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ハードもソフトも安全装置総崩れ中国高速鉄道

 たかが雷だけで高速鉄道列車同士が追突事故を起こすはずがないと最初に思った通り、中国高速鉄道では安全装置はハードもソフトも総崩れになっていました。こんな高速鉄道システムを世界中に輸出しようとしていたなんて、品質管理思想の欠如にあきれ果てます。

 温州南駅の信号設備が青・赤反転の欠陥あり報道に続いて、NHKニュースの《中国高速鉄道 ソフトにも欠陥》は中国鉄道部が「列車運行管理センターでデータを収集する装置のプログラムソフトにも重大な欠陥があったことを初めて明らかにしました」「追突を防ぐため後ろの列車に送られるべきだった信号データが、列車運行管理センターにあるデータ収集装置のプログラムソフトの設計上の重大な欠陥によって送られなかった。このため、赤になるはずの信号が誤って青になり、後ろの列車の自動制御システムも働かなかった」と伝えました。

 日本ではATC、中国ではCTCSと略称されている、高速鉄道の命綱「自動列車制御システム」が働かなかった理由がようやく明らかにされました。先行列車を目で見つけブレーキを掛けて間に合わない高速でも安全を保証してくれる自動制御が効かなかったとは、恐怖以外の何ものでもありません。

 時事ドットコムの《寄せ集め技術の欠陥露呈=人材育成追い付かず−中国鉄道事故》は「CTCSと名付けられている列車運行制御システムには、中心的技術として日本の川崎重工業のものが導入されているほか、仏独など欧州各国の技術も使われている。しかし『中核のプログラムは解析すらできていない』と関係者が認めるように、つぎはぎ状態で、業界内では以前から信頼性を疑問視する声があった」と報じました。中身がブラックボックスのまま何となく組み合わせて使ってきた油断が惨事を呼んだと考えます。

 たかが雷なのに、開通したばかりの北京・上海間でも雷を理由にした電力設備の故障が繰り返されています。ウォール・ストリート・ジャーナル日本版の《不十分な避雷設備も要因の一つか=中国鉄道事故で専門家》は「北京にある精華大学の何金良・教授は27日、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで」「『少なくとも私が知る限りでは、高速鉄道網の架線をつるす柱には避雷針やサージ保護装置は設置されていない』と述べた」と伝えています。国家避雷技術基準委員会の2003年基準を鉄道部は無視しているのです。

 日本の国内法では「普通鉄道構造規則」や「新幹線鉄道構造規則」で事細かに避雷設備の設置基準が示されています。ネット上でさらに探したところ「新幹線47年の歴史を創る。テツに挑み続ける技術者達」というページを見つけました。「落雷対策が安全運行上で、非常に重要な要素になる。そこでこれから紹介するのは開業以来、新幹線向けの雷対策用トランスや保安器の開発製造を一手に引き受けている企業」とあって、1キロごとに4カ所設置されている保安器の開発史が読めます。彼我の差、こんなきめ細かい仕事が中国で出来るはずがないと思えました。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー

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核心は信号の青・赤ではない:中国高速鉄道事故

 中国高速鉄道大事故の原因について、システム設計の不備から信号の青・赤が落雷の影響で逆転していたという説明が28日朝、中国政府合同調査チームの会合で報告されました。これで納得してしまうマスメディアがあるのには驚きます。信号が逆転すれば確かに衝突事故になりますが、それは時速数十キロまでの在来線の世界です。時速200キロ、300キロの高速鉄道では運転士の目視でブレーキ操作しても到底間に合わないので自動列車制御システムが設けられ、一定の距離までしか列車の接近を許しません。日本ではATC、中国ではCTCSと略称されています。

 今回の事故ではこの自動列車制御システムが働かず、高速で追突したことが最大の問題であり、信号システム設計不備で謝罪声明を出している北京全路通信信号研究設計院が高速鉄道の信号システムを独占している点を見れば、技術的な病根はとても深いのです。

 時事ドットコムの《寄せ集め技術の欠陥露呈=人材育成追い付かず−中国鉄道事故》は「CTCSと名付けられている列車運行制御システムには、中心的技術として日本の川崎重工業のものが導入されているほか、仏独など欧州各国の技術も使われている。しかし『中核のプログラムは解析すらできていない』と関係者が認めるように、つぎはぎ状態で、業界内では以前から信頼性を疑問視する声があった」と報じました。

 この説明が正しければシステムがどう書かれているのかは置いておき、中身がブラックボックスでも想定問答の範囲では入力内容と出力内容が相応しいているから使えているだけです。想定外の入力があったときにシステムがどう返答するのか、「それは運任せだ」と言っているのと同じです。中心的技術とされる川崎重工業もどう改変されたのか知らない以上、責任は持てません。

 サーチナの《高速鉄道は「大躍進」の愚行を再現、まず全面停止せよ…中国人学者》は「中欧国際工商学院(所在地・上海)の許小年教授は26日に開催されたフォーラムで、中国は高速鉄道の営業運転を即刻、停止せよと主張した」と伝えました。「関係組織と社会の力を結集して、23日の事故原因を解明することが必要と主張。原因解明の後、『では、今後はどうするか』と考えるべきで、少なくともそれまでは、全国の高速鉄道の運行を停止すべき」としています。混沌の事態に対して当たり前の主張がようやく中国でも表に出てきました。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー


堪忍袋の緒が切れた? 中国政府が大事故の鉄道部に

 中国高速鉄道の大事故について、26日に入ってから中国メディアの伝えるトーンが変わったと感じます。中国政府は鉄道部をかばいきれないというより、叱責に近い感覚に変化し、敢えて言えば「堪忍袋の緒が切れた」のではないでしょうか。

 がちがちの中央政府メディアである人民日報海外版の論説「高速鉄道:安全性確保を最優先すべき」(7/16 16:49更新)が「高速鉄道の導入以来、鉄道当局の宣伝はほとんどが過度の称賛だったと言える」「今考えると、運行距離で世界首位に躍り出た中国の高速鉄道ではあるが、速度があるだけでは到底不十分だったのだ。胸に手を当てて自問しなければならない。高速鉄道の運営体制は『事の大小を問わず、少しもおろそかにしない』ものだったろうか」と指摘した上で結びの言葉としてこう主張です。「特に23日の大事故については徹底的な調査と処分を行い、的確な教訓を導き出し、高速鉄道の発展において常に安全運営を最優先するようにしなければならない。同様の悲劇を再び起こしてはならないのだ」

 「人民網日本語版」2011年7月25日の「温州の高速列車事故 ネット利用者がミニブログで一部リストを公開」にも驚かされました。事故の死者は鉄道部によると39人に止まっているのに、「事故発生後、乗客の家族がマイクロブログやテレビ、ラジオなどを通じて行方不明の家族や友人の消息を求めており、インターネット利用者も転載して情報集めに協力している」様子をビデオで流しています。あれだけの事故でこの死者数は作為的と感じている我々には納得できる対応です。

 Record Chinaの「<高速鉄道脱線事故>転落車両で遺体の再捜索―中国」は「高速鉄道の追突・脱線事故は26日の時点で犠牲者39人と発表されているが、事故現場に残された転落車両内では再び遺体の捜索が始まっている」と報じました。これで遺体が出てくれば鉄道部の面子は丸潰れになりますし、当事者能力を否定されかねません。一度は埋めてしまった追突車両運転席の掘り起こしもされました。「高速鉄道大事故でも運行停止しない中国政府」で疑問と指摘した感覚が世界標準であることに気付いてもらえたでしょうか。


セシウム稲わら・腐葉土はホットスポット放置のツケ

 セシウム汚染の規制値を超えた稲わらが茨城と栃木でも初めて見つかり、栃木産では市販の腐葉土からも高濃度汚染が検出されました。福島原発事故が発生しても政府は国土の放射能汚染状況をなかなか調べようとせず、原発から遠い関東にもホットスポットがあると指摘されても放置してきたツケを一挙に払わねばならなくなっています。行政の不作為が問題になるケースというよりも、あれだけ騒がれても動かなかった以上、サボタージュです。動きの鈍い政府の尻を叩かず同調していたマスメディアも同罪でしょう。

 時事ドットコムの《茨城、汚染疑い牛78頭出荷=栃木、茨城産わらも規制値超え》は「茨城県は25日、県内の畜産農家7戸が牛に与えていた茨城、宮城両県産の稲わらから、水分補正後の数値で国の暫定規制値(1キロ当たり300ベクレル)を超える1682〜1万4545ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した」「一方、栃木県は25日、那須塩原市の畜産農家が牛に与えていた同県産の稲わらから、水分補正後で2万4146ベクレルのセシウムを検出したと発表した」が報じています。

 また朝日新聞の《栃木産の腐葉土から高濃度セシウム 秋田で販売》は「販売されていた栃木県産の腐葉土1袋から、1キロあたり1万1千ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した」「腐葉土1袋から1メートル離れた場合、空間放射線量は毎時0.06マイクロシーベルト」と伝えました。

 「栃木県産の腐葉土を買った人は、当面の間、使用を控えて人の出入りの少ないところに保管して」と呼びかけているそうですが、腐葉土出荷元周辺での汚染状況や知らずに買って使っている各地の園芸家はどうするのでしょうか。ホットスポット問題では、国は機動的に対処できる測定部隊を編成してでも汚染状況をしらみつぶしに調べるべきだったのです。地域の汚染状況が周知されていれば農業関係者は気付けたはずです。今になって肉牛の全頭検査を広範囲の県で実施するのはBSEの時とは比較にならない大負担です。


高速鉄道大事故でも運行停止しない中国政府

 落雷によって停車中の高速鉄道列車に後続が追突、脱線して35人の死者を出す大事故が中国で起きました。人間が作ったものには欠陥があるもので、いずれ真相が明らかになると思いますが、中国政府が運行停止を命じないのは解せません。原因が分かっていて対処できているのならともかく、よく分からないけれど衝突してしまった状態なのにもかかわらず時速200キロ、300キロで運行を続けるとは自殺行為です。日本国内で起きていれば許されないはずです。

 NHKニュースの“落雷で故障 制御に異常か”がつぎはぎだらけの開発状況をこう伝えました。《今回の事故で停車していた車両は「CRH1」と呼ばれるカナダの企業の高速鉄道の車両をベースに製造され、追突し転落した車両は「CRH2」と呼ばれる日本の東北新幹線の「はやて」をベースに製造されたものです。そして自動制御システムについては中国が独自に開発したとしており、専門家によりますと前を走る列車との距離が7000メートルを切ると、後続の列車は信号を受信し自動制御システムが作動し次第に減速して追突を防ぐ仕組みになっているということです》

 今回、実際にはほとんど減速されていませんでした。衝突現場は上海よりも南ですが、追突列車は北京発で6月末に開業したばかりの北京・上海間を走った上でさらに南に向かっていました。北京・上海間でも制御システムは同じでしょうから、先行列車の停止を後続が感知できずに追突する恐れが大です。

 サーチナの《危険を生んだ中国高速鉄道の背景(1)「無茶な大躍進」》は、「ドイツ人が2−3カ月かけて学ぶ高速鉄道運転を中国は10日で学ばせた。ドイツ人トレーナーが『無茶だ』と言ったが、中国側は『10日で北京に返す』と話した」というエピソードを報じました。設備も人材も即席で形ばかりつければよいと鉄道部幹部が考えてきたことをうかがわせます。毛沢東の大躍進は機械力を持たなかった中国が人海戦術で乗り切ろうとした歴史です。中国高速鉄道は人手を掛けるのを惜しんでいるのですから話になりません。

 同じ中国で6月に《観光列車が衝突…落雷で故障、後続列車が追突=湖南・張家界》(サーチナ)が起きています。「現地当局は事故原因がはっきりするまでとして、同鉄道の運行停止を指示した」と、極めて真っ当な措置がとられています。「中国の高速鉄道:無理な開業で故障続発、客離れ」で「安全を何よりも最大限に追求すべき高速大量輸送機関を、政治がねじ曲げたツケをどんな形で払うことになるのか、想像できません」と指摘したばかりで起きた大事故ですが、ねじ曲げ続ければさらに大きな代償を支払う事になるでしょう。

 【追補】追突した後続列車の運転席がどう処分されたか、日本なら現場検証まで保存されると思いますが、朝日新聞の「事故車両の運転席、当局が現場の穴に埋める 中国脱線」は事故翌朝のとんでもない状況を伝えました。「空が明るくなり始めた午前6時ごろ、7台のショベルカーがすぐ横の野菜畑に穴を掘り始めた。深さ4〜5メートル、幅も約20メートルと大きい。午前7時半過ぎ、ショベルカーがアームを振り下ろし、大破した先頭車両を砕き始めた。計器が詰まっている運転席も壊した。そして残骸を、廃棄物のように穴の中に押しやってしまった」

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー

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【速報】中国の高速鉄道が脱線、川に転落

 夜遅くたまたま気付きました。朝日新聞の記事です。「中国高速鉄道が脱線、2両が川に 浙江省」です。「23日午後8時34分、浙江省温州付近で脱線し、2両が橋から川に落ちた。消防隊が救助を始めている。死傷者の有無などは不明」「川に落ちて横転し、車両が分断されたり、つぶれたりしている。橋からぶら下がったままの車両もある」

 心配されていたことが起きた印象です。「中国の高速鉄道:無理な開業で故障続発、客離れ」を参照してください。

 【続報】時事通信の「高速鉄道が脱線、11人死亡=追突され高架から落下−中国浙江省」は「中国新聞社電によると、この列車は雷に打たれて動力を失い、急停車したところに、後続の列車が追突。D3115列車の最後尾の2車両が高架から落下した」と報じています。現場は上海より南です。

 【24日1時半】毎日新聞の《中国高速鉄道:中国当局に衝撃 「新幹線」に不安も》は「今回事故のあった路線は今年6月末に開業した北京−上海間のような「高速鉄道」とは異なり、在来線を利用して高速鉄道と同じ「和諧号」と呼ばれる、時速200キロ以上で走行可能な別タイプの列車を走らせていた」と伝えました。

 要するに、高速鉄道ではハードとしての高速運転だけでなく、異常時での連携などのシステム運営が重要なのに、現在の中国のレベルはそれを満たしていないようです。


中国の高速鉄道:無理な開業で故障続発、客離れ

 北京−上海間の高速鉄道が開業3週間になりましたが、《北京・上海高速鉄道で20日も故障、動けなくなり空調も停止》(サーチナ)となり、故障続発傾向が止まりません。エクスプロア上海の《勝負あり?故障がちの高速鉄道に対して航空チケットは価格上昇中》が「関係者によると京滬高速鉄道は午前発の列車に乗客が集中し、午後及び夕方の列車は利用客が少ない状態がはっきり現れているとし、夜間は航空便の独壇場になっている」と伝えるなど、故障・遅延を恐れるビジネスマンを中心に早くも客離れが始まったようです。

 一連の故障について中国政府鉄道部はいわゆる初期故障であり、直ぐに収まるとの見方を強調しています。日本の新幹線でも車台を一新した新系列に変えた際にトラブルが起きています。しかし、架線のショート、パンタグラフの故障、電力設備の故障、変圧器内部の接触不良など、原因が公表されているものだけ見ても開業前の試運転で潰せそうな項目が並んでいます。品質管理の手法に問題があると考えられます。

 さらに、サーチナの《高速鉄道:とまる列車、とまらぬ故障…施工者「工事に問題」=中国》が報じている関係者証言が事実だとすれば病根は深そうです。

 「開業を無理に早めたことが、故障多発に結びついたとの指摘もある。業界関係者の1人は匿名を条件に、『当初は完工後の施設の点検に半年、試運転に半年の時間をかけるはずだった。しかし、実際には半分以下の期間に圧縮された。工期そのものも、短縮するよう求められた。工事が間に合わず、試運転が始まってしまい。列車の走行をさまたげないよう、間を縫って作業することもあった』という」

 開業は「中国共産党設立90周年」の記念式典に間に合わせたのですが、安全を何よりも最大限に追求すべき高速大量輸送機関を、政治がねじ曲げたツケをどんな形で払うことになるのか、想像できません。


女子サッカーW杯優勝:敵を知る米国も防げず

 女子サッカーワールドカップ決勝、日本時間で夜明けの勝利に涙の場面があまりなかったのが印象的でした。2度の失点をぎりぎりで追いついた後、PK戦に入る前の円陣で、なでしこジャパンの選手とスタッフが笑顔だったのを見て妙な安堵感を覚えました。佐々木監督は日頃のミーティングからネタを用意して選手を笑わせるのが常とどこかで読みました。表情がひきつっていた米国選手との差は歴然でした。米国1人目で宙に飛んだゴールキーパー海堀選手が残した右足でボールをセーブした瞬間、勝負あったと思えました。

 試合開始直後から米国選手の動きは機敏かつパワフルと圧倒的で、逆にこんなハイテンション状態が最後まで続くはずがないと思いつつも、メンタリティの高さに驚かされていました。思い起こしたのが14日付ニューヨークタイムズの記事《Japanese Team Comes of Age, and Lifts a Country》でした。

 米国ゴールキーパーのソロ選手による、こんなコメントを収録していました。なでしこジャパンの「彼女たちは試合そのものより、もっと大きくて意味がある何かのためにプレーしている。そんな大きな感情に突き動かされている相手に対抗するのは難しい」

 東日本大震災を背景にした日本チームの心情について深く理解しているがゆえに、米国チームの監督は徹底的に先手を打って叩く戦術に出たのだと思います。しかし、それでも諦めさせられなかったのです。そこまで敵を知る米国も防ぎきれなかったのが、この決勝の本質でしょう。

 【追加エピソード】毎日新聞の《なでしこ世界一:澤、PKは「10番」だった》がPK戦前の内情を伝えてほほえましく、面白い。重責の5番を蹴るものと思いこんでいたのですが「『PKは苦手でけりたくない』という澤は、順番を決めようとする佐々木監督に『最後にしてください』と頼んだという」「澤はGK海堀より後の『10番』に。周囲からは『ええっ』『澤さん、ずるい』などと声が上がったが、佐々木監督は『さっきお仕事をしてくれたから』と延長後半の澤の同点ゴールを理由に順番を確定。笑いが起きたという」


1週間後『地デジ難民』必至でも移行は強行

 震災被害の東北3県を除いて、24日にはアナログ放送停止・地上デジタル放送移行が強行されるようです。1週間前になってマスメディアは、テレビ放送が見られなくなる『地デジ難民』発生必至を伝えています。それも半端な数ではなく、数十万世帯、あるいはそれ以上にもなる恐れが大です。放送法でNHKが受信料を強制している体制下では双務的に受信できるようにする義務が発生し、これは認められない事態のはずですが……。

 総務省がしてきた移行状況調査はサンプルの取り方、数の少なさ、80歳以上の高齢者が含まれていないなど対象範囲に難があり、移行の進み具合は過大評価になっていると、専門家から批判されてきました。その前提に立っても《地デジ移行後も支援継続=視聴者の混乱抑制−総務省など》(時事ドットコム)は総務省によると「アンテナなどの受信設備が地デジに対応していないのは6月末で29万世帯。このほか、受信機をまだ買い替えていない層もいる。片山善博総務相は『当日までに(対応率が)100%になるとはなかなか言えない』と述べ、取り残される視聴者が出るのは避けられないとの見通しを示している」と報じています。

 読売新聞の《「地デジ難民」現実化?アンテナ1か月待ちも》は「総務省などは高齢者宅への戸別訪問など周知作戦を展開するが、家電量販店や役所などの臨時相談コーナーは長蛇の列ができている」「対応テレビやアンテナ工事の注文が1か月待ちのところも」と伝えます。

 毎日新聞徳島版の《地上デジタル放送:「地デジ難民」発生懸念 県内5800世帯が未対応 /徳島》はもっと具体的でこうです。山あいに位置する「『町内の約15%の世帯がまだ未対応。完全移行に間に合うか分からない』。小松島市櫛渕町。約320世帯ある町内で、テレビやアンテナの設置工事を引き受けるオク電機商会社長の越久辰一さん(70)は心配する」

 アンテナ設置が間に合わない世帯には「地上デジ放送移行巡るドタバタ、一段と混迷増す」で書いた「暫定的に衛星放送を利用して地デジ放送」という裏技まで使われているのですが、お年寄りに判ってもらうのは大変です。移行問題についての情報弱者は国が思っている以上に存在している可能性があります。


首相の原発無い社会志向、置き土産では実現不能

 菅首相が13日、随分久しぶりに首相官邸で記者会見し《菅首相「原発なくてもやれる社会実現」と表明》しました。読売新聞のこのページには首相の動画が収録されていて、福島原発事故で「原発について『これまでの安全確保の考え方だけでは、もはや律することができない技術だと痛感した』と語った」ニュアンスが生で感じられます。それを体験した首相として今回の表明に違和感はありませんが、近く辞めると表明した首相が口にした決断の実現性、責任の持ち方には多くの方が首を傾げるでしょう。

 日経新聞の《段階的に原発依存下げ 首相表明「原発ない社会めざす」》はさらにフォローして「原発依存度をいつまでに何%にするかなどの見通しは示さず、目標達成への具体策についても『何をやるべきなのかまずは計画を立てていきたい』と述べるにとどめた」と伝えました。

 さらに「定期点検で停止中の原発の再稼働については『経済産業省原子力安全・保安院の判断が国民に理解されると思えない』と強調」したのは善いのですが、自ら専門的知識がないと認めている「首相と枝野幸男官房長官、海江田万里経産相、細野豪志原発事故担当相の4人が最終的に可否を決める考えを示した」ことで国民全般、原発地元住民の理解が得られるとは思えません。「原発再稼働:政府の現状認識は全くの間違い」で指摘している通り、現在の原発の運転は福島原発事故で実質的に崩壊した安全審査指針を根拠にしている以上、すべて違法なのです。現実的に違法度合いは違っており、その事実から出発しないと、どの原発から停止し、廃炉にしていくとの筋道は見えにくいはずです。

 ただ、首相が「脱原発」総選挙・解散は考えていないと表明したのですから、今日の会見はエピソードのひとつに止まるでしょう。


影が薄すぎる朝日の政策転換『原発ゼロ社会』

 朝日新聞が13日の朝刊1面社説で「提言 原発ゼロ社会―いまこそ 政策の大転換を」と打ち出しました。「高リスク炉から順次、廃炉へ」「核燃料サイクルは撤退」など見開き社説特集の方はネットでは見られません。ネットで見ていて、ソーシャルメディアでの影の薄さはどうしたことかと思えます。事故4カ月ではあまりに遅かったとも言えます。正午まででは、有名どころのブログでの取り上げ無し、はてなブックマークもゼロ。ツイッターは400件ほどありますが、社民党の福島瑞穂党首へのリツイートが多数あり、大した数ではありません。大手新聞の社説がいかに社会的インパクトを持たなくなってきたかを示しています。

 かつての同僚たちが書いた社説特集を一読して、書かれていないことの方が気になりました。1976年の大型連載『核燃料 探査から廃棄物処理まで』で核燃料サイクルを国策とする方向に関与した事実、そして論説幹部を中心にした原子力に対する「イエス、バット」の押しつけです。私自身はどちらにも否定的で結局は科学部を離れましたが、その影響は社内だけでなくマスメディア全体に及びました。ツイッターにも「その責任の曖昧さ反省の中途半端さに、終戦直後の同新聞を思い出した。朝日新聞は戦時報道の総括と反省に60数年もかかっていた」と厳しい発言があります。

 ブログでも《朝日新聞が「脱原発」の社説特集を組んだまでは良かったが...》(kojitakenの日記)が「問題含みなのは15面の下の方にある『推進から抑制へ 原子力社説の変遷』という欄で、それによると、第2次大戦後20年ほど、原子力の民生利用に希望を託す見方が世界の大勢だった頃には推進論だったが、1979年のスリーマイル島原発事故や1986年のチェルノブイリ原発事故を契機に『推進から抑制』へと転換したと主張している」「ここで朝日が『黒歴史』にしようとしているのは、"Yes, but" という標語で、70年代前半に活発になった原発批判論に水をかけ、石油危機を受けては広告料欲しさに東京電力の原発の巨大広告を載せ、1976年には大熊由紀子・朝日新聞科学部記者(当時)の長期連載『核燃料』を掲載した事実だ」と指摘します。

 1面社説に戻ると、「たとえば『20年後にゼロ』という目標を思い切って掲げ、全力で取り組んでいって、数年ごとに計画を見直すことにしたらどうだろうか」「今後は安全第一で原発を選び、需給から見て必要なものしか稼働させなければ、原発はすぐ大幅に減る。ゼロへの道を歩み出すなら、再稼働へ国民の理解も得やすくなるに違いない」とあって「大転換」と主張しているほど明確に現状と決別している訳ではありません。少なくとも「現状での違法性」にも目が向いていません。

 福島原発事故をめぐる朝日新聞の報道ぶりは、大衆の「命」を守ることに一生懸命という商業新聞らしい感覚も、政府・東電の隠蔽体質への怒りも感じられない淡泊なものでした。むしろ随分長く政府や御用学者の言いなりでした。昨12日、社会面に「原発報道『大本営』か 本紙4カ月の取材検証」と題した長い記事が出ました。悪条件のもとでそれなりに頑張った弁明になっていますが、直ぐに気付くのが中央官庁に依拠しないオルタナティブ情報源を持たないゆえの失敗です。チェルノブイリ事故の際は京大原子炉(大阪・熊取)に通って、亡くなられた久米三四郎・阪大講師らの突っ込んだ討論に参加させてもらいました。この際、事故2カ月で書いた「在京メディアの真底堕落と熊取6人組への脚光」をもう一度、掲げさせていただきます。


原発再稼働:政府の現状認識は全くの間違い

 政府が11日、発表した定期点検中の原発再稼働に関する統一見解は基本になる現状認識が全く間違っています。「稼働中の原発は現行法令下で適法に運転が行われており、定期検査中の原発についても現行法令にのっとり安全性の確認が行われている」はずがありません。福島原発事故が起きたために、全電源喪失事象の軽視などを含む現行法で行われた安全審査は吹っ飛んだのです。

 6月のNHKニュース「原発安全指針見直し 今月にも」で、原子力安全委員会の班目春樹委員長が「地震や津波の問題だけでなく、安全設計に関する指針や防災の指針も適切でない部分があり、明らかに見直さなければならない」と述べたと伝えられています。原発を建設する際に依拠した国の安全審査指針が駄目だったと、安全の大本締めが宣言している重大さを、経済産業省は無視していることになります。

 「定期検査後の原発の再起動に関しては、保安院による安全性の確認について、理解を示す声がある一方、疑問を呈する声も多く、国民、住民の十分な理解が得られているとは言い難い状況にある」のは、現行法による原発の安全保証が崩壊しているからです。国民・地元住民が持っているのは、一時の気の迷いや単なる不安ではないのです。裁判の場に持ち出される状況を考えてみればよりはっきりします。

 今回新たに打ち出された原発再稼働のための『ストレステスト』1次評価「安全上重要な施設・機器などが設計上の想定を超える事象に対し、どの程度の安全裕度(安全余裕度)を有するかの評価を実施する」ことで原発安全指針見直しの代わりが出来ようはずがありません。土台になっている「現行法令にのっとった安全性の確認」が信用できない存在に落ちている以上、その上に何を重ねても仕方がありません。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


福島原発廃炉プランに見る楽観的過ぎる前提

 溶融核燃料の取り出し開始を10年後、最終的な解体撤去まで数十年とする福島原発事故での廃炉プランを、原子力委員会や東電などが検討していると報じられました。新規の技術開発が必要で時間が要るとの説明ですが、燃料がまだ格納容器内にあるとの前提に立っている点でまず失格と指摘せざるを得ません。確かめようがない楽観的な前提を捨てて、溶けた燃料が格納容器を突き破っている恐れまで含めて廃炉を準備しなければ大きな悔いを残します。

 炉心溶融は1〜3号機いずれでも起きました。最も早かった1号機では以下のような解析になっています。地震・津波の当日午後6時過ぎには圧力容器の冷却水は干上がり、炉心は2800度の高温に達し溶融しました。



 京大原子炉の小出裕章さんは「7月8日 メルトアウトに関する小出裕章氏のコメント(現代ビジネス)」で「溶けた核燃料であるウランの塊=溶融体が、格納容器の底をも破り、原子炉建屋地下のコンクリートを溶かして地面にめり込んでいるのではないかと考えています」「溶融体の重量は100トンにもなります。圧力容器や格納容器の鉄鋼は1500℃程度で溶けてしまいますから、溶融体は原子炉建屋地下の床に落ちているはずです。その一部は地下の床を浸食し、一部は汚染水に流され周囲の壁を溶かしているでしょう」と推定しています。



 格納容器図にある上の矢印の通り溶融体は圧力容器から抜けて底に落ちました。水の原子炉注入が始まったのは翌日ですから、この時、溶融体を冷やせる水は格納容器底には無かったはずです。高温を維持していれば下の矢印のように突き破って行かざるを得ません。いま懸念されるのは地下水との接触です。

 ところが東電などの発想は旧態依然です。「燃料取り出しだけで年単位=冠水など技術的難題山積み−廃炉への作業で東電幹部」(時事ドットコム)は「原子炉については、溶融した燃料から放出される強い放射線を水で遮蔽(しゃへい)しないと作業できず、圧力容器を水で満たす必要がある。その上で配管から特殊なカメラを入れ、溶融燃料の状態や圧力容器の損傷状況を把握した上で、圧力容器の上部を開け、遠隔操作の機械で燃料を取り出す」としています。水漏れは覚悟し強制注水しながらやるそうですが、圧力容器も格納容器も損傷程度への認識が甘すぎます。

 格納容器の蓋を開けたとして底までは30メートルもの深さがあり、圧力容器から燃料を取り出す要領は通用しません。まして格納容器の底が破られているとしたら、全く別の発想で取り組まざるを得ません。解体撤去不能まで考えるべきかも知れません。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


東日本大震災の齟齬は阪神大震災の成功体験から

 NHKスペシャル「果てなき苦闘 巨大津波 医師たちの記録」を再放送で見て、改めて今回の東日本大震災での「そんなはずではなかった感」を再認識しました。闇に閉ざされた石巻市で唯一明かりがともっていた赤十字病院医療スタッフが全国から来た応援医師の助けを借りて避難所を足で歩き、まず上がってきたのが、医療以前の問題として被災者に食糧が足りない現実でした。宮城県庁には全国から届いているはずが、県庁にかけあっても不確か。地震発生から2週間もしなければ解決できなかった「貧しさ」です。その後も恐ろしく貧しい医療状態は続きました。

 1995年の阪神・淡路大震災は確かに甚大な被害でしたが、直ぐ隣に国内第二の都市・大阪がほぼ無傷で存在していました。公的な行政機関相互の支援はもちろん、民間のボランティアも素晴らしい活動が出来ました。あの成功体験があれば今回の震災も乗り越えられるはずと思っていたのですが、今回の環境は全く違っていました。政府が甘く見ていたことは、立ち上がりの遅さからも確実です。

 実は2004年10月の新潟県中越地震でその予兆は現れていました。県庁所在地・新潟が無傷なのに10万人の被災者に十分な支援が出来なかったのです。宮城、岩手、そして原発事故を抱える福島の3県が同時に被災する事態に、政府は尋常でないテンションの高さで立ち向かわねばならないはずだったのですが、今になって新任の復興大臣があの程度の失言で辞任する有り様です。

 ボランティアの受け入れ態勢も都市型で好意的な神戸と、よそ者に対する警戒心が強くて当初は避けていた東北3県とは違いました。それがまだ尾を引いている感じがあります。阪神大震災の自さ社政権はそれなりに頑張ったのにと現政権との落差が言われますが、それを言うなら阪神大震災の時に関西圏がしたことを、今回は隣の関東圏がしたのか、その基盤を政府が作ったのかと問うべきです。


現行法に基づかぬ原発の追加安全確認は無意味

 海江田経済産業相が定検中原発の運転再開・再稼働をめぐり苦し紛れに新たな原発安全確認策『ストレステスト』を持ち出しましたが、現行法体系と関係がない対策をいくら増やしても無意味でしょう。福島事故で現行法での原発の安全保証は崩壊しているのですから、そこから立て直すしか道はないことにまだ気付けないようです。

 「原発で追加の安全確認実施へ」(NHKニュース)は「地元住民などの安心感をより高めたいとして、新たに『ストレステスト』と呼ばれる追加的な安全確認を実施する考えを明らかにしました」。大臣は「九州電力玄海原子力発電所については、安全性が確保されているという考えは変わっていない。ただ、より一層の安心を得るため、これまでの安全確認に加えて、原子力安全委員会の力も借りて、ストレステストを実施する必要があると思っている」と述べたというのです。

 一方、今朝の朝日新聞は、関電・大飯1号機と北海道電力・泊3号機が定期検査の正式な終了をせずに、調整運転の名目でフル出力運転を続けている不思議な状態を報じました。いずれも福島事故の前に実質検査は終わって調整運転に入っていたため、その状態を維持しているようです。

 経済産業省は黙認する構えで、定検後の運転再開・再稼働とはいったい何か、安全の担保はどうして出来ているのか、ますます判らなくなるエピソードです。「原発運転再開:安全指針の担保外す政府こそ違法」で指摘したように、原子力安全委員長が原発建設で依拠した指針に不適切な点が多数あると言っている事実から出発しない原発の安全確認こそ、非常識の極みです。

 【7/11政府統一見解について】原発再稼働:政府の現状認識は全くの間違い

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


30前後世代に明確な結婚回帰:国勢調査を分析

 2010年国勢調査の抽出速報が利用できるようになり、独自に考え出した手法で分析してみると、非婚化・晩婚化の傾向が言われる中で意外にも30歳前後の若い世代で結婚率が強く回復していました。生涯未婚率はなお高まる見込みではありますが、天井知らずに上がっていく恐れは薄らぎました。現在20歳前後の世代でも男性で32%、女性は23%前後で止まる見込みです。

 【注】このエントリーの計算は国勢調査速報版によるものでした。確定版はかなり数字が変わっており、《生涯未婚率は男35%、女27%にも:少子化対策無力》でやり直しているので、是非ご参照ください。

 国勢調査は5年ごとで、5歳の年齢階級別に婚姻関係の数字が出ます。5年前の調査で「40〜44歳」の世代は、今度の調査では「45〜49歳」のところに現れます。したがって過去の国勢調査結果を並べると、同一世代の行動を5年間隔でモニターできるのです。下に未婚率に焦点を当てて集計した表を掲げます。5年間で未婚率がどれくらい下がったかを計算し「脱未婚ポイント」と名付けています。一部に赤字がありマイナスを表していますが、速報が百分の1の抽出集計結果であるための誤差で、ゼロとして処理します。



 一番の注目は30〜34歳の世代が25〜29歳からの5年間に出した脱未婚ポイントです。該当する水色のセルを右下方向に見ていくと、現役世代、5歳上の世代、さらに5歳上……と過去に出来た傾向と今回の違いが読みとれます。男性では30歳をまたいだ脱未婚、すなわち結婚する率はずるずると落ち込む一方でしたが、最新5年間は24.9%でその前に比べ2.6ポイントもアップしました。女性では極めてゆっくりと増える傾向でしたが、大幅3.7ポイント増加の25.7%と、こちらも流れが変わりました。水色の一つ上のセル列は25〜29歳世代になっていて、男女とも従来傾向とは違う反転増加や下げ止まりの変化が読みとれます。

 生涯未婚率は人口学で50歳時点と定められています。今の若い世代がどうなるか、この5年間に年上世代が示した脱未婚ポイントが将来になると仮定して予測しました。右の黄色セルに一覧があり、男性32%、女性23%くらいで頭打ちになる点は、前回調査時に同じ予測をした第152回「20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ」のグラフがどこまで上がるか判らない勢いだったのと大きく異なります。

 結婚・婚姻の回復傾向を裏付ける社会調査に、国立社会保障・人口問題研究所の「第13回結婚と出産に関する全国調査・独身者調査」があります。様々な要因について調べていますが、端的な傾向を示すグラフをひとつ引用します。「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と答えた結婚意思を持つ未婚者が調査のたびに減り続けていたのに、2005年にはっきり持ち直したのです。



 婚姻件数の実際の変動はどうなっているのか、人口動態統計で2000年以降を調べました。2010年はまだ推計値です。国勢調査で見える基底部からの指向変化に比べると表面的な変動になりますが、見ておきましょう。

  2000	798,138
  2001	799,999
  2002	757,331
  2003	740,191
  2004	720,417
  2005	714,265
  2006	730,971
  2007	719,822
  2008	726,106
  2009	707,734
  2010	706,000

 2005年まで減り続けているのに、2006年と2008年には確かに回復しています。あの年に何があったか、最近の事でも忘れがちです。こういう場合は電通の「広告景気年表」が一番です。2006年は「堅調な輸出、旺盛な設備投資、底堅い個人消費を背景に景気回復基調」でしたが、2008年は「アメリカ発の金融不安による世界経済の減速を背景に景気が悪化」です。むしろテレビの高視聴率番組を挙げた方が記憶が蘇りそうです。2006年はトリノ冬季五輪、ワールド・ベースボール・クラシック、サッカーのワールドカップドイツ大会、2008年はNHK大河ドラマ「篤姫」に北京オリンピックです。


2011年6月のエントリー一覧

6/30 半減だった外国人観光客が戻りつつあるよう
6/29 男性の生涯独身傾向が加速:国勢調査抽出速報
6/28 中国の高速鉄道時代:所得上昇に先んじ過ぎか
6/26 国も福島原発事故で賠償し無責任姿勢を正せ
6/24 もんじゅ落下装置引き上げと今後への危惧
6/23 【高速炉もんじゅ情報】引き上げ終了は24日5時前
6/21 水素爆発には建屋にドリルで穴:保安院過酷事故対策
6/18 千葉県東葛地区のホットスポットは大きく深刻
6/16 【高速炉もんじゅ情報◆柩邁質置に保持棒入れ(追)
6/14 原発運転再開:安全指針の担保外す政府こそ違法
6/13 【高速炉もんじゅ情報 杠能蕕琉き上げ動作に
6/10 高速炉もんじゅ落下装置引き上げに工学的無理
6/08 福島原発事故の政府報告書:空冷発電機は動いた
6/04 放射性テルル翌日発見なら2、3号機は救えた
6/04 高濃度放射能水10万トンは格納容器破損のツケ(追補)
6/02 メディア現場取材が南相馬・相馬で決定的に不足
6/01 国会図書館が歴史的音源のネット公開始める