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原発と増税が総選挙本来テーマ、未来党へ期待

 福島原発事故を受けてエネルギー政策を転換すべし、民自公で決めた消費税増税を国民は了承していない――総選挙で正面から問うべきテーマを掲げた嘉田滋賀知事ら「日本未来の党」に期待します。第三極諸党へ合流呼びかけも「生活」などかなりの広がりを持ちそうです。右に大きく振れた「維新」以外、「みんな」や社民党まで含めた協力構築が望ましいと考えます。それで衆院に大きな勢力を築ければ、増税問題を隠した民自公ペースの解散・総選挙の様相が一変します。

 時事通信の《「日本未来の党」結成表明=「卒原発」で勢力結集−嘉田滋賀知事【12衆院選】》は既にこう伝えました。《生活の東祥三幹事長は27日、都内で街頭演説し、脱原発や反消費税で一致することを念頭に「同じ主張、同じ政策ならば、共に戦おうではないか。その決断が下されるかもしれない」と述べ、合流に前向きな考えを示した。同党の小沢一郎代表は「脱原発」との合流を検討しているほか、「みどりの風」との連携も模索している。河村市長も同日の記者会見で「時間もないので嘉田さんたちと一緒に同じ政党名でやっていきたい」と語った》

 朝日新聞の《嘉田知事新党は「日本未来の党」 卒原発掲げ結成を表明》は嘉田氏発表の「びわこ宣言」にも触れています。《東日本大震災後初の国政選挙であるにもかかわらず、原発のない社会に向けての議論は不透明なままだ、と指摘。「自民党はこれまで原発の安全神話をつくり、事故への備えを怠り福島事故に対する反省は一切なく、原発推進ともとれるマニフェストを発表した」と批判した。そのうえで「多数の原発が集中立地する若狭湾(福井県)に近い滋賀県、琵琶湖をあずかる知事として、国政にメッセージを出さないことは、これまで琵琶湖を守ってきた先人に対しても、子や孫に対しても申し訳が立たない。国民の信頼を取り戻し、国民が希望を持つことができる、未来への選択肢となる新しい政治の軸を立てる」と決意を表明し、賛同を呼びかけた》

 フェースブック上では北海道大の山口二郎教授が「福島瑞穂は社民党を連れてこの動きに合流すべき。衰えたりとはいえ、社民党には地方組織がある。縁の下の力持ちになって脱原発の大義を追求すべき」と主張しています。

 数日前から始まった第三極合流の模索がどこまで広がるか、時間は今週末までしか残されていません。期待を込めて見守りましょう。

 【参照】インターネットで読み解く!「総選挙」関連エントリー


中国新指導部の今後と温家宝首相の後始末

 5年ぶりの中国共産党大会で新しい指導部が選出されました。竹のカーテンの向こう側ですから実情は知れません。しかし、中国ウオッチャーの分析を見ていると人民から望まれている体制改革の期待は薄く、そのような難題を避けるべく対外強硬姿勢に傾くのかなと思えます。もう一つ、親族による2000億円以上の巨額蓄財と報道された温家宝首相について、党として調査するだったのに後始末がありませんでした。「どうか私のことは忘れて」と首相が発言したニュースが逆にリアリティを感じさせます。

 ふるまいよしこさんの「習近平の新時代へ」(コラムニューズウィーク日本版)は中国共産党総書記就任スピーチが、10年前の胡錦濤氏と比べて極めて平易な言い回しになっていると指摘します。《中国の政府関係者のスピーチといえば、これまでずっと「これぞ中国よね!」的な語句がずらずら並び、聞く者、読む者、翻訳する者をけむにまき、結局「行間」を読んだ者勝ちというスタイルが普通だった》例えば前任者は「我々は必ず、党の全同志の重き委託と全国人民の期待や希望を裏切ることなく、小平理論の偉大な旗を高く掲げ、全面的に『3つの代表』の重要思想を貫き、真摯に第16回党大会が提起した各任務を推し進め・・・」

 《しかし、習近平のスピーチはこう始まった。「党の全同志の重き委託、全国の各民族人民の期待と希望、これらは我々がきちんと仕事を行なっていく上で心を奮い立たせるものであり、また我々の肩の上にかかった重い責任でもあります」》これで発言通りですから確かに生身の人間を感じます。でも限界は直ぐに露呈します。

 《習近平はさらに共産党内部についてもこう触れている。「新しい形勢下において、我々の党は多くの厳しい挑戦に直面しており、党内には多くの解決が急がれる問題が存在している。特に一部党員幹部の中で起こっている汚職腐敗、形式主義、官僚主義などの問題については必ず、大きな気力を持ってして解決しなければならない。党全体が意識して目をさまさなければならない」》

 新指導部の視野が党内の末端改革に止まり、体制改革には進まないと主張しているのが「十八大反省会・中央政治局常務委員編」(The Useless Journal of CHINA)です。指導部を形成する常務委員7人を分析して、《最高意思決定機関としての常務委員会は、保守に偏った分、常務委員会政策決定のルールと言われる「合意形成」(満場一致)には比較的スムーズな顔ぶれになっている》とします。《彼らに課されているのは、意見が別れそうな敏感な問題、直接的に言えば既得権益者である太子党・上海閥の逆鱗に触れる問題(急進的な民主・改革政策や、陳良宇・薄煕来クラスの双規など)に手をつけなければいいだけ。”消防隊長”の異名を持つ王岐山が鬼の紀検委を率いる理由も、腐敗防止の対象に既得権益者層を巻き込ませず、かつ末端のおイタした小役人や企業家をバシバシと斬って捨てるための布石だと考えると合点がいくのです》

 引退する党内序列2位、温首相の「どうか私のことは忘れて」(WSJ日本版)はこう見ます。《温氏が世間から消え去りたいと考えるのには一理ある。かつて自らが記録的成長に導いた中国経済が徐々に衰退・減速し、中国の奇跡も評判ほどではないのではとの臆測が流れ始めるのをこの7カ月じっと見守ってきた。そこへきて先日、親族が多額の蓄財をしていると外国メディアに報じられた。これはいかなる政治家にとってもショックな出来事だが、改革者としてのイメージを打ち出してきた温氏にとってはなおさらだ。表舞台から消え、忘れ去られたいと願うのも無理はない》

 温首相は腰が軽く各地の現場に出掛けて人民に声を掛ける『水戸黄門』的なイメージがあったのですが、「温家宝は役に立たないから」(中国という隣人)はそれも虚像だったと思わせます。首相の車を、不正な土地収用を直訴するべく土下座して止めた農民が7日間の行政拘留処分を受けたエピソードです。ネットで話題化して、結局は行政側が謝罪しました。「これは文字通り氷山の一角。運良くネットで拾い上げられるか、ネットに配信する力が必要になります。根本的な解決にはなっていない」との指弾です。指導者の「善意」に頼っていては駄目で、整備された法治国家にするしか解決策はありません。それは遠い昔、秦が統一国家を樹立できた原動力でもありました。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー


国内で来年にはスマートフォン普及率が過半か

 13歳以上のインターネットユーザーの4割が既にスマートフォンを使っており、半年で1割も嵩上げされるペースが続けば来年には全人口を母数にした普及率でも過半に達する見込みです。インプレスR&Dが公表した 『スマートフォン/ケータイ利用動向調査2013』が「スマートフォン利用率は個人が39.8%、企業が41.7%と1年でほぼ倍増、個人のスマートフォンユーザーのFacebook利用率は38.7%」と伝えています。昨年10月の個人利用率が22.9%、5月29.9%で、10月までに10ポイントも上げて加速しています。米国では今年始めで成人普及率44%となっており、急速に追い付く情勢です。


 年代別の利用状況を見ると中高年世代でもしっかり使われるようになりました。特に男性50代、女性40代で3分の1が持っており、物珍しい状態を脱しています。最も高い20代は男女ともに58%を記録しています。まだ持っていない層に聞くと、「利用しようと思わない」は34%しかなく、今年度か来年度から利用を始めたい人が22%もいます。

 13歳以上のモバイル端末保有者は1億0270万人で同世代の9割、全人口に対しては8割です。60%を超える利用率になれば人口当たりの普及率で過半数に届くわけです。来年になって使っていない人には乗り遅れ感が強まりそうです。従来の携帯電話に比べて、スマートフォン利用者は検索などでの情報収集やフェースブックなどソーシャルメディアの活用に時間を使っています。

 6月に発表された「2012年第1四半期世界のスマートフォン調査、UAEとサウジアラビアが普及率6割超」には主要国の第1四半期段階での普及率が比較グラフになっています。日本は従来携帯でネットを使ってきたので出遅れました。英国やオーストラリアは50%を超えています。グーグルが実施したこの調査リポート「Our Mobile Planet:日本」は「82%が1日に1回以上インターネットにアクセスする」「36%がテレビよりスマートフォンの方が大切」と回答したとしています。

 【参照】インターネットで読み解く!「ネット利用」関連エントリー


野田・安倍・橋下ツイート数に見る世間注目推移

 選挙の動向を占うツールとしてツィッターが使えそうです。米大統領選でも「オバマに投票」がロムニーに差を付けました。試みに衆院解散前後から野田・安倍・橋下3氏のツイート数推移を分析します。「buzztter - Twitter のイマを切り取ったー☆」で観測されたツイート数グラフを使い、比較できるようスケールを調整しました。今回は15日夕刻から19日午後3時までの記録です。


 野田首相と安倍自民党総裁は与野党党首として解散前日、ほぼ同様の注目を集めました。橋下大阪市長は低めです。16日の野田首相「バカ正直解散」のインパクトも強く、ツイートピーク値は「925」でした。野田首相へのツイートはその後、日を追って減っていきます。18日になると安倍・橋下両氏を下回るようになります。

 コンスタントな言及を保っている安倍氏に対して、大きく振れるのが橋下氏です。太陽の党との合流協議で大注目になり、合流発表後のピーク「412」はテレビ出演によるものと思われます。河村名古屋市長の減税日本との合流は「中身の問題だ」と否定したり、石原氏を首相候補に押し上げたり、と話題づくりに事欠かない性分なのでしょう。

 ツイートの中身が好意的か批判的かは、個別に読んでいかなければ分かりません。米大統領選投票日での「voteobama」と「voteromney」のツイート数を比べるのなら簡明です。オバマの方が3割くらい多かったようです。日本国内では公選法で表現が縛られてしまいそうですが、有権者の反応をリアルタイムで知る手段に変わりありません。4年前の大統領選ではテクノラティ社のブログ記事数グラフが使えて、第167回「ブログ記事数グラフで見る米大統領選」でオバマ有利の動向を掲示しています。ブログ数が増えすぎた現在では、このグラフ化は不可能になってしまいました。


暴走発言の安倍総裁、色あせる橋下快刀乱麻

 民主党の立て直しをしないで解散した野田首相、そこまでしなくてもと思える暴走発言の安倍総裁、太陽との合流優先で快刀乱麻ぶりが色あせてしまった橋下維新――どの党も踏み外しだらけです。読売新聞の緊急世論調査《比例投票先、自民26%民主13%…第3極失速》が示しているのは、総選挙を前にした党派性への収束でしょう。ふだんは浮気をしていた有権者が本筋の政党に回帰する現象で、前回総選挙に比べて民主は激減、自民の優位は動かず、安倍総裁は敢えて政策的危うさを見せるべきではありません。

 法律で禁止になっている建設国債の日銀全額引き受けを言い出した安倍総裁は「日銀の政策金利をゼロにするか、マイナス金利にするぐらいのことをして、貸し出し圧力を強めてもらわないといけない」とまで発言しています。「暴走する安倍晋三氏」で池田信夫氏は「日銀引き受けで増えるのは政府支出であり、これは建設国債を民間が買って日銀が買いオペで吸収するのと同じだ」「財政規律が失われ、『日本政府はいよいよ市場で国債を消化できなくなった』というメッセージを世界に送って、国債バブル崩壊のきっかけになるおそれが強い」「こんな暴走を続けていると、安倍氏が恥をかくだけでなく自民党も選挙でつまずくだろう」と手厳しく批判します。

 読売緊急世論調査は衆院比例代表選の投票先がどう推移したかも掲示しています。維新の会は8、9月は16%、10月13%、11月始め12%から解散直後8%まで落ちています。太陽の党も5%に止まり、第三極に圧倒的な風が吹く状況ではありません。毎日新聞《日本維新の会:「大同団結」政策骨抜き…太陽の党と合流》が「合意した基本政策は合流を優先し、国民の関心が高い政策で骨抜きやあいまいさが目立つ。橋下氏は大阪市長として『2030年までの原発ゼロ』を表明、みんなの党との政策合意にも脱原発が盛り込まれた。ところが、基本政策には安全基準など『ルールの構築』とあるのみだ」と伝えるように、橋下氏から持ち前の歯切れの良さが失われている点が響いています。これは国政政党化したころから始まっています。

 小選挙区とブロック別比例区からなる総選挙ですが、やはり中心は300小選挙区です。ここでは前回選挙からの共闘態勢を守っている自公が圧倒的に有利です。民主は離党者続出で大量の空白区を抱え解消は無理です。資金面でも不安がある第三極が知名度のある候補者を用意するのは難しく、維新の1次公認は47人にすぎません。勝敗は見えていて民主党政権維持の算段が全くないのに解散に打って出た野田首相は自己満足できても、政権獲得に再起できないほど民主党を惨敗させる可能性があります。

 【参照】インターネットで読み解く!「民主党政権」関連エントリー


野田首相は大局観を欠いた政治的ボンクラ

 民主党大惨敗が間違いない総選挙に野田佳彦首相が打って出ます。第三極の選挙準備が整う前に、と考えたのなら大きな間違いです。この時期の総選挙は民主党に利するところはなく、自公連立政権の閉塞復活につながるだけです。野田首相が環太平洋経済連携協定(TPP)を争点にしようと言い出すなど、民主党の政治家は皆さん、自己の妄想の中にお住まいとしか見えません。しかし、本格的政権交代で踏み出された大きな政治の流れを大切にするだけの大局観は持っていなければなりません。解散時期嘘つき批判に悩み、野田降ろしを見る前に自ら解散を決めるしかなかったボンクラを、9月の代表選挙で再選した民主党は何もかも捨てることになりました。あの時、交替させるしかなかったのです。

 衆議院選挙は12月4日公示、16日投票と決められました。日経新聞が伝える岡田克也副総理の談話は愉快なほど、事の本質を隠しています。「見事なリーダーとしての決断だ」「来年度予算編成が本格化するまでに選挙するのが国益だという判断があったと思う。我が党にとって決して有利な状況ではないが、そういったことを乗り越えて信を問うということだと思う」

 実態は党内の解散反対噴出でリーダー失格に陥り、民主党政権最後の予算編成で政権の意義を訴えるチャンスも無くします。しかも、信を問う内容が次のようにTPPだとするなら、これまでの3年は何だったのかとなります。

 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版10日付の「野田首相、12月にも衆院選を検討=複数の首相側近」は《首相はTPP交渉参加を争点にすることで最大野党の自民党より多くの票を得ることを狙っている。自民党は、日本がTPPに加われば海外から安い農産物が押し寄せるのではないかと懸念する農家の反対意見に配慮してTPPには慎重だからだ。「次の選挙はTPPで勝負する。自民党はTPP支持とは言えないから、違いを出せる」と総理に近い与党議員の一人は述べた》と報じました。国民に広く訴えるほどTPPの中身を政権として議論してきたとは言えません。

 【参照】インターネットで読み解く!「民主党政権」関連エントリー


iPS大虚報へNatureからの叱責と科学詐欺師対策

 読売新聞などによるiPS細胞「世界初の臨床応用」の大虚報へ、英国の科学誌「ネイチャー」が「Bad press」と厳しい日本メディア批判を掲載しました。翻訳を掲載している「世界有数の科学ジャーナルもあきれる日本のメディアのレベルの低さ」は「読売新聞の森口氏の『功績』に関する報道には大変失望したし、日本経済新聞など他の新聞もこの10年の長きに渡り裏を取らずに森口氏を記事に載せてきてしまったということを認めている」と指摘、嘘を見抜くための手法を紹介しています。

 「何より重要なのは論文執筆者とは協力していない他の研究者にその研究の重要性や実現可能性について話を聞くということだ」と日本メディアに求めると同時に、「日本の科学者は自分たちの同僚に対して批判的な思考をすることが余りない。これは日本では欧米などと比較して内部告発者に対する保護が薄く、せっかくのキャリアをふいにしたくないと思うからかもしれない」と、日本の科学者も切っているところがネイチャーらしいと思います。2004年の第145回「大学改革は最悪のスタートに」インターネットで読み解く!)で「ピアレビュー能力を欠く国内研究者」と評した通りです。

 しかし、時事通信が伝えた「森口氏の論文2本取り消し=卵巣凍結と肝がん細胞初期化−英科学誌」を見て、ネイチャーもきれい事だけ言っても、との思いもしました。ネイチャー系と言われる英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」が大虚報の当人、森口尚史氏の論文を取り消していますが、この雑誌は閾が低めながら研究者による査読があるのです。「ヒト肝がん細胞を化合物だけで直接初期化する手法」は眉唾物ですが、この論文掲載がある種の説得力を付与して、大虚報の伏線になったとも考えられます。

 一方で科学ジャーナリストの小出五郎さんが《科学詐欺師に騙されるメディア 「誤報」の背景(1)》で「今回の『誤報』に関しては、科学の世界で常態化している不正の問題、メディアのビヘイビアの両方から見ることが必要です」と論評しています。科学者の側も何らかの不正行為を容認する風潮があると米国のデータを示しています。

 ネイチャーからは「日本のジャーナリストたちも科学者を前にすると借りてきた猫のようにお行儀よく、何も突っ込んだ質問をしなくなる」と皮肉られています。取材中に喧嘩ばかりしていても前に進めませんから、相手の話をよく聞くのが基本です。しかし、いざとなったら、相手の言い分を全てひっくり返すのがジャーナリストの仕事と構えていなければなりません。これは取材先を科学者ではなく、権力とした場合の付き合い方でも同じなのです。

 【参照】大虚報の後始末が不可解に過ぎる読売新聞 [BM時評]


FaceBookで取り上げた話題セレクト(Nov#2)

 フェイスブックの私の「ウォール」「Blog vs. Media 時評」ページで、マスメディアやブログなどから多彩な話題を取り上げています。今回は米大統領選の完全予測、「中国の収容所群島」、急成長のタブレット、輸出用超高級万年筆で文字を書いている動画が魅せたモノづくりの素晴らしさなどを紹介。

[FaceBookの話題セレクト]11/8
《大統領選でニューヨークタイムズのネイト・シルバーの数理モデル予測が全50州で的中―政治専門家はもはや不要?》
大統領選の勝敗を全50州で的中させたネイト・シルバー氏の衝撃です。「シルバー・モデルが与えるもっとも大きく、破壊的な影響は、伝統的な選挙キャンペーンや政治評論はもはや選挙結果に決定的な影響を与えることはないという事実が明らかになってしまうことだ。シルバー・モデルは選挙の数ヶ月前から オバマの勝利がほぼ確実であると予測していた」
 1990年代半ば新聞記者ながら総選挙当落判定のためにPCで膨大なデータ分析をしていたので「ありうべき」と思ってしまいます。世論調査など社会観測データと選挙結果を並べて相関関係を構築するのは、新聞の選挙情勢調査の基本です。
 厳密に言うと、どうしようもないようでも伝統的選挙キャンペーンなどがあることを前提に推定結果が得られているので、キャンペーンもなくテレビの評論家も沈黙したら、それこそ結果が変わる恐れもあります。

[FaceBookの話題セレクト]11/7
《死んだプランクトンが餌=ウナギ完全養殖、産業化に前進−東大など》
ニホンウナギ絶滅へカウントダウンだっただけに、嬉しい研究前進です。深い海溝付近では幼生が食べられるのは降り積もってくる、植物・動物プランクトン死骸だったわけです。

[FaceBookの話題セレクト]11/7
《「中国の収容所群島」裁判が要らない“便利”な懲罰制度「労働教養」―中国 : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)》
ソ連から消えた「収容所群島」が今なお中国に。 《2003年、司法部は「エイズ予防管理戦略計画」の中で、2001年末に全国に340か所の労働教養所があり、31.7万人を収容し、平均収容期間は1年7か月にのぼることを初めて明らかにした》

[FaceBookの話題セレクト]11/7
《読み書きできないエチオピアの子供たちにAndroidタブレットを与えたら...彼らは5ヶ月でハックした》
感動的なエピソード。途上国援助は地元政権や仲介の利権で吸い上げられ易い援助形式より、子ども向けにこれですね。

[FaceBookの話題セレクト]11/6
《タブレット世界出荷49%増 アップルはシェア50%に低下 7〜9月》
急成長のタブレットを個人向けパソコンの仲間とみると、世界で既に4台に1台がタブレット(第3四半期1億1559万台中の2780万台)。ネットを見て回ったり、電子書籍を読む、ビデオを音楽を楽しむといった使い方では、気軽さ、取り回しの自由さでリードしています。来年はもっと凄いことになりそうですね。

[FaceBookの話題セレクト]11/6
《海外「世界一美しい」 日本製の高級万年筆に外国人が色々と大興奮》
国内版価格26,250円の輸出用超高級万年筆で文字を書いているだけの動画ですが、動きと文字のすばらしさに魅せられます。最近買った安物ペンも結構気に入っていますが、とても足元にも及びません。達筆な方なのでしょう、文字の切れ味最高です。


国の巨額支援でなく東電の国有化と電力改革を

 東京電力が7日に発表した国への巨額支援要請は、再建の枠組みを決めた「総合特別事業計画」が早くも破綻していると社外取締役らが認めた点に問題の本質があります。政府の責任逃れも含めて無理矢理作った計画を維持するのではなく、この機会に根本的な解決を志向するしかありません。それには東電の国有化と解体です。福島原発事故の財政的な始末を付けるために、他の電力会社にも及ぶ電力改革の開始です。

 毎日新聞の「東京電力:国に支援要請 中期経営方針を発表」は《福島第1原発事故の賠償や除染、廃炉の費用が今後、10兆円を上回る可能性があると強調。下河辺和彦会長らは国に対し新たな支援策を要請した上で、再建の大枠を定めた「総合特別事業計画」を来春にも改定する方針を示した》《社外取締役ら7人の共同記者会見では「(事故対策費用が膨らむなどし)総合計画の前提が崩れつつある」(数土文夫JFEホールディングス相談役)などの懸念を表明》と伝えました。

 もともとの枠組みが間違っています。政府は福島原発事故の収束と廃炉を東電の責任とし、発生した除染費用も立て替えた後で東電に請求するとしています。事業者責任を問う法律の建前と東電前経営陣の企業存続希望によって現在の枠組みが出来ました。しかし、1兆円を投入した「実質国有化」後、百日を経過して第三者が冷静に見れば、全く展望が無いと知ったに過ぎません。東電がこうした費用を負担し続けるならば、原資は東電管内の電気料金です。東電管内だけが止めどなく高い電気料金になっていき、国内経済が歪みます。

 翻って考えれば、福島第一原発の安全審査をしてゴーサインを出したのは政府です。事故の責任は国が東電と折半するべきです。ところが政府は事故の責任明確化を避けるばかりでなく、費用の政府負担にも口をつぐんできました。現実を直視しないために、「実質国有化」が行われたのです。

 もう虚飾は結構です。税金を含めて福島原発事故始末で負担できる、合理的な枠組みを確定しなければなりません。除染に膨大な費用が投じられようとしていますが、住民の多数は放射能不安から戻るつもりはありません。それならば長期に渡って放棄する地域を設定して、住民に新天地で新たな生活をして貰う方が安心できるし、遙かに安く済みます。河北新報が伝える《福島避難者、「20年度にゼロ」 県、総合計画に明記へ》のような自治体の錯誤に全国民が付き合う必要はありません。元に戻らないものは戻らないのです。

 国民の理解を得て税金を投入するには、東電がこれまで不当に得た膨大な利益を全て返す必要があります。送電と発電を分離して原価構造を公開し、事故処理費用の上乗せに理解を得なければなりません。東電の本当の国有化と解体をすべきです。電気料金の国内バランスを取るために、他の電力にも負担をならすべきです。国民の理解を得るためにも、電気料金の透明化は避けられません。送電と発電の分離は他電力も巻き込んで全国規模で進めるしかありません。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


違法ダウンロードが霞む音楽業界の末期症状

 6月に私的違法ダウンロード刑罰化法案が闇討ち的に成立、10月から施行されました。このタイミングでマイボイスコムが「音楽ダウンロードの利用に関するアンケート調査(第5回)」を実施して探った動向は衝撃的です。音楽にお金を使わない、ダウンロードもしない傾向が一段と鮮明です。CD売り上げ減少を補うと期待された有料音楽配信の売上高も、つるべ落としの激減ぶり。消費者に買いたくさせる魅力的コンテンツを育てずに、刑罰の力に頼ろうとする音楽業界は末期症状露呈です。


 「あなたは音楽CD・DVDの購入やレンタル、曲のダウンロードなど、音楽を聴くために1ヶ月あたりどの程度のお金を使っていますか」に対する回答が上のグラフです。全くお金を使わない層が2007年調査までは55%程度に止まっていたのに、2010年に62.5%、2012年は68.6%と拡大しました。2割前後いた5百円未満層が16.8%へ、11%くらいいた千円未満層が7.1%に細ってしまいました。千円から3千円という上得意層は2005年頃までの半分、5.4%です。


 「あなたはここ1年以内で、音楽のダウンロードに1ヶ月あたりどの程度のお金を使っていますか」の質問に答えた上の集計グラフで、無料でもダウンロードしなくなっている傾向がはっきりします。1年以内にダウンロードしていない層が2010年の32.4%から2012年は43.9%まで増え、無料ダウンロード層が30.4%から24.2%に減りました。

 日本レコード協会の「有料音楽配信売上実績」から四半期ごとのデータを抜粋したのが下の一覧表です。

《有料音楽配信売上実績(四半期毎)》  
    (単位)数量:千回,金額:百万円
           数量 前年同期比 金額 前年同期比 
 2008/1-3   120,827 106%   22,463 128%
 2008/4-6   118,955 107%   22,502 128%
 2008/7-9   118,112  97%   22,225 111%
 2008/10-12 121,294 103%   23,360 116%
 2009/1-3   118,281  98%   22,465 100%
 2009/4-6   115,448  97%   22,149  98%
 2009/7-9   117,444  99%   23,015 104%
 2009/10-12 117,050  97%   23,352 100%
 2010/1-3   111,935  95%   22,074  98%
 2010/4-6   110,496  96%   21,376  97%
 2010/7-9   111,902  95%   21,561  94%
 2010/10-12 107,124  92%   20,978  90%
 2011/1-3   101,772  91%   19,337  88%
 2011/4-6    94,248  85%   18,637  87%
 2011/7-9    88,657  79%   17,505  81%
 2011/10-12  82,608  77%   16,482  79%
 2012/1-3    78,171  77%   15,410  80%
 2012/4-6    67,146  71%   13,173  71%

 2010年から売上高が落ち始めた勢いはどんどん加速していて、2011年後半からは前年同期比8割ペースになり、今年の第2四半期は何と前年同期比71%です。前年比1割程度の減少で推移しているCDなど「オーディオレコード総生産金額」と比べて、尋常でない印象です。

 2010年はスマートフォンが脚光を浴びた年であり、いわゆるガラパゴス携帯からの移行が始まりました。スマートフォンに移る過程で従来の配信サービスが使えなくなりました。ユーチューブなどで視聴でき、無料音楽アプリも多数ある結果、売上高が落ち込みました。しかし、《2011年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表》に「スマートフォン所有者は音楽への関心が高く、音楽への支出額が多い。新品CD購入では約3割、有料音楽配信では6割弱を占める」とあるように、スマートフォン所有者は有望な音楽消費者なのです。有料音楽配信の落ち込みが異常なまでに進むのはチャーミングなコンテンツが足りないと考えざるを得ません。「AKB48」の人気が全盛になるほど音楽配信売上減が進んで見えるのは単なる偶然なのでしょうか。下の参照記事にあげた第127回「音楽産業は自滅の道を転がる」の業界体質に改善がありません。

 【過去のインターネットで読み解く!「音楽」参照記事】
2002年……第127回「音楽産業は自滅の道を転がる」
2005年……「アップル配信で音楽業界の目は醒めるか [ブログ時評31]」
2009年……第185回「音楽不況に追い打ち、ネット配信もダウン」



FaceBookで取り上げた話題セレクト(Nov#1)

 フェイスブックの私の「ウォール」「Blog vs. Media 時評」ページで、マスメディアやブログなどから多彩な話題を取り上げています。ニューヨークのハリケーン被害や日本人の起源DNA解析など、関心を持たれそうなものをいくつかピックアップして紹介します。

[FaceBookの話題セレクト]11/3
《ニューヨークがハリケーンに弱い理由》
これでは仕方がないですね。「高潮は、ニューヨーク市のように周辺の海が浅いと余計に発達する。水深が低いと、それだけ高潮は高くなるのだ。サンディのようなカテゴリー1のハリケーンによる高潮は通常0.9〜1.5メートルほどだが、今回、ニューヨークの金融地区では4.2メートルという記録的な水位に達した」
《ハリケーン:水没したNYはどう復旧されるのか》
ニューヨークの復旧は大変そうです。「ニューヨーク市に張り巡らされた地下鉄や車両のトンネルには、約15億リットルもの水が入り込んだ」・・・これは利根川の1日流量の6割くらいです。

[FaceBookの話題セレクト]11/2
《三越伊勢丹の純利益93%減 4〜9月、大阪店舗不振で減損》
梅田進出の三越伊勢丹「年間売上高目標は550億円だったが、今期は340億円と計画を4割下回る見込み」・・・とんでもない見込み違いの原因は開店前から分かっていました。商品企画を東京勢が女性抜きでやっていると聞いています。綺麗だけど冷たい感じの店舗です。「大阪なめとんちゃうか」の読者コメントも。

[FaceBookの話題セレクト]11/1
《外国人旅行者も驚く、日本が世界に誇れる5つの美点》
CNNにそこまで言われると面はゆいような心持ちに・・・「日本は、まるで現代技術の周りを古き伝統が回っている万華鏡のような魅惑的な国だ。この国には、創造力、奇抜なファッション、古風な美しさ、効率的な事業、そして目もくらむファンタジーがある。日本は、全く予想もしない方法で五感を満足させてくれる場所だ」

[FaceBookの話題セレクト]11/1
《アイヌ、琉球は縄文系=本土は弥生人との混血−日本人のDNA解析・総研大など》
言われていた日本人の「縄文・弥生混血」起源のほぼ確定です。新味は「本土人は大ざっぱに言えば、縄文人2〜3割と弥生人7〜8割の混血ではないか」でしょうか。以下もご参考に。
インターネットで読み解く!第7回「縄文の人々と日本人の起源」
http://dandoweb.com/backno/970619.htm
第157回「日本人の起源を読み解く@2008リンク集」
http://dandoweb.com/backno/20080323.htm



急ぐ安全指針と避難計画から透ける小手先解決

 原子力規制委員会が原発の再稼働を判断する根拠になる安全指針と防災・避難計画を巡って慌ただしく動いています。新安全指針は来年3月末まで、防災計画は年内の策定が求められ、基本から考えて網羅的に議論するには時間が足りません。どうやら事務局側は落とし所を用意してあり、小手先の解決策で済ませるつもりと見え始めています。福島原発事故の反省に立つ根本的な見直しではなくなりそうな予感がします。

 原子力規制委は31日の委員会で事故時に放射性物質の放出前に直ちに避難する予防的措置準備区域を原発から半径5キロ圏に、緊急時に避難や屋内退避ができるよう備えておく緊急防護措置計画区域を半径30キロ圏に設定しました。30キロ圏で十分か議論があるものの、従来より大幅に避難範囲が広がった結果、東海第2原発で93万人、浜岡原発74万人、島根原発44万人、柏崎刈羽原発43万人など膨大な数の住民が避難対象になりました。このほか20万人以上が5原発もあります。

 これだけ多数の住民の足を確保して避難させるには、相当に長い時間を見込まざるを得ません。ほぼ同時に安全指針検討チームに出た《原子力規制委、事故踏まえ新基準 検討チームにたたき台》(西日本新聞)を見て、気が付きました。《現行は、短時間の全交流電源喪失への対策を求めているが、素案は「一定時間の冷却確保」を求めた。「一定時間」をどの程度の長さとするかは、今後議論を続ける》とあって、電源喪失してもある程度長い時間を稼ぐことが新安全指針の骨格になりそうです。

 福島原発事故では、事故発生翌日には高まる格納容器圧力を逃がすベント操作で20キロ以上も北側に高濃度の放射能雲が流れました。これを起こした1号機のように電源喪失後の安全装置が旧式で劣っている原発は除外し、安全装置が自動起動して長期に冷却を維持できる原発だけに再稼働を認めれば、安全確保面でも防災・避難計画でも整合させられると考えている可能性が高いように感じます。もちろん非常用電源の改良なども加わります。

 従来の安全指針の考え方「安全確保の仕組みがあるから大丈夫」を、安易にぎりぎりにしていたから、もう少し安全側に振って済ませる思想と言えます。しかし、福島事故の3号機では起動していた安全装置を運転員が止めてしまいました。また、2号機で安全装置依存から海水注入に切り替える判断をすべきだったのにずるずると流されて、結局は炉心溶融に至りました。過酷事故は地震・津波だけで起きるとは限りません。小さな異常に人間系の判断ミスが加わって拡大していく方がありそうと考えられてきました。福島事故の反省に立つならばこうした人間系の見直しが欠かせないと考えますが、検討チームの議論はもっと平板なものです。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー