<< September 2008 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
Latest Entry
Profile  Facebook
Dando's Site
Category
Search

Archives
Recent Comment
  • 9/29で『Blog vs. Media時評』サイトは閉鎖
    KI (08/31)
  • 危機の現状に対策が噛み合わぬ科学技術基本計画
    次のノーベル賞か? (08/13)
  • やはりノーベル賞大隅さんの警鐘を無視した政府
    森田 (06/19)
  • 自主避難の根拠は放射線障害防止法の下の平等
    宮本由香里 (05/15)
  • 社会の鏡インターネット検索、20年目にして危機
    森田 (05/08)
  • 社会の鏡インターネット検索、20年目にして危機
    業界人 (05/06)
  • 社会の鏡インターネット検索、20年目にして危機
    あ (05/05)
  • 科学技術立国崩壊の共犯に堕したマスメディア
    森田 (04/23)
  • 自主避難の根拠は放射線障害防止法の下の平等
    (04/08)
  • 京大さん、日経さん、ネット調査信頼は無茶
    (01/16)
Recent Trackback
Admin
   
Mobile

今こそ求められる市場開拓型商品開発

 ゲーム機「Wii」や「DS」の大ヒットで2008年度通期の売上高が初の2兆円、営業利益6500億円と見込まれる任天堂。「任天堂社員1人が生む利益は世界最高の1億6760万円。ゴールドマンサックス、グーグルも目じゃない」や、この記事の元になったフィナンシャルタイムズ紙の「Nintendo makes more profit per employee than Goldman」などで注目を浴びています。つい少し前までこの世の春を謳歌して、社員の平均年収7000万円とうそぶいていた投資銀行ゴールドマンサックスよりも、極東の小さなゲーム機メーカー(連結で社員3768人)が社員1人当たりでは高い利益を叩き出しているのです。

 8月末に書かれた「任天堂の財務諸表を見てみる その1」がこの春3月期で、任天堂とソニー、トヨタなどを比べています。連結決算で任天堂とソニーの比較だけ引用します。
              任天堂     ソニー
  従業員数        3,768人    18万500人
  売上高         1兆6724億円  8兆8714億円
  当期純利益         2573億円    3694億円
  1人当たり売上高    4億4384万円    4914万円
  1人当たり当期純利益    6829万円    204万円

 ソニーが悪いという訳ではないのに、この恐るべき差はなんでしょう。任天堂が好調な理由は「Wii」や「DS」で、これまでは見向きもしなかった女性層など、新しいゲーム人口を開拓したからです。市場開拓型商品開発の典型です。週初めの株式暴落に象徴されるように、これまで世界の消費を引っ張ってきた米国の不況転落は決定的です。この苦境で日本企業が目指すべきは、こうした市場開拓型商品開発ですし、政府も政策的に誘導するべきです。

 実は昔の話ですが、京都支局にいた20年近く前に「独走商品の現場・京都」〜新聞とパソコン通信で語る二十五社の市場開拓型商品開発〜を書いています。当時の京都ベンチャーの凄さを、読み返して改めて感じました。この機会に希望される方には読んでいただくことにします。内容は以下の通りです。

§0  はじめに
§1  カード型pH計……………堀場製作所
§2  静電気防止繊維……………日本蚕毛染色
§3  37形テレビ………………三菱電機京都
§4  カラー写真直接製版機……大日本スクリーン製造
§5  遠赤外線警報機……………竹中グループ
§6  無補水バッテリー…………日本電池
§7  CD包装機…………………京都製作所
§8  一粒タイプまんじゅう……タカラブネ
§9  硬質レジン歯………………松風
§10 ゲームボーイ………………任天堂
§11 高吸水性樹脂………………三洋化成工業
§12 組み合わせ式計量機………石田衡器製作所
§13 形状記憶ブラジャー………ワコール
§14 完熟用トマト………………タキイ種苗
§15 マイクロ波フィルター……村田製作所
§16 電動フォークリフト………日本輸送機
§17 遺伝子工学試薬……………宝酒造
§18 ファクシミリ………………村田機械
§19 ビデオテープ………………日立マクセル京都
§20 指式血圧計…………………オムロン
§21 インテリア布地……………川島織物
§22 磁気ディスクモーター……日本電産
§23 X線テレビ…………………島津製作所
§24 地域ビール…………………キリンビール京都
§25 電力用太陽電池……………京セラ
§26 京都企業論(工場なしの地場産業・その曲がり角) 


 会社の法人著作権が絡むので会員制にしています。dando@dandoweb.com(@を@に替えて)まで、「捨てメアド」でないプロバイダーや勤務先のメールアドレスを使い、タイトルに「独走商品の現場・購読希望」と入れて申し込んでください。IDとパスワードをお送りします。


暴言連発辞任は冒頭解散への後押し?

 この数日、別の作業で忙しくしている間に、中山成彬国土交通相(65)が確信犯的暴言を連発、たった5日間で大臣を辞任してしまいました。ネット上では右翼的言動に喝采もあがっていますが、これだけ雰囲気をぶち壊すと、与野党合意の上で補正予算案審議をし、解散するシナリオは難しくなったのではありませんか。

 麻生政権成立のために、中山氏は最大派閥町村派を事務総長として麻生支持に束ねた功績がありました。小池百合子さんには町村派からほとんど回らなかったようです。そこで、主要閣僚に抜擢されて舞い上がってしまったのでしょうか。夫人の中山恭子・前拉致問題相(68)が人柄で買われている人なので、夫婦あまりの違いにびっくりします。

 ここまで来れば、臨時国会冒頭での解散しかないような気がしてきました。今週末ですね。少し延びると思っていたので、予定が狂って困ります。あるいは「麻生太郎の「茨の道」:自民・民主・公明は選挙後どう動くか。(後編)」の最後にあるシナリオです。「解散を求める声など一切無視し、来年の任期いっぱいまで、野党が騒ごうと、誰が何と言おうと衆院再可決を乱発して、やりたいことを全部やってしまう」。しかし、公明党がいずれは再可決反対に回る可能性が高そうなので、単純にはいきません。

ブログ界の現状報告から収益問題をチェック

 ブログ記事の頻度グラフをしばしば使っわせてもらっているテクノラティ社がブログ界の現状報告「State of the Blogosphere / 2008」を公表しています。本編に続いて5日連続で分析記事が続き、今日はその3日目というところです。目に付いたトピックをいくつか。

 「2002年以来、同社が記録したブログは1億3300万
 過去120日以内に更新されたのが740万
 1週間以内に更新は150万
 24時間以内の更新は90万」

 毎日、更新している人は世界規模でも意外に少ないのですね。

 欧米人を中心にアジア人も含めたブロガー・アンケートを実施しています。その結果から収益問題。ブログからの収入を聞いて続編「Day 2: The What and Why of Blogging」は「ブログは楽しみでお金儲けなど考えない人が54%、いつかはお金もと言う人が42%、収入の一部とする人が15%、フルタイムの仕事になっている人が4%、主な収入源という人が2%」だと報告しています。

 国内でもブログから収入を得ている方がいるのは知っていますが、「主な収入源2%」は信じがたい数字です。私も親サイトのウェブとこのブログにGoogle AdSenseなど広告を掲示しています。時に気晴らしをする程度のお金は入ってきますが、圧倒的に親サイトからのものです。ブログではヒット数の多さに比べてGoogle AdSenseのクリック率が極めて低いのです。ウェブでは記事1本ごとにページが切り分けられ、内容に合った広告が出るのに、ブログではいくつもの記事を束にしているのでフィットしない問題もあります。

 さらにブログを回る人はせっかちなようです。私の記事は紹介してあるリンク先をゆっくり見て回ってこそ面白いものが多いのですが、両方に出した記事で、たまたま親サイト側から何倍も多くジャンプしているケースを知りました。そもそもリンクをクリックしてくれる確率が低いのですね。国内のブログで米国のような高収入を得るのは当分、無理なようです。「ブログ限界論」論点まとめには収益の問題も触れられています。


後期高齢者医療制度の廃止:現場の慨嘆・憤慨

 19日に厚生労働相がぶちあげた「後期高齢者医療制度を廃止の方針」に自治体の現場でシステム作りをし、住民に説明している方のブログ「公務員叩きに物申す!−現職公務員の妄言」が痛く痛く反応していらっしゃいます。

 9/9の「敗戦が近い(今、戦艦大和の出撃ぐらい)」で、現制度について「国民への説明が足りなかったのは単純に自治体が説明するだけの時間を国が与えてくれなかっただけのことである。システムも安定稼動していなかったから事務も構築できず、となれば国民への具体的な案内も出来ない」「つまり、システム面にしても広報周知にしても、平成20年10月制度開始であれば恐らく非常にスムーズにいっただろう」「そうであればマスコミに叩かれることも無く、わざわざこのような制度改悪改変も必要なかったであろう」と思われている立場からすると、この方針転換は理解を超えています。

 9/20の「玉音放送が聞こえる」は「2ちゃんねる」風に風刺します。
  「廃止キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
   マジですか、これ?
   システムとかどうするんだよ」
  「厚生労働省にとっては既定路線じゃね?
   これが国保の県単位の統合につながるんだよ」
  「厚労省が自称立派な家を作った。
   雨漏りがするとみのみんたに言われた。
   新しい家を用意すると大臣が発言した」
  「で、その家も短期間の突貫工事で傾いているというオチ」
  「ちょっと疑問点あげてみた。
   (1)年齢で区分けしない
    社保に移行したい人は移れるの?老人保健以前に戻すの?前期の拡大?
    被保険者全員に意思確認の通知を送付するの?お金は?
   (2)天引きを強制しない
    現在、一部施行しているが完全開放になるってこと?
    介護や住民税はどうなるの?
   (3)世代間の反目を助長しない
    健康保険組合が破綻した原因は、後期よりも前期の負担枠を
    広げたためだが、前期にも手を入れるってこと?」

 最後の部分が真面目な疑問ですね。市町村の現場で実務について働いている人には、実は遙かに深刻な問題が発生しているようです。

 「本来であれば、制度開始後に発生するであろう初期稼動の不具合(とりわけ高額療養費といった非常に複雑な処理の)に対処し、来るべき未曾有の複雑な処理『高額介護合算』の構築に全力を注ぐ時期である」「だが、その貴重な時間とベンダの人的リソースは制度改変への対応に全て費やされてしまった」

 確かに、全国規模のシステムを変えるには相当の準備と人的・物的資源が要ります。制度改変第一幕でも十分でなかったのに、もう第二幕に移るという――これは誰も責任を取れない混沌世界に進んでいくということでしょうか。

カスタム検索・・・dandoweb.com内の検索を


第166回「米・金融工学の破綻と日本呑気政治」

親サイトでは、インターネットで読み解く!第166回)

 米証券大手リーマンブラザーズの破綻、米保険最大手AIG経営危機とニューヨーク連銀巨額つなぎ融資、さらに米国政府による金融不良資産買い取りなど数十兆円規模の金融対策と、連日、米国から流れる金融ドタバタ劇が何を日本国内に及ぼすか、考えついているでしょうか。この信用大収縮で米国消費者は借金返済に走らざるを得ません。彼らの借金をしてまでの消費拡大で、近年ずっと世界的好況を支えてきた米国経済が一気に不況に落ち込みます。輸出頼みで何とか凌いできた我が国産業が早急に内需型に転換できないなら、深刻な経済苦境が目前に迫っているのです。

 ところが、22日の自民党総裁選がネックになって日本の政治は動く気配さえ見せません。ほとんど誰も注目しなくなった自民党の顔選び、しかも、競われる政策には目の前で起きている激動が盛り込まれていない、呑気な父さんぶりです。「リーマンの破綻はアメリカン・スタンダード終焉の第二章」が「世界の会計基準が国際(欧州)基準に統一されつつあるが、これをアメリカン・スタンダード終焉の第一章」「一連の米金融機関の破綻は、アメリカン・スタンダード終焉の第二章であることは間違いない。ピンボケの総裁選など早く手仕舞いして、為政者は真剣にこの国の行く末を熟慮・熟考し、明日への希望を切り拓いて欲しいものである」と指摘しています。

 今回の破綻劇を振り返って、金融規制当局が金融工学によって生み出されたデリバティブ(金融派生商品)の取引内容を十分理解できていなかったとの見方があります。「リーマン・ブラザーズ破綻などへの雑感」は「証券化という手法は、様々な意味でとても優れている(リスク分離、多様な流通性(広く薄く資金を集めることもここに含まれる)、組合せの自由度の高さなど)。しかし、こうした自由度の高さが、証券化商品の構造を高度にし、商品を理解することを困難にさせる。つまり、証券化商品は、多くの人たちから広く資金を集めることを可能とする一方、それを十分に理解することが出来る人を限定するという矛盾を抱えているのである」と分析しています。

 発端になったのは住宅サブプライムローンの証券化とその世界規模の販売でした。サブプライムローン危機が言われて、国内では悪質な部分だけを分離すれば健全化は可能であるかのようにも説かれましたが、証券化されたものを細分化し、組み合わせる再証券化(CDO)で事態は抜き差しならないところまで進んでいたのです。「証券のバブル化とその崩壊(2) バブルの崩壊」は「再証券化(CDO)で拡大した金融市場を、さらに拡大(バブル化)させたのは債務不履行に対する保険という金融商品(CDS)である」「2001年0.9兆ドルであったCDS市場が62兆ドルまで膨れ上がっている。保険保証総額は400兆ドルとも言われている」「CDSの発行者はもはや大元の債権には無関係な立場にあり、買い手もまた債権者が保険としてリスクヘッジしているのではない」「これは、バクチ経済と呼ぶのがふさわしい。予想屋(格付け)を羅針盤として、小さな掛け金で債務不履行の発生にかける客と、同じくデフォルト率を根拠に低い掛け金でお金を集める胴元の間の駆け引き市場なのである」と断じます。

 ドル信認喪失の恐れが米国政府を突き動かしています。2004年の第142回「巨大なドル買いと米国・双子の赤字」で考えた「破局の先送り」がついに終局に近づいたのでしょうか。貿易赤字は拡大し、イラク戦費の負担はさらに増しています。経済産業研究所の「米国の経常赤字が持続可能ではなくなるとき」は膨張する貿易収支赤字をいつまでも海外民間資本が賄いきれないことを指摘した上で、米国経済の特殊性から「ドル安に伴って、金利上昇と財政引き締めが同時に行われ、米国の内需成長率が大きく低下するしか、米国の輸入の減少を通した対外赤字の縮小はあり得ない。他方でドル安とその他世界の国々の為替レートが強くなる中で、その他世界がその内需の成長率を高めて米国の輸出を促進するしか米国の対外赤字は減らない」と立論しています。今回の破綻とそれが招く米国不況は、世界経済の正常化へ好機かも知れません。

 20日付け日経新聞の3面「GM世界再編の焦点に」に掲げられた表「日米自動車大手の株式時価総額と格付け」に改めて、ここまで米国側の危機が進んだのかと思わされました。
  会社名   時価総額(兆円) 米S&P格付け
  GM     0.68      B−
  フォード   1.27      B−
  クライスラー 非上場    CCC+
  トヨタ    16.27     AAA
  日産     3.41     BBB+
  ホンダ    6.10      A+

 GMはもはや雇用している従業員数などが大きすぎて潰せない――だけの存在に成り下がったことは明白です。米国消費者の小型車指向に乗り遅れるのはほぼ確実でしょう。日本自動車業界はそれに手を貸すよう求められそうですが、米国のことより国内のことを真剣に考えるべき時が来ていると思えます。


速報:後期高齢者医療制度を廃止の方針

 日経新聞が19日深夜に「後期高齢者医療制度を廃止へ、厚労相が方針」をウェブで流しました。「新医療制度は政府・与党で1年程度かけて議論する。(1)年齢のみで対象者を区分しない(2)年金からの保険料天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長しない仕組みを財源などで工夫する――という3原則に基づいて制度を設計する」というものです。後期高齢者医療制度に関わり、苦労した人たちは唖然としているはずです。

 制度撤回を求める茨城県医師連盟が公然と民主党支援を打ち出すなど、逆風は相当なものになっていました。総選挙を前にして制度廃止を言わねば戦えないと思い詰めたのでしょう。しかし、政権選択選挙の直前に言い出すのは、政治の世界のルール違反にも見えます。自民党総裁選で言われている政策は限りなく民主党ににじり寄っている観があり、これはその頂点でしょう。

たばこ1箱1000円でも税収大幅増の結論

 「急浮上!たばこ1箱1000円を実現させよ」で取り上げた「税収増か、逆に税収減か」論争に結論が出ました。日経新聞の「たばこ1箱1000円で最大年1.3兆円の税収増 厚労省が推計」などが今日17日、厚生労働省研究班(主任研究者・高橋裕子奈良女子大教授)の発表として伝えました。

 「来年1月に値上げした場合、500円では37.0%、1000円で96.3%の人が禁煙に挑戦するが、再び喫煙したり、本数を減らす『節煙』だけの人も多く、需要は2010年時点で今年のそれぞれ68.0%、44.0%にしか減らない」「500円で最大で年5794億円、1000円で同1兆2740億円の増収」との推計です。主任研究者の高橋教授は禁煙マラソンなどで有名な方で、禁煙成功率を詳しく検討したのでしょう。

 「1000円になれば9割が禁煙するだろう」と発表している京大の依田高典教授もその後、禁煙成功率を勘案して修正していらっしゃいます。「たばこ1000円の経済学−税収の大幅な増加には疑問−」の6月29日改訂版です。禁煙継続率を54%と設定し、500円なら20%強が禁煙に成功、1000円なら50%強が禁煙できると考えれば、税収増は500円時に1.4兆円、1000円時に2.8兆円になります。しかし、多くが禁煙する可能性も捨てきれないので「減収もあり得ると考えている」そうです。

 多数の人間がどう行動するか、完全に読み切るのは確かに不可能です。でも、大幅値上げ、やるべしという空気が強まるのは間違いありません。


第165回「総裁選もう終わり:メディアの自制効く」

親サイトでは、インターネットで読み解く!第165回)

 自民党総裁選は15日、読売新聞が「『麻生総裁』確実に、300票超の公算」を報じるなど、第1回投票で決する公算が大になりました。地方遊説は始まったばかりですが、既に終わったと言えます。この間、マスメディア側の自制ぶりが目立ったと思います。新聞はもちろん、テレビも自民党ばかりの宣伝に陥らず、民主党など野党報道とのバランスを必死に保とうとしました。これから10日余り、ほとんど無意味な総裁選遊説のニュースが大きく扱われることはなくなり、総裁選で盛り上げて総選挙に突入し勝つ――与党側の勝手な目論見は霧散するでしょう。

 自民党と民主党の話題になり具合を、テクノラティのブログ記事数グラフで確認しましょう。福田首相退陣表明後のピークの高さは自民が5000余り、民主が4000足らずと多少の差はありますが、グラフの形はほとんど同じです。与野党がイーブンに語られている感じです。総裁選告示後にある格差はやむを得ないものでしょう。

過去180日間に書かれた、自民党を含む日本語のブログ記事
テクノラティ グラフ: キーワード「自民党」に関するグラフ

過去180日間に書かれた、民主党を含む日本語のブログ記事
テクノラティ グラフ: キーワード「民主党」に関するグラフ

 メディア側の自制もさることながら、今回の福田首相退陣は昨年の安倍前首相の時に比べてインパクトが小さかったのです。テクノラティのグラフを安倍退陣前後半年で保存してありますから比べてください。衝撃的だった退陣表明で1日に30000件のブログ記事が書かれ、半年の累計数も38万件でした。福田首相の退陣ピーク18000足らず、半年累計数75000とは大きな差があります。それだけ目立たない首相だったとも言えます。


過去180日間に書かれた、福田首相を含む日本語のブログ記事75087
テクノラティ グラフ: キーワード「福田首相」に関するグラフ

 「麻生」のグラフも添えてみます。幹事長就任時に7000余りのピークを記録していますが、総裁選に入ってからは2000程度で、ブームと謳えるレベルか、疑わしいと思えます。世論調査では麻生氏の実行力に期待する声が強いそうです。2代続けて首相が1年間で政権を投げ出した時に政権与党の幹事長職にいた人が「政策実行力あり」とは、皮肉ならともかく、「ご冗談を」と言いたくなります。

過去180日間に書かれた、麻生を含む日本語のブログ記事84663
テクノラティ グラフ: キーワード「麻生」に関するグラフ


カスタム検索・・・dandoweb.com内の検索を


農水省は事故米ビジネスを容認していた?

 米販売会社「三笠フーズ」などが事故米(農薬・カビ毒汚染米)を工業用として国から安く買い取り、食用に転売していた事件で、食品についての倫理観がここまで落ちていたのかと、大きなショックを受けました。14日にマスコミを通じて流された同社社長の説明文書には「2002年に福岡県内の米穀飼料製造販売会社『宮崎商店』を買収した際、元経営者から『(事故米は)上手にやればもうかる。私はその方法を熟知している』と教唆され、利益の上がる商売になりそうだと見込んで買い取りを決断した」とあり、以前から業界内で不正な転売が横行していたことを認めています。

 メディアのこれまでの報道で、農水省が主張するような「工業用のり」に事故米が使われることはなく、タピオカやコーンスターチが原料となっていると伝えられています。

 また、「9日の農水相記者会見」で「三笠フーズは、大阪が本社で工場が福岡であるにも関わらず、北は北海道から南は沖縄までの全国津々浦々の農政事務所から事故米を購入しておりまして、その理由としては、実は農政事務所の方から事故米がある度に、おたく買いますかという連絡があったという情報もある」との質問が出て、大臣は調査中としか答えられませんでした。

 12日の記者会見では「長年、不正な事実を見抜けなかったということは、大変残念なことであります。それもあり、再発防止の体制を一日も早く構築をすることであり」と弁明していますが、農水省側が本当に何も知らなかった可能性は極めて薄いでしょう。事実上、食用に転売されるのを容認していたとしか考えられません。三笠フーズなど3社が不正をしたばかりでなく、食の元締めである農水省官僚の倫理観が希薄になっていたとは恐ろしいことです。

 【追補】ブログでは「はてなブックマーク > メタミドホスよりアフラトキシンB1の方が危険だが、 - 食の安全情報blog」などでメディアの安全性認識に議論が起きています。しかし、少なくとも国内では「口に入れる食品」に対しては別格の扱いをするとの信義則があったはずなのに、易々と破られていたことが、本質的な問題です。比べれば、これまで発覚した「食の偽装」など可愛らしい出来心でした。「急性中毒が起きていないから多分、安全」では済まない毒物を、濃度レベル不詳のまま、子ども達にまで食べさせたのです。

興ざめ総裁選を小泉元首相が煽っても

 自民党総裁選は告示日10日に既に終わってしまったようです。「衆院解散の熱気も幻か?『麻生総理』で固まった自民総裁選の茶番」(週刊・上杉隆)が「各陣営の出陣式への参加議員数は次の通りである」「
 石原陣営  20人
 小池陣営  22人
 麻生陣営  127人
 石破陣営  14人
 与謝野陣営 18人
 自民党の国会議員数は386人。過半数は193人である。麻生出陣式は代理出席の秘書38人を加えれば、165人に上る」と喝破している通りです。

 今日12日朝になって小泉元首相が小池百合子氏への支持を明言したと伝えられました。「『麻生太郎圧勝=総裁選消化試合化』を防ぐ一手か? 小泉純一郎の小池百合子支持表明を読む」が「これからの約2週間、次の首相を選ぶという緊張感が維持されなければ、自民党の総裁選挙は『消化試合』となり、『もういいから次の衆議院選挙を早くやれ』という観客側のイライラ募る展開になってしまうことを、その関係者は心配しているようでした」と指摘する状況になり、空気を読んだ元首相が介入してきたのでしょう。

 7年前に小泉氏は、強力に推す田中真紀子・元外相と地方遊説をして喝采を浴び、当初の圧倒的劣勢をはね返しました。地方での支持急増が選出議員をも制約したものです。その再現があるのかと問えば、可能性は薄いと思います。小池陣営を見回して田中真紀子役が出来るキャラが立った存在はいませんし、何よりも、もはや地方には7年前のような期待感がありません。小池氏は「霞ヶ関をぶっ壊せ」と主張して、やや異色感を演出していますが、政権を取ったら議員を大量に役所の中枢に送り込んで政治主導を確立するという民主党の方がビジョン明快です。

カスタム検索・・・dandoweb.com内の検索を


Googleが過去の新聞紙面を検索可能に

 INTERNET WATCHの「米Google、新聞紙面のデジタル化プロジェクトを開始」は、ついに来るものが来たという感じで受け止めました。「ネットの世界、1兆ページを突破!」を達成しているグーグルが、知的財産として残された膨大なテキスト分野、過去の新聞紙面の検索に手を着けました。「Google News Archive Search」です。

 当面は米国の数社が対象になり、一部の記事は全文を読もうとするとお金を支払う必要があります。試しに「japan war」を入れてみましょう。冒頭に出てくる記事はニューヨークタイムズの東京発、1918年5月の記事「JAPAN'S WAR POLICY STANDS, SAYS GOTO; New Foreign Minister...」で第一次世界大戦末期、スキャンしたオリジナル記事全体が読めます。ちょっとは興奮して良いのでは。

 「進むリアル社会のインデックス化」は「ネットの情報は個人的には深いようで軽い。表面的な情報を整理するにはよいが、本当に深い情報はやっぱり紙でという流れは今でも大部分で変わらない気がする。だが、新聞をインデックス化されるとだいぶ変わる」「何気なく一言を記憶していて、検索すればその番組、雑誌、新聞などリアル社会での反響も検索できる。それは紙メディアでは考えられなかったことだ」と、率直に驚いています。

 「Google News Archive Search」は「米国の『知』に対する基本的な考え方が、垣間見えるようにおもう。[一部の権利者の利益]よりも[みんなが賢くなる]ことを選ぶお国柄だ。しかもビジネスとしても成立している。過去記事の検索結果で表示される広告の収益を、Googleと新聞社で分かち合うそうだ」「振り返ってこちらの国では、あいかわらずのフィジカル時代(アナログ時代)の著作権が、デジタル/ネット上でも、まかり通っている」と日米格差に目を向けます。

 この大波が数年も待たずに日本に来ないはずがないと思っています。ビジネスモデルとして確立するのなら、アルファベットと日本語全角文字の差など問題になりません。さて、国内の新聞各社に対応する、あるいは対抗する用意があるかです。


第164回「膨大な食品廃棄と家庭料理の衰え」

親サイトでは、インターネットで読み解く!第164回)

 「世界中で生産された食物の半分が食べられることなくムダに捨てられている 」というGIGAZINEの刺激的な記事に出会いました。加えて、先日、服部幸應・服部栄養専門学校校長の文章を読んでいて、日本の食糧自給率はカロリー・ベースで40%しかないのに、自給分の9割近い価値の食品を残飯などとして捨てている――との指摘が目に付きました。コンビニなど流通過程を含めた食品廃棄の膨大さはよく耳にするところです。ここで集められるデータをまとめておくことにします。というのも、簡単な検索で引っかかるのは誰かの書いたものの孫引きばかり(ブログの時代になって強まった傾向)で、意外にきちんとしたデータが見つかりにくかったからです。

 GIGAZINE記事の引用元は「Half of All Food Produced Worldwide is Wasted」です。「作物の15〜35%は田畑で失われ、10〜15%は加工、運搬、貯蔵の段階で廃棄される」としています。米国なら30%の食品が捨てられ、その価格は483億ドル、5兆円余りになるとします。「これは5億人の家庭を満たすのに必要な40兆リットルの水を垂れ流しにしているのに等しいそうです。というのも、食物を生産するには大量の水が必要であるため。食物をムダにすることは水をムダにしていることにもなっている」

 国内で相当する記述を探すと、事務局を兵庫県庁に置いている「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」の「日本の食料事情」は「日本で残飯などとして捨てられる食べ物は年間2000万トン、食料供給量の約1/4にもなります。金額では、11兆円に上るともいわれており、その量は年々増えています」と述べています。2002年の1人1日当たり供給熱量2600カロリーに対して、摂取熱量は1875カロリーしかなく、28%は製造・流通段階以降で捨てられています。

 価格にして米国の2倍もの食品を日本は捨てているのか――との疑問がすぐに浮かびます。「Stop The Waste!」には「96 billion pounds of food are wasted each year」とあり、計算すると4390万トンの食品が米国では捨てられているそうです。日米の人口格差2.3を考えると日本なら1900万トンになる数字で、よく合っています。価格差2倍の問題は推計する際の前提の置き方が違うからでしょう。日米ともに飽食ぶり、無駄捨てぶりは同じなのです。

 国内の食品廃棄2000万トンという数字は実は10年くらい前の記事から繰り返し使われています。最近、どう動いているのか見たいので数字を探しても、直ぐには出てきません。家庭の廃棄物は環境省、製造・流通・外食の廃棄物は農水省の管轄に分かれているためです。環境省の「家庭における生ごみ排出量の推移(推計)」をみると、1999年(平成11年度)には台所から出る生ごみは1245万トンもあったのに、2005年には1054万トンに下がっています。農水省には「平成19年食品循環資源の再生利用等実態調査結果の概要」があり、食品産業は毎年1130万トン前後の廃棄物を出していますが、近年はその59%が再生利用されているとあります。


 お役所を相手にしていると実に煩わしいですね。どこかに一目で判る資料はないかと探すと、保存料メーカー、上野製薬の「食品廃棄の現状について」に行き当たりました。8月にデータを更新したばかりのものです。食品廃棄量は年々減って2000万トンを割りました。食品ロス統計調査からのデータが面白く、家庭では5%近くあった食品ロス率が年々下がって4%を切りました。食べ残しの減り方が特に大きいのですが、「家庭における生ごみの減少については、外食・中食を含む食の外部化率の高まりが影響していると推測されています」との注が付いています。

 服部幸應さんもこういうエピソードを紹介していました。調理師になろうと入学してくる学生に「家庭の母親の料理を作ってみろ」と命じると、韓国など海外から来た学生は出来るのに、日本人学生はまるで出来ないそうです。家庭できちんと調理する事が減り、加工食品ばかり子どもに与えているからではないかと推測されています。膨大な食品廃棄量に家庭も業界も何もしないでいる訳ではないと知れましたが、見かけの豊かさと違う、家庭食の貧困も浮かび上がってきました。


コーヒーはがん発生抑制記事から探ると

 突然の首相退陣劇で失念していましたが、同じ日に「コーヒー3杯以上、子宮体がんリスク大幅減」というニュースがあり、はてなブックマーク で、「新聞社・記者の科学リテラシーが低く自ら知見の意義を評価できない以上、研究班がこう発表したというだけの記事なら価値がない。論文の出典を示すべき。論文になってないなら・・・S/N比が下がるから記事にすんな」(shin_emon)と評されていました。こんな半端な記事は困るなと思って読んだので、なるほどという意見でもあり、同時に甘えるのもいい加減に、でもあります。なぜなら、学術論文用のGoogle Scholarが使えるようになった今では、論文になっているのなら自分で探すのも難しくなくなっています。

 厚生労働省研究班主任研究者名の「tsugane」に「cancer」「coffee」を入力するだけで、2005年にもやはりコーヒーを日常的に飲むと肝臓がんの発生を引き下げるとの論文を出していることが知れます。「the JPHC Study Group」が厚生労働省研究班のことと推察できましたから、日本語サイトを調べるとJPHC Studyに行き着きました。厚生労働省がん研究助成金による指定研究班「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」なのだそうです。

 「現在までの成果」には79項目も並んでいて、非常に多方面から調べていらっしゃいます。コーヒーとがんの関係を扱っているのは肝臓がんと子宮体がん、大腸がん、膵臓がんの4件です。疫学調査で発生を引き下げているように見えるだけである点が、弱いですね。コーヒーの成分がこう働くとは言えていません。ただ、海外にも類似研究はあるようです。

 個人的にはコーヒーの関係よりも、「タイプA行動パターンと虚血性心疾患発症リスクとの関連」で、欧米での調査と完全に反対の結果が出ていることに驚きました。男性ではタイプBの方が有意に虚血性心疾患が多いというのです。こっちがニュースでしょうと思いました。


公明党に首を切られて?福田首相退陣

 福田首相が突然の退陣表明です。去年も今年も秋風が吹き始めると政変ですね。こんな困難な時期に1年ずつで首相の首がすげ変わるなんて、いい加減にして欲しいと思います。しかも、安倍前首相と違って福田さんは健康問題もなく、8月に初めて自前の内閣改造をして、やる気になっていたはずです。それが連立を組む公明党の逆鱗に触れた――というのが一番、判りやすい理解の仕方でしょう。来年夏にある東京都議選を国政以上に重視している公明党は、総選挙がその前後に来ることを極端に恐れていました。福田自前・改造内閣が存在感を発揮することになれば、解散・総選挙は来年9月の任期切れ解散に限りなく近づくことになり、都議選と完全に重なります。そこで公明党がついに堪忍袋の緒を切ったと観ます。

 首相会見をテレビで見ました。臨時国会開会途中での行き詰まりを盛んに気にしていました。この前の国会で民主党に煮え湯を飲まされたのに慣れっこになっているはずです。対民主なら、ねじれ国会ですから、誰が主導しても同じ事です。問題はそこにはなく、公明の離反という暗礁のことだと直感しました。それにしても、福田首相は自分から何もしないことで自民・公明連立体制の中で延命してきたのに、内閣改造というアクティブな行動に出たのが命取りでした。

 後継は自民総裁選で決まりますが、かなりの確率で麻生幹事長でしょう。幹事長就任以降、公明党ににじり寄る姿勢には思わず笑ってしまうものがありました。政治を扱うブログで存在感が強い「かみぽこぽこ。」はまだ更新されていませんが、内閣改造を扱った「福田人事を考える(2):麻生太郎はどうなるのか?」で、「今回の幹事長就任は麻生さんにとって状況を打開するチャンスになるかもしれない」「福田首相を支え切れば、総裁派閥にして党内最大派閥である清和会の支持を得られるかもしれない」としていました。1カ月では「支えた」には、あまりにも短すぎるかも。別の首相候補が力を持つ可能性もあると思えます。

【追補】毎日新聞の「<首相退陣表明>突然の緊急会見 後継は麻生氏軸に調整」は既に小池百合子元防衛相の名前を挙げ始めました。
 なお、こういう時にはアングラ情報も面白いでしょう。例えばnikaidou.comあたりです。

カスタム検索・・・dandoweb.com内の検索を