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新型インフル、4大都市圏がレッドゾーンに

 この週末、新型インフルエンザ感染が拡大し、29日午前11時現在で感染症情報センターがまとめた「日本の流行地図」で4大都市圏がレッドゾーン(感染者100人以上)入りしました。大阪・兵庫は最初からで、新たに加わったのは東京・千葉、愛知、福岡です。地図を引用します。これはニュースだと思うのですが、テレビ・新聞ともメディアには出ません。ニュース感覚を疑います。



 例えば1週間前は33人だったのが101人にも増えた愛知県があります。爆発的ではありませんが、あちこちの大学などで集団発生していて、無視できない小流行に見えます。ところが、地元紙の中日新聞の「愛知の感染者100人に」は「愛知県で28日、10代の男女7人に新型インフルエンザ感染が確認された。いずれも容体は安定。県内での感染確認者は、1日の初確認から数え、100人に達した」と淡々としたものです。

 厚生労働省の「新型インフルエンザに関する報道発表資料」では、数日前から午前6時を節目に24時間の感染確認分をまとめて発表するようになっています。毎日50人前後のリストを見ると、渡航歴無しが増えています。しかし、これまで「新型インフル感染爆発、豪ビクトリア州の失策 [BM時評] 」などで見てきたとおり、科学的にきちんとした新型感染モニタリングは国内ではただの一度も実施されていないのです。各地の保健所が感染を確定する遺伝子検査を積極的にしない方針であっても、ここまで数字が積み上がりました。実態はどうなっているのか、非常に気になります。

 6月26日ワシントン発の共同通信「米国で推計100万人感染 新型インフルで保健当局」は米疾病対策センター(CDC)が「ウイルスがまん延している地域では住民の6%が感染したとの評価で、特にニューヨーク市だけで全住民の約7%、約50万人が感染したとみている」と伝えています。


迷走、漂流の末、麻生で解散が信じられるか

 前週、補正予算関連の法案審議が終わっても動かず、逆に盟友・鳩山総務相を更迭して内閣支持率を大きく下げた麻生首相が、8月上旬総選挙に向けて動き出しいていることになっています。週の後半からメディア報道が気ぜわしくなりました。当分、先送りになったと考えていたので、思わず吹き出してしまいました。「何を争点にして解散するの」です。19日の時点なら、景気対策を仕上げた余勢――でもいけたかもしれませんが、支持率を下げ、押し込まれた印象の現時点では、解散をすること自体が目的の「自分の名誉のための解散」になってしまいます。自民党全体としては全く勝算無しです。しかし、その「わがまま解散」をする実行力があるのか問えば、私は無いと思っています。

 戦略とか戦術という言葉があります。政治家とは戦う存在なのですから、そうした目を持っていなければなりません。この週末になって解散含みの展開になるなら「直前に鳩山を斬るな」です。戦略も戦術もない、最高権力者にしてあり得ない「場当たり」「思い付き」の行動が目の前に展開しています。「Japan Blogs Net」から拾ってみましょう。

 「『永田町時評』NewsSUN」の「永田町日誌」(6月27日)(No642)は半ば呆れ顔。「麻生首相は、よく他人(ひと)の話を聞く人だそうだ。ただ自分が考えをもっていて他人の意見を聞くのと、何にも自分がなくて他人から意見を聞くのでは違うようだ。麻生さんは後者らしいのだ。だから他人から意見を聞く度に変わってしまうようなのだ。『ぶれる』と言われるのは、この辺に原因があるらしい」「急に内閣改造を言い始めたのも、24日夜、首相公邸を訪ねた安倍晋三元首相のせいらしい。静岡県知事選と東京都議選で自民党が敗れれば『麻生降ろし』が一気に加速することを懸念した安倍さんが、/融刷新、都議選前の早期解散、を進言したという」

 「衆議院議員早川忠孝の一念発起・日々新たなり」の「蹶起前夜」はかなり厳しい形相。「8月上旬の日曜日は8月の2日か9日しかありません」「しかし、広島原爆忌の8月6日の前に衆議院選挙を終えてしまうという戦略は、どうみても下策です」「勿論長崎原爆忌の8月9日を投票日に選ぶなどという無神経は、世界で最初で最後の被爆国である日本国の総理としての見識を疑わせることになります」「私はどんなことがあっても8月15日以前の選挙は回避すべきである、と考えます」

 7月12日投票の都議選の情勢は自民党には厳しいと伝えられつつあります。第1党が民主党になれば、敗れた選挙結果を手にして解散に打って出ることはあり得ないはずです。7月末で国会を閉じ、8月に臨時国会を開いて時間稼ぎをして総理総裁を替え、秋の総選挙に向かうしかないでしょう。それくらいの時間が取れれば、東国原・宮崎知事らの動きが自民党の顔・印象を多少は変えることに繋がるかも知れません。

 これからの見通しについて「ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ」の「マル激トーク・オン・ディマンド 第429回(2009年06月27日) 意味のある政権交代を実現するために」で山口二郎北大教授がこう語っています。「小沢一郎氏が代表に就任して以来、民主党は新自由主義から再配分へ明確に路線を切り替えた」「自民党内は、小泉改革の評価をめぐり一枚岩ではないが、基本的には自民党の自由主義路線と民主党の再分配路線の対立軸がある程度はっきりと顕在化したため、次の選挙は、壊れかけた日本の社会経済システムをどのような方法で立て直すかをめぐる路線選択の選挙になった」「大きな問題は下野した後の自民党だ。自民党が野党に落ちた時、政党のアイデンティティを持ち続けることができるかどうか」

 首のすげ替えでどうにかなる時期は過ぎているとは思いますが、初の女性首相をぶつけるとか、このまま麻生解散で大敗するより、まだましなシナリオは書きうるでしょう。2大政党制の時代というのなら、自民が負けてもそこそこで止まらないと、逆に民主長期政権を招きかねません。


ジェット風船復活、警告すべきメディアの怠慢

 新型インフルエンザ流行のため阪神甲子園球場と広島・マツダスタジアムで先月から自粛していたジェット風船が、26日から解禁になるとマスメディアがあっさり、淡々と報じています。毎日新聞の「ジェット風船:甲子園とマツダで解禁」がその一例です。国内の感染者数が千人を超えた節目の日に、この国のマスメディアの目は何を見ているのでしょう。毎日、50人前後増えているというのに、文字通り「節穴」ではないでしょうか。

 「兵庫県や西宮市の安心宣言が出て、市民生活も感染確認以前の状況を取り戻していることから、自粛解除を決めた」――観光客減少で痛手を負ったので、行政としては無理矢理でも「安心」の気分に持ち込みたいだけです。ジェット風船がウイルス飛沫感染にどれくらい効くか、きちんとした研究があるはずもありませんから、定量的な議論は出来ませんが、国内各地で感染源不明な患者が続々と出ている時期に、ジェット風船で何が起きるか、想像したくもありません。

 厚生労働省を先頭に東京都の保健所など行政側は極力、新型インフルエンザ患者を「発見しまい」と努めているのが現状です。既に新型かどうか、遺伝子検査による確定は全国に500しかない定点観測医療機関にかかった患者しかしないように指導し始めました。球場で新型感染が広がっても、どこかの学校や職場で歴然とした集団発生が起きなければ表面化しない仕組みに移行しつつあるのですが、こんな国家的スキャンダルを伝えられず、飛沫感染が心配なジェット風船復活に警告できなくて、市民社会のために存在しているジャーナリズムとは到底、思えません。

 この一方、ヤクルトは24日に神宮球場でのジェット風船禁止を継続すると発表しました。福岡ソフトバンクも福岡県内の集団感染でヤフードームでのジェット風船自粛を続けています。こんなに狭い国土に多くの人口がひしめき合う国内です。都道府県境でインフルエンザ流行状況に差があろうはずがないでしょう。


新型インフル感染爆発、豪ビクトリア州の失策

 新型インフルエンザで2000人を超える患者を出しているオーストラリアでも、その半数以上はビクトリア州に集中しています。何があったのか、感染症の専門家が州当局を批判している論文を、「科学ニュースあらかると」の《「新型インフルエンザ」の感染拡大にどう対処すべきか?》が紹介しています。5月末に「新型インフル検査、厚労省の非科学と杜撰 [BM時評]」で指摘した、検査すべき人を検査しない構造的な欠陥が豪でもあったのでした。

 「彼らは、ビクトリア州のガイドラインでは現場の医師達に対して、感染が疑われる人達が外国からオーストラリアに戻ってきた場合、もしくはそういった人達との密接な接触が確実に有った人達に限定して、テストを行うように要請していたが、『それは、実際にしなければならなかった事とは正反対だった』、と指摘しています」。加えて検査機関をひとつに限定したので結果が出るのに5日もかかるなどの不手際がありました。

 これはまさに日本の厚生労働省の指針でした。東京の保健所などは目の前にインフルエンザと疑われる患者がいても、渡航歴がなければ無条件で「季節性」として検査もせずに処理してきました。こんな季節に集団発生するのは異常だと、神戸と大阪の医師は指針に逆らって遺伝子検査を要請、新型の集団発生をつかまえたことは周知の通りです。しかし、大部分の都県は指針を守り続け、今になって感染源不明の散発的な患者発生が全国各地で起きています。間もなく1000人に達するでしょうが、実際にどれくらいの患者が隠れているのか、推定する手掛かりは失われました。神戸・大阪の集団発生時よりも大きな2番目の山が出来ています。感染症情報センターのグラフを参照。



 日経メディカルが「米国ニューヨークで重症化例が急増中」で、押谷仁・東北大微生物学分野教授の国内でも感染拡大の見方を伝えています。

 「ヾ鏡源が特定されない例が多数見つかっている感染していても、症状が軽く本人が気づいていない可能性がある自宅待機などを避けるため、感染の恐れを自覚していても名乗り出ていない人がいる可能性があるぐ貮瑤亮治体が新型インフルエンザへの感染を確定するPCR検査を積極的に行っていない――などの理由から、日本でも感染拡大が続いているはずだと訴えた」。い痢岼貮瑤亮治体」はもちろん「大部分の自治体」です。岡山県のように人の移動の軸に位置しながら、今日現在でも患者発生ゼロになっている所は「意図的」と申し上げてかまわないと思います。

 押谷教授の報告で「ニューヨークの医師から聞いた」「剖検した5例のいずれも、上気道から下気道まで高度にウイルスが増殖しており、ウイルスの複製量が通常の季節性のインフルエンザより桁はずれに多かったという」「ほとんどの人が新型インフルエンザに対する免疫を持っておらず、基礎疾患がある人や免疫が落ちている人は、ウイルスの増殖を全くコントロールできなくなっている可能性があるのではないか」との部分は、弱毒性といっても決して甘く見てはならないと教えてくれます。

 【追補】山陽新聞は「新型インフル 倉敷の女性感染か 〜中国入国時に発熱、入院中」で「倉敷市役所で曽根啓一・市保健所長が記者会見し、『潜伏期間から倉敷市内で感染した可能性が高いが、感染ルートは確認できていない』と述べた」と24日に報じました。実は岡山県も既に新型インフルエンザ蔓延状態なのでしょう。


第180回「敗因は何と工学知らず:六ヶ所再処理工場」

 試運転終了(完工)を延々と繰り延べている六ヶ所再処理工場について、東奥日報の17日付「新たな工程は原因確定後/再処理 」は青森県の蝦名武副知事が「『ガラス溶融炉の安全を精査した上でなければ、将来の完工時期は立てられない』と語り、仮に8月を過ぎても炉のトラブル原因がはっきりするまでは、日本原燃は新たな工程を示すべきではない−との認識を示した」と伝えました。恐ろしい高放射能廃液を扱うガラス溶融炉について、安全性に本質的な疑問を抱いた地元行政側が突き放したとみるべきでしょう。

 やはり東奥日報12日付「津島氏『自信ないなら海外技術導入を』/再処理トラブル問題視 」は、津島派(旧橋本派)を率いる津島雄二衆院議員がガラス固化体製造トラブル続出を問題視して「なぜ国産技術にこだわるのか。自信がなかったら外国の技術を取り入れるべきだ」と主張したとも報じました。「津島氏の発言に対し経済産業省の担当者は『別の方式を導入すると時間がかかる』などと答え、国産技術からの転換を否定した」ことになっていますが、これから述べるように、大局を見ている政治家の方が、崩壊する現状を糊塗する役人より優れている好例になります。

 六ヶ所再処理工場については2月末の「核燃再処理工場に安全思想の設計無し!! [BM時評] 」で触れたきりになっています。ガラス溶融炉の運転失敗が別の失敗を呼び、さらに最も避けるべき高レベル廃液漏れまで起こしたところまでお伝えしました。この廃液が曲者で配線にかかり、炉の給電性能を損なって加熱できなくなっています。きれいに洗い流せば良いのですが、人間が全く立ち入れない「死の空間」です。遠隔操作でどう洗い流し、その洗い流し液(もちろん放射性)をどう回収するのか、汚染を広げるだけかも知れず、今後の見通しが見えてきません。将棋で言えば、もう詰んでいるのです。

 昨年書いた第162回「青森の再処理工場は未完成に終わる運命」でガラス溶融炉について、以前に原研機構の実験炉で開発された技術と比べ「仕組みと言い、スケールと言い、全くの新規開発です。崩壊熱を自ら発する多数の物質が入り交じった溶融炉の中の物質挙動が、これほど仕組みも物質量も変えて同じになるはずがありません。一国の核燃料再処理を担うのですから、当然、実物大の実験炉で成功させてから実機に組み込むべきです」と述べました。経済産業省と日本原燃のラインは、工学とは何か知らないとしか思えません。

 工学、エンジニアリングとは、それぞれに確立された要素技術を組み合わせて新たな目標を達成するものです。要素技術である高レベル廃液のガラス溶融炉に実証されていない新方式を採用した時点で、工学とはかけ離れた「ロマンの世界」に移ってしまいました。ブレークスルーすべき要素技術があるなら、実プラントの建設ではなく、まず研究室で実証すべきです。遅れに遅れて研究室に戻れないとしたら、次善の策です。六ヶ所再処理工場は2系統で出来ており、もう一つのガラス溶融炉は無傷ですから、そこで人間が目視できる疑似廃液から始めて、期待された性能を本当に持つのか検証すべきです。1年は楽にかかる作業になるでしょう。

 しかし、高レベル廃液本番まで成功する確率は試運転の失敗続きからみて、かなり低いのではないでしょうか。それが既に2兆円を投じた再処理工場のキー技術です。日本原燃は2012年から導入する次代のガラス溶融炉も同じ方式と決めていますが、実証されていない技術を発展させるというのですから、これまた工学の常識から外れています。津島議員が言う「自信がなかったら」を工学の言葉で言い直すと「実証データがなかったら」になります。日本原燃幹部の言動には未だに「落ち着いてやれば出来る」「なせばなる」といった精神主義が散見されますが、あまりの工学知らずぶりに、21世紀に生きているとは到底、思えません。


臓器移植法改正A案可決:衆院議員の認識不足に呆れる

 「脳死は人の死」とする臓器移植法改正案「A案」が18日、衆院で大差で可決されました。提案者は審議の過程で臓器移植の局面に限ったことだと釈明したようですが、各メディアが報じるとおり、死の定義そのものを変更しているようにとれるのです。1997年の第8回「臓器移植法と脳死・移植の行方」から最近の「臓器移植のドナー不足は本当に悪なのか [BM時評] 」まで、ずっと見守り続けてきた立場からすれば、これは拙いと考えます。国会で議論した末に法を変えるのは当たり前のことですが、それなら既存の法律多数との整合性をとる作業をしなければなりません。臓器移植法改正案と称してほんの手直しですと言いつつ、根本から変更してしまうのは酷すぎます。衆院議員にそれくらいの認識が無かったとは驚きです。

 いまさら保守・革新とは言いませんが、それでも自民党に特に賛成が多かったというのも「良き保守主義」を標榜する党でなくなった証拠でしょう。国民の死生観が本当に変わっているのなら、それに合わせたら結構ですが、変わっていないのに国会が新・死生観を押しつけるなど、噴飯物です。麻生首相と共産党が、まだ民意が固まっていないとみていると表明したのは妥当な判断だと思えます。

 各論についての異議は、自然科学と社会科学から有力な研究者がそろう生命倫理会議が「衆議院A案可決に対する緊急声明」を出しているので、参照されたらよいでしょう。参院では7月末までの会期できちんと議論して方向を打ち出してもらいたいものです。衆院の解散を縛るとかの議論もありますが、麻生首相がここで解散に踏みきれるようなら、もっと条件が良かった時期に解散しています。任期満了解散・総選挙と達観して、参院は十分に審議すべきです。


新型インフルは暑さに強い!! タイなどで急増

 夏に向かえば新型インフルエンザは自然に収束すると考えられていたのですが、どうやら暑さにとても強いようなのです。不思議なことに日本よりもずっと暑いフィリピンやタイでこの数日、感染者が急増しています。国内でも遺伝子検査の対象を海外渡航歴の無い人に少しずつ広げていくとともに、福岡・千葉・東京・愛知などで感染者が目に見えて増えるようになりました。10日以降の1週間で150例以上も増えています。

 IBTimesの「【タイ】新型インフル、新たに95人の感染者を確認し累計で405人に」と、フィリピン在住の「ぱんぱんが日記」「新型インフルエンザ感染者、フィリピンは一気に300人突破 」を参照して下さい。WHO発表の確定例(累計)(日本時間 2009年6月12日 午後4時現在)では、タイはたったの8例だったのが405例、フィリピンは77例が311例に膨れあがりました。ほんの5日間の出来事です。

 タイの場合は、感染した「添乗員がバンコクから戻った後に多くのタイ人観光客グループを引率し県内の観光地を回った際にウィルスを拡散させた恐れがある」そうです。それにしても暑さや湿気に弱いはずのインフルエンザ・ウイルスらしくありません。これまで言われていた、暑さ本番とともに収束するというシナリオは信用できないと思えます。国内でも流行はだらだら続いて、秋のシーズン本番に突入するのではないでしょうか。


テラの上の上、281エクサバイトになったネット

 15日付けのINTERNET WATCH「Google検索進化の方向性、メイヤー副社長が語る」に「Web上のコンテンツが5年前の5エクサバイトから、現在は281エクサバイトにまで急増していると指摘。ユーザーがアップロードするコンテンツについても、動画や写真が増えたことで3年前と比べて15倍に拡大した」とありました。

 エクサとはギガの上のテラ、その上のペタの上で10の18乗です。つまり「ギガ(10億)のギガ」と考えればよいので、あり得る数字と思えてきますが、とんでもない数字であることには変わり在りません。5エクサバイト(EB)が5年間で281EBになっているということは、倍々ゲームで5年間なら160EBなので、それよりも速い増加ぶりです。Googleはウェブコンテンツをハードディスクではなく電子キャッシュに取り込んで、相互のリンク関係などを高速に分析しているはずです。年に倍々以上の増加速度なら大変な設備投資が要りますね。

 ブログ登場以前に比べて検索結果の精度が落ちている、つまり、つまらない検索リストしか返さなくなっていることは何度か指摘しました。いまやブログだけでなく、動画や写真も猛烈な勢いで増えています。「検索結果の20%は過去3カ月前にはなかったものが追加され、どんどん新しくなっている」とは、検索をとてもよく使う私には納得できる状況です。少ししか時間が経過していないのに検索結果が違う「違和感」に最近、しばしば直面します。


米の新タバコ規制法「マイルド」「ライト」禁止

 米国でタバコ業界から長らく反対されていた、強力なタバコ規制法案が議会で12日に可決されました。オバマ大統領は「勝利だ」と述べた推進側ですから、すぐに署名、成立でしょう。ブッシュ時代には、こうはいかなかったでしょう。

 AFPの「米で新タバコ規制法案成立へ、FDAに強力な規制権限」は「ニコチン含有量の制限 風味の添加の禁止、若者を対象とする広告に健康への影響に関する警告を記載することを義務化する権限などがFDAに与えられる」「10代の未成年者の読者が多い出版物へのタバコ広告が厳しく制限されるほか、タバコが健康に与える影響の印象を和らげる『マイルド』『ライト』といった単語の使用が禁止」と伝えました。

 「タバコってなんですか?」の「米たばこ規制法成立へ マイルド、ライト表示は禁止」は大歓迎で「警告表示も文字だけではなく下記のような写真つき警告文になるでしょう」と「世界のタバコ警告表示」を紹介しています。「EUのタバコパッケージ警告表示」だけ眺めても、強烈な写真や図案のオンパレードです。たばこの箱に張らせたら、相当な効果が期待できそうです。

 次は国内です。健康への警告表示も手ぬるいとしか言いようがありません。大幅値上げや実質がある規制に踏み出すべきです。


第179回「新型インフル、国内の持続的感染が確定」

 福岡と千葉・船橋で新型インフルエンザ集団感染が急拡大しています。6月5日時点では福岡1例、千葉6例に止まっていた感染者数は、10日昼には福岡42例、千葉24例に膨れあがりました。やるべき遺伝子検査を極力制限して患者の多くを季節性インフルエンザと誤魔化し、やり過ごそうとしている厚生労働省の対応が破綻しました。神戸・大阪が独自の判断で新型蔓延を検出し、収拾したのを迷惑そうに見ていた政府は、今度は自らの問題として蔓延する局面に対処しなければなりません。

 特に福岡では地元のメディア「データマックス」が「福岡市、遺伝子検査拒否で新型インフル感染拡大!」で「板付中学校の生徒に新型インフル感染が確認されたのは今月6日土曜日。板付地区ではその1週間ほど前から感染が疑われる患者が続出、診察した複数の医療機関は博多保健所に対し、遺伝子検査を要請していたという。しかし、保健所側は遺伝子検査を実施しようとせず、季節性インフルエンザとして対応するよう指示を繰り返したとされる」と感染拡大を放置した「行政の犯罪」を告発しました。

 西日本新聞は「福岡市の新型インフル集団感染 中学生と米国人のウイルス遺伝子ほぼ一致」と報じました。「米国人は発症前日の5月23日に中学生が通う板付中校区内の飲食店で食事をしており、県は『場所的に(飲食店で)感染が広がった可能性が一番高い』と予測。また、米国人の感染確認から中学生の感染確認まで10日以上あいていることから、米国人と中学生の間に1―2人の感染者が介在したとみている」というのですから、これは世界的大流行(パンデミック)の認定条件になる「地域社会レベルの人から人への持続的感染」そのものです。

 船橋で集団感染した中学生は3〜5日に岩手県に修学旅行に行っており、現地で会食した飲食店の女性従業員にも感染者が出ました。東北では初めて感染例です。滋賀県の男性大学教員が2〜6日に東京都内で開かれたイベントへ出張して感染した例が示すように、首都圏は新型インフルエンザの巣窟になっている可能性があります。なにしろ都の保健所は主に汚染国に渡航していた発熱者しか遺伝子検査をしてこなかったのですから、感染の広がりは全く掴めていません。

 都がどれほど遺伝子検査をしてこなかったか、「東京都インフルエンザ情報」という資料があります。第20号を見ると、渡航者を検査した東京感染症アラート以外には、5月の4〜10日に21検体、11〜17日に31検体、18〜24日に25検体ですから、合計77人分しか調べていないのです。東京都発熱相談センターに寄せられた相談件数は10日には8万件を超えています。第19号を見ると18〜24日には中央区、杉並区、葛飾区でインフルエンザ様疾患で学級閉鎖があったことになっています。上記のわずかな検査数から遺伝子検査をしなかったことは明らかでしょう。この時期に学校で集団発生があっても、東京の保健所には新型を疑って遺伝子検査をするセンスが無いとは呆れてしまいます。これが故意のサボタージュでないのなら、都の役人の頭は空っぽとしか言いようがありません。果敢に検査をした神戸・大阪とは大違いです。実は25〜31日の週にも3区1市で学級閉鎖が起きています。

 東京ディズニーランドが千葉県西部にあるように、船橋は千葉と言うより我々の感覚では東京の一部でしょう。そこで感染源不明の集団発生が確認されても、都には動く構えは見えません。10日更新の「東京都における新型インフルエンザの発生状況」は例によって例の如しです。「6月9日、東京都に報告のあった確定患者は3名です」「これまで報告された確定患者13名全て、新型インフルエンザの蔓延している国又は地域の滞在歴もしくは新型インフルエンザ患者との接触歴が確認されています」では、あざ笑う対象でしかありません。この条件に当てはまらない対象を把握することが「出来ない」システムで運用しているのですから。

【6/14追補】6月11日分までの発症日報告数の推移です。2番目の山が姿を現しました。感染症情報センターのまとめは届け出日ではなく発症日なので数日のタイムラグがあります。



足利事件の衝撃。事実の『観測』には誤差

 女児殺害の犯人として17年半も逮捕、服役させられていた足利事件の菅家利和さんが再審裁判の開始を待たずに釈放されました。再審請求でのDNA鑑定やり直しにも自信満々だった検察側が、「DNA型が一致しない」即ち「犯人ではあり得ない」との鑑定結果に、完全に白旗を掲げたためです。そして、新たな報道で事件当時のDNA鑑定のいい加減さ、それに寄りかかっての自白強要があった点が明らかになってきました。人間は過去にさかのぼって事件発生現場を確認できません。様々な「観測」手段を使って当時を推し量っているに過ぎません。使える観測手段ごとに誤差があり、それをわきまえた謙虚さが決定的に欠けていたケースでした。

 「弁理士の日々」の「足利事件のDNA鑑定 」は「『当時の技術では、犯人と菅家さんは同じDNA型(仮に[A]とします。)と鑑定され、その鑑定自体は正しかったが、最新の技術では、犯人はA1、菅家さんはA2であって別人であった』という論理かと思っていました。ところがそうではなく、『当時捜査で使われたと同じ方法でDNA鑑定を行ったところ、菅家さんはBであり、犯人はCであった』というのが実態らしいですね」と驚きます。

 弁護側鑑定人の本田克也・筑波大教授はBをAと誤ったこともさることながら、BとCを同型とした二重の誤りが大きな勇み足になったと指摘しています。遺伝子DNAの鑑定は違いが分かりやすい部分を切り取って比べますが、旧鑑定書の写真では「これでよく同じ型と見えたな」というレベルだったようです。

 Japan Blogs Netから拾うと、「中山研一の刑法学ブログ」は「足利事件の教訓」で「この事件では、DNA鑑定が有罪の証拠とされただけでなく、嘘の『自白』を引き出すために利用されたという事実に注目すべきです」「菅谷さんは、DNA鑑定を突きつけられて自白を迫られ、暴行も受けたとして、当時の警察・検察官を絶対に許さないと語っています。今こそ、『代用監獄』における密室の長期間にわたる取調べそのものを廃止する決断が必要なのです」と指摘しています。捜査過程の可視化(=全面ビデオ撮影)を押し進めるべきなのですが、法務大臣は早速、消極的な姿勢を見せました。

 「小林恭子の英国メディア・ウオッチ」が「足利事件とDNA鑑定―英国関連」で英国事情を伝えているのも注目です。「英国ではDNA鑑定が初期捜査の重要な部分を占めているようだ。現在、少なくとも400万人分のDNA情報を持っている」「問題なのは、警察で取り調べを受けた人はほぼ全員がDNAのサンプルを取られてしまうことだ。例えば飲酒運転、あるいは町で10代の少年少女が喧嘩をしていて、これをつかまえた場合もサンプルを取る。ただ単に、喧嘩に巻き込まれた人、その場にいた人もとられる場合がある。つまりは、無実の人のサンプルも、『いつか悪いことを起こす人』のサンプルとして取得されてしまう」

 英国に比べ、数万人分しかないDNA情報を持たない日本は発展途上段階ですが、足利事件のような鑑定精度問題を越えた、次の場面で、DNAという究極の個人情報をどう扱うかが浮上します。日弁連は2007年末に「警察庁DNA型データベース・システムに関する意見書」を出して、プライバシー権や自己情報コントロール権を侵害することがないよう、国家公安委員会規則ではなく、法律による構築・運営をすべきだと主張しています。警察庁側では「DNA型情報の活用方策について」に資料が集められています。


Twitter利用者数、国内でも急増カーブに

 一度には140文字しか書けないミニミニつぶやきブログサービスである「Twitter」の参加者が国内でも急カーブで増え始めました。《米国発のマイクロブログサービス「Twitter」の利用者が日本でも順調に増加》によると、今年4月の利用者数は52万人で、1月に比べて2.6倍です。オバマ大統領が選挙戦で使った米国は1700万人、英国の250万人に比べると絶対数ではまだまだ見劣りしますが、世界全体では1週間に100万人が増えているとされる状況が国内にもやって来たようです。

 折しも「ITmedia News」が5日に「ライブドア堀江元社長がTwitter開始 3時間で2000人フォロー」を流しています。6日に「takapon_jp」をのぞいてみるとフォローは6716人に増えています。有名人が参加するとさらに増幅されるでしょう。

 秋までにはある総選挙の時点では、国内利用者が数百万人にもなるでしょう。短い文章と親密なフォロワーの間ですから、思わぬ使われ方をするのではないでしょうか。選挙のことをあからさまに表現しなくとも、関係している人には分かってしまう使い方も出来るでしょう。公選法との関係でも注目すべき存在になります。


ベルリン・フィル定演ネット配信の高品位を再認識

 昨年秋の「ベルリン・フィル定期演奏会がネット中継に」で紹介したベルリン・フィルの「デジタル・コンサート・ホール」を最近、何度も訪問しています。落ち着いて聴いてみると、思った以上の高画質・高音質であることに驚かされます。ツアーのストリームテストに全画面表示のサンプルがあります。本物のハイビジョン番組が1本9.9ユーロ(視聴は48時間に制限)ですから、映画館の料金並です。シーズン通し料金は最初は高かったのですが、今は8月27日までで89ユーロになっています。

 少し昔の定期演奏会も見られるのかもと思っていましたが、現状は昨年夏からの新しいものばかりです。その分、今が旬の演奏家がどんどん出てきて、音楽雑誌でしか見ない方の演奏が、アーカイブにある予告編で楽しめるのは面白いと思います。予告編ではハイビジョンとしては最小の縦480本ですが、音質は十分に高品位です。自宅のシステムでとても良かったので、会社で使っているノートパソコンでも試してみて、いささかがっかりしました。まずまずの音かなと思って深く気にせずにイヤフォンを挿していたのですが、同じ高音質のソースを聞き比べると、差の大きさにやや唖然です。細かなニュアンスの部分が消えています。これは何か対策が要ります。

 ついでにベルリンフィルをカラヤンが独裁していたころのビデオを持っているので聞き比べてみました。同じホールだし、演奏映像の撮り方も似ています。カラヤンは映像技術の進歩に応じて最新の物に加工できるよう、35ミリフィルムで残していたと聞きます。いつまでも自分が最高という人でしたが、最新のデジタル・コンサート・ホールの出来は想像できなかったかも知れません。それほどネット配信にもかかわらず鮮明な音です。鮮明すぎるのかも知れません。


2009年5月のエントリー一覧

5/31 第178回「GM破綻、連邦破産法11条でも再生険しく」
5/30 新型インフル、国内侵入は遥か以前に
5/27 宇宙からも『暗黒』な北朝鮮
5/24 新型インフル検査、厚労省の非科学と杜撰(ずさん)
5/19 新型インフル、東京の感染ゼロに間もなく終止符
5/17 新型インフル感染確認は氷山の一角の一角
5/13 米政府は直ちにGMから資金引き揚げ、破産さすべき
5/10 第177回「インターネット世界に地殻変動を感じる」
5/06 新型インフルエンザ対策は非常な的外れ
5/03 新型インフル、WHO初動遅れと国内の前のめり