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低線量地域除染に支援ゼロで政府は東電を免責

 30日の緊急時避難準備区域解除を前に政府が示した除染方針は住民の帰還を阻むものです。年間線量5ミリシーベルト以上の地域は国が除染すると言う一方、5ミリシーベルト以下の地域の除染には財政支援がゼロと判明しました。自治体や住民が勝手におやりなさい――と切り捨てるのは間違っています。年間1ミリシーベルトは法律で決まっている線量限度であり、住民には住居や周辺をそれに近づけるよう求める権利があります。お金が掛かりすぎると言うのなら、費用は福島原発事故の原因を作った東電に請求すべきです。政府の方針は被害にあった住民の要求をブロックし、東電を免責する役割を果たしています。

 毎日新聞の《放射性物質:除染の線引き 説明会で反発の声相次ぐ 福島》はこう報じました。「国は市町村に対し、年間1〜20ミリシーベルトの地域について除染計画を策定するよう求めている。環境省はこのうち5〜20ミリシーベルトの地域について、家屋洗浄、表土除去、道路の路面洗浄などの『面的な除染』を国が支援する」「県内の大半を占める1〜5ミリシーベルト未満の地域については、国の支援は側溝や雨どいなどの洗浄に限り、その他は市町村の負担としている」「除染に関する国の市町村への支援枠は約1800億円。同省はこの日の説明会で『限られた予算の中で優先順位を決めた』と理解を求めた」

 緊急時避難準備区域解除の話が出始めたころから「避難民を帰すのに国は本格除染を実施しない気か」と疑っていました。年間線量5ミリシーベルト以上とは現行法で放射線管理区域を指定する基準とほぼ同じです。さすがにここまでは守るのですが、一般住民、特に子どもや妊婦がいる住民は5ミリシーベルト以下で安心して住めるはずがありません。除染にはお金がかかります。除染した土壌を長期間保管する施設、例えば厚いコンクリートの壁の内側にドラム缶で保管するとしたら、施設建設だけでも相当な費用になりますが、それを用意しないと地域で広範囲の除染は出来ないのが現実です。

 NHKニュースの《除染 低線量地域は財政支援せず》は、自治体から「一部分だけの除染では住民が安心して暮らせない。財政的な裏付けがないと地域全体の除染を進めることができない」など反発の声が相次いだと伝える一方、「政府の福島除染推進チームの森谷賢チーム長は『国の基本的な考え方はこれまでも示してきたつもりだったが、きょうの反応を聞いて、もっときめ細かく説明しておけばよかったと思っている。今後、さまざまな事態が起こることが考えられるが、国として柔軟に対応していきたい』と話していました」としています。

 この程度の手直しでは済むはずがありません。住民の大半が避難している自治体に財政的な余力があろうはずがありません。福島市や郡山市など都市部の住民にも元の環境に近づけるよう求める権利があります。惨状を起こした原因者は東電ですから、復旧費用負担も当然ながら東電――との図式で除染政策を根本から組み直すべきです。

 【10/2続報】NHKニュース「5ミリシーベルト未満でも対応」はこう伝えました。「佐藤知事は会談で『多くの県民が被害者である自分たちがなぜ除染をみずからやらねばならないのかと思っている。本来は、国、あるいは事業者が一軒一軒回ってやるべきという意識を政府でしっかり共有してもらわねばならない』と述べました。そのうえで、市町村の判断で、年間の被ばく線量が1ミリシーベルトから5ミリシーベルトの地域で行う面的な除染についても、国が財政措置を講じるよう求めました。これに対し、細野大臣は『除染は国の責任でやるべきことで、対象地域としては1から5ミリシーベルトも含んでいる。自治体から、こういう形でやりたいと示されれば財政措置や技術措置を講じることを約束したい』と述べ、5ミリシーベルト未満のところで地域一帯で行われる除染を含め、最大限、財政措置をしたいという考えを明らかにしました」。当たり前のことをようやく認めましたが、実際にどう実行するのか、注意深く監視しましょう。


中国地下鉄の追突事故、高速鉄道事故と同根?

 270人以上の負傷者を出した上海市の市営地下鉄事故について、7月の高速鉄道事故と同根の恐れがあるようです。サーチナ・上海共同の《高速鉄道と同様の信号系統、上海の地下鉄で追突事故》が「地下鉄を運行している企業の社長は記者会見で、事故のあった地下鉄が死者40人を出した7月の浙江省温州市での高速鉄道追突事故発生区間と同様の信号系統を採用と明らかにした」と伝えました。

 同じ追突事故とは言え、比べるのをためらっていました。高速鉄道と地下鉄では区間の長さが違うものの、一定の区間には1編成の列車しか入れないように制御されていれば追突は起こり得ません。FNNニュースの《中国・上海中心部を走る地下鉄で追突事故 日本人2人を含む約270人が重軽傷》は「中国中央テレビは『専門家は信号システムの故障が原因と指摘しています』と報じた。現地メディアは、信号システムが故障し、手動に切り替えたところ、事故が起こったと報じている」としています。「また、この路線では、最近、信号システムが故障し、分岐点で列車が目的地と違う方向に向かってしまう事故などが起きている」

 トラブルが起きたときに完全に止めてしまっていれば、中途半端な状況に移行したりしないはずですが、中国の鉄道管理者は止めたがらないようです。「ハードもソフトも安全装置総崩れ中国高速鉄道」で指摘したように、システムも不完全なら、それを扱う人間系の訓練もいい加減なところで妥協しているとみます。高速鉄道事故の調査報告も9月半ばに出ると言われていたのに、まだ検討中とされています。中国のネット上で批判の声が高まっています。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国高速鉄道」関連エントリー


今更の運転手順書提出命令、政府組織の駄目さ露呈

 時事ドットコムの《運転手順書の提出命令=福島原発事故で東電に−保安院》を見て、前に黒塗り提出した東電よりも、この国の政府組織の駄目さ加減に愕然としました。経済産業省原子力安全・保安院は、福島原発事故で東電がしていた事故時オペレーションを実際には何も知らないで「指示」「指導」していた訳です。また、政府が設置した第三者機関「事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東京大名誉教授)も関係者多数から聴取していると言いつつ、基礎になる資料を何ら押さえずに上っ面をなで回していたのです。

 「手順書をめぐっては、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会が東電に対し提出を求めたが、大半が黒塗りになったものが出されただけで、問題になっている」「保安院によると、提出命令は原子炉等規制法に基づくもので、事故後初めての措置。同原発1号機については27日までに、2、3号機については28日までに提出を求めた」

 国会側から12日に経済産業大臣に要請があり、半月掛けて保安院が命令を出した形です。保安院はこれで仕事をしていると思うなら大間違いです。事故進展中に大きな事を言っていたのに、東電からの伝言ゲームの中間メンバーに過ぎないと、今回の命令で認めたと認識すべきです。

 一方、事故調査・検証委は27日の第3回会合を「本格的な議論をするため」非公開とすると伝えられました。年末の中間報告まで調査経過も明らかにしない方針と言います。真実を隠されると困るから個人の責任は問わない原則を標榜して始めたのに、目立った成果は出ていません。もともと原子力の専門家が乏しく、テクニカルな問題を詰める能力は疑っていましたが、事故時操作の基礎資料も入手しないで「本格的な議論」は到底不可能です。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


除染に期待が持てない福島市渡利地区調査結果

 神戸大の山内知也教授が公表した「放射能汚染レベル調査結果報告書〜渡利地域における除染の限界」は除染モデル事業実施区域にもかかわらず、ほとんど除染効果が出ていない深刻な調査結果です。福島市渡利地区は福島県庁から阿武隈川をはさんで直ぐ東にあり、この地区での居住の可否が今後、問われるでしょう。本格的な除染をするためには洗い流すだけでなく、汚染構造物を多数破壊して撤去する荒療治の必要性を示唆しています。福島原発事故で通常の除染に期待が持てないとは大問題です。

 除染モデル事業は通学路の安全確保を意図して実施されましたが、「『除染』の前後で空間線量は平均して68%に低減したが、半分以下にもなっておらず、除染とは言えない。依然として子供らの通学路は1〜2μSv/hにあり、場所によっては 4μSv/hに達したままである。除染作業の実態としては堆積した泥を取り除いたということに尽きる模様である。アスファルトやコンクリートが汚染しており、除染するにはこれらも取り除く必要がある。また、道路に面する住宅の庭やコンクリートブロックについても除染/取り除く必要がある(これは街の破壊を意味する)」と厳しい現実を指摘しています。

 「薬師町内の計測結果によるとこの町内の線量は一般的に高く、子どもたちや妊婦の避難を早急に実施すべきである」と提言もあります。緊急時避難準備区域の指定で示された線量よりも高い例が見つかっているのです。「個人宅の庭の奥では、50cm高さでで4.8μSv/h、1mで2.7μSv/hを記録した。これは南相馬市の子ども・妊婦の指定基準(50cmで2.0μSv/h)や、同じく伊達市の子ども・妊婦の指定基準(1mで2.7μSv/h)を超えている。当該宅には4歳の子どもが住んでいる」

 「住宅の内部で天井に近いところで、あるいは1階よりも2階のほうが空間線量の高いケースが認められたが、これらはコンクリート瓦等の屋根材料の表面に放射性セシウムが強く付着し、高圧水洗浄等では取れなくなっていることに起因することが判明した。学童保育が行われているような建物でもこのような屋根の汚染が認められた」。この点も通常除染の限界を示しています。また、高汚染土壌が放置されている場所では「堆積した土壌表面の線量は6月の7.7 μSv/hから22μSv/hに、11μSv/hから23μSv/hに上昇していた。降雨と乾燥とによる天然の濃縮作用が継続している」と恐ろしい所見もあります。手をこまねいている間にも、汚染状況は変化していたのです。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


中国に続きインドにも抜かれるGDP推移グラフ

 日経新聞の《インドGDP、購買力平価で日本抜き3位へ 現地紙報道》が「インド経済紙最大手エコノミック・タイムズは20日付の一面トップで、2011年のインドのGDP(国内総生産)が購買力平価(PPP)ベースで、日本を抜いて世界3位になる見通しだと報じた。同紙によると、10年のインドのGDPはPPPベースで4兆600億ドルで、米国、中国、日本(4兆3100億ドル)に次ぐ4位」と伝えました。「世界経済のネタ帳」を利用して、インドと日中米のGDP推移グラフを作ってみました。





 中国に抜かれたのは名目GDPでの話で、今回、インドに抜かれるのは購買力平価ベースです。「購買力平価は『為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決まる』という購買力平価説を元に算出された交換比率。各国の物価の違いを修正して比較できるため、より実質的な評価・比較ができると言われている」。名目GDPでの差はグラフの通り、まだ大きく、2010年、インドの1人当たり名目GDPは1264ドルにすぎません。

 大人口国が高い成長を続ける限り、日本が追い越されるのは自然の成り行きでしょう。やはり日経の《2050年の世界GDP、アジアが52%に拡大も ADB報告書》には「アジア開発銀行(ADB)は2日、2050年までのアジア経済を展望する報告書を発表した。中国やインドが順調に成長を続けた場合、世界総生産(GDP)に占めるアジアの割合は現在の27%から52%まで拡大する。中国の割合は20%、インドは16%に達する。日本は現在の約9%から3%程度に低下するが、旺盛なアジアの需要を取り込み、1人あたりGDPは3万ドルから8万ドルに増えると予測している」ともあります。結果として悪い話ではないというのですが、この手の成長予測は資源が無尽蔵に使えると考えるので要注意です。

 【参照】インターネットで読み解く!「インド」関連エントリー
 第182回「日本抜く中国GDP、矛盾する数字と未来」


福島原発の地下水、流入があれば汚染水流出も

 東京新聞が《福島第一 建屋に地下水大量流入か 収束作業に難題》で「原子炉建屋やタービン建屋地下に、一日数百トンの地下水が流入している可能性のあることが分かった」と注目すべき報道をしました。地震によって建屋地下の壁が損傷したことは確実で、雨が少ない冬季になれば地下水位が下がって、逆に建屋の放射能汚染水が流出する事態になります。



 東京新聞が集計したグラフを上に引用しています。「東電が公表したデータを本紙が集計したところ、約十万トンあった汚染水は、十三日時点で約五万千六百トンにまで減っているはずだった」「しかし、実測の地下水位から東電が推計した汚染水残量の最新値は約八万千三百トン。移送量などから逆算した値とはほぼ三万トンの開きがある」「東電に本紙の計算結果を示すと、『日量百トン単位でわき出ていると思う』との回答があった」

 地下水流入で汚染水の処理が大変になる点に重点が置かれていますが、これから雨が少なくなるシーズンを迎えれば流出の危険を考えるべきです。松山市公営企業局が出している「松山市水源状況・雨量と給水量 地下水の水位(南高井観測井)の推移」を引用します。



 雨が多いこの半年間は地下水位(赤線)が上がっていますが、昨年、一昨年の実績を見ると雨が少ない11月以降は大きく下がっています。東電は8月末になって、放射能で汚染された地下水が海に流れ込むのを防ぐための遮水壁を年内に着工、2年後に完成させる計画を打ち出しましたが、これでは遅いのです。「福島原発廃炉プランに見る楽観的過ぎる前提」で指摘しているように、希望的観測を前提にし、起きうる事態を網羅しない現在の進め方では駄目です。またも「想定外」の轍を踏むことになるでしょう。


放射能除染は難事業、専門部隊の多数編成を

 福島原発事故での緊急時避難準備区域が間もなく解除されそうです。これを前提に川内村が全村帰還のための復旧計画を打ち出していますが、放射能除染の道筋が未だに見えません。政府は今年度予備費で面倒を見るとしているものの、結局は自治体・住民に丸投げされかねません。南相馬市での試行報告を読むと、線量測定機器や高圧洗浄機、重機、輸送車両などを備えた専門部隊を多数編成して取り組むべき難事業に見えます。

 JMMウェブサイトにある「よつば保育園の除染結果報告」はホットスポットを漏らさず発見する線量測定だけで2日間をかけています。「屋内ではそれぞれの部屋の中央、およびその窓際、廊下や玄関前など、計55ポイント、屋外では東西南北それぞれの壁周辺、園庭、屋根、雨樋を合わせて約100ポイントで測定した。それぞれのポイントで5cm、 1m、 2mの高さで空間線量を測定している。合計で400回程度、測定。除染前後の測定を合わせると800回程度の測定を行った」

 「表土を剥ぐには5cmといわれているが、実際には砂質によってどの程度剥ぐべきかを細かく考える必要があった。滑り台の下や、ブランコの下などくぼみの部分にはより多く放射性物質がたまっているため、やや深めに掘る必要がある。砂質も問題で、砂場は水などしみ込みやすいため、深めに掘らないと線量の低減はみられなかった。一旦5cm大まかに剥いでから、再度測定し直し、高い場所を細かく掘り直すやり方が功を奏した。園庭では平均0.78μSV/hから0.33μSV/h(−58%)へと線量の低下がみられた」

 0.78μSV/hは放射線管理区域に指定されてしまう線量です。0.33μSV/hならやむを得ないと考えるところなのでしょう。「川内村の線量マップ」を見ると、今回指定解除される20〜30キロ圏でも1μSV/hを超える場所が多数あります。除染でどこまで下がるのか見通せません。

 「南相馬で、自宅に帰ってくる赤ちゃんのために除染体験した話」(BigBang)は作業の大変さをリポートしています。「何が手強いって、庭の砂利は土嚢につめるとずっしりと重い。表土は5cmくらい剥がないと0.3μSV/h近くにはならないことがわかっているのだが、これが土が固い。固い。固い。進まない。進まない。屈強の猛者たちの顔から次第に余裕が消えていく。その様子を見ていて僕も余裕が消えていく」

 はぎ取った土を土嚢に詰めて「この日の終わりまでに350Kg積みの軽トラック2台は、仮置き場との間を往復すること、数えてなかったけどおそらく10往復はした? 1回の往復で30分はかかる。目的の仮置き場に着いたら今度は土をおろす作業がある。なわけで軽トラチームは1日中、土嚢をひたすら運んでいるから、表土はぎはできない」

 結局、新たなボランティアの応援も得て1日がかりで住宅1軒の表土はぎを終わっています。機械力も備えた部隊でないと効率的な仕事にならないようです。解除になる緊急時避難準備区域だけでも避難住民の帰還には膨大な除染作業が求められます。住民の安心のためにも、専門的な組織が系統的かつ網羅的に進めるべき仕事です。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


事故対応で東電は無能:専門家の指摘相次ぐ

 福島原発事故で「2、3号機が炉心損傷に至る確率は1割程度」「2号機への注水が4時間早ければ炉心溶融回避」と専門家が相次いで指摘しました。旧式設備の1号機はともかく、2、3号機まで炉心溶融事故に至らせたのは東電の無能さだったのです。放射性物質の放出で2号機が占める割合は大きく、2号機の3月15日爆発だけでも無ければ広域汚染は相当に軽減されていました。

 毎日新聞が《福島第1原発:作業適切なら…炉心損傷の確率を解析》で松岡猛・宇都宮大客員教授(システム工学)が日本原子力学会の基準に基づいて実施した解析を報じました。「設備や機器類の故障率を考慮して解析した。実際の被災状況と同様に、1〜3号機の全電源が高さ15メートルの津波で失われ、緊急炉心冷却装置を起動させる非常用バッテリーの一部が水没で使用不能になったと想定した。解析の結果、全電源喪失から7日後までに炉心損傷に至る確率が、1号機は70.8%、2、3号機はそれぞれ11.8%」

 「2、3号機では『隔離時冷却系(RCIC)』と呼ばれる別の冷却装置を備えていたが、実際の事故では、RCICを起動して冷却する操作に遅れや中断があった」。早期の事故対応でこうした手順の悪さが積み重なって、本来、無事で済むはずだった2、3号機にまで事故は拡大しました。

 また、NHKニュースの“4時間早ければ溶融回避”は「日本原子力研究開発機構は、2号機の原子炉の状態をコンピューターで再現し、メルトダウンを防ぐ手立てはなかったか調べました」。14日の「午後4時半以降に圧力を下げて水を入れた場合、温度はいったん下がりますが、すでに原子炉の水位が大幅に低下しているため温度が上昇に転じ、メルトダウンに至ります。しかし、圧力を下げる作業をもっと早く始めて午後4時ごろまでに水の注入を始めた場合、燃料の表面温度は被覆管が壊れる1200度に達する前に下がりはじめ、メルトダウンを防げた可能性がある」と伝えています。

 東電は「放射線量が高い環境下で懸命に作業した」と釈明しているそうですが、隔離時冷却系を駆動していたバッテリーが切れるのは誰の目にも明らかなのに14日までずるずると手をこまねいていたのですから、説得力はありません。「放射性テルル翌日発見なら2、3号機は救えた」で指摘したように、事故初期に炉心溶融していたにもかかわらず「1号機の炉心には燃料棒の半分まで水がある」との誤った判断に引きずられ、打つべき手があるのに無為に時を過ごしたと考えるべきです。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


30代の再婚熱が高まっている:推移グラフ作成

 このところ個人的にも再婚した人と出会う頻度が増えています。ネットを探しても手頃な説明データが見あたらなかったので、国立社会保障・人口問題研究所の「表6−6 性,年齢(5歳階級)別再婚率:1930〜2009年」を使い、世代別の再婚率推移グラフにしました。再婚率はその世代人口1000人に対する件数ですから、男女ともに5前後もある30代では毎年200人に1人、10年間も継続すれば20人に1人にもなります。若くて再婚した人に出合う機会が多いわけです。





 再婚率トップは夫の35〜39歳世代「4.88」、妻の30〜34歳世代「5.22」。2位が別の30代世代であり、30代に次ぐのは男性側が40〜44歳世代、女性側は25〜29歳世代になる点も違います。子どもが作りたくて再婚する女性は早めに、男性側はもう少し遅めでもいいと考えているのでしょう。2009年の数字で比べると男性40〜44歳世代の再婚率「3.77」は同世代の初婚率「4.66」に迫る数字です。また、2000年以降、40代後半、50代でも再婚志向が立ち上がっており、特に男性側にはっきりと現れています。

 【参照】インターネットで読み解く!「結婚」関連エントリー


説明責任を果たさない政府・東電・メディア

 東日本大震災と福島原発事故が起きて半年が経過しました。震災からの復興も原発事故の収束も実はほとんど進んでおらず、政府・国会に対する不信感が大衆を覆い、政府べったりのマスメディアへの失望も広がって、社会に奇妙な閉塞感が満ちています。事故そのものが人災であったと言われながら誰の責任か明らかにならないし、事故の直後に「安全」「直ちに健康への心配なし」とした乱暴な発言・報道が訂正されたり、謝罪されることもありません。政府・東電・メディアいずれもが説明責任を果たさないで、逃げを打っているのです。

 ◆無責任な安全発言に謝罪・釈明なく◆

 福島から遠い首都圏でも放射能のホットスポットが見つかり、在京メディアは当初、無視したのですが、《首都圏で除染の動き広がる 住民の声受け国に先行》(朝日新聞)が今の姿です。「足立区は8月10日から小学校や幼稚園、公園などの砂場593カ所のうち、毎時0.25マイクロシーベルト以上が出た35カ所で砂を入れ替えるなどした」。その根拠をたどると法律に定められている年間線量限度1ミリシーベルトです。ようやく法治国家として当たり前の姿になってきました。

 朝日新聞は事故直後は100ミリシーベルト以下では健康被害は不明とし、「100mSvまでは安全」と主張する御用学者の尻馬に乗っていました。ところが、9月8日の朝刊《線量低減 絶対安全な境界なし》では専門家に「1ミリシーベルトは健康上のリスクとしては低いレベルだが絶対的な安全基準ではない」とまで言わせています。そこまで無理をする必要はなく、少なくとも首都圏では最初から法定の線量限度を守ろうとの姿勢を堅持すればよかったのです。どのメディアも事故現場がある福島と首都圏を分ける視点が持てず、ぶれまくる印象です。読者はおおいに迷惑です。

 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーだった山下俊一氏が、事故直後にした安全発言の乱暴さは恐ろしいほどです。3月21日にあった《山下俊一氏・高村昇氏「放射線と私たちの健康との関係」講演会(後半)》の質疑応答でこうです。「科学的に言うと、環境の汚染の濃度、マイクロシーベルトが、100マイクロシーベルト/hを超さなければ、全く健康に影響及ぼしません。ですから、もう、5とか、10とか、20とかいうレベルで外に出ていいかどうかということは明確です。昨日もいわき市で答えられました。『いま、いわき市で外で遊んでいいですか』『どんどん遊んでいい』と答えました。福島も同じです」。さすがに講演会動画を収録した福島県のホームページで、10分の1の「10マイクロシーベルト/hを超さなければ」の誤りと訂正されましたが、この高線量下で「外で遊べ」と言った事実は消えません。

 山下俊一氏は7月から福島県立医大の副学長におさまって、200万人県民健康調査の指揮を執っているのですから、「調査から外せ」と要求する気持ちはよく分かります。しかし、ドイツ誌とのインタビューを見ると「100mSvまでは安全」は揺るがず、国が事故時での目標線量をICRPが示した幅で一番低い20mSvに設定した結果、自分が言ってきた100mSvが浮き上がって迷惑と感じているようです。このように被災者に自説を強要し、安全側に誘導する気持ちがない学者に「朝日がん大賞」を与える新聞社のセンスにはあきれ果てますが、選考の背景に学界から支持がある点は見逃せません。こうした指導層によって原子力は推進されてきました。

 ◆原発事故の究明・収束に見通し立たず◆

 政府の事故調査委は責任を問わない原則を標榜していて、あまり期待していませんでした。それでも15メートル大津波が東電よって2008年に想定されていたことを明るみに出すなど実績をあげ始めました。そこに冷水を浴びせたのが《東電、真っ黒な手順書でも秘密? 衆院委に提出》(47news)です。国会が求めた福島第一原発の事故時運転操作手順書12ページに対し提出された物は「9ページ分は全て塗りつぶされ、読み取れるのは全部足しても十数行」の有り様です。東電がこの態度を続けるなら、真相が究明されることはあり得ませんから、国会はペナルティを課してでも必要な資料は出させるべきです。

 東電は政府・保安院と一緒になって「メルトダウンは無い」と言い続け、周辺住民の避難を遅らせ、ヨウ素剤の服用期を逸する結果になりました。ところが事故2カ月後の5月半ば、1〜3号機ともに炉心溶融していたと突然発表しました。NHKニュースの《1〜4号機 冷却の状況は》に公式な状況説明がまとまっています。「燃料は原子炉の底にたまり、一部は原子炉を覆う格納容器にまで漏れ出ているとみられ」が1〜3号機に共通した認識です。溶融核燃料が格納容器に広がっている点だけでも、原子炉圧力容器の温度を100度以下にする「冷態停止」目標が無意味であることが明白です。圧力容器に残る核燃料が少なければ少ないほど温度は低くなります。そして、燃料が落ちている格納容器の底部の温度は測る手段がありません。

 毎日新聞が《福島第1原発:京都大原子炉実験所・小出裕章助教に聞く》を9日、リリースしました。「炉心に水がなければメルトダウンは避けられないし、圧力容器の底も抜け、溶けた燃料の溶融体が格納容器を損傷する可能性もある。その場合、溶融体が原子炉建屋の床を突き破って地面に潜り込んでいる事態もありうる。海洋や地下水に放射性物質が拡散しているかもしれない。溶融体が地下水に接触しないよう『地下ダム(遮水壁)』の建設を進めるべきだ」。小出さんはずっとこう指摘してきたのですが、政府・東電は5月までは「原子炉圧力容器には半分、水がある」、現在は「格納容器は健全」といずれも根拠に乏しい主張を繰り返しています。

 在京マスメディアは正面から疑問を投げつけるべきなのに、そぶりも見せません。国、つまり霞ヶ関がどう考え、どう動こうとしているのかの情報をいち早く東京本社にもたらす者が優秀な記者であるとされてきました。霞ヶ関との密着は社内出世のタネでした。それが常識の編集幹部には、重大局面で国に誤りありと正面から唱えるなど論外なのです。現在もなお続いている「大本営発表」報道はこうした構造から生まれています。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


福島第一原発で高線量下、瓦礫除去の生々しい証言

 Facebookの公開グループ《脱原発への道 Gateway to Non-Nuclear World》で、チャンネル桜が制作したユーチューブ動画「【勝野しんり】福島第一原発作業員が語る「ガラ撤去」の最前線[桜H23/9/6] 」があることを知りました。福島原発事故では半年になってもメディアの現地取材が出来ない現状です。貴重なデータですので写真をキャプチャーして引用、紹介します。

 建設エンジニアで予備自衛官でもある勝野しんり氏が高線量で知られる3号機入り口付近の瓦礫を除去、さらに内部に進んで片付けていく作業の様子を証言しています。防護服を着ていると作業員同士の意思疎通が難しく、2時間作業で一つのミッションがやっと。終わると長靴の底に汗がたまる悪環境といいます。

 最初の写真は「ヤマト」と呼ばれる現場の司令室。トレーラーの荷台に置かれた白い箱状の部屋で、3人も入ればいっぱいになります。



 次は3号機の入り口付近、爆発の威力で鉄骨が折れ曲がっています。下に見える入り口の前を瓦礫除去していったそうです。



 3番目は3号機内で遠隔操作しているスウェーデン製のフォークリフトが、ドラム缶を掴んでいるところ。勝野氏は厚さ15センチの鉄板と鉛ガラスに守られた手前から操作しています。窓枠のように見えるのは鉛ガラスと鉄板の接合部。



 4番目は1000ミリシーベルト毎時の高線量に注意と書かれた警告表示。



 最後は作業している勝野氏の写真。作業員はお互いにこの姿ですから、声を掛けても通じず、能率良く進みません。2時間で1作業をして次の班と交替、2時間休んでまた作業ですから1日に4時間。5月の連休明けから7月上旬まで2カ月近く続けたそうです。なお、特殊な機械なので英国人講師から事前教習を受けています。



 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


欧米の経済不安深刻化は愚かな日本を相対化

 大震災と福島原発事故の処理で四苦八苦している日本に、欧米発の経済不安が深刻な影を落として東京株式市場で株価は6日、年初来安値を更新しました。《外為・株式:欧州株が急落 ギリシャ国債利回り急上昇》(毎日新聞)は「5日の欧州株式市場は、域内の信用不安が拡大するとの警戒感が広がり、全面安の展開となった。ドイツやフランスの主要株式市場は一時、前週末比5%超も急落した。ドイツ銀行の首脳が『ユーロの財政危機は弱い銀行を破綻させる』との考えを示したことから、欧州の銀行への不安が拡大。主要銀行の株価は2年半ぶりの水準まで売り込まれた」と伝えました。愚図をやっている日本を、傍目で見ていた欧米が笑えない惨状です。

 「財政赤字問題を抱え、欧州連合(EU)などから金融支援を受けているギリシャ国債が5日、欧州市場で売り込まれ、価格が急落(利回りは急上昇)した。指標となる10年物国債の利回りは一時、前週末終値より1・7%高い19・51%をつけ、ユーロ導入以来初めて19%台に乗せた」「ギリシャのベニゼロス財務相が、国内総生産(GDP)比の財政赤字を目標の7・6%に減らすことは困難と語り、ギリシャ再建の先行きに不透明感が高まったことがきっかけ。ギリシャの2年物国債の利回りは9%以上高い55%台を推移」とも報じました。

 10年国債利率が2割に迫り、2年物国債利率55%とは冗談としか言いようがない世界です。サラ金どころか闇金融もいいところですが、国債への投資なのに元本が返ってくるのか判らない実態なのですから当たり前かも知れません。リスクヘッジの業を考えている投機家しか手を出さない「極限」の世界でしょう。下図のようにアイルランドやポルトガルの利率上昇も尋常ではありません。



 この問題に関心がある方は小川英治・一橋大教授(国際金融)の《ユーロ安定へ「離脱ルール」》を参照されることをお勧めします(日経新聞の経済教室に8月末、掲載されたもので、上のグラフを引用)。ユーロ圏諸国とIMFの金融支援のほかに民間金融機関も債務削減に応じ「11年から20年にかけて満期を迎えるギリシャ国債(1350億ユーロ相当額)の債務リストラが実施される。現行の7.5年物国債を15年物国債および30年物国債へ交換することによるモラトリアム(償還期限の延長)と、国債交換の際の20%のヘアカット(債務元本の削減)が柱だ。同時に、ユーロ圏諸国61.43%の価格で買い上げるという債務削減も実施される」と関係国と機関は身を切ることになっています。

 しかし、ユーロから離脱するルールが無い現状では、危機国が愚図愚図しても手の施しようがありません。統一通貨でなければ経済の実力に応じた為替レートの調整が出来たのに、現状では健全国が危機国を支援するしかありません。「ドイツのように健全財政にある国々の納税者は、自らの税金を使って、財政規律のない危機国を支援することには慎重である。そのため、11年末までに予定している欧州金融安定基金(EFSF)の拡充に必要とされる、ユーロ圏各国による批准が円滑に進むかどうかも懸念材料である」。さらに進めて、健全な離脱ルールを作るのも容易でありません。円高の要因にもなっているのだから困ったものです。

 世界各国金融機関のギリシャ国債保有高は4月段階でドイツが263億ドル、フランスが198億ドル、イギリス32億ドル、イタリア26億ドル、アメリカ18億ドルとされています。独仏には相当な出血になり、《幸福度:財政危機あろうとも…ギリシャ人8割「幸せ」−−欧州の世論調査》(毎日新聞)のような調査結果を腹立たしく見ているはずです。「『私の人生は幸せだ』と答えた人の割合は、福祉国家デンマークが96%で1位だったが、2位はギリシャ(80%)」「逆に欧州一の経済大国ドイツは61%と下から3番目。生活水準の高さとは逆に『悲観的』な姿が浮き彫り」だそうです。


遅すぎる溶融予測公表より現実的予測しない罪が大

 原子力安全・保安院が福島原発事故の直後に炉心溶融を予測する計算をしていたことが、半年も経った9月2日になって報じられています。「全電源を喪失すると1号機は15時間22分、2、3号機は8時間35分で炉心溶融する」という全面溶融までの非常に粗っぽい推計です。この情報すら官邸にきちんと説明せず、活用しなかった点が非難されています。保安院は「現実的な予測でなかったから」としていますが、現実的な予測をすればいいではありませんか。今回明らかにされた緊急時対策支援システム(ERSS)に実際のデータを入れて算出し、東電がしている対策と説明に間違いないのかチェックする役割があるはずなのに、保安院は何もしませんでした。

 東電は原発資料公開を徹底して避けていますから、外部からは電源喪失時に原子炉にどれほどの水が残っているのかうかがい知れません。部分的な炉心溶融が起きたであろう事は外部放射線レベル上昇で推測できましたが、全面的な溶融を考えるデータが足りません。東電は虚偽の水位計データを根拠に久しく全面溶融を否定し続けました。チェックすべき保安院も同調していたのです。住民避難の遅れやヨウ素剤の配布、服用の失敗などに大きく響きました。

 「2、3号機は8時間35分」の短さを知っていれば、2、3号機で辛うじて働いていた予備系装置のバッテリー切れに備えた対策をしておかねばなりません。実際には海水の注入は大幅に遅れてしまい、3号機は1号機に続いて溶融燃料から出た水素ガスで建屋爆発を起こしました。現実的な予測計算を持っていて現場の東電を指導・指揮すべきなのに、出来るのにしなかった罪の方が、はるかに重いと考えます。政府側は「東電が」「東電が」と言い回るだけだった事故直後を思い起こすと、保安院は予測システムを持ちながら、それを使って自分の頭で考える責務を放棄していたのです。


2011年8月のエントリー一覧

8/31 アジア工業国の非婚化は日本以上に進んでいる
8/29 野田新代表、何もせぬ民主党政権で終わる瀬戸際
8/25 15メートル大津波は、実は想定してあった!!!
8/22 政府の除染方針に自治体が不信感持って当然
8/17 全面降伏した中国高速鉄道の知的財産権主張
8/13 中途半端な安全確保策は危険:中国高速鉄道
8/10 避難民を帰すのに国は本格除染を実施しない気か
8/08 首都圏の高放射能汚染を市民が自費で実証
8/06 福島原発事故の全電源喪失安全審査に重大過失
8/03 福島中通り汚染は広く深刻、国は学童疎開を
8/01 今度は本物、高速鉄道事故で中国メディア反乱