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2008年4月のエントリー一覧

4/29 後期高齢者の保険料はむしろ上がる?!
4/27 地上デジタル普及遅れ消費者軽視を連発
4/26 ブログ訪問者は3527万人で6割はSNSも
4/23 後期高齢者医療制度の騒ぎ混迷深まる
4/21 『男も痩せ型』若者変貌と非正規雇用
4/19 オーマイニュース、加護亜依告白で一息?
4/18 日本発の海洋技術冒険「Wave Power Boat」
4/16 後期高齢者医療制度で厚労省のKYに唖然
4/13 裁判員制度実施へ最高裁意識調査の偽計
4/12 月面に出入りする地球画像の正しい見方
4/10 Vista短命確定で「Windows 7」論議沸騰
4/08 既視感ばりばり、「もんじゅ」低技術の恐怖
4/05 映画「靖国」騒ぎ、結局は大宣伝効果に
4/02 デジカメで出来るハイビジョン撮影の例
4/01 値下げ世論完全無視はメディアの自殺行為

後期高齢者の保険料はむしろ上がる?!

 衆院山口2区補選は、民主党候補が予想以上の差をつけて与党側を破ってしまいました。与党の敗因分析は「後期高齢者医療制度の不評が大きかった」というものです。彼らなりに世論調査をしていますから、本当なのでしょう。「後期高齢者の保険料は7、8割の人で下がる」との政府説明を知っていると、選挙の投票行動で「負担が下がった」人が批判票を投じるとは、とても不思議です。大きく負担が上がる人には激変緩和措置があり、4月には見えないと説明されました。

 ネット上の投票分析「タケルンバの衆院山口2区補選分析 - 福田政権は長くない」が同選挙区で、岩国市などに合併されずに残った郡部5町の票を過去3回の衆院選で比較しています。当然、自民党が強くなければならない保守地盤です。

    03票数 05票数 08票数 03シェア 05シェア 08シェア
 自民 19,468 20,025 18,814  53.1%  54.7%  49.9%
 民主 17,179 16,567 18,888  46.9%  45.3%  50.1%

がその結果です。風が吹いた郵政民営化解散の05年以前から自民党地盤なのに一気にひっくり返されたようです。ただし前回まで候補者を立てていた共産党が今回は不在です。05年には5町で2000票足らずを得ていて、共産票の行方で説明できる部分もありそうですが、やはり別のファクターも効いている感じです。

 先日のエントリーでも紹介した「後期高齢者医療保険制度」に怒ってください!」シリーズの《番外編「大方の高齢者の保険料は安くなった?」福田首相は嘘つきだ!》が国民健康保険料の計算方法が公開されている各地の自治体で保険料がどう変わったか、シミュレーションしています。国保料は所得のほか資産保有も算定根拠にしているので持ち家の有無、副収入などで20のパターンを作り、それで新しい後期高齢者保険料と比較する労作です。

 試算結果は、持ち家の有無に関わらず、本人年金250万円・配偶者70万円クラスの中堅層が軒並み負担増になってしまうそうです。逆に国保時代の「資産割」がなくなるので富裕層には比較的、恩恵が出ます。このシリーズは6回まで来ていて、4月15日の年金で天引きされなかった場合に来月以降別途、保険料納付書が送られ、その額に驚く人が続出する恐れも指摘しています。「制度そのものは良いが、説明が足りなかった」とする福田首相の態度には、選挙の結果でも、ブログ試算でも疑問ありです。


地上デジタル普及遅れ消費者軽視を連発

 地上デジタル放送(地デジ)をめぐるニュースが立て続けに流れましたが、どれもが視聴者(消費者)軽視なので、本当にびっくりしました。まずは2011年7月24日に地上アナログ放送(現在、普通に見ているテレビ)を全国一斉に停止するとの、総務省方針決定です。しかし、昨年の同省調査「地デジ受信機普及率は27.8%。2011年停波も6割が認知」によると、世帯普及率は28%程度ながら実際の視聴は22%しかなく「停波についての感想は、『できればアナログ放送を続けて欲しい』がトップで43.1%(昨年度47.9%)」と出ているのです。本当なら停波延期を検討すべき時なのです。

 次は「『アナログ放送終わります』テレビ画面に常時字幕へ」です。NHKや民放各社が夏頃から、アナログ放送の画面に放送終了の字幕スーパーを流し続けるといいます。例えば映画番組を録画し後日、楽しむとしても「放送終了スーパー」は消えないのです。とっても盛り上がった場面で、震度3程度の地震情報が延々と出てきて興醒めしたことはありませんか。この夏から何を録画してもスーパー入りになる――とんでもない話だと思われませんか。

 地デジ受信機の普及が遅れている原因に、録画とコピーの制限があまりにも厳しいことが挙げられます。「コピーワンス」と表現される制限で、実際にはコピーを許しておらず、ハードディスクに最初に録画したとしたら、DVDに保存すると元のデータは消えてしまいます。途中、トラブルが発生してコピーできていなくても消えます。なおかつ地デジ・ハイビジョン画質のままでは持ち出せない制限もありました。録画とコピーが自由なアナログテレビを、現に楽しんでいる視聴者が乗り換えたいとは思いません。だから地デジ機を購入しているのに使っていない世帯が6%もあるのでしょう。

 この対策として考え出されたのが「ダビング10」でした。9回のコピーと1回の「ムーブ」(移動)を認める仕組みに変えるのです。6月2日には遂に実施とアナウンスされていたのに、「デジタル放送コピーワンス改善策『ダビング10』の運用開始が事実上延期に」となりそうです。25日の総務省情報通信審議会で委員の合意がまだ出来ていないことが示唆されました。北京オリンピックを控えて地デジ受信機売り込みのセールスポイントになるはずだったのですが……。

 地デジ・チューナ内蔵のパソコンは「2008年地上デジタルテレビ放送受信機国内出荷実績」によると累計で104万台しか出荷されていません。これもコピー制限のためで、放送業界がハイビジョン番組がコピーされて出回っては困ると考えた点が響き、防御が堅い大手メーカー製しか認めなかったのです。4月になってアイ・オー・データやバッファローなどの周辺機器メーカーが既存のパソコンに組み込めるチューナを5月に発売すると発表しました。既に予約を受け付け、まとまった台数が売れそうといいます。

 この制限緩和は、台湾製でネット購入できる、コピー制限フリーの地デジ・チューナ「Friio」に背中を押されたからでもあるでしょう。無視できない数が個人輸入として入ってきているようです。合法的に使える国産品があるのなら、消費者はそちらに向かうはずですよね。国内各社は自社製品が使えるかどうか、事前にチェックするソフトをネットに出しています。興味があって試してみましたが、1年前に新調した私のパソコンでは見られないのです。マシンパワーなどは問題ありません。20インチのディスプレイが著作権保護機能「HDCP」対応ではないことが決定的です。詳しくは「規制ガチガチ! PC用デジタルチューナーの条件を回避せよ!」などをご参照下さい。

 こんな地デジなんて、相手にするのは止めましょう。ハイビジョン映像を見たければ、例えば「JAPAN-GEOGRAPHIC.TV」から「桜の情景」の案内が来ていました。会員登録(無料)さえすれば、全国各地で取材、撮りためているハイビジョンのサクラがたっぷり楽しめます。

◆過去の関連記事です。
 無理を重ねた地上デジタルの副産物 [ブログ時評29]
 第132回「テレビ地上波デジタル化の読み違い」


ブログ訪問者は3527万人で6割はSNSも

 最近、ブログ利用の統計を見ないことに気付き、ブックマークして置いたビデオリサーチインタラクティブのサイトに行って来ました。2007年の数字はこの2月に発表されていて、「2007年1年間でのブログサイト訪問者数は約3,500万人」がメインです。さらに「2007年1年間でのSNSサイト訪問者数は約2,100万人」ではSNSや動画共有サイト利用者との重複がカウントされています。

 同社の2006年調査ではブログ訪問者は2752万人でしたから、1年で28%の伸びです。1年間にインターネットでウェブを見たネット・ユーザーの80%がブログも見たという推計がされています。ブログとSNS、動画共有サイトの3種サイト利用者の合計は3650万人と推定、そのほぼ半数が3種全てを使っているそうです。ブログだけという人は800万人にとどまります。ブログ利用の平均回数は224回、平均視聴ページ数は652ページだそうです。

 ブログの数の方は昨年4月にリリースされた「世界で最も多いのは日本語ブログ――Technorati調査」のデータが一番新しいものでしょう。世界でテクノラティ社が把握している7000万あるブログの37%が日本語ブログだそうですから、2600万件くらいあることになります。あれから1年間を経ていますので、どれくらい増えているでしょうか。世界規模では3500万が7000万に倍増するのに320日かかったそうです。


後期高齢者医療制度の騒ぎ混迷深まる

 後期高齢者医療制度は騒ぎになっているけれど、本当は何が問題なのか、マスメディアも明確に出来ない事態が続いています。保険証の送付遅れや保険料の誤徴収とかのミスに属する部分が記事として多く書かれている割に、本質的な問題事例が上がってこないのです。地方紙の中でも取材力に定評がある中国新聞が3回シリーズの「老後は安心か 検証・後期高齢者医療制度 <上>」で「滞納なら保険証没収 無年金者に広がる不安」を取り上げ、1年以上滞納したら保険証を取り上げられ、受診をためらうお年寄りが倒れるまで我慢する可能性を指摘したのが良い例です。

 実施直前まで様々な手直しが続き、その過程も不透明だったこともあります。ネットには公開されていない記事ですが、朝日新聞の4月15日朝刊は、昨年8月に東京広域連合の議員への説明会で保険料の試算が1人平均15万5千円(平均的な厚生年金受給者対象)と提示され、国の試算の倍で騒然となったと伝えています。「これでは地元に帰って説明できない」と市区町村が手数料や葬祭費など様々な負担をし、さらに東京都が17億円を補助して全国最低の53,800円にした経緯があるといいます。移行すると国民健康保険のときに各自治体が独自にしていた補助が消える分も手伝って、プラス、マイナスの計算が容易ではないようです。

 こうした中で、私のブログにトラックバックされた■「一定数の不具合」なのか,「痛みを痛みと思っていない証拠」なのか,後期高齢者医療制度という「騒ぎ」、あるいは「後期高齢者医療制度に文句を言ってる人たちは、調べて理解してから言え」など「何を騒いでいるの」と言いたげなブログも目立ちつつあります。

 税務に詳しい方が「後期高齢者医療保険制度」に怒ってください! そのというシリーズを書き始めていらっしゃいます。1回目は典型的な家族経営の町工場を例に「新制度のおかげで、T氏一家6人の保険料が昨年まで56万円で済んでいたのが、今年から50+59=109万円も支払うという大幅な負担増を強いられている」と指摘し、同居している息子夫婦が別居する事になるかも知れないと伝えています。2回目は障害を持った妻を扶養する夫の例で、昨年に比べ10万円の負担増が書かれています。

 ここに来て大爆笑してしまったのは日経の後期高齢者医療「山口補選で小泉氏が説明を」・自民総務会です。苦戦が伝えられる衆院山口2区補欠選挙について、新制度の「2年前に導入を決めた小泉純一郎元首相が現地に入り説明してほしいとの要望が相次いだ」そうです。小泉人気は健在で、彼なら説得できるというのですが……。


『男も痩せ型』若者変貌と非正規雇用

親サイトでは、インターネットで読み解く!第158回)

 若い男性が急速に痩(や)せ型に移行している事実を伝える「若い男は体形も生活もオヤジ世代と決別 [ブログ時評84] 」を昨秋に書いてから、ずっと宿題になっていたのが急拡大している非正規雇用との関係を調べることでした。海外から見て特異な対立「太る男とやせる女」構図が終焉を迎えたのには、社会的な必然があったのか、押さえて置かねばなりません。「平成18年版 労働経済の分析」(労働経済白書)の「若年者の就業機会をめぐる問題(若年層における非正規雇用の拡大)」に「第3−(2)−2図 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員割合(非農林業)」などのデータを見つけることが出来ました。

 話の順番として、まず20代前半男性が年上世代と際立って違う痩せ型に移行したグラフを見ましょう。経済産業省の人体計測データ「size-JPN 2004-2006」調査結果についてにある「今回と前回(1992年〜1994年)の平均値グラフ」から、その一部「BMI」と「臀突囲」を切り出しました。


 「ボディマス指数」BMI値は体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割った数値で、肥満・痩せの指標として使います。年上世代でほぼ増大する中、20〜24歳男性だけで急減し、女性の領域に接近しました。身長170cmを想定すると1992〜94年の数値は標準そのもので体重は64kg程度だったのに、最近では61kgまでにも落としたことになります。その結果がヒップ周りでも女性並になったのです。これと男女世代別の非正規労働者の割合変化を比べましょう。


 1990〜95年と2005年とを比べると、15〜24歳で非正規の割合が10%から30%近くに跳ね上がっています。25〜34歳も上がっていますがこれほど劇的ではありません。女性に目を転じると15〜24歳で非正規は15%前後が40%にも増え、25〜34歳でも大きな増加です。女性については年上の世代でも非正規雇用化へ大きく変わったわけです。この十年余りを安穏としていたのは、期間を通して太り続けた男性の中高年世代だけだったのです。

 もう一つ、「社会実情データ図録」から「図録▽パート・アルバイト等非正規雇用者比率(年齢別)の推移」を見てください(クリックすると別窓で開きます)。グラフの描き方が上とは違いますが、若い世代での増え方がもっとストレートに出ています。最後の数表を見ると男性15〜24歳で非正規の割合が1995年の23.6%から2005年に44.2%へ、女性の同世代で28.4%から51.5%へ――と、驚くべき数字が紹介されています。総務省にある「年齢階級,雇用形態別雇用者数」とほぼ合致した数字です。

 「太る男とやせる女」構図について、女性側は美容への意識が強すぎて痩身願望に傾いていると理解されてきました。20〜24歳男性にもその願望はあるのでしょうが、雇用の不安定化、将来への不安により生活をタイトにせざるを得ない経済的側面が大きいのではないでしょうか。翻って女性側でも経済的理由が側面にあるから中年世代まで含めてこれほど痩せ続けるのではないか、それなら納得できる気がします。以下に傍証データを集めています。

 農林中央金庫が最近、東京近郊の20代独身男女400名を対象に「『現代の独身20代の食』その実態と意識」というアンケート調査をしています。1カ月の食費は「平均は月に『36,658円』で、日に換算すると『1,222円』。エンゲル係数は30.6%」、最も高い単身男性でも1日1,471円です。全体としてつつましく、節約モードにあるのは間違いないでしょう。カロリー・ダイエットに関心がある男性は18%しかいないといいますから、やはり男性には痩せたい願望はそんなに大きくないのです。

 マクロミルが実施したインターネット調査「若者の生活意識調査 2008」も南関東の20代312人を調べています。8割が貯蓄をしており、9.6%が月平均で10万円を超えます。その目的も65%が「いざという時のために」(複数回答)を選んでいます。現状でお金に余裕がある層でも貯蓄に向かうのです。休日の過ごし方やお酒の飲み方なども控えめで、休みは車でドライブといった昔風の若者像は極めて少数派です。

 「平成18年版 労働経済の分析」の「若年者の就業機会をめぐる問題(経験を積んでも高まらない非正規従業員の年間収入)」は正規雇用では年齢が上がると収入も上がるが、非正規では変わらないか、高齢になると逆に減る姿をグラフ化しています。これほどに非正規雇用が増えた以上、それが集中している若い男性や女性の多数が、将来への不安から食まで含めて消費を控え、身構えてしまうのは当然のことでしょう。


オーマイニュース、加護亜依告白で一息?

 じり貧状態だった市民記者サイト「Ohmy News オーマイニュース」が4月になって盛り返したと聞き、行ってみました。実験メディアプロジェクト「empro」で、元モーニング娘の「加護亜依、新たなるスタート」を6回、独占配信したのがヒットの原因だったようで、12日の最終インタビュー配信後に「Alexa」のアクセス実人数グラフは、ぱったりと落ちています。

 このグラフには韓国の本家「ohmynews.com」と、毎日十数万人がアクセスする「アキバBlog」も比較のために加えました。オーマイニュースのサーバーがアクセス集中で一時落ちたと聞きましたが、10万人くらいだったんですね。ご本家の凋落ぶりは、かつては韓国内で既成メディアと張り合ったことを思えば隔世の感ありです。贔屓にしてくれた前の大統領も去りました。

 オーマイニュースの活動本体は、立ち上がり初期の粗雑な印象が薄くなりました。読める記事も交じるようになったと言って良いでしょう。ただし、「●オーマイニュース日本版はメジャーになるか。」のように「はたして、これからメジャーなサイトになっていくのでしょうか。注目です」とは思えません。2005年夏に書いた「市民記者サイトは高い敷居を持つべし [ブログ時評30] 」の問題意識はなお有効だと思います。

 それよりも加護亜依さんが未成年でタバコを吸い、所属事務所から契約を解かれた事件について、マスメディアの報道姿勢がぶれたことを思い出さずにいられませんでした。少年法の精神に従えば「匿名のAが喫煙を理由に匿名の事務所Bから解雇された」と伝えるしかないのです。事実、そのように伝えたメディアもありましたが、冷静に考えると、そんな記事は伝える価値がないのです。読者に届いて判じ物になるようなら「没」が正解です。そこで”蛮勇”をふるって、この有名人の実名報道をしてしまったメディアも現れました。彼女が一連のインタビューの中で「リストカットまでした」と告白した過程に、報道がどうからんだかは分かりません。しかし、今になってみれば、やはり原則は守るべきだと考えています。


日本発の海洋技術冒険「Wave Power Boat」

 半世紀ほども前、初の太平洋単独横断航海「太平洋ひとりぼっち」を成功させたヨットの堀江謙一さん(69)がいま新しい冒険の真っ最中です。波の力を推進力に変える「波浪推進船:Wave Power Boat」を造って、ハワイから紀伊水道まで約6000キロメートルを波の力だけで航海しています。波浪推進船による初めての実用航海です。既に日付変更線を通過しました。詳しい記録は彼のホームページでご覧下さい。歩くような速さでゆっくり走っています。

 これまでのヨット航海と違う新奇さにニューヨークタイムズなども注目して、結構多くの英語メディアに紹介されました。ブログではWave Powered Boat Begins Voyageとか、ハワイの地元紙によるWaveriderとかが写真満載でいいです。

 堀江さんが東回り単独無寄港世界一周航海をした際に取材を担当した縁で、お付き合いを続けています。彼はケープホーン沖の風向きが悪い故に難しい西回りを先に成し遂げ、東回りと合わせて両周り達成という珍しい記録を持っています。両周りの先人はオーストラリア人一人ですが、北半球から出発しないと意味が薄いので、実質的に堀江さん一人の記録だと思っています。

 彼は禁欲的な航海者で、大きなクルーザーには冷蔵庫などの電気製品を備えるのが常識なのに、ほとんど持たないでやってきました。今回、太陽電池を増強して初めて電子レンジを入れたので、毎日、ガスでご飯を炊く手間が省けたという具合です。航海中、ビールも飲みますが、冷蔵庫がないので常温です。

 これまでは「風と波の音」だけを聞いて航海してきました。その中で波で走れないかという発想が膨らんでいったのです。そして、東海大海洋学部で水槽実験だけで埋もれていた技術を船の形にし、大航海に持っていってしまったのですから、冒険者として面目躍如です。ヨットで帆を張って走っていると操船の手間はかなり多いのですが、今回は帆は緊急時限定です。したがって少しはのんびり出来るのでしょう。パソコンで視聴できるDVDやCDを持っていき、外付けスピーカーも初めて積みました。


後期高齢者医療制度で厚労省のKYに唖然

 静かに流れていた4月15日時限爆弾説の予測通りに、後期高齢者医療制度による高齢者年金からの保険料天引き開始は大ブーイングを浴びています。テクノラティが提供するブログ記事頻度グラフでも、キーワード「後期高齢者」が15日1日で2500件を超えました。この立ち上がり方は宙に浮いた年金記録問題発覚の時と似た激しさです。


 後期高齢者医療制度「選挙では勝てませんよ!」は「送られてきた年金振込み通知を見て驚愕した。年金43,550円から介護保険料など15,000円を控除し、振込み額が28,550円であった」「こんな状況では保守は選挙になったら絶対勝てません。社民や共産もチャンスかも」と脅しています。全く的はずれということもないでしょうね。

 医師が書く「報道は後手に」が「マスコミも騒ぐのが遅すぎます。なにかしら医師、医師会側が文句を言うと開業医の既得権益が損なわれるから、という理由と思われてしまいます」「一昨年のリハビリテーションの大幅な改定のときもリハビリ難民が出現してやっと大きく報道されました。これだけの情報化社会と言われても、特に高齢者には大事な情報でも耳に入ってくるのは地上波のテレビ、新聞の1面でなくてはなりません」と批判するように、マスメディアも事前の構えがまるで出来ていませんでした。

 しかし、それ以上に騒ぎを目前にしての不感症、流行り言葉で言えば「KY」ぶりに唖然とさせられるのが厚生労働省です。15日になってマスコミ向けに従来と保険料がどう変わるのかモデルを示して説明したのですが、保険料が減額される場合だけが具体的で、大事な保険料が増える例の説明が無かったそうです。余裕が少ない年金生活をしている高齢者にとって、千円、2千円の増額が痛いのですから、事前に理解を求めて置かねばならなかったと思います。

 この痛みを痛みと思っていない証拠があります。5日前の4月10日に厚労省は後期高齢者の保険料が2015年度に年間8万5000円になるとの試算を公表しているのです。08年度の全国平均7万2000円から1万3000円も増えると始まる前から宣言していたのには、開いた口がふさがらぬ思いでした。

 また、政府が本当に狙っている高齢者医療費の圧縮はこれから動き出します。「後期高齢者医療制度 医療費 月6千円」が取り上げている「後期高齢者診療料6千円」がその一番手でしょう。1カ月6千円で医学管理、検査、画像診断、処置をしてくれる便利な仕組みに見えますが、既に一部の県の医師会はボイコットを決めています。「病院側からすると、月6千円を超えた分は、利益にならないので、治療を断る病院は、出てこないのでしょうか?」という危惧は本物になる可能性ありです。

 毎日などの社説は16日になって強く批判を始めましたが、霞ヶ関周辺でしか情報収集が出来ない在京メディアの体質では、中央官庁に先んじて警鐘を鳴らすことが出来ない根本的な欠陥を露呈してしまいました。

 ※追補=トラックバックに出ているように町村官房長官は「保険料は7、8割の人は下がるのに、上がる人の声だけ取り上げるのはおかしい」という趣旨の報道批判をしました。個々人の痛みが判らない発言にびっくりです。


裁判員制度実施へ最高裁意識調査の偽計

 裁判員制度が来年5月21日に実施されると報じられました。最高裁が全国規模の意識調査をして、有権者の6割は消極的な人を含めて裁判員になる意向だったことが根拠になっているそうです。信濃毎日の社説「裁判員制度 不安解消の課題はなお」が「市民の理解と関心は本当に深まったのだろうか。意識調査で参加の意向を示した人の内訳を見ると、『参加したい』『参加してもよい』と答えた人は合わせても16%にしかならない」と異議を唱えるなど、少数のメディアは疑問としています。

 詳しくは「裁判員制度に関する意識調査」結果でご覧になれます。「『参加したい』『参加してもよい』という方のほか,『義務なら参加せざるを得ない』という方まで含めると,20代〜60代の約65パーセントの方が参加意向を示していることが明らかとなりました」と主張するのですが、以下の集計グラフを見てください。選択肢が「参加したい」「参加してもよい」「あまり参加したくないが義務なら参加せざるを得ない」「義務であっても参加したくない」「わからない」の5本しかなく、3本は「参加する」結論、「参加しない」結論は1本しかないのです。このような非対称の選択肢設定は「わからない」層を中間的な答えに誘導する偽計です。二流メディアが自分の主張に説得力を持たせようと予定調和を意図する世論調査によく現れます。裁判員制度タウンミーティングでの「やらせ」多数発覚といい、最高裁が世間常識を知らないことに驚くばかりです。


 職業別に参加意向の割合をみると、比較的時間に余裕がある「学生」を除いて壊滅的ですね。専業主婦やパート・アルバイトからも拒否されている感じです。普通に職業を持つ人には「減収をどうしてくれるのだ」といった思いだってあるでしょう。最高裁は1日の日当を最高1万円とする意向のようです。弁護士さんの書く「裁判員の日当」は「報道によれば、日当を1万円以下とするという方向で検討がなされているようですが、どうしてそのような話になるのか不思議でなりません」「刑事裁判の法廷の中で、そのような低い時間単価に甘んじているのは、被告人と証人を除けば、弁護人しかいないではないですか。裁判長が1日あたり4〜5万円の給料をもらっている状況の中で、なぜ裁判員の日当が1万円以下なのでしょうか」と疑問を投げています。

 ちょっと気になったので、陪審員制が定着している米国の例を取り上げているウェブを探してみました。「皆さん、こんにちは。=ダラスの知人より(四)=」が「従業員への陪審員活動中における給与は雇用者が支払う義務はありませんが、殆どが支払っているようであり、わが社も当然支払います。(わたくしの給料は誰が払ってくれるん?)そうでないと社員は生活が出来ません。陪審員選出期間の日当は従来は$4でしたが、前回行った時は$6でした。終わりの日に小切手をもらうわけですが、ここでもまたアメリカらしいのですが、寄付するかどうか聞かれます。3日分でも$12ですから、ガソリン代、昼飯代にもなっておりません」とレポートしてくれています。

 最高裁によると「裁判員裁判の9割は5日以内に終わる」との触れ込みですが、この期間で終わらない、法廷で自白を撤回する大型否認事件に遭遇したら、どこまで続くのか誰にも分からなくなります。米国のように会社が負担する習慣がない訳ですから、日当1万円を貰っても損害が大きくて話にならないでしょう。今日の日経朝刊1面に、裁判員が受ける心の傷をケアするシステム導入の話が出ていました。死体の写真に局部の解剖写真など普通の人には無縁のグロテスクなものを見せられ、判決で死刑を言い渡しでもしたら心に引きずるものがありますよね。残り1年になってからの最高裁「泥縄」ぶりに加え、大手メディアにはジャーナリズムとして論ずるべき責任を放棄した印象があります。


月面に出入りする地球画像の正しい見方

 宇宙航空研究開発機構が4月11日に月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による「満地球の出」撮影の成功についてと題したプレスリリースを出しました。もし人が月面に立てたとしても、地球は同じ位置に見えるので月面に沈んだり、月面から上ったりはしません。月を回っている衛星だけからしか見えない、それも軌道の関係で年に2度という特殊な「月面に出入りする地球画像」なのです。

 早速、リリースの中ごろに置いてある《「満地球の出」ハイビジョンカメラによる映像》《「満地球の入り」ハイビジョンカメラによる映像》のリンクを押して動画を見ました。しかし、がっかりです。美しい、きれいな画像なのですが、解像度は480×270ピクセルと何ともしょぼいのです。ハイビジョンと銘打っているのは何なのだと言いたくなります。「はてなブックマーク」でも不満の声多しです。

 「かぐや」画像ギャラリーに行ってみると、フルハイビジョン1920×1080静止画しか置かれていませんでしたが、「2008/04/09」の項に「ハイビジョンカメラがとらえた、地球の出と入りのDVD品質動画を追加しました」とあるではありませんか。今回、撮影に成功した4月6日の半年前、11月7日の「出と入り」が動画になっていました。地球が大きく見えるのは半年前は「入り」の方です。画像をクリックすると、横幅700ピクセルくらいのフラシュプレーヤーが立ち上がって見せてくれます。

 かなり満足したところではありますが、ダウンロードが出来ると書いてあるので落としてパソコンで見ると、854×480の大画面になるのでした。元データが720×480、アスペクト比16:9なので、横幅を引き延ばしてくれるのです。是非、ダウンロードして楽しんでください。青い地球がクレーターだらけの月に沈む、何とも不思議な感覚が味わえますよ。それにしてもハイビジョンのデータなら1280×720では見たいですね。


Vista短命確定で「Windows 7」論議沸騰

 この数日で次期OS「Windows 7」の話が一気に盛り上がっています。4月初めにマイアミであったセミナーで、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が「『Windows 7』は来年にもリリース」と漏らしたのがきっかけです。ITmediaの「Vistaに見切りをつけたMicrosoft 」は早速、「今や問題は『Vistaは死んだのか?』ではない。もう死んでいるのだ。本当の問題は、Microsoftがデスクトップ市場の支配を守るのに間に合う時期に『Windows 7』をリリースできるかということだ」と不人気OS「Vista」に死亡宣告をしています。

 実際にパソコン市場でアップル社のMacが見直されて好調です。iPodとの相乗効果もあるのでしょうが、理由の一番はVistaにうんざりしたからではないかと思っています。それで気を付けて見ると3月のCNET Japanに「MS、次期OS『Windows 7』のテスト版を米国の技術委員会に提供--独禁問題で」が出ていたりして、水面下で事態が動いていたと知れます。

 9日付、GIGAZINEの「マイクロソフト、新OS『Windows 7』は2010年に登場するとコメント」は「マイクロソフトの広報は次のOS『Windows 7』について、現在まだ計画段階でしかなく」「発売されるのはWindows Vistaが発売されてから3年後にあたる2010年になると述べたそうです」と報じています。「Windows 7(Vistaの次)は2010年」のように「そりゃ、そうですよね。来年じゃ、早すぎます」と一安心している方もいらっしゃいますが、Vistaの短命確定には何ら変わりはありません。

 1年前に「奇怪、不可解、Windows Vista肥大化 [ブログ時評76] 」で抱いた疑問に間違いはなかったようです。個人的には会社で仕事に使う貸与ノートパソコンが更新期にあり、XP Professional入りのマシンが届くことになって、ほっとしています。秋以降の更新機種はVista入りの可能性が高いと思っていますが、この情勢では短命のVistaにしてソフトの整合に苦労する必要があるのか疑問ですね。自宅のマシンは昨年、XP機に買い換えたばかりですから、Vistaには触れることなくパソコン人生を全うしたいものです。


既視感ばりばり、「もんじゅ」低技術の恐怖

 先日、直下に15キロの大活断層があると公表された福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」。追い打ちを掛けるように、ナトリウム漏れ検出器を設置する時に押し込みすぎるという初歩的なミスで、多数が誤作動を起こし得ると判明しました。福井県の指示で400基余のナトリウム漏れ検出器すべてを点検することになり、冷却材のナトリウムを配管から抜き取らざるを得なくなりました。10月の運転再開に向けた最終試験の遅れは必至になりました。

 朝日新聞「もんじゅナトリウム漏れ検出器全点検 4カ所で同様ミス」によると「誤警報は3月26日午後11時すぎ、放射能を含むナトリウムが流れる1次冷却系統で起きた」「もんじゅ建設中の90年に検出用のステンレス製管(直径4.8ミリ)を深く挿入しすぎ、先端にある電極が、配管内の弁を動かすステンレス棒に当たって曲がり、通電しやすくなっていたことがわかった。本来は電極と弁棒は10ミリ空けなければならないが、実際にはすき間がまったくなく、さらに3.5ミリ余計に押し込まれていた。現在検査ができる9基について調べたところ、4基でも先端が曲がっていた」ということです。このまま運転していたらナトリウム漏れ警報続発で夜もおちおち寝ていられないところでした。

 これで思い起こされるのが、「もんじゅ」がどうして止まったのかです。ナトリウムの流れに差し込まれた温度計の金属さや管の設計が不適切で、振動して折れたからです。大学で材料力学を学んだ者なら容易に気付くミスでした。詳しくは第9回「2つの動燃事故に見る目標喪失」第24回「高速増殖炉の旗は降ろすべくして」をご覧頂くとして、「もんじゅ」には同種の低レベル技術によるミスがまだまだ豊富に埋もれているのではないか、との疑いが濃くなりました。

 「もんじゅの誤警報問題の原因解明」もこう主張しています。「今回の『工作ミス』も同じように『機械工学上の初歩的ミス』の印象を受けますが、それがかなりやっかいな事態に展開しているところが『ナトリウム炉は大変だ』と思うのです」「それにしても、本当に10ミリも間違えて工作したのに、それがチェックできなかったのでしょうか?」「そこまでいい加減な設計なのでしょうか?これほどの誤差を許してしまう設計自体が問題じゃないのでしょうか?」

 運転再開の延期ではなく、真剣に廃炉を考える時でしょう。巨大地震の恐れといい、ナトリウム炉で本物の異常が起きたら、軽水炉で積んだ経験は役に立ちません。そんな未知の異常事態を収拾する能力が、こんないい加減な設計をしてきた「もんじゅ」チームにあるとは到底思えないのです。


映画「靖国」騒ぎ、結局は大宣伝効果に

 中国人監督のドキュメンタリー映画「靖国YASUKUNI」の上映をめぐり議論沸騰です。東京・大阪で封切り予定だった5映画館が上映中止を決めた後、メディアで非常に大きく取り上げられて新たに上映を申し込む館が現れ、5月から全国21館で上映されることになりました。最初に自民党の稲田朋美衆院議員らが芸術文化振興基金から助成金を根拠に事前に試写させたころは、新聞の社会面でもベタ記事の扱いだったのに、もの凄い宣伝効果を生んだことになります。

 「大騒ぎになればなるほど観に行きたくなるな。」が「国会議員の先生方が中国人監督のドキュメンタリー映画『靖国』に検閲かけて、けしからんなんて言ってるうちは、観に行きたいなんて思わなかったのに、日本のオピニオンリーダー宮台真司、勝谷誠彦の左翼、右翼の論客が『靖国』は良いと発言され、大物右翼の先生があれは、愛日映画だということを宮台真司氏の口から聴いて、『靖国』を観に行きたいと思うようになってしまった」「国民に見せたくないことは大騒ぎしないことです。騒げば騒ぐほど自分たちが宣伝活動してることに気がつくことが一番ですよ」と嗤っています。

 名古屋での上映に圧力を掛けた実例が「『靖国』映画五月上映中止決定 名古屋シネマテーク 」にあり、談判の結果、「靖国映画放映に関しての今日の結論は 1 五月三日からの上映予定は取りやめ、五月中は放映計画を中止する。2 支配人、社長共に靖国及び遊就館に行った事がない。よって早急に上京し、参拝及び拝観する。3 今後に関しては配給会社と相談の上検討する」としていました。しかし、3日後には「抗議したのが敗北?しないのが敗北?勝者は決まっていたのでは。ほんとの勝者とは」で「総理や文科省大臣や司法関係者が言論の自由を守れとご発表され、マスコミの格好の主張材料を提供してしまった。総じてマスコミの戦術にはまったといえるのかもしれません」と嘆いています。

 ブログの意見も上映中止そのものについては批判する意見が圧倒的に多いのですが、映画助成への批判の声を聞くのなら「後編・映画『靖国』上映中止と参院内閣委での有村議員の質問」コメント欄あたりをどうぞ。まだ映画を見ていないはずなのに、憤懣やるかたない意見が並んでいます。


デジカメで出来るハイビジョン撮影の例

 アマチュアでもハイビジョン撮影してネット公開するようになっていると、家庭用ビデオカメラの進歩を紹介してきましたが、何と実売価格2万円台のデジカメでハイビジョン撮影が出来るようになりました。「ウェブ通リンク集」の初めにも出している「市民テレビ」で、No.1390「デジカメでハイビジョン動画を」を見てください。皇居・千鳥ケ淵と小石川・後楽園のいま盛りのサクラたっぷりの光景が、1280×720ピクセルのハイビジョン動画で映し出されます。デジカメらしく、撮影中にはズームが使えない制約はありますが、このビデオを見る限りは問題にはならない感じです。

 FX35というデジカメです。メーカーの「HD解像度動画撮影」にあるとおり、30コマ毎秒で1時間余りの撮影能力があるそうです。縦が1080ピクセルのフルハイビジョンとは精細度が違いますが、640×480のVGA動画とは明らかに次元が違う絵です。正直言って恐ろしい。

 国内マスメディアのサイトにもぼつぼつとハイビジョン動画が現れ始めたばかりです。例えば「動画ニュース」「『探訪』:イザ!」など。これでは機材の進歩と市民の行動力に置いて行かれる気がします。

 米国を見ると第155回「テレビ局独占から脱したHDビデオ番組」で紹介したように、「iTunes Store」にiPodでは視聴できない「HDポッドキャスト」の一群が現れ、そこに米ワシントンポスト紙が「HD Podcast washingtonpost.com」を開設しています。こちらは2月末で更新が止まっていますが、米大統領選を追いかけている「Plitical Lunch HD」は連日のように新しい番組を流して白熱です。


値下げ世論完全無視はメディアの自殺行為

 ついに4月1日が来てしまいました。ガソリン税など道路特定財源の暫定税率が失効して値段が一気に下がる事態になったのですが、年明けからの混乱ぶりを眺めていると、与野党の頑迷もさることながら、マスメディアの異常さに呆れ果てます。自ら世論調査で有権者の意向が暫定税率撤廃にあることを何度も確かめながら、どのメディアも税率撤廃はもちろん、一度として税率の低減さえ主張しようとしなかったのです。メディアはだれの味方か。拠って立つのは市民の側なのか、権力の側なのか――非常に深刻な問題が表面化しているのに、各メディアの論説組織は全く気付いていません。これは完全な自殺行為です。

 時期が早い順にネットで参照できる世論調査を列挙しましょう。まず読売世論調査(2月16、17日)では「ガソリン税については、道路整備のために税率を暫定的に上乗せすることを、法律の期限が切れる3月末以降も『続ける方がよい』と答えた人は29%で、『やめる方がよい』が62%に上った」でした。

 毎日新聞世論調査(3月1、2日)では「3月末で期限が切れる揮発油(ガソリン)税の暫定税率を4月以降継続することには、『反対』が66%で、『賛成』の27%を大きく上回った」です。

 JNN世論調査(3月8日、9日)の結果は「国や地方の税収が不足することを重視し税率の上乗せを続けるべき」30%に対して「ガソリンの値段が高くなっていることを重視し税率の上乗せは止めるべき」は67%でした。

 もう失効が決定的になった朝日新聞世論調査(3月29、30日)では「国会で与野党の合意ができなかったことで、ガソリン税が4月から下がることについては、『よいことだ』72%、『よくないことだ』12%」と民意はさらに明らかです。

 世論調査を、新聞などのマスコミは何のために実施するのでしょうか。国民の意思を無視しがちな権力に対して、本当の民意はこうなっていると突きつける効果はもちろんありますが、メディア自身が市民社会と乖離しないよう足下を確かめるために使うのです。そう使わないで、論説委員らの頭の中だけで論じていたのが今回でした。

 一連の騒動が続いている途中、改革派として知られた片山善博・前鳥取県知事(現・慶応大大学院教授)が朝日新聞のインタビューに答えて、落としどころの一つとして「三方一両損」、つまり暫定税率分を減税、道路、一般財源に三分するプランを提起していました。全廃は無理でもこういう知恵こそ必要と感じました。福田首相は全面一般財源化を提唱しましたが、何でも使えるお金にして道路ばかり造られても困るので、道路以外分がはっきりするのは良いことです。

 この時間、福田首相の記者会見を見たブロガーたちが次々に記事を書いています。まれに審議に応じなかった民主党の横暴を非難する人もいますが、ほとんどの方は歓迎のようです。首相は何に対して詫びたのか、かなりお門違いと見られていますよ。

※追補=「田中秀征の一言啓上」特定財源問題〜福田首相の「再議決はしない」の一言を待つが参考になります。