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GMとクライスラー、これが再建なのか大疑問

 破産法回避の期限を4月末までとしたクライスラー、もう1カ月先に期限が来るGMの再建協議が大詰めを迎えていますが、29日に日経新聞が伝えた両社の「再建後の株主構成」は不思議極まりないものでした。債務のカットと株式化で、米国政府と全米自動車労組(UAW)が過半を占めるのです。
  《GM》
  政府・・・・・・50%
  UAW・・・・・39%
  債権者・・・・・10%
  現在の株主・・・1%
  《クライスラー》
  UAW・・・・・55%
  伊フィアット・・35%
  政府・債権者・・10%

 政府の緊急融資を含めた兆円単位の債務を大幅にカットする見返りに大量の株式を渡す結果、この構成になるのです。日経の記事は異例の株主構成が経営の判断を縛ることに注目していますが、それ以前に、これでは米国政府がGMと一蓮托生になってしまい、引こうにも引けなくなってしまいます。税金から出ている緊急融資が無価値になりかねない株に化けるのは奇妙です。オバマ政権は止むに止まれずなのかもしれません。しかし、完全にある種のモラル崩壊が起きています。

 両社共に巨額債務から身軽になって、生産体制も縮小し、採算ラインに乗せる腹づもりでしょうが、何割も縮んだ自動車市場で利益を出せる保証はありません。フィアットと組むクライスラーはともかく、GMには今どうしても必要な小型車の技術が無いのです。利益が出ない会社の株式は売れないので、政府はいつまでも株を持ち続け、潰さないために緊急融資を繰り返す最悪の構図が目に見えるようです。

 はっきり言って、このやり方は数字のマジックで、再建ではないと考えます。破産法11条(日本の民事再生法)を使って、事業会社として生きていける部分を再生させる、残りは思い切って清算する――それが資本主義社会の筋道でしょう。

【5/1追補】クライスラーは一部債権者と協議が折り合わず、破産法11条申請に踏み切りました。それで管理された破綻・再生を目指すというのですが……

 【新情報】第178回「GM破綻、連邦破産法11条でも再生険しく」
 《ブログ界を分野別に定点観測》Japan Blogs Net


臓器移植のドナー不足は本当に悪なのか

 4月26日付、日経新聞社説「他国に頼る移植医療から抜け出せ」には、いかに経済紙だからと言って、移植臓器を自国で潤沢にまかなうことが前提の議論をされては困ると感じました。この日の社説は通常の2本構成ではなく、臓器移植だけをテーマにした1本社説ですから、なおさら問題があります。「本質論を避けるな」との中見出しを掲げて「脳死は人の死かという命題と、真正面から向き合わないと、話は前に進んでいかない」「技術論や制度論を超えて、この機会にもう一度脳死とは何か、移植医療とは何か、きちんと議論を重ねるべきだろう。誤解や思い込みや偏見はまだ議論の随所にみられる」では「脳死=人の死」を認めないのは無知蒙昧と言っているのと同じでしょう。

 世界保健機関(WHO)が5月に、海外に渡航しての移植を規制する見通しになり、臓器移植法改正案を長年、店晒しにしてきた国会が不作為の責めを問われたくなくて動き出しました。現在は3案、週明けには4番目の案も出されます。現在は不可能になっている15歳未満の臓器提供者(ドナー)をどう生み出すかがポイントです。大幅変更案では年齢を制限せずに「脳死=人の死」とし、本人が予め拒絶していなければ家族の同意で提供可能としています。これに対して、15歳以上が書面で提供の意志を残している場合に限って法的な脳死判定をするのが現行法です。

 第4案は15歳以上は現行法のままとし、15歳未満に限って第三者が児童虐待がなかったと認定した上で、家族の同意で提供できる不思議な折衷案です。大幅変更案も含めて、現行法が出来た経緯や脳死患者の実態についてあまり詳しくないのではと考えてしまいます。ご自身がドナーカードを持っている女性の「難しい問題」は「もし自分の子供が脳死の状態になって、まだ心臓は動いているのに、体を切り刻まれることを了承してくれる親がどれだけいるんだろうか」「移植が必要な子供の親が、どんなことをしても自分の子供を助けたいと思うように、脳死と判定された子供の親もまた、どんなことをしても自分の子供を助けたいと思うんとちゃうんかな」と疑問を投げています。

 日経社説を見ていると「脳死による臓器提供が年間十数件程度に止まっていると、日本における移植医療の水準が向上することは期待できない。渡航移植の増加は、患者ばかりか医療関係者の海外流出をも招くと、心配されている」とまで書かれていて、医療取材の経験者が執筆に加わっていないのが丸見えです。脳死臓器移植など世界的に見て、何の手柄でもありません。現行法が出来た1997年に書いた第8回「臓器移植法と脳死・移植の行方」 で、「脳死体からの移植は例外的な医療に長くとどまると決まった」と断じた上で医療不信が背景にあることや生体部分肝移植などの医療技術開発を紹介しました。様々な代替え技術が進んでも移植でしか救えないケースは存在し続けますが、その少数に合わせて大多数の国民の死生観に変更を求めるのは僭越に過ぎると言うべきです。


SMAP草なぎさん逮捕は有名ブログで大騒ぎ

 東京・港区の公園で泥酔、裸になって騒いだことから公然わいせつ容疑で逮捕されたSMAP草なぎ剛さんの件。一夜明けて今日の午後に釈放されましたが、とても一晩、留置する悪質な事件とは思えません。おまけにおそらく麻薬常用を疑って自宅を家宅捜索までして何も出ず、その理不尽さも含めて「Japan Blogs Net」に入れている有名ブログで大騒ぎになっています。テクノラティで調べると「草なぎ」と「草」合わせて23日に3000件のブログ記事が書かれている程度で多いと言えても驚くほどではありませんから、有名ブログからの注目度の高さは異例かも知れません。

 鳩山総務相が草さんが地デジの普及推進キャラクターだったことから「最低の人間だ」と言い放ったりするものだから、ますます騒ぎが広がりました。後で撤回されたこのイレギュラー発言、「大石英司の代替空港」の「この逮捕に異議あり」に「現職の大臣が飲んだくれて国際会議に出ることに比べりゃ、今の内閣にそんなことを言う資格は無いでしょう」と切り捨てられればおしまいなのですが……。

 公然わいせつ容疑から家宅捜索までするのは理屈が通らないこと甚だしいと思います。裁判所が捜索令状を安易に出したこと、こうした警察国家ぶりにメディアはもっと批判の声を上げるべきです。そして、身柄送検で顔が映る写真を撮らせる人権侵害にもっと敏感になるべきです。

 2日続きでこの事件を取り上げた「生きるすべ IKIRU-SUBE 柳田充弘ブログ」の「隆盛のチャイナ、衰退のジャパン、消毒国家、草なぎ青年」は中国行きから帰って日本の閉塞状況を憂い「日本のような一見ぬるま湯社会なのに、この草なぎ青年に対するはげしいまでの社会的懲罰をみると社会の硬直化を強く感じざるを得ません」と指摘しています。


産科医の時間外手当、奈良地裁が支払い命ず

 夜間や休日の宿日直勤務に正常分娩や帝王切開までしていた県立奈良病院の産科医2人が、低額の手当ではなく正当な時間外賃金を支払うよう求めていた民事訴訟で22日、時効に掛かる分を除いて1539万円を支払うよう命じる判決を奈良地裁が出しました。訴訟が提起されたときからカルテに分娩の時刻がきちんと残されている産科医療では夜間に見回りする程度の「断続的な労働」との言い訳が通るはずもなく、県側の敗訴は確実と見られてきました。それでも初めて正式な判決が出たことで、少なくとも産科医については正当な時間外賃金支払いが全国的に進むはずです。

 読売新聞の《医師の当直勤務は「時間外労働」、割増賃金支払い命じる判決》にある県側にコメント「厳しい労働環境で頑張っているのは認識しているが、これまで医師の志に甘えていた」はまさにその通りでしょう。

 問題は現在、厳しい勤務状態にある点で産科医に近い他科の勤務医にも待遇改善が及ぶかという点です。判決は当直時間の4分の1は通常業務をしていると認定しています。これはカルテの分娩記載が大きく効いているのだと思います。厚生労働省は労働行政の中央官庁でもあるのですから、ひとつひとつ判決が出るまで座して待つのではなく、ガイドラインを示すなど指導に乗り出すべきだと思いますが、官僚が別の縄張りに手を出すのはタブーなのでしょうね。

 医師からの反応は「医師の当直勤務は時間外労働」です。急な帝王切開手術に備えて他の医師が自宅待機しているオンコール問題などに詳しく触れています。今回の判決ではこれは医師らが自主的にしていたとし、時間外勤務とは認めていません。


ブック検索著作権問題、Google期限まで半月

 グーグル・ブック検索について米国の裁判所で示された和解案に、世界のほとんどの国の著作権者が態度を決めなければならない期限が半月後の5月5日に迫っています。日本文藝家協会は15日になって「グーグル・ブック検索についての声明」を出して「今回の和解案は、私たち米国外の著作権者の協力できるような性質のものではないので、強く反対する」と抗議の姿勢を示したものの、「個々の日本の著作権者が後日になって回復しがたい不利益を蒙ることも懸念されるため、当面の最低限の防衛策として、私たちの会員や著作権管理委託者に、米グーグル社から提示された和解案に応じたうえで、個々のデータを削除する要求を選択するように勧める」と、和解からの除外・脱退は避けるとしました。

 米国で起こされた訴訟の和解に米国外の著作権者が巻き込まれるのは、主にベルヌ条約に加盟しているためです。「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」は加盟国に他国の著作権者にも自国民と同じように遇することを求めています。結果として「米国と著作権関係を現在持っていない数国において書籍を出版し、居住または本拠地をおいていることが確実ではないかぎり、米国における著作権を有していると考えるべきでしょう」と、和解案を説明する「合衆国南ニューヨーク地区連邦地方裁判所通知書」は指摘しています。期限までに態度表明しなければ和解に応じるとみなされます。組織に属していない多くの著作権者は、なし崩しに和解に参加する事になるのでしょう。

 和解案では米国で絶版になったり、市販されていない本を図書館などの協力でスキャンし、一部をブック検索で表示したり、書籍全体を見せるアクセス権を売ったり出来ます。米国で本を出版していなくても著作権を持つ意味があるわけです。ただし、それが出来るのは米国でのブック検索に限定されています。米国外からはアクセスできません。

 同通知書には「Googleは、レジストリを通し、これらの使用によるすべての収入の63%を権利保持者に支払います。レジストリは、以下の問9(K)および10で説明される配当プランおよび著者/パブリッシャー手続きに基づきそれらの収入を権利保持者に分配します」とありますから、国内の印税10%に比べて破格の好条件になります。

 もちろんグーグルは米国外に広げることも狙っているようです。「Google ブック検索和解契約」は「この和解契約は米国における訴訟の解決となるもので、和解契約の影響を直接受けるのは、米国内でブック検索にアクセスするユーザーのみです。米国外におけるブック検索の機能は和解契約による変更はなく、これまでと全く同一です。しかし、Google では将来的には各国の業界団体や個々の権利者と協力して、この和解契約がもたらすメリットを世界中のユーザーに広めたいと考えています」と表明しています。

 ブログでの解説としては「グーグル『ブック検索』和解は作家と出版社の関係を見直す好機」(海難記)が「これまで自分たちの著作権管理をまともにやりもせず、いわば出版社に丸投げしておいて、しかも新しいメディア環境における著作権のあり方についてきちんと状況分析もしないままで、ヒステリックに『抗議』すれば済むと思っている日本文藝家協会のあり方はじつに救いがたい」と、国内の状況を批判しています。

 国内の「ブック検索」はどうなっているのでしょうか。個別に版元の許可を得て、本の一部を閲覧できる仕組みにしています。「インターネット」で引くと1857件、「女」なら1908件です。まだまだ大した収録数にはなっていません。米国の場合、フェア・ユースと呼ぶ著作権を侵害しない利用行為がかなり大きく認められており、グーグルは著作権が生きている本にも、それを使って大規模なブック検索を構築しています。同じブック検索を名乗っても、日米間の落差はさらに拡大することになります。


米住宅着工は反転せず:景気回復へ大きな重し

 17日に「米国の3月の住宅着工は51万戸と前月比で10.8%減、前年同月比で48.4%の大幅減」とのニュースが流れました。またリアルティトラック社のまとめでは3月の住宅差し押さえ件数が34万件と、前年同月比46%も増加し、過去最高になりました。住宅着工は2月に反転、増加して、景気底入れの兆しかと思われたのですが、ネット上で検索してみると、実際は空き家が増え続ける構造的な問題が景気回復へ大きな重しとなっている姿が浮かび上がってきます。

 「Japan Blogs Net」でも取り上げている「専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール】」の「増え続ける空き家率が象徴する米・住宅問題の深刻度」は「全米で現在1400万戸の住宅が空き家になっているという」「空き家率は15%近くまで跳ね上がり、ここ20年の景気後退局面のなかでも最悪」「テクノロジー企業が集まるシリコンバレーは、全米でも有数の高額所得地区。だが、IT企業が次々にレイオフを行っているため、住宅ローンを支払えない人たちも急増している。90日以上支払いが遅れた割合をまとめたものを地元新聞社が公開しているが、1年前と比べるとその差は歴然。エリアによっては、1年前に2.63%だったものが、10.25%まで上昇している例もある」と事態の深刻さを伝えています。

 業界のレポート「米住宅市場、底打ちはまだ見えず」は2月の指標好転には問題があるとの立場です。「中古住宅の供給が需要を上回っている現状をみれば、米住宅市場が底打ちしたと判断するには時期尚早だと言える。中古住宅の在庫拡大は、不動産ローン支払いの不履行が増加していることが要因だと考えられる」「銀行は、実際に差押えに踏み切るには4〜5カ月かかることになる。昨年9月に金融ツナミが世界を席巻して以来、わずか半年しか経過していない。したがって、住宅の差押えのピークが過ぎたとは言い難い」「住宅価格が不動産ローン残額を下回っている状況にある際には、借り手は住宅を放棄し、ローンとの差額を支払う義務が生じず、そうした住宅はローン残額で売却される。つまり、米国では、住宅がマイナス資産に陥った場合には、住宅保有を放棄する数が増大する可能製が高い」「したがって、オバマ政権が住宅価格の下落を食い止める方策を打ち出さない限り、住宅がマイナス資産化し、住宅市場と米経済にとって差押えが大きな問題となる可能性がある」

 住宅価格はピーク時に比べ3割も下落しています。マイナス資産化するケースはさらに出るはずです。住宅差し押さえ件数の増加も止まりそうになく、空き家が増える一方なら、住宅着工が反転するのは当分は難しいでしょう。


ヘッドフォンの音は実はもっと豊か:E5導入記

 円高の恩恵を活かそうと独ゼンハイザー社のヘッドフォンHD595を、わたしと家族用に2本買ったおかげで面白い経験をしました。このクラスの上級機になると安物のアンプでは真価を発揮しにくいと知ってはいたのですが、家族が使うリビングの装置では音が寂しすぎました。私の部屋と聞き比べできるので差が歴然です。手軽な解決策を探す内に見つけた中国製の廉価携帯アンプ「Fiio E5」が予想外の性能を発揮してくれました。久しぶりにオーディオマニアに戻って簡単な工作もしました。ヘッドフォンの音はもっともっと豊かに聞けるはずという話をレポートします。

 E5は3月に輸入が始まったばかりで、通信販売のほか東京・秋葉原、大阪・日本橋なら店頭で買えます。店頭なら3780円、中国現地なら2000円程度の値段といいます。米国製ICを2個、充電可能な電池も搭載しながら4センチ角の薄い金属ボディに納めています。ポータブルのオーディオプレーヤのヘッドフォンジャックに繋ぎ、増幅した音をヘッドフォンで聴くのが主な使い方のようです。この使い方でも音が豊かになるのですが、家庭のCDプレーヤのラインアウト出力に繋いだ方が格段に良い音になります。

 通常、プレーヤのヘッドフォンアンプ部分は音についてあまり吟味していないので、かなり劣化した音を平気で出しています。音が悪いと定評がある初期のiPodを借りてE5を繋いで、やはりわずかしか良くなりません。劣化した音を増幅しても効果は限られるのに対して、ラインアウト出力からなら正味の能力を発揮できます。リビングのプレーヤには国産で5000円程度のヘッドフォンアンプを付けていたのですが、上級ヘッドフォンの音の楽しさ、豊かさを表現できないのでした。E5を繋ぐと値段からは想像できない、見違えるような生き生きした音を聞かせます。

 問題があります。ラインアウト出力が大きすぎてE5のステップ式ボリュームではちょうどの音量にすることが出来ません。とても大きいか、小さすぎるかになります。オーディオメーカーのカタログでスライド式ボリューム付き延長コードを見つけて購入しましたが、音全体にベールが掛かったようになり、使い物になりません。電気信号の通り道に入る部品を吟味しないと悲惨な目に遭う実例でした。自前で減衰回路を付けようと検討、ヘッドフォンのインピーダンスと同程度の抵抗を直列に入れれば4分の1程度の出力になるはずと考えました。

 スライド式ボリューム付き延長コードで失敗していますから、高音質の抵抗を探さねばならないことは明かです。検索すると「抵抗の音質を正しく評価する」(nabeの雑記帳)が見つかりました。こんなご苦労なテストをされる方が居て、有り難い限りです。結局、「REYオーディオ用金属被膜抵抗 1/4W 51Ω±1%」が日本橋の千石電商で昨年末から売られていると知り、1本30円で買ってきました。

 ステレオのピンジャックとピンプラグも買い(1個100円くらい)、その間を抵抗2本とアース線で接続、ハンダ付けすれば完成で、想定通りに働いています。絶縁処理や補強は適当にお願いします。抵抗にもエージングが必要と知り、音楽を鳴らしてみると最初はざわざわした音でしたが、3時間くらいで落ち着きました。ヘッドフォンアンプに何万円もかける方からすれば不満は残るでしょうが、合計4000円の投資で音の芯に力強さが加わり、全域で厚みがある音に変身するのですから文句なしです。定価38000円のHD595を並行輸入18000円で買っているのに、アンプに何万円投入というのも筋違いな感じですし……。

 イヤフォンはゼンハイザーのMX400とMX500を大事に使っています。通常は携帯用にしていますが、リビングのE5を通して聞き直すとおやおやと思うほど豊かな音になり、改めて名機だなと再認識しました。国産5000円のヘッドフォンアンプでは真価を発揮させられなかったようです。日本橋でイヤフォンの試聴コーナーに寄り道してみましたが、手頃な値段では対抗できる機種はありませんでした。国内で絶版になったのが惜しまれます。ゼンハイザーの出した後継機種はどれも魅力に欠け落第です。韓国では絶大な人気があって、まだ売られているそうです。


舞鶴女子高生殺害の捜査・報道と裁判員導入

 裁判員制度導入の5月21日を前にした舞鶴女子高校生殺害容疑での逮捕・捜査と、それにまつわる一連のメディア報道は、裁判員制度に対する疑問を明るみに出しました。このまま導入して良いものなのか、問いかけねばならないと思います。犯行に結びつく有力な物証が無く状況証拠しかない事件であり、裁判員を納得させることが困難であろうから現在の裁判官による裁判に滑り込ませようとしている恐れがひとつ。起訴する時点が延びて裁判員制度導入後なら裁判員を意識した報道に切り替えねばならないマスメディアが、従来通りに読者が犯人と思ってしまう伝え方をしている点も大問題です。

 捜査側が持つ情報は小出しに漏れ伝えられるのですが、これまでのところ証拠らしいものは事件の直前に容疑者と被害者が並んで歩いていたとされる防犯カメラの映像しか無いと考えてよいでしょう。家宅捜索でも凶器は見つからず、容疑者は否認を続けています。「弁護士会が容疑者を重点支援 舞鶴女子高生殺害事件で」は京都弁護士会が「女子高生が殺害されて埋められた重大事件で世の中の注目度が高いうえ、犯行を直接裏付ける物証が乏しく、中容疑者が否認を続けていることから自白を強要される恐れなどがあるとして、輪番の当番弁護士ではなく、刑事弁護に慣れた弁護士」を派遣したと伝えました。

 ブログ上でも捜査を批判する厳しい声が上がっています。法律専門家が説明可能と言い出しながら、読者からの批判にたじたじの例「捜査批判に少し突っ込みを入れてみました。」すらあります。メディア多数からコメントを求められる「法、刑事裁判、言語を考える」の「舞鶴女子高生殺害事件ー各紙コメントから by Gishu」はこんな風に本音を書いています。

 「今後の捜査によっては、有力で、市民である裁判員にも解りやすい有罪証拠がでてくるかもしれない。そのときには、5月21日までなお慎重捜査をしてから起訴してもよい。その場合には、すでに別件窃盗で服役中なので、殺人容疑での勾留中にあえて起訴しなくともすくなくとも逃亡は防げる。無理な捜査をする必要はない」「しかし、万が一にも、今マスコミで紹介されている範囲の間接証拠―間接事実とその延長線上の証拠の積み上げによって犯人性、犯行態様をすべて立証しなければならないとすると、これはそうした証拠の取扱いと、きめ細かな事実認定に習熟しているプロの裁判官に判断を委ねるのが妥当だろう」

 玄人はそう判断するのか――で納得してよいのでしょうか。メディア側「47news」から「【47コラム】シロウトの裁判員は頼りにならない? 捜査当局も私たちも疑ってはいないか」が疑問を呈しています。「ここで問題なのは、『シロウト』の裁判員たちの判断をバカにする考えが、こういう観測の底に潜んではいないか、ということである。警察や検察にも、裁判所にも、そしてメディアの側にも、もっといえば社会全体でも、裁判員裁判が出す結論が信用できないで困っている、という事情があるのではなかろうか」「もしシロウトが頼りにならないという気持ちが私たちの中にあるなら、もしそういう心配が私たちの気持ちの中につのっているのなら、裁判員制度の実施は延期ないし中止したほうがいい。それを決めるのは今からでも遅くはない」

 日本新聞協会は「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」を発表し、その第1項は「捜査段階の供述の報道にあたっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮する」です。新聞各紙が容疑者逮捕の第一報を朝刊トップで並べたのを見て、配慮があるとはとても考えられませんでした。こうした事件の報道、扱い方そのものを縮小しないといけない時期が来たと思いました。

 犯人と強く思わせる報道例は、読売新聞の「容疑の60歳、事件後にバール消える…舞鶴女子高生殺害」を見てください。「事件当夜、現場周辺の防犯カメラに小杉さんと一緒に映っていた『自転車の男』が押していた自転車とよく似た自転車数台を中容疑者も、自宅に所有。自転車のフレームのすきまに長さ約40〜60センチのバールを載せ、側溝に落ちたものを拾うために使っていたという」「事件後に複数の自転車の色が塗り替えられていたほか、中容疑者は自転車にバールを載せなくなったことも判明した」

 こういう情報が勾留期限が終わるまでの3週間、小出しに流され続ければ、多くの裁判員の心証は形成されてしまうでしょう。裁判員制度導入時期すれすれの事件だからこそ、メディア側の準備が本当に出来ているのかが見えてしまいました。このまま突入するのは非常に危険です。延期して、準備の仕切りを直しすべきだと考えます。


月120時間まで残業の労使協定:滋賀の病院

 病院の医師不足、人手不足はますます顕在化していますが、労使協定で月120時間まで残業を許すとは、目がくらむような驚きです。中日新聞の「勤務医の労働改善に高い壁 時間外勤務の上限“過労死ライン”超」は「県立3病院の医師らの時間外勤務で労働基準法違反があった問題で、県病院事業庁などは先月末までに労使間の協定を結び、大津労働基準監督署に届け出た。協定内容は現場の実態を考慮して、厚生労働省が示す過労死の認定基準を超える時間外勤務を労使ともに認めるしかなかった」と報じました。

 1日8時間の法定労働時間を超えての勤務には労使協定が必要なのに、滋賀県立3病院は法を無視した運用を長年続けてきました。内部告発からの是正勧告を受けて労使で協定を作ったら、過労死ラインと呼ばれる月80時間まででは病院が運営できず、120時間という恐ろしい数字で折り合ったというのです。

 医師ブログでは議論が巻き起こっています。「先例は作られた」(新小児科医のつぶやき)は「滋賀では医師側が自ら進んで提案し受け入れた経緯があるようで、これも画期的な先例になりそうです。今後に36協定を結ぶ病院で、120時間とか200時間とか300時間の36協定を病院側が提示し、これを医師側が渋ったら『滋賀では医師が自ら受け入れたのに拒否した』としてマスコミにリークし『患者のことを考えない、冷血でワガママな医者たち』のバッシング・キャンペインをいつでも行なう事が出来ます」と批判し、超・長時間残業が病院以外にも広がっていく恐れを指摘しています。

 このブログのコメント欄には滋賀の関係者も登場して「特別協定 120時間x6か月 36協定 45時間x6か月」だったことも明かしていますが、集まっている医師らはそれすら守られるのか、懐疑的です。結局「720時間+270時間=990時間の年間協定」が前例になる恐れは確かに大でしょう。


強いのか弱いのか、任天堂のゲーム機WiiとDS

 評判になった任天堂のゲーム機、WiiとDSが他社に比べてハードウエアが弱いことから頭打ちになるどころか、売れ行きを加速させていると、「後藤弘茂のWeekly海外ニュース」の「Wii 5,000万台とDS 1億台は任天堂にとって何を意味するのか」は伝えています。と思ったら、ウォール・ストリート・ジャーナルが東京発で9日、「任天堂は輝きを失っているのか」を出して、3月の販売は国内でライバルに後れを取ったと指摘しています。

 世界規模では「ゲーム機ハードウエア台数」のグラフが見せる通り、WiiとDSの売れ行きカーブは上方にシフトしているのは間違いありません。発売からの時間経過で飽きられて落ちるどころか、頭が上がっているのです。ただし、後藤レポートも書いているように、日本市場に任天堂の弱点があります。「Wiiのソフトウェア販売本数には地域差があって、任天堂の数字を見ても日本だけは4.1本(780万台に対して3,210万本)と異様に比率が低い。米大陸が8.3本、その他地区が6.6本となっている」

 国内市場は新しいものに敏感な消費者を抱えて、世界の先行指標的な特性も持ちます。ウォール・ストリート・ジャーナルはその意味からも警鐘を鳴らしているのでしょう。一方でソフト販売統計に入らないダウンロード販売分も増えていますから、判断がつきかねる面があります。ブログの声で「海外のWiiWare」がそうしたダウンロードソフトについて「Wiiウェア配信開始から1年が経って、様々なジャンルのソフトがそろってきましたが、海外ではそれ以上におもしろそうなソフトが充実しているように見えます」と色々と紹介しています。国内はこれが弱いのかも知れません。

 任天堂がWiiとDS向けに国内から動画配信サービスを始めるとの情報が流れています。買ってもらったゲーム機を使ってもらわないと、将来がないとの判断で、新たなサービスを展開するようにも見えます。


弾頭無しで北朝鮮ミサイル?!―言葉は大事に

 北朝鮮が政府発表によれば「飛翔体」を発射し、日本列島の上空を越えていきました。明日の新聞紙面がどうなるのかは知りませんが、国内メディアは「ミサイル」派と「飛翔体」派に分裂しました。正午過ぎにウェブで収集した限りでは、主なメディアは以下の見出しでした。(確認してもらうために別画面で「切り抜き」を用意しました。臨時・特別扱いとし1カ月くらいしたら削除します)

■朝日新聞 北朝鮮がミサイル発射 11時32分政府発表「飛翔体」
■毎日新聞 北朝鮮ミサイル:11時半ごろ発射 落下物迎撃せず
■読売新聞 北朝鮮、東に飛翔体1発発射
■日経新聞 北朝鮮、飛翔体発射のもよう 政府発表
■産経新聞 【北ミサイル発射】日本政府、「飛翔体」発射を確認
■共同通信 北朝鮮、ミサイル発射 東北上空を通過、迎撃措置とらず
■時事通信 北朝鮮がミサイル発射=日本上空を通過―破壊措置は取らず―政府、国民に発表へ
■朝鮮日報 韓国政府も「長距離ロケット発射」確認
■CNN  北朝鮮、飛翔体発射 日本上空を通過

 午後になって確認すると、読売新聞は「ミサイル」派に転向、日経新聞は「飛翔体」を維持しています。読売新聞によると、北朝鮮は「衛星打ち上げ成功」と報道、「軌道傾斜角は40・6度で、近地点490キロ・メートル、遠地点1426キロ・メートルの楕円軌道。周期104分12秒で地球の周りを回って」将軍様の歌を送信しているそうです。こうなると、弾頭を積んでいなかったことは確実です。

 きつい言い方をすればミサイル見出しは誤報です。本文中でどう補足してあろうと、見出しだけ見て次の記事に移る読者が多数いるのですから、見出しはそれ自体で完結していなければなりません。先端の衛星を弾頭に替えればミサイルになると抗弁するのなら、種子島から打ち上げているロケットはすべてミサイルになります。事前報道で伝える側の認識を「ミサイル」と書くことで反映させるのは構いませんが、事実として起きていることを伝える段階になっても主観的な表現を続けていてはマスメディア失格です。

 CNN米国は「ロケット発射」を使い始めています。事実認識としてはロケットが一番妥当だったようです。私が運営する「Japan Blogs Net」【保守・右】は《「飛翔体」とはなにごとか》というオールド・ジャーナリストの意見も収集していますが、とても賛同できません。政治・軍事・衛星科学方面からのブログ発言が次々に集まっていますので、ご覧下さい。

 「Japan Blogs Net」から毛色が変わっているものを一つだけ。メディア・パブの《「北朝鮮のミサイル発射」のニュースを、Twitterでリアルタイム追跡してみた》です。起きているニュース関連の情報をTwitterでつかまえるのは、先日の「『ハドソンの奇跡』に見る米ネットの活性 [BM時評] 」でもあった話です。米国と違って日本語のTwitterは今回、活発ではなかったそうです。


CDでは滅多に聴かなくなった昨今の音楽事情

 最近、CDを回しながら音楽を聴くことが無くなってきました。先月は一度も無かったかも知れません。ゼンハイザーのヘッドフォンHD595を少し前に購入してエージングが出来た頃で、各種の音楽を聴き倒しているのにです。ウインドウズメディアプレーヤーの「ライブラリ」を使うと、パソコンに取り込んだ音楽多数を際限なく垂れ流し再生できると気付いてから、「ながら」の習慣になりました。そんな折に「音楽の聴き方が変わってきた、というかCDが売れなくなった件」(CROSSBREED)に出会って、妙に納得させられました。

 「itunesによる音楽ファイルの管理が便利すぎる為、アナログレコードを買って来ても、一々PCに録音してitunesへ取り込みしている始末」「一枚のCDが見つからなくて棚を何度も行ったり来たりするよりも、itunes上で検索するほうがずっと便利ですし」。CDを取り替える手間も無いしね。

 家族の間でCDやDVDを貸して現在、行方不明ということもありました。部屋のどこかに埋もれているのでしょう。それだったらまずパソコンに入れてから貸せば良かったわけです。先月半ば、外付け1TBのHDDを9480円で買い、テレビ録画用にしています。昨日、同じショップを見たら9280円でした。AV用として買えば、ロスレス圧縮にしてCD1枚400MBなら2500枚。そんなには持っていませんからDVDもかなり入れられると思い始めています。

 音楽業界は行き詰まりかと問えば、そうでもありません。「音楽CDの売れ行き推移をグラフ化してみる」が音楽CD販売が減少し、逆に音楽DVDや有料音楽配信が伸びている様子を見せてくれています。ソフト売り上げは落ちても、有料音楽配信を加えると全体では売り上げを伸ばしています。2007年はソフト3991億円に対して、配信755億円です。有料音楽配信ではモバイルの比重が大きく、シリコン・オーディオをイヤフォンで聴く人が支えているのでしょう。


ブッシュ大統領への靴投げ事件その後

 イラクの「靴投げ記者」ザイディ氏には3月12日、禁固3年の判決が言い渡されました。3月末、事件後のアラブ世界について「中東報道研究機関 メムリ」から、「靴投げ事件にみるアラブ世界の屈折心理」と題した長文報告が出されたので紹介しておきます。アラブの熱狂だけが伝えられていましたが、立ち止まって見直しておきましょう。報告には風刺画も多数収録されています。

 「ザイディの靴投げ事件以来、靴投げが抗議のシンボルになっている。ヨーロッパ各地で、アメリカの政策に反対するデモ隊がアメリカ大使館に靴を投げ、反イスラエル派は靴をふりまわして、イスラエルのガザ攻撃に抗議した。さまざまな国の要人もターゲットにされた。2009年2月2日、中国の温家宝首相は、ケンブリッジ大で講演中靴を投げられ、イスラエルのベニー・ダガン駐スウェーデン大使も、ストックホルム大で講演中靴を投げられた。一方イランでは、2009年3月5日に西部のウルミア市訪問時、イランのアフマディネジャド大統領搭乗車に、ひとりのイラン人が靴を投げつけた」「アラブのメディアはブッシュ靴投げ事件に興奮し、大々的な反応をひきおこした。イラク当局は本件を非難し、イラクの衛星テレビAl-Baghdadiyya記者ザイディを逮捕した。しかしながら一般大衆はザイディに感情移入し、その行為を赦したのみならず、本人を英雄視した。この大衆支持は、無数のデモで表明された」

 この騒ぎ、アラブ大衆は圧倒的にザイディ絶賛なのですが、批判する見方もバランス良く取り上げられています。「社会の熱狂はアラブの弱さを示す―エジプト紙」は「異様なのは、大西洋から(ペルシア)湾岸までアラブ共同体を包みこんだ感情移入と熱狂ぶりである。この事件をアメリカに対する勝利とか、イラクを占領し四分五裂した(アメリカに対する)復讐と考えたのである」「それは間違っている。アラブは論争という習慣から逸脱して、我々の問題を(解決する機会を)逸してしまった…政治煽動に走り、法とルールから逸脱するのが我々の常套手段である」「この熱狂ぶりは、多くの分野で救い難いお手上げ状態にあることを物語る―ザイディの靴がまるで自国解放と諸問題解決の唯一の手段であるかのように、靴をあがめたてまつるのである」と手厳しい。

 「靴を投げて死刑にならないのは民主主義のおかげ―改革派サイト」は「まともな市民生活を送り、或いは指導者を譴責することなど、イラク人民にとって夢のまた夢であった。しかし今日、これまで発揮できなかった勇気を以て行動できる。民主々義のおかげである。(靴投げを)占領者に踏みにじられたイラクの名誉の勝利と見る者は、ブッシュを初めとする当の占領者が、このようなことを可能にする状況をつくった事実に考えがいかない」と、米国のイラク政策成功の現れとまで指摘します。

 ただ外国指導者への暴行で禁固3年の実刑は厳しすぎます。国内のブログでも「イラクと英国の靴投げ事件の顛末」が「同様な事件が英国でも中国の温家宝首相の講演中に起きていますが」「中国側は一過性の事件として問題視しない方針とみられます」「英国側は謝罪した上で法律に基づき靴を投げた人物を処分することを表明」「英国も良識ある判断を下しています」と二つの事件の処分に大差があるとしています。