後6時現在)を引用しました。過去2日分の記録で、風があった青天の日が去るとたちまち微粒子PM2.5汚染レベルが上がっていきます。指数は「277」で「ひどく汚染」です。硫黄酸化物や窒素酸化物、一酸化炭素のレベルも同調していますから、焼けるような異様な臭いがする訳です。


 この午後6時時点での九州大の汚染予測分布図を引用しました。南の内陸部から北上した濃厚な汚染大気が北京付近に掛かっているところです。一部で春節休暇が始まって工場生産規模が縮小されても、蓄積されている汚染物質は膨大でどうにもならない状況です。


 これは9日正午時点の予測です。10日からの春節直前になれば工場は止まりますから、さすがに汚染レベルは中国全土で下がります。ここまでの「荒療治」をしなければ重篤スモッグは退治できないと示しています。

 13億人の人口を抱え、新規の雇用を創出し続けなければならない国情と完全に矛盾します。新車の排ガス規制を欧米並にしたところでスモッグは全く改善されません。既存の工場・発電所・自動車に手をつける難事業を、各分野ごとの利権代表集合体になってしまった共産党政府が出来るのかです。ハイペースの経済成長を続けつつ対策実施は不可能と、《世界一になる夢を潰えさせたか中国の重篤スモッグ》を書いたのですが、無理な成長で大気汚染が解消できなくても、汚染改善のために経済を縮小したとしても、どちらも暴動頻発ものの不安定な社会にならざるを得ません。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」
     第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     第343回「中国大気汚染の絶望的な排出源構成と規制遅れ」(2/11)


天安門の皮肉な写真、高速鉄道に閃光破壊:スモッグ余聞

 中国重篤スモッグの写真集として決定版が出たので紹介します。「theatlantic.com」の「China's Toxic Sky」です。また中国高速鉄道が走行中に閃光を発して運行不能になる事故が頻発しているのもスモッグの余波です。


 「China's Toxic Sky」で最も印象的な1枚、9枚目を上に引用しました。天安門広場を訪れた観光客は茶色がかった灰色のスモッグの中ですが、中央の巨大スクリーンは皮肉なことに青空と白雲を映し出しています。本来の北京青天なら高層ビルの無い、この場所には広大な青空が広がっているはずです。それが無い悲しさが伝わります。2枚目からの4点は同じアングルでスモッグがある場合と無い場合を比較できます。画面をクリックして暫くすると変わりますから、お試し下さい。2枚目のNASA衛星写真では白い雲の下に灰色のスモッグ層が垂れ込めている感じが分かります。3枚目以降、東便門城楼など名所が台無しになっている様、スモッグの濃さが比較できます。

 一方、「XINHUA.JP」の「高速鉄道に強烈な閃光、運行不能に 正体は有害濃霧に含まれる帯電粒子―中国」は30日に京広高速鉄道で閃光を発して運行不能事故があったと伝え、次のように説明しています。《京広高速列車は開通後、信陽などの河南省の南部地域で度々「強烈な閃光」が発生している。これは有害濃霧が続いたことによるものだ。有害濃霧には帯電粒子が多く含まれ、圧力が高まる状況下では、列車に取り付けられている絶縁子が破壊され、閃光が発生する。列車の絶縁用の碍子の表面を定期的に清掃すれば、これを避けることができるという》

 スモッグ中の化学物質が走っている間に絶縁体の表面に付着、絶縁を破るほど厚くなると電極ショートを起こして列車の受電装置を破壊してしまうようです。河南省は北京から内陸部を700キロほど南下した所で、スモッグの重篤さでは話題になっている北京よりも、内陸がもっと酷い状況にあると示していると思います。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」
     第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない