<< January 2013 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
Latest Entry
Profile  Facebook
Dando's Site
Category
Search

Archives
Recent Comment
Recent Trackback
Admin
   
Mobile

日本への中国重篤スモッグ流入ぶり連続アニメ

 中国からの汚染微粒子を含む有害スモッグ日本流入が30日、ピークになっています。環境省の「そらまめ君」サイトにアクセスが集中して、なかなか見られない状態でしたので、連続アニメーションを作りました。今回は西日本でも近畿に濃厚に飛来しています。九州大応用力学研究所の「大気汚染微粒子および黄砂の飛来予測」ウェブ予測動画から、30日正午の状況をまず引用します。


 濃い汚染大気は中国から朝鮮半島を越えて29日未明から西日本に迫り、30日正午前後が最も酷い状態だったようです。大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」で29日午前3時から30日正午まで3時間置きPM2.5測定状況を取得して、アニメにしました。


 空気1立方メートル当たりで1年平均値が15マイクログラム以下、かつ、1日平均35マイクログラム以下が日本の大気環境基準です。アニメの黄色が16〜25マイクログラム、茶色が26〜35マイクログラム、赤色が36マイクログラム以上の測定局になっています。最高がいくらに達したのかは分かりませんが、29日午前9時から赤色の地点が現れ始めます。29日の午後6時以降はほとんど黄色以上の汚染になり、30日午前6時には大阪府内はほぼ赤と茶色になりました。午前9時になると近畿の山地を越えて三重県にも赤色が現れました。正午には兵庫の瀬戸内海沿岸まで赤色です。

 この後、2月1日に北海道が濃厚な汚染大気に襲われると予測されています。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」
     第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない


夫婦3組に1組は離婚時代定着。米国は2に1

 人口動態の2012年推計が発表されて東日本大震災で生まれた離婚率の特異な減少が2年連続で維持されました。最近の推移を離婚対婚姻の比グラフでみると、夫婦3組に1組は離婚する時代が定着したとも言えます。米国では2組に1組の離婚がずっと続いていますから、日本の離婚はやがて米国並みに増えるとの予測は当たらなかったことになります。しかし、1980年代では5組に1組の離婚だったのですから離婚夫婦が珍しくなくなったのは当然です。

 厚生労働省の2012年推計によると、離婚は237000件(2011年235719件)、人口千人当たり離婚率1.88(同1.87)でした。婚姻率も5.3(同5.2)と、ほとんど横這いです。


 昨年の「離婚率が特異な減少、震災で家庭防衛意識か」の際には1995年の阪神淡路大震災と比べていませんでしたから、上のグラフを作ってみました。東日本大震災の影響を知ってから見ると、1990年から急増していた離婚率が1995〜96年と鈍り、踊り場状態になっていたと知れます。大津波や福島原発事故による家族崩壊の危機はありませんでしたから、阪神大震災が離婚に及ぼした影響は限られていたのでしょう。

 日本の状況が世界と比べてどうなっているかは、「図録▽主要国の離婚率推移(1947年〜)」を参照してください。これでもロシアや韓国のように急増や激減を見せる国と比べればなだらかな変動です。このページに収録されている米国の離婚対婚姻の比グラフは、1975年頃から「0.5」前後で推移しています。比較できる日本のグラフを作りました。


 分母に婚姻が入っているので離婚・婚姻件数両者の変動が効いてきます。興味深いのは東日本大震災の減少が、婚姻も減ったため目立たず、むしろ2008年リーマンショックの影響がくっきりしています。阪神大震災による「伸び停滞」がもっと明解です。リーマンショックでも阪神大震災でも婚姻件数は落ちていなかったと推測されます。東日本大震災では婚姻も減った点が特異だったようです。

 このグラフを見る限り離婚対婚姻の比は「0.35」あたりに収束し、夫婦3組に1組離婚時代と言えそうです。第175回「続・離婚減少は定着、熟年離婚の嵐吹かず」に掲載のグラフで紹介しているように、近年の離婚率は失業率とリンクする傾向があります。歪んだ円高が是正されれば景気が上向いて失業率が下がり、離婚率ももう少し落ちるかも知れません。

 【参照】「インターネットで読み解く!」「人口・歴史」


『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない

 1月中旬、中国広域で発生した重篤スモッグについて国内メディアの感度の低さが目立ちます。23日になってウォール・ストリート・ジャーナル日本版に出た「中国の大気汚染対策―焼け石に水」が最良では困ります。日本マスメディアの自分では何も考えない、政府行政の発表に依存する体質が、このような場面で露骨に現れています。起きている事象を冷静に観察すれば、根本的には打つ手がないほど環境対策を長期放置した超重度汚染であり、かつて日本が大気汚染を逆バネにして成長したほどの技術的蓄積が中国に無いのは明らかです。私のように「世界一になる夢を潰えさせたか中国の重篤スモッグ」と普通は書くべきなのです。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは採られた対策の無力さをこう指摘します。「長期にわたる猛烈なペースでの経済成長の結果としての同国の深刻な環境問題は今や、力強い経済発展の障害になる可能性があるとみられており、懸念の対象は大気や水質の汚染から化石燃料の消費増大にまで広がっている」「ここ数年、発電所と乗用車の汚染物質排出に目が向けられているが、同国の汚染問題は複雑で経済全体にまたがるものだ」「石炭の燃焼によって生じる二酸化硫黄や窒素酸化物など1次汚染物質が大気中で反応してできる2次汚染物質を減らすことに力を入れている。1次汚染物質の削減では若干の成功を収めたが、アナリストは、人体に有害なPMなど2次汚染物質の削減はまだ始まったばかりだとしている」

 大気汚染顕在化を受けた中国社会の反応として注目だったのは中国国営通信、新華社からの「中国、北京の大気汚染対応で新規則を発表へ」のエピソードです。「国内メディアは、政府当局者らが家庭でもオフィスでも高価な空気清浄設備を利用していることなどを報じ、大気汚染問題はこうした特権や格差拡大に対する国民の反発につながっている。このため、大気汚染問題は指導部にとって一段の関心事となっている」。国営、新華社だから痺れました。最近、言われている貧富格差以上に深刻化しました。言論の自由問題のように先送りは不可能です。

 もうひとつ、大気汚染問題が発言力が大きい北京周辺を中心に語られたいますが、実は日本で開発された大気微粒子発生拡散シミュレーションで見れば、広い中国内陸部から朝鮮半島、日本にかけて汚染の発生と拡散があり、反復されています。第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」をご覧下さい。ネットの閲覧規制が厳しい中国ですから見られないとは思いますが、もし、九州大で毎日、公開されている微粒子汚染の拡散予測が中国で見られるならば、北京や上海などの沿岸部は時々は北風が吹き抜けてクリーンになるのに、重慶などの内陸部はほぼ常時、汚染大気が渦巻いていて絶望的と判ります。この救いの無さを見せつけられたら内陸部を中心に暴動が起きるのではないかとさえ思えます。

 日本のマスメディアは中国の重篤汚染が日本にも及んで、しばしば環境基準を超える大気汚染をもたらしている現実をきちんと伝えるべきです。中国政府に国際的な迷惑ともの申せる状況です。その一方で、ヒューマニズムの観点からも中国で明かされない過酷な内陸汚染状況を中国国民に少しでも伝える手助けをするべきです。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー


科学者の責任に余波、地震学者実刑判決理由

 イタリア・ラクイラ地震について地震学者6人が禁錮6年となった判決理由が公表。「地震予知に失敗した」からではなく政府と癒着して法に定められた通りにしなかった認定です。原発など類似ケースに波及ありです。昨年秋の判決後には世界中から様々に考えるアピールが出ました。例えば日本地質学会は「ラクイラ地震裁判における科学者への実刑判決を憂慮する」声明で「もし優秀な地球科学者が、地震危険度評価に善意で参画した結果として、その後に発生した地震の災害に対する責任を取らなければならないなら、将来だれがこの重要な役割を引き受けようとするだろうか」と根源的な疑問を投げています。

 300人以上の死者を出した地震です。朝日新聞の「政府との癒着を厳しく指弾 伊地震学者への有罪判決理由」が詳しく伝えています。《群発地震が続き、「大地震が来る」という在野の学者の警告がネットで広まっていた。市民の不安を鎮めようと政府防災局が開いた検討会で、学者らは「大地震がないとは断定できない」としつつ、「群発地震を大地震の予兆とする根拠はない」と締めくくった。検討会の前後にデベルナルディニス氏は「安心して家にいていい」と述べた。判決理由はこうした経緯を認め、ボスキ氏ら学者が以前からラクイラ付近での大地震を予測していたことを指摘。検討会でのリスクの検討は、知見をすべて提供しない、表面的で無意味なものだったとした。「メディア操作」を図る政府に学者が癒着し、批判せずに従ったことで、法や市民によって課された「チェック機能」としての役割が失われたと厳しく批判した。「被告らの怠慢が市民に安心感を広げ、慎重に対応していれば救えた命を失わせた」と認定した》

 《「地震予知に失敗した科学者が裁かれた」との誤った認識に釘を刺す意図からか、「裁判は、地震についての知識の正しさ、確かさを証明することを目的としていない。法に定められたとおりのリスクの検討がなされたかどうか判断した」と記している》と補足しています。

 行政との癒着事情については、東大地震研助教の大木聖子さんが「ラクイラ地震 禁錮6年の有罪判決について(4)なぜ『安全宣言』になったのか」で詳しいリポートを書いています。検察提出の電話テープのやり取りからは「行政はパニック状態の市民をおさめるために,はなから安全情報を出すつもりだったこと,そしてそれは行政判断ではなく,科学者からのお墨付きという形で遂行することを,委員会を開催する前から決めていた」としています。

 実に我々の目の前で地質学者が重要な決定を下そうとしています。各地の原発の直下を通る断層が活断層かどうかの認定です。活断層と認められば運転再開はなく廃炉に進むしかなくなります。逆のケースで将来、運転中に断層が動いたら、判断を誤った学者の責任は問われるのか、です。福島原発事故では事故の進展過程で原子力安全委の専門家によるミスリードを呆れるほど見ました。あれが不問になっているなら地質学者は大丈夫でしょう。しかし、炉心溶融や水素爆発に至る、原子力専門家によるミスリードは不問のままでいいのでしょうか。しかし、しかし、ミスリードは知識不足に起因していて、知らない本人はベストを尽くしていたのが実態かも知れません。それでも、信頼できる専門家を呼び寄せるくらいの「注意義務」を求めていいのでは……。ラクイラの責任追及では、行政マンと科学者は分けるべきだとする議論もありました。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する

 中国で騒がれている重篤スモッグがお隣韓国や日本では軽視されすぎています。大気汚染に国境はないとは福島原発事故でも思い知らされた事実です。中国北部のスモッグは朝鮮半島を直撃してから西日本を覆います。国内で開発された大気微粒子の発生拡散シミュレーション計算「SPRINTARS」は、米国が北京と上海で測定している微粒子濃度「PM2.5」の数値変動実績をきれいに説明してくれ、信頼性が高そうです。中国での大気状況改善は簡単には進まないはずですから、国内への拡散予測を広く役立てるべきです。また、特に騒いでいない韓国の報道を見ると旅行には行きたくないほど深刻な汚染ぶりです。

 16日の朝鮮日報ウェブに掲載された「韓国を覆ったスモッグ、重金属は黄砂の最大26倍」は中国と同時期に韓国でもスモッグが発生していると伝えました。「直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子(PM2.5)の濃度も、12−15日にはソウル市内の測定所で最高171マイクログラム(1立方メートル基準、以下同じ)、大田市内で225マイクログラム、ペンニョン島で183マイクログラムを記録した」とあります。韓国にはPM2.5環境基準がないのですが、日本国内基準35マイクログラムの5、6倍にもなる非常に不健康な数値です。

 九州大応用力学研究所の竹村俊彦准教授が「SPRINTARS」を使った「大気汚染微粒子および黄砂の飛来予測」ウェブを開設しています。「大気汚染粒子」予測動画から、16日に中国北部から朝鮮半島に移動したスモッグが、17日に西日本一帯に広がる所を抜き出して引用します。



 全国の大気汚染状況を提供している環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」で16日から17日のPM2.5測定状況を見ると、西日本各地で日付が変わる頃から環境基準35マイクログラムを上回る赤色地点が現れ始めます。夜明け頃には大多数になり、最も東は愛知県内にも広がります。今後も中国からの汚染拡散は繰り返されるでしょうから、基準値を超えて、どの程度まで悪化しているのかも早期に知らせるようにして欲しいと思います。

 米国はPM2.5測定数値を北京上海でツイッターを使って公表しています。北風が吹いて改善されていた北京の大気が17日夕刻から再び悪化し、18日零時に285マイクログラムと深刻化する流れが、竹村准教授の予測動画でよく理解できます。沿岸部は風で一時は吹き洗われても、重慶周辺などの内陸部には汚染大気が渦巻き続けています。20日頃にはまた西日本が襲われるようです。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」


中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ

 肺の奥まで侵入の微小粒子が環境基準の10倍もあるスモッグ発生で中国国営メディアが厳しい当局批判です。人民日報日本語版の評論に従えば環境配慮を欠く高成長は誤りになり、大ブレーキを掛けざるを得ません。昨秋の中国共産党大会のスローガン「美しい中国」への批判まで飛び出していて、本当に中国メディアの記事を読んでいるのか、目を擦りたくなります。高成長を持続して米国を追い越し世界一になるなど、あり得ない夢になりますが、ここは率直にメディアの主張を読んでみましょう。

 人民日報は中国共産党中央委員会の機関紙です。《濃霧が警告 経済モデル転換は引き延ばしできない》はこうです。《深刻な濃霧は、中国の経済成長モデルがもはや維持できないことを改めて示している。過去30数年にわたり、中国は「高汚染、高エネルギー消費、汚染物資の高排出」という「3高」の成長モデルによりかかり、一部の地域ではGDPを無計画に追求して環境保護に配慮してこなかった。このため今になって経済成長の苦い果実を味わっている》

 石炭火力発電重用などのほかに自動車の無謀な増加も問題視します。《大躍進式の自動車産業の発展もここ数年間に大都市で汚染が加速した主な原因だ。08年までは中国の自動車生産・販売の伸びは緩やかだったが、自動車産業振興プランの影響により、09年は一気に1300万台に達し、前年比46%増加した。10年、11年はいずれも1800万台を超えた。中国汽車(自動車)工業協会は12年は少なくとも2千万台に達したと予測する》

 「900万台→1300万台→1800万台→1800万台→2000万台」の年別販売推移を環境危機の意識もなく、にんまり眺めていた為政者がいたのです。

 中国青年報は共産主義青年団系で、胡錦濤国家主席の出身母体のメディアです。《史上最悪の汚染霧で、遠くかすんだ「美しい中国」》はこう主張します。《中国青年報は15日、中国各地で連日続く深刻な大気汚染状態にかんする評論記事を掲載、昨年秋の中国共産党大会で掲げた「美しい中国」という目標が、「史上最悪」の濃霧によって遠くかすんだと論じた》《「『美しい中国』づくりは、すでに一刻の猶予も許されないのだ」と論じるとともに、「人の生存環境を代償とした発展は、全く意味のないものだ」として、施工現場での粉じん飛散防止措置や、マイカー利用の抑制など、国民一人ひとりが責任を持って「美しい中国」を作り上げるよう呼びかけた》

 これが《大気汚染に募る国民の怒り、国営メディアも当局を批判 中国》になると《中国国営の新華社(Xinhua)通信は、中国全土に広がる「汚染ベルト」が出現したとし、「茶色の空と有毒な大気の国は間違いなく美しくない。国が直面する環境問題はますます厳しくなるだろう。過度に楽観視する理由はない」と述べて「美しい中国」を築くという当局の目標は危機的状況にあると批判した》と厳しくなります。

 まずは現在ある工場・発電所や自動車など汚染源の排出改善が急がれますが、膨大な費用は経済成長にはあまり寄与しません。また、新規に造られる工場や発電所は日本並みの基準でお金を掛けたとしても環境負荷を減らす訳ではありません。《大気汚染都市ワースト10のうち、7都市は中国に》は《中国環境保護部は14日、火力発電所・製鉄工場・コンクリート生産工場に向け、二酸化硫黄と窒素酸化物の排出抑制を通達。工場排気を中心に、施工現場や自動車など大気汚染の原因撲滅に向けて注力する旨を発表した》と伝えました。

 「インターネットで読み解く!」第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」で紹介した通り、微小粒子へ数日単位の曝露で死亡率が増えると確認されていますから、超高レベル汚染の目に見えた改善が無ければ国民大衆は納得しないでしょう。たちまち今年、2千万台も自動車を売って良いものなのか、経済成長と環境汚染改善のバランスをどう取るか難しくなっています。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー


中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ

 中国内陸部広域で発生が伝えられる微小粒子状物質汚染は大気環境基準の10倍もの濃度に達し、深刻な健康被害が懸念されています。環境汚染を無視した経済発展と法制度を続けたツケが一気に噴出した形です。「PM2.5」と呼ばれ、粒径が2.5マイクロメートル以下の汚染物質測定を、これまで中国当局は実施していませんでした。PM10というもっと大きな粒径物質の測定しかしなかったのに、北京と上海で米国大使館、領事館が在留民向けに測定結果を独自に公表、迷惑顔だった中国当局が渋々測り始めたら、とんでもない高濃度広域汚染状況が明るみに出たのです。

 時事通信の《各地で有害物質含む濃霧=呼吸器疾患急増、交通まひ―中国》は《北京など33都市で12日、6段階の大気汚染指数で最悪の「深刻な汚染」を記録し、13日も続いている。呼吸器系疾患の患者が急増し、高速道路の通行止めや航空便の欠航が相次ぐなど、市民生活にも大きな影響が出ている》《大気汚染の主な原因は、車の排ガスや工場の煙などから出る直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM2.5」。北京では12日、この物質の観測値が1立方メートル当たり75マイクログラム以下としている基準を市内全域で超え、半数の観測点で基準の10倍近くまで上昇。900マイクログラムを突破したところもあった》と報じています。


 日本の大気環境基準は「1年平均値が15マイクログラム/立方メートル以下であり、かつ、1日平均値が35マイクログラム/立方メートル以下」です。上の図(環境省資料から引用)にあるように微小粒子は肺の奥の奥、肺胞まで入り込みます。そこから呼吸器系ばかりでなく循環器系や免疫系にも影響を及ぼします。環境省の「微小粒子状物質健康影響評価検討会報告について」は「PM2.5ないしPM10への短期曝露と死亡に関するいくつかの複数都市研究において、日単位の曝露(場合によっては数日遅れで)と死亡との間に関連性がみられている」「PM2.5への長期曝露と死亡に関するいくつかのコホート研究において、PM2.5と全死亡、呼吸器・循環器死亡、肺がん死亡との間に関連性がみられている」としています。

 天津に居住している方のブログ「汚染」はこう不安を訴えます。「昼間で雲もないのに、空が夕陽のように黄色くて、太陽がスモッグの奥にかすかに見えるだけ。アメリカ大使館発表の数値を見たら、なんと12日の夜の時点で北京のPM2.5は852μg/立方メートルだそうです」「かなり控えめな中国環境保護部の数値を見ても、12日の天津は424の“重汚染”。過去1ヶ月の中でもダントツの数値です。え? どうなるの? みんな死ぬの?」

 水俣病などが契機になって公害対策基本法が国会で可決されたのが1967年でした。中国の状況はこれよりも前、水俣病患者が奇病として差別されていた段階に相当します。公害被害者が補償を求める権利を認められるどころか、泣き寝入りするしかない法制度になっています。地方から北京に出向いて、政府に直訴するケースも出ていますが、社会を乱す者として司法手続きによらない労働矯正送りになる可能性が高いようです。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー


ルーツは武田武士団:氷解した会津藩の特別さ

 大河ドラマに最近はあまり興味を持ちませんが、ブログ「武田武士団を基盤とした会津武士団の誕生」を読んで15年来の謎が氷解する思いがしました。明治維新の東北地方で会津藩の特別さは際立っているからです。幕末動乱期の京都守護職として活躍、孝明天皇から「会津藩を頼りとしている」旨の「御宸翰(ごしんかん)」を賜り、それにもかかわらず維新戦争では朝敵になって、白虎隊などで知られる壮絶な会津戦争を戦い抜いて果てました。

 明治維新の原動力になった薩長土肥など西国諸藩に比べて、ひとからげに守旧派とされる東北諸藩で、会津藩は全く違うと感じたのは、15年前に「インターネットで読み解く!」第54回「明治維新(下)循環社会から膨張社会へ」を書いたからです。そこで会津戦争の砲撃戦について、リンク先が無くなっている引用資料を含めてこう書いています。


 「城にたてこもった会津兵の守備は固く降伏させる事はできなかった。
倒幕軍も包囲したものの決定的な攻城兵器を持たず勝負の決着はなかなか
つかないと見られていた。八月二六日、会津城の近くの小高い丘、小田山
を占領したことにより佐賀藩多久兵のアームストロング砲を山上に運び上
げ会津城内へ砲撃を開始した」 

 「アームストロング砲の破裂弾がタイムヒューズ付きで着弾と同時の破
裂ではなかった」「弾丸は着弾後、数分間経過して破裂し、現在のように
着弾前、着弾、着弾後に爆発するように細かく操作することができなかっ
た。砲弾は発射の時、砲弾の導火信管に火がつくと飛翔中も燃え続け着弾
後、十分な時間が経ってから破裂するようになっていた」

 「打ち込まれた砲弾を水に濡らした厚布で砲弾の導火線を消して爆発を
防いでいた。山川大蔵夫人も城内に打ち込まれた砲弾を処理中に砲弾が破
裂し戦死している。籠城中の城内でのアームストロング砲弾の処理は婦女
子の役目だったようで、通常は打ち込まれた砲弾を爆発しても被害が及ば
ないところに運ぶ余裕があることを示している」 

 熱く焼けて、いつ爆発するか分からない砲弾を、塗れ布で包んで運ぶ仕
事。当時の大砲の多くは砲弾を前ごめしており、その際に未燃焼の火薬が
暴発して砲手の命を奪うことがたびたびあった。新式のアームストロング
砲は砲弾を後ろからこめる形式に改良されていたのに、旧式の大砲を扱う
砲手と変わらない勇気と判断力を、保守的とされている、会津の女性達が
発揮したであろうことに、少なからず感動した。


 最初のブログに戻ると、会津松平家の始祖保科正之は二代将軍秀忠の庶子で「武田信玄の次女見性院に育てられ、その伝手で信濃高遠城主保科正光の養子となった」「保科正之は会津入りに際して高遠時代の家臣を重用し高遠からの人材流出をもたらした一方で、会津が与えられる直前に藩主であった山形藩や保科氏入部以前の会津藩主であった加藤氏の家臣団の採用はほとんど行わなかったという。正之が会津入りしたときの知行取り以上の家臣は四二七名で、そのうち前者の山形藩時代の鳥居氏旧臣の家臣は三〇名、後者の加藤氏旧臣は三一名と、旧武田遺臣の信州武士が会津武士団の中核を占めた」となっています。

 豊かな西国諸藩に東北を代表して対峙できた会津藩は、武田信玄が育て、戦国時代に特別な存在として知られた武田武士団にルーツを持っていたのでした。徳川時代は停滞の時代でしたから二百余年にわたって気性・気質を維持することは可能だったでしょう。『八重の桜』。城内に撃ち込まれ爆発寸前の砲弾を捨てに走った女性達の気丈さに改めて思いをいたします。


日経が伝えた原発の新安全基準原案は無理筋か

 日経新聞が9日朝刊で原子力規制委が原発に適用する新安全基準原案を伝えました。目玉は「原発が機能を失った場合に備え原子炉を冷やす施設の新設を求める」で、事故調報告不備が招いた無理な屋上屋の印象です。詳しくは11日に再開される新安全基準に関する検討チーム会合の資料を検討してから論じたいと思いますが、新たな課題になっているテロ対策も含めて、最終安全装置をもう1セット追加してしまえば、国民から納得してもらえると考えたように見えます。安全設備さえ造っておけば大丈夫とする従来の発想です。しかし、福島原発事故では現実に用意されていた最後の命綱設備が、色々な事情から働かなかったのです。

 日経の「原発に非常用冷却施設 新安全基準の原案判明 テロ対策も強化」に付いている新聞紙面の図を見ると、大津波の被害が及ばぬ高台に「非常用原子炉冷却施設」「非常用電源」「放射性物質フィルター付き排気施設」「放水銃」を新しく設けて、原子炉と接続しています。非常用ディーゼル電源の津波による喪失などで3原子炉に炉心溶融が起き、ベントのもたつきで原子炉格納容器に破壊の危機が発生、さらに水素爆発後には高放射線量になっている上空から危険を冒した冷却水投下――などの醜態をなぞって「対症療法」対策が並んでいます。

 本来ならばこのような大事故では原因の究明がしっかりなされ、それに基づいた対策として新たな安全基準が策定されるべきです。ところが、福島原発事故の出発点の段階で事故調見解が分かれました。政府事故調は大津波襲来からスタートとし、国会事故調はその前の大地震の時点から異常が始まったとしました。この差は厄介で、考えるべき対策も違ってきます。原子力規制委で原案を考えた事務局官僚が、それならば安全設備をそっくり上乗せしてしまえとしたのでしょう。残念なことに動いている原子炉はそれほど単純ではありません。危機に陥った状況によっては助っ人設備が引き継ぐのが困難な場合があり得ますし、少なくとも運転マニュアル全体を検証して書き換えなければなりません。

 本質的には「航空機の衝突やテロで原発が破壊され、通常の冷却装置が機能を失っても別の場所でシステムが働き、原子炉の暴走を止める仕組みづくり」が可能かどうか、大いに疑問があります。既存原発の設計思想と相容れないか、新設される配管や機能が干渉する恐れがあります。細部を詰めたら問題噴出でしょう。原発再稼働ありきの、とても安易な発想に見えます。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


スマホ等でTV録画を寝床見する楽しさ広げたい

 急速普及のスマートフォンやタブレットでテレビの録画が寝床でも見られるのを知っていますか。アップル系にもアンドロイド系にも使える無料アプリで可能になっているのに、もったいないことに広まっていません。これまでは特定のDVDレコーダーと特定のモバイル機器の間に限って可能な「夢」だったために、一般には望むべくもないと思われてきました。それもこれも日本のデジタル放送コピー制限がんじがらめのためで、そこに風穴が開いた思いです。

 無料アプリは「Twonky Beam」と聞き慣れない名前。昨年11月にアップル系で番組視聴可能になったと伝えたニュース《iOSアプリ「Twonky Beam」がDTCP-IP対応。iPhoneで地デジ番組視聴》のタイトルを見て、一般の人がこれで寝床でテレビ番組が見られるのだと想像するのは難しかったと思えます。アンドロイド系タブレット『ICONIA TAB A700』とパナソニックのDVDレコーダーDMR-BWT2100で試している限りでは、地デジだけでなくBSの録画も見られます。DRモードの録画だけ見られないのが残念。DVDレコーダー側に放送中の番組を変換して送り出す機能がある新しい機種では、生の番組も見られるようです。


 写真にある15インチのノートパソコンには、テレビの録画用ハードディスクやDVDレコーダーから読み出せる有料ソフトウエアが組み込んであります。以前に寝床に持っていきましたが、写真の10インチタブレットと違って大きく重く取り回しが難しく、座って見るしかなくて楽しめない存在でした。布団の端にでも立てかけて視聴できるタブレットでは温々と横になって楽しめます。

 スマホの普及で家庭にも無線LAN中継器(ルーター)が入ってきています。このルーターが寝床見には必需品です。ルーターとDVDレコーダーとが有線か無線かでLAN接続されていなければなりません。ルーターは3、4千円程度で買えます。インターネット接続機器の下に繋げます。

 我が家の場合はサーバー機能があるハードディスクもLAN接続してあります。ここに手持ちのビデオや音楽を入れてあって、アンドロイド用の無料アプリ「MX動画プレーヤー」などで自由に再生しています。タブレット本体にも大量の書籍やコミックスが入っていますから、寝床に持ち込んで楽しめるエンターテイメントソースが昨年から大幅に増えました。

 問題は「Twonky Beam 新しいTwonkyアプリが誕生しました!」の説明が分かる人にしか分からない難解な点です。また、ここに書いてある対象タブレットに私の機種は無いものの使えています。ルーターがある方はまずトライしてみましょう。使ってみた情報を集めている「Twonky Beam最新レビュー」などをチェックするのが有効です。特定メーカーの製品だけの機能ではなくなったので、マスメディアがきちんとした紹介をして広める労を執って良いケースです。

 【参照】「国内で来年にはスマートフォン普及率が過半か」
   インターネットで読み解く!「デジタル放送」関連エントリー


小太り長生きは日本で調査済み。WSJ報道に驚くな

 米国政府機関の研究で「軽い肥満の人の死亡リスクは標準体重の人より低いことがわかった」とするウォール・ストリート・ジャーナル報道に驚くのは愚かです。日本国内では以前から健康調査で知られている事実です。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)健診を国民健康増進の切り札と決めつけて、わずかなウエスト測定値増減に血道を上げている政府が隠しているだけです。

 WSJ日本版の記事はこう伝えました。「研究によると、体格指数(BMI)が25から30の人は標準(18.5から25)の人よりも死亡リスクが6%低かった。このグループの人は肥満(1度)とされ、米国人口の30%以上を占める」「初期段階の肥満とされるBMIが30から35の人は標準と比べて死亡リスクが5%低かったが、この数字は統計的に有意とされなかった」「BMIが35以上の高度に肥満の人の死亡リスクは29%高いという」。BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割って計算します。

 メタボリックシンドローム騒ぎが異常に感じられた4年前に「メタボリックS健診は男性短命化政策」を書いて警鐘を鳴らしました。国内で実施された大規模な健康追跡調査を見る限り、少なくとも男性については小太りの方が長生きだからです。茨城県が10年間、40歳以上の10万人近い県民を追跡した「健診受診者生命予後追跡調査事業報告書」の16ページからBMIと死亡リスクのグラフを引用します。


 「*」マークが統計的に有意差があったところです。日米の調査で標準とするBMIの値が違います。日本の「23.0〜24.9」に対して、米国側「18.5〜25」はやや低めに設定していますから、やや痩せすぎで危険な群を含んでいます。日本調査を見れば米国で比べている肥満1度「25〜30」の群で死亡リスクが低く出て当然でしょう。日本調査で「27.0〜29.9」の小太り男性グループは全死亡以上に、全循環器疾患死亡で歴然とリスクが下がっています。国内調査では女性については小太りはあまり勧められない結果になっていますが、米国では標準に危険な痩せすぎグループを含んでいるので男女差が出なかったと考えられます。

 日本調査は総コレステロールと全死亡リスクの関係でも、あまりコレステロール高値を恐れる必要がないことを教えてくれます。教科書的な形式論理でなく、こうした本音の分析をベースにして、余分なコレステロール低下薬剤投与を減らしていくなどしないと国民医療費の異様な膨張は止められないと思います。

 【参照】インターネットで読み解く!「メタボリックシンドローム」関連エントリー