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第168回「若者と女性の痩身化は雇用不安が主因」

親サイトでは、インターネットで読み解く!第168回)

 女性のようにスリムな若い男性が増えています。日本の女性と同様に痩身願望があるとも考えられてきたのですが、若者と女性の痩身化は雇用不安が主因であると考えるべき証拠が出てきました。海外から大変に奇妙と見られていた日本の男女対立「太る男とやせる女」は、雇用不安の強弱が食生活に反映した結果だったのです。

 経済産業省が2007年秋に発表した人体データの計測結果「size-JPN 2004-2006」が、この謎解きの発端でした。前回調査(1992〜94年)に比べて30歳以上では男性が太り、女性が痩せる傾向が顕著でした。ここに特異現象が現れました。肥満度を示す「ボディ・マス指数」BMI値とヒップサイズで、20〜24歳の男性は前回を大きく下回り、女性の値に急接近しました。身長170cmを想定すると前回の数値なら標準体重に近い64kg程度だったのに、最近では61kgまで痩せたことになります。発表されたグラフを掲げましょう。


 痩せたいと願う若者は存在しているでしょう。しかし、全国規模で人体計測をして、こんな特異な変動が現れるには社会的な要因が背景にあると考えるべきです。ますます太っていく中年世代と違う環境が、若者にはあるはずです。総務省の「年齢階級、雇用形態別雇用者数」でパートタイマーやアルバイト、派遣労働者など、非正規雇用の割合を調べ、人体計測の期間の1992〜94年と2004〜06年で年齢別に平均値を出しました。まず男性についてのグラフを見てください。


 この間に15〜24歳の若者だけ、非正規雇用率が21.7%から43.8%に急上昇しています。年上世代でもわずかに上がっているものの、25〜34歳が12.9%、35〜44歳が6.9%、45〜54歳が8.4%と雇用の安定ぶりは明らかです。では、女性の非正規雇用率はどう動いたのでしょうか。グラフを掲げます。


 女性でもこの間に15〜24歳で倍増して51.1%になりました。年上の年齢層でも非正規の割合は増加しました。もともと高かったことと相まって25〜34歳が40.6%、35〜44歳が54.8%、45〜54歳が57.0%にまで増えています。ほぼ半数以上が非正規雇用で働く厳しさになっているのです。痩せ気味なのに「自分は太っている」と思いこんでいる女性が多いとの調査結果があり、スリム化には痩身願望が確かに働いているのでしょう。しかし、BMI値の変動は、ほぼ全ての年齢層で体重が何キロも減っていることを示しています。若者男性と同じ背景、雇用不安があるからこそ、これだけ大きな体重減少を生んでいると考えるべきです。

 厚生労働省の2006年版「労働経済の分析」は正規雇用では年齢が上がると収入も上がるが、非正規雇用では変わらないか、高齢になると逆に減る姿をグラフ化しています。例えば派遣労働者では39歳までは年収分布のピークは200〜249万円にありますが、40歳以上になると50〜99万円が一番多くなってしまいます。半数が非正規雇用の状態にある若い男性や女性の多数が、将来への不安から食まで含めて消費を控え、身構えてしまうのは当然のことでしょう。

 (注:この記事は英語版サイトの英訳用テキストとしてに、第158回「『男も痩せ型』若者変貌と非正規雇用」などを元に新たにグラフを起こして作成しました。英語版は近くリリースします)


柴田倫世さん「おっぱいマッサージ」の話

 東大法学部卒、無職25歳の文部科学省官僚殺害予告、逮捕を少し調べて嫌気が差しました。これがほぼ全マスメディアで主要なトップラインに並ぶものか――あんまりです。土曜日はいつもニュース枯渇で、ちょっとした要素で大きくなることはよく承知しています。それでも、あまりに過分すぎます。

 気を紛らわせに私の「Japan Blogs Net」に行って、ほっとするエントリーに出会いました。柴田倫世さんの「アメリカになくて日本にあるもの」です。大リーガー、ボストン・レッドソックス松坂大輔投手の奥さんで今年3月にアメリカで第2子を出産されている方です。《芸能・趣味》のフィールドに、うまくはまるブログが無くて、第2グループから選んだブログです。これはいい味です。

 日本では広まっている「おっぱいマッサージ」を知らずに、おっぱいが張っているのに赤ちゃんに飲ませられないで苦しんでいた娘さんに自宅に来てもらい「1時間ほど蒸しタオルを使いながらしこりを取っていくと、『ああ、すごく体が楽になるのが分かる』と言います。マッサージの後は赤ちゃんも上手におっぱいが飲めるようになりました」

 たくさん届いているコメント欄も、日米両国にいるお母さんたちの経験と温かな思いで埋まっています。いいですね。


五輪野球メダル逃す、星野報告書に批判続出

 北京五輪で4位に終わった野球についてのJOC報告書が26日に公表されました。47Newsの「星野監督『気持ちで弱い面が』 北京五輪報告書を公表」などの報道にブログから一斉に批判の声が巻き起こっています。

 「日本代表監督を務めた星野仙一氏は、敗因として選手の精神面の弱さと国際試合の経験の少なさを挙げた」「金メダルを獲得した韓国と比較し『気持ちの面で、弱い面が出た。選手たちは気を抜いて戦ったわけではもちろんないが、気持ちの部分で差があったかもしれないとも思う』と指摘」――これは何の分析にもなっていませんよ。単なる感想です。国際経験を積ませたいと言うのも意味があるようでいて、野球の国際大会が少ない現状では無意味です。

 「星野氏それはないでしょ」(元日本代表の新聞・テレビに出ない野球理論)は「すべて監督の采配ミスで負けたはずです。気持ちの面で弱気が出て、投手交代もできず、敗戦に導いたのは監督でした。また国際大会の経験がなく動揺したのはご本人のはず」と切り捨てます。

 【星野】敗軍の将、兵を語る【北京五輪選手団報告書公表】(再チャレンジ日記〜道一筋)は「短期戦なのに不調の選手を使い続けてかえって結果を悪くした采配」「エースはダルビッシュと言いながらほとんど敗戦処理で全くエースとして扱わないなど言動不一致による選手の士気低下」などの敗因を具体的に挙げます。その上で「そしてこの星野の話で不思議に思うのは、『選手の国際試合の経験の少なさ』の個所です」とし、実は選手側は国際経験が結構豊富だと国際戦歴を一覧にしています。

 「とても残念なオリンピック・野球の敗因分析」(トラのホシ)は「一番は監督・コーチ陣の国際経験と国際感覚のなさ、もちろん日本オリンピック委員会の野球担当の方たちも含めてですが、足りなかったからと言えるのではないでしょうか」「星野さん一人がどうこうということではなく、野球とベースボールは違うなんて言っていないで、本当に国際化しないといけないのは、野球をやっている人と見ている人の意識の問題でしょうか」と総括しています。


金融危機がもたらす中東産油国の不安定要因

 いつもメール配信で読んでいるメムリ(The Middle East Media Research Institute・中東報道研究機関)の「原油価格急落に直面する中東産油諸国」が興味深かったので、メモしておきます。

 要点は金融危機が果てしなかった原油高騰をストップさせ、コスト割れで原油を輸出するほど損をする産油国が出てきてしまった点と、欧米資金の中東からの大規模引き上げが起きて全く見通しが付かなくなっている点でしょう。

 輸出国別の損益分岐点は米ドル/バレルで次のようだと言います。
 アルジェリア    56 (米ドル/バレル)
 イラン       90 
 イラク       111 
 リビア       47 
 クウェート     33 
 バハレーン     75 
 オマーン      77 
 カタール      24 
 サウジアラビア   49 
 UAE         23 
 GCC諸国平均     47 

 日経新聞が「原油、60ドルは『最低ライン』 OPEC、維持に懸命」で書いているように、1バレル60ドルでないと「新規開発の採算が合わなくなる」と大規模減産なども含めて必死なのですが、60ドルを割り込んでも底値は見えていません。そして、イラン、イラクのように60ドルよりはるか上でないと利益が出ない産油国が存在しているのです。

 金融危機とそれによる信用収縮がいつ回復するのか、まだ見えていません。長引くようなら、中東には注目すべき不安定要因が生まれているので、きな臭い事態すらありえます。産油国だからと言って安泰ではありません。


GMの年内破綻、秒読みが始まった

 経営危機にある米自動車最大手GMの取締役が、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を検討し始めたと22日、伝えられました。GM、フォード、クライスラーのビッグ3がそろって政府による巨額融資と再建支援を強く求めてきたのですが、何兆円も巨費を投入しても再建できるか不透明な現状から米国議会は二の足を踏んでいます。12月2日に具体的な再建策を議会に提出し、認められれば支援が受けられますが、この大不況下、米国民からビッグ3の大型車が見捨てられ、代わる小型車技術を持たないのですから、無理と考えるのが自然でしょう。「GMの破綻は年内にもあり得る情勢に [BM時評]」で先に論じた通りです。

 米国政府が金融機関に対しては巨額の資本注入が出来るのは、銀行業というビジネスモデル自体はなお健全だからです。景気が回復すれば相応に利益をあげ、注入したお金に利子を付けて国に戻せる見通しがあります。売れる小型車が無いビッグ3の自動車ビジネスモデルは根底から崩壊しています。BusinessWeek誌の「GM、破産せずに再生なるか?」は通常の破産法適用では、つなぎ融資が難しくなる問題があると指摘します。その上で、「そこにこそ政府が支援できる余地がある。政府の資金提供による、破産法の適用下でのGMの大々的な再生が必要になる」との見方を伝えています。

 先日の朝日新聞のインタビューで今年のノーベル賞経済学者、ポール・クルーグマンは今の異常事態下では「正しいこと」が普段とは逆になっていると主張していました。GMを生き長らえさせることは通常はあり得ないのだが、この経済危機の最中に米国の自動車産業が退場してしまうのは痛手が大きすぎるとの指摘でした。裾野まで広げれば数百万人が生活している産業です。

 ブログの世界では「アメリカ式の終焉」がクールな論評をしています。「自家用ジェット機で借金を頼みに来るのだから、このようなときは何が必要なのかが分かっていないのですよ」「アメリカ式経営もアメリカ式金融もアメリカ式生産も、すべてのアメリカ方式の終焉がアメリカの象徴であるビッグ3の終焉ということだと思います」「この経営者の人たちには、それがわかっていないのだから、この経営者の手で再建は無理だと思います。一旦破産して違う人の手で再建するしかないでしょう」


ベルリン・フィル定期演奏会がネット中継に

 読売新聞の「ネットで聴けます、ベルリン・フィルが演奏会を同時中継」が来年1月からベルリン・フィルの定期演奏会、年間30回がハイビジョンレベルでネット中継されると伝えています。有料の配信事業で、「1シーズン(9月から翌年8月まで)の全定期演奏会の生中継や、シーズン中の映像がオンデマンドで繰り返し見られる『シーズン会員券』は149ユーロ(約1万8000円)。1回分の演奏会を見る『1回券』が9・90ユーロなど」だそうです。音楽ファンには大ニュースですね。

 ベルリン・フィルのサイトに「デジタル・コンサート・ホール」という予告ビデオが掲示されています。このレベルの動画にはなるということでしょう。メールアドレスを登録しておくと情報を送ってくるそうです。

 英語サイトを検索してみると「TRIP TO ASIA | OUT NOW ON DVD!」に、過去のコンサートや背景を伝えるドキュメンタリー、ダンスや教育のプロジェクトも提供すると書いてあるので、定期演奏会ばかりでなく色々なビデオが高画質・高音質で流されるようです。どれくらい昔のコンサートが出てくるのかも注目です。シーズン会員券の値段でも来日コンサートなら1回分ですから、ファンにはリーズナブルでしょう。

【追補11/24】ニューヨークのメトロポリタン・オペラが一足先にハイビジョン画質の配信サービスを始めていました。有料ですが、フリーで見られるお試しビデオもあります。デュアルコア2.0GHz以上とパソコンへの性能要求は高いものの、質は極上です。「Met Player」で試してください。


医師不足問題での麻生首相発言は致命的

 麻生首相が19日の全国知事会議で、医師には「はっきり言って社会的常識がかなり欠落している人が多い」「(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅らの話ではないですかと、お医者さんの。しかも『医者の数を減らせ減らせ、多すぎる』と言ったのはどなたでした、という話を党としても激しく申しあげた記憶がある」と述べた「事件」を、各メディアが一斉に流しています。こういう認識だったのかと、まず唖然です。もしこういう認識を持っていたにせよ、社会問題化して、こじれている重要問題で、全く無意味に医師側を刺激するとは、首相として資格無しと断罪されるでしょう。医師の政治団体がそう言ったこともあるでしょうが、医師数抑制を計画し、主導してきたのは政府・厚生労働省である点は誰の目にも明らかです。

 会議後に「まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、申し訳ありません」と謝罪したそうですが、これも見当違いの謝り方です。国民が安心できる医療体制を整備し、提供する責任が自分にあることをまず明らかにして、それが出来ていないことを謝罪すべきなのです。

 これでは医師ブログの多くで「もう話にならない。逃散だ」との声が上がるのではないかと予想できます。いち早く取り上げている《「やぶ医師のつぶやき」〜健康、病気なし、医者いらずを目指して》の「社会的常識欠けた医者多い?」は「多分、『社会的常識欠けた医者多い』なんて事を言っている病院のトップがいれば、そんな病院には医者はいきません。そっちの方が、はるかに問題がありますからね」とジャブを返し「自民党の政策のせいで医療崩壊が進んだにも関わらず、自分たちの事は棚に上げて、人のせいにするだけ。という態度には、かなり問題があると思います」と、まだ穏当な表現に止まっていますが……。明日からの「Japan Blogs Net 社会・医療」を注目しましょう。

【追補】この舌禍事件で内田樹さんが「いいまつがい」で卓見を提示されています。麻生首相の舌禍・行動パターンを分析すると未知の「危機的状況」は乗り越えることが出来ず、政治家に求められる「荒海を進む船の船長のような資質」は持たないのだと。


ホームレス・ブロガーからの休筆通知

 「日本で最初の現役ホームレスブロガー、武州無宿・健次郎の公式ブログ」と名乗っている「ミッドナイト・ホームレス・ブルー」「当ブログ休止のお知らせ 」を書いていると、「Japan Blogs Net 《社会・医療》」で気付いて1週間になります。もうリストのおしまいの方に並んでしまいました。「Japan Blogs Net」を作る際に、このサイトは入れようと決めていたひとつなので、残念です。

 「2004年6月以来、ネットカフェを中心におよそ4年半にわたって情報を発信しつづけてきましたが、ぼくは現在、大半を路上で過ごしており、それ以前の生活に逆戻りしつつあります。また、今年の春ごろからつづく体調不良(主にうつ状態)が回復しないことも重なり、これ以上記事を書きつづけることは困難であると考えました」

 最初にどのエントリーが検索で見つかったのか、もう記憶がはっきりしません。何度か訪問している間に、こういう目線で見ることが必要と、たびたび認識させていただきました。最近のエントリーでは「自分に比べてあいつらは……」〜「妬む」現代人〜で「金持ちはふつう、自分とは無関係な問題だと思っているので、とおりいっぺんの感想を抱いて次の日には忘れてしまうものだ。最下層を眼の敵にして噛みついてくるのは、似たり寄ったりの、自分も下層だと信じている層が多い」と、体験を踏まえて書いていました。このエントリーのコメント欄は風俗嬢まで(真偽は不詳)出てきて、そのやりとりも合わせて今の社会の情景がよく現れ、オススメです。

 11月7日のエントリーでは明け方の寒さを書いていましたが……。

【追補】11/22に「書き残したことをいつもの減らず口で最後に」と「The Long Goodbye」という長文を書いていらっしゃいます。


企業のテレビCM離れ、本物になった!?

 民放キー局5社の9月中間連結決算を伝えた「日テレ・テレ東が三十数年ぶり赤字 CM落ち込む」を見て、企業のテレビCM離れがいよいよ本物になって来たと感じました。金融危機が大荒れになった10月を含まない決算であることを、まず確認しましょう。各社ともに特に悪いのは番組の間に挟み込まれるスポット広告でした。
       スポット広告前年比 
  フジテレビ    -11.3%  
  TBS            -11.7%  
  日本テレビ         -9.6%  
  テレビ朝日        -10.6% 
  テレビ東京        -10.1% 

 規模が小さいテレビ東京を除けば、四半期で500億円程度はあるもののようです。昨年秋から不振で、1割減は前期から続いている傾向です。1年間なら200億円の純減収ですから痛いはずです。

 ブログでは「テレビCM離れがとうとう始まる」が「TVCMは不特定多数のユーザーが見ている為販売促進という点では効率性はそれほど高くない。ある番組やドラマ等を録画している場合はビデオ機能が進化している為、CMスキップ機能ですべて削除される」と、構造的な問題に触れる指摘も出ています。

 「日テレも赤字!テレ東も赤字!電博も減収減益・・ってことは」は「大手広告代理店の2トップ電通と博報堂もそれぞれ約40%、約70%の減収減益」「テレビ局がネットとの融合になかなかふみきれないでいるのもそうだけど(著作権の関係とかあるみたいですね)、広告代理店も同じ様に扱い高の多いテレビCMや新聞広告にかわるメディアに力いれないとね」と業界全体に立ち後れがあるとみます。

 2006年の初めに「民放の根幹を揺るがす、ある“深刻な”事態(1)テレビCMの限界が見え始めた」がシリーズを連載して伝えたように、ネット広告に軸足を移す動きや、テレビCMを中断しても売れ行きが変わらなかった例が現れていました。

 2007年11月に書かれた「民放キー5局軒並み減益 テレビCM『買い叩かれた』?」は「CMの本数は増えているんです」「一本あたりのCM料が下がっている、ということなんです。そして『買い叩いた』分をインターネット広告に回しています」と、ネットシフト本格化を報じています。

 私も最近、ニュース以外でめったにテレビを見ません。食事時にテレビ音声が流れていると、「この後すぐ」の連発にうんざりするばかりで画面など見ません。「テレビドラマに関する調査」などで面白くなくなっていると聞くドラマ、出演者ばかりが楽しんでいるバラエティショーなど、自分で自分の首を絞める実態を知っているので、テレビCM離れに何の不思議もありません。


米国の金融・産業危機、底なしの様相

 11日の朝刊で各紙が報じた米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対する米国政府の救済策見直しは、ショッキングでした。保険会社向けで初めての4兆円の資本注入もさることながら、7〜9期で2兆4000億円というあまりに巨額の赤字ぶりです。もう企業として存続できる基盤が崩壊している恐れが大でしょう。

 「AIG CDS  15兆円 公的資金注入 止まる気配のない 出血 オバマ 外科医 緊急手術の嵐」は「輸血を大量にしているが、一向に止血が止まる気配がない。手術しても助からないのでは?と思える出血である。単純に 7兆貸したのが 9月 2ヶ月で 使い切った 次の2ヶ月で さらに 7兆使い切るのでは ? と思えてきてしまう」と呆れ顔です。

 「財務省、FRBの門前に列をなす・・・」は10月に救済合併が決まった米銀大手ワコビアがほぼ同規模の赤字を計上したことに触れて、「救済合併が決まったことで、より現実的な決算内容になったということだった。つまり、他行の決算は実情を表していないのではないか」と、隠された赤字があるのではないかと推し量ります。

 この日、オバマ次期大統領はホワイトハウスに足を踏み入れ、ブッシュ大統領と政権引継のために話し合いました。(Obama Asks Bush to Provide Help for Automakers )米GMなどビッグ3の救済・支援を求めたようですが、ブッシュ氏は色好い返事をしなかったようです。AIGの救済と比較すれば、GMだって社債発行残高は2800億ドル(約28兆円)と世界最大規模ですから、破綻となれば「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれる金融派生商品が絡んでいるので世界中、どこにどう損害が回っていくか解らず、大混乱を来す可能性があります。かと言って、ビッグ3は旧時代の恐竜ですから、金を注ぎ込んで再生できる可能性は薄いのです。

 オバマ氏は政権引継のためのウェブ「CHANGE.GOV」を開設しました。ネーミングは良いのですが、15日にある金融サミットには出席しないとも伝えられています。底なしの危機に腰が引ける思いなしや、です。


GMの破綻は年内にもあり得る情勢に

 米自動車最大手GMの危機が顕在化しました。7〜9月期決算で25億ドルの赤字を計上した後、米クライスラーとの合併交渉を中断したと発表しました。ワゴナー会長の説明は「戦略的な買収の可能性を検討していたが、足元の資金繰りを確保することに専念する必要がある」というものでした。

 「GMとクライスラーの合併交渉決裂」が「一部噂ですが、クライスラーを実質所有している『サーベラス』も、GMも、クライスラーには当初から全く興味がなく、クライスラーが持っている手持ち資金が欲しいだけのことだそうです」と書いているのも根拠のないことではありません。朝日新聞なども同様の見方を記事に入れています。

 日経新聞が報じたところでは、5・四半期連続赤字のGMが持つ手元資金は6月末の210億ドルが9月末には160億ドルに減少しました。あの巨体ですから110〜140億ドルの運転資金は必要とされます。金融格付けは「投機的」ですから、新たに巨額を貸してくれる金融機関があろうはずもありません。クライスラーが持つ100億ドルの手元資金が、実は当面、最大のカンフル注射との見方が不思議でなかったのです。

 7〜9月期は25億ドルの赤字で済んでいますが、4〜6月期には150億ドルの赤字を出していました。9月には社員並み値引き販売をして必死で販売落ち込みを食い止めたのでした。金融破綻の10月はもうその手は効きません。GMの販売台数は前年同月比で45%も落ち込んでいます。年間1400万台もの巨大な売り上げを前提にしている企業ですから、損益分岐点を大幅に下回っていることは誰の目にも明らかです。11月も12月も好転する要素は皆無です。

 ビッグ3の残り1社フォードは与信枠と合わせればまだ300億ドルの手元流動性があると説明していますが、過去3カ月は毎月25億ドルずつ減り続けているので、こちらも半年の余裕でしかありません。「米GM、クライスラーとの合併協議を中断 大手格付機関がGMとフォードを格下げ」は「フォードはGMとの経営統合について一度は拒絶していますが、ここまで内容が酷いと、フォードとGMの組み合わせの再検討、あるいはフォードとクライスラーとの経営統合の可能性も検討せざるを得ないのではないでしょうか」「ビッグ3の1社でも潰れると、他の2社にも部品を納品している会社まで連鎖倒産して、更なる連鎖不況を生み出しかねません」と危惧しています。

 オバマ政権の登場は来年1月20日です。どうやら、新政権の本格始動までビッグ3が保たない方に賭けたくなります。ビッグ3の事業規模が半分になると、1年で関連産業を含めた雇用が250万人分消えるそうです。潰すには大きすぎますが、去っていくブッシュ政権に何が出来るかです。

※参照=さらに事態は悪化か。「米国の金融・産業危機、底なしの様相」


オバマ当選翌日のJapan Blogs Netの記録

 オバマ氏が米大統領に当選した翌日昼過ぎのブログ界を、「Japan Blogs Net」の記録として残しておきます。当選確実が報じられてから丸1日が経過した2008/11/06、13時の時点です。以下の硬派系分野のブログでは様々なオバマ論評がされています。

 政治・経済
 社会・医療
 科学・IT
 【リベラル・左】
 【保守・右】

 実は先月末、麻生首相が衆院解散を見送った時点でも保存したかったのですが、本業などでばたばたしていて忘れました。現在、「Japan Blogs Net」はほぼ1時間おきに更新しています。時間が経過すればどんどん変わっていくのを見ると、どこかの時点で保存していく意味があるように思えます。今後も折をみて試みます。

《参照》オバマ当選の衝撃をリアルなグラフで

オバマ当選の衝撃をリアルなグラフで

 ついに黒人初の米大統領が誕生しました。オバマ当選の衝撃をテクノラティ社のキーワード「Obama」グラフで見ましょう。これからしばらくは注目なので、リアルタイムで変動するグラフにしておきます。これは全言語を対象にしていますが、圧倒的に多いのは英語圏です。4日の50000件に迫るピークの内、フランス語やイタリア語が2000件ずつといったところです。参考に「麻生」首相もならべてみます。福田政権の幹事長就任時で1日7000件を超えたのが最高では、期待度の点、辛いですね。

過去180日間に書かれた、obamaを含む英語(English)のブログ記事
テクノラティ グラフ: キーワード「obama」に関するグラフ

過去180日間に書かれた、麻生を含む日本語のブログ記事
テクノラティ グラフ: キーワード「麻生」に関するグラフ


 さて、国内ブログの「オバマ」反応です。こんな時のために開設した「Japan Blogs Net」を使ってください。特に【リベラル・左】【保守・右】の政治色が強い分類では、数多くのブログがオバマ選出を論評しています。「右」側はあまり好意的ではありませんが……。

《参照》第167回「ブログ記事数グラフで見る米大統領選」

★追補=日本語の「オバマ」ブログ記事が5日になって急増中です。「麻生」首相就任時に迫る勢いでは。
過去180日間に書かれた、オバマを含む日本語のブログ記事
テクノラティ グラフ: キーワード「オバマ」に関するグラフ

《参照追加》「オバマ当選翌日のJapan Blogs Netの記録」


ブログ記事数グラフで見る米大統領選

親サイトでは、インターネットで読み解く!第167回)

 4日の投票日が迫ってきている米国の大統領選です。民主党のオバマ候補優勢の声が高まっています。例によってテクノラティ社のブログ記事数グラフを使って、劣勢とされるマケイン共和党候補と、ブログでの人気がどう推移したか、比較してみましょう。昨年5月に国内の問題で第154回「世論の形成をブログの頻度から観察」を書いています。「過去に遡って世論調査をする」といったことが、こうしたツールを使うことで擬似的に可能になりました。



 民主党は8月末、共和党は9月初めに党大会を開いて大統領選候補を決めました。オバマ、マケイン両候補ともにこの時点で1日2万件前後のピークを叩き出しています。この後が違います。両者ともに小刻みに山と谷を刻んでいくのですが、オバマ候補側は全体に盛り上がっていくのに対し、マケイン候補側は山が小さくなって全体に萎えていく様相です。直近のピークはオバマ18000件に対し、マケインは10000件そこそこです。このグラフからでも勝負はついた印象です。

 米国のブログには左右の政治潮流を束ねる「ハブ」と呼ばれる存在があります。リベラルのdailykos.com、保守のinstapundit.comへのネット上のアクセスがどう推移したのか、「Alexa」のグラフで見ましょう。


 米国の保守思想はかなり確固たるものがあり、共和党内で一匹狼的な存在を通してきたマケイン候補は「保守主義者」とはみなされていません。instapundit.comへのアクセスが5月頃にぱたりと落ちています。予備選挙で「共和党はマケイン」の大勢が決したので、がっくりきたのでしょうか。一方、dailykos.comへのアクセスはオバマ優勢につれて拡大し、民主党大会時分には大きなピークになりました。ここでも左は元気なのに、右はしゅんとしたままです。大統領選と同時に実施される上下両院の選挙でも民主党が大きな勝利を得て、ホワイトハウスと議会の両方をおさえる、「ねじれ」フリーが実現しそうと言われるのも、うなずけます。

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効かない利下げ、やむなし利下げ

 米FRBが政策金利を0.5%下げて1%にしたのに続いて、日銀も0.2%下げて0.3%までの利下げに踏み切りました。このところの猛然たる円高の要因は、世界各国の協調利下げに日本だけが乗らないためとも言われていました。そして、利下げしても米国の市場も、日本の市場も「もう盛り込み済み」と反応しません。むしろ株価は悪く振れかけました。ともあれ、米国が1%まで下げて、日本が依然として0.5%のままでは円高傾向にドライブがかかるのは明らかでした。「やむなし利下げ」です。

 ブログの声も評価するところは少ないと思えます。ここでは、麻生首相の景気対策発表と「消費税増税」発言とにからめた主張をふたつ紹介します。

 「日銀の利下げと麻生首相の態度」は日銀と政府の考えていることが解らないと指摘します。「『経済政策に力を入れる、解散はその後』そう一貫してきた麻生氏ですが、今のところ目ぼしい実績は皆無です」「今は金融危機。即効性と機動性のある政策を打ち出せなければ、これは誤魔化されているようにしか見えないのです。いっそ、解散しても良いのではないでしょうか」「例え条件付の未来の話だとしても、『増税』というフレーズ自体がタブーである事が解らないのでしょうか。決まり文句のように経済政策優先を主張していた麻生氏なのに、これにはあまりにもガッカリです」

 「日銀、7年ぶりの利下げも株価下落〜麻生首相の『消費税アップ』発言も悪影響?」はこうです。「この利下げ、早速株価に好影響を与えるか、と思いきや、株価はまたもや9000円を割り込みました」「先日の麻生太郎首相が発表した経済政策。確かに、いろいろアメを用意しましたが、どう考えても、ムチが効き過ぎました」。消費税アップというムチに「投資家はもちろん、メディア、国民もアメよりムチに大きく反応しました」と観測しています。

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2008年10月のエントリー一覧

10/31 2兆円の無意味バラマキにメディアは批判を
10/28 総選挙は遠のいてしまいましたが……
10/26 新聞社説書き論説委員の世間知らず
10/22 東京の妊婦死亡、やはり首都圏こそお産危機
10/20 驚くべき不勉強記事「少し太めお勧め」に唖然
10/18 ブログ界を分野別に定点観測:Japan Blogs Netスタート
10/12 深刻度底なし金融危機にテレビなお鈍感
10/09 民主党まで争点外し:新テロ特措法早期採決
10/08 連日のノーベル賞、違う研究者人生
10/07 快哉!日本人3人にノーベル物理学賞
10/04 公明も農家所得補償:仁義なき民主党寄り