何かのモノが落下して行方不明になる事態がどの項目にも見あたりません。「燃料出入機グリッパの故障」や「燃料集合体の変形」の項目では今回のようなつかみ損ねや引き抜けないケースが扱われていますが、落としてしまう事態は全く想定されていません。操作をやり直せばよいとの想定です。また、小部品が落ちてしまうような失敗はありえないと考えられているようです。この超々楽観主義で巨大設備の原発を長期に運転する気なのでしょうか。
軽水炉の例ではこんな落下物もあります。「5号機 燃料装荷作業中における原子炉内への異物落下について」(中部電力)は「午前3時45分頃、燃料装荷作業中に、燃料交換機上で燃料の移動状況の監視に使用していた双眼鏡から接眼部の部品(大きさ直径約2cm)が外れ、原子炉内へ落下しました」とし「当該部品は炉心シュラウドの上部フランジ部で発見され、同日午前9時20分に回収しました」と報告しています。
あらゆる部品に落下防止策を施していたとしても、何が起きるか分からないのが現実のプラントです。3トンの重量装置落下でなくて、ちょっとしたミスで物を落としても発見不能になり、もんじゅの運転は出来なくなるようですから、運転不能の事態は遅かれ早かれ到来する運命でした。マスメディアはつかみ部の異常など落下原因の方に目を向けていますが、問題にすべき点を間違えています。