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2008年3月のエントリー一覧

3/30 「ネットの知」入手には足掛かりが必要
3/29 読売新聞見出しは「ウィニー悪用 氏名開示」
3/25 「ウィニーに大打撃」報道への反応は
3/23 日本人の起源を読み解く@2008リンク集
3/22 日銀総裁空席めぐる社説のアンフェア
3/22 新ブログをオープンします

カスタム検索・・・dandoweb.com内を検索できます

「ネットの知」入手には足掛かりが必要

 先日、20代の女性ライター達を相手にネット勉強会を開いてきました。テキストといっても簡単なもので、実質的には3月末まで月曜夕刊2面で1年間連載した「ウェブ通リンク集」のお話をしてきました。

 インターネットには膨大な知的資源が眠っていますが、こんなモノが欲しいと思う心が無ければ決して手に入りません。欲しいモノがはっきりすれば問題解決に近いのですと、最初に申し上げておき、ネットで何が出来るのか、手に入るのか考える「足掛かり」として、このリンク集を紹介しました。

 43項目しかないのでざっと一覧してください。例えば前半に「社会の動き 年表でたどる ……広告景気年表」と「気になる『未来』 集めて6000件超 ……未来年表」があります。いずれも広告業界の資料として生まれた存在で、前者は現代史・同時代史年表として貴重ですし、後者はマスメディアに登場した未来予測記事を達成年ごとに再編成し並べています。この対になる二つの年表があることを知るだけで、何かを知りたいイメージが膨らむはずです。

 ユーチューブなどの映像投稿サイト全盛の時代ですが、画像・映像資料にはもっと豊かなバリエーションがあります。実際に見てもらって最も驚かれていたのが、360度パノラマ写真の「panoramas.dk」でしたね。「DEATH VALLEY」でどこを見ても塩が噴き出した足下の大地から中空の月まで見渡し、次にヴェルサイユ宮殿の鏡の間で同じ事をすれば豪華な天井画が眼に飛び込んでくる仕掛けです。

 第155回「テレビ局独占から脱したHDビデオ番組」でも紹介したハイビジョンビデオ映像も初めてだったようです。ユーチューブくらいの荒れた映像しか知らないと、ネットからDVDを上回る高精細ビデオが下りてくるのはショックですよね。

 ところで、このブログのタイトル背景も「ウェブ通リンク集」から作ったものです。


読売新聞見出しは「ウィニー悪用 氏名開示」

 今年に入って読売新聞に「ネット叩き」の姿勢が鮮明になりました。警察庁の有識者会議「総合セキュリティ対策会議」はメディアの関心対象としては極めてマイナーな存在なのに、最近あまりに力が入っていると思ったら、3月27日夕刊でトップ記事として「ウィニー悪用 氏名開示 警察庁の有識者会議 著作権対策提言」を打ちました。これはかなりセンセーショナルですが、ウェブでは「『ウィニー』賠償請求仕組み作り提言…著作権侵害で警察庁」と、穏やかな表現だったので、ネット上では気づかれた人はわずかだったようです。

 「通信の秘密」を守る義務をプロバイダーは負っています。一方で、2002年に施行の「プロバイダー責任法」では権利侵害が明らかであれば氏名開示が言われているのにルールが明確でなく、実効性がなかったのです。両者の関係を整備するよう後押ししようとする動きを、さらに読売が後押ししている感じです。この少し前には「悪質利用者のネット接続を強制的に停止」の話も書かれていました。報道する側が望んでいるニュアンスでしたね。

 2月末から3月にかけての連載「ネット社会」は「YOMIURI ONLINE」で読めますから、興味があればご覧になってください。毎日新聞の「ネット君臨」とはまた違った、ひねくれ方です。最終回の「海外リポート 各国の現状と取り組み」の取り上げ方ひとつ見ても、ネット規制に誘導したいのだろうと意図が透けて見えます。「大西 宏のマーケティング・エッセンス」「読売は炎上しない?」も「読売新聞がネット社会の出来事を興味本位としか思えない取り上げ方をしていることが気になります。記事を書く能力の問題か、あるいはなんらかの法的規制を誘導するための意図を持って書いているのかと疑ってしまいますが、おそらくは、後者のほうではないでしょうか」と見立てています。

 今年はWinnyに限らず、何か、一騒ぎある年になりそうな予感がしています。


「ウィニーに大打撃」報道への反応は

 新聞なんか見なくてもネットで十分読める――と思われていたら間違っていますよ。まず、新聞が流した記事の多くても2、3割しかネットに現れないし、ネットに出ていても目立つところに表示されなければ見逃されてしまいます。後の例が今日25日の毎日朝刊「著作権法違反:地図データ不正公開・警官摘発 ウィニー捜査に影響大」でしょう。ネットに関心があれば、朝の社会面を見て最も気になったニュースの一つなのに、毎日さんのサイトを見ると「トップ > オッショイ!九州 > 社会 > 記事」ですから、九州ローカルという扱いなのでしょう。

 福岡県警が、著作権があるファイルをWinnyで不特定多数に入手可能にしたとして兵庫県警の男性巡査(31)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で摘発しました。この事件についての解説的観測記事と言うべきものです。これまでは違法に入手できるようにした最初のファイル提供者を摘発してきたのに、今回はそれを入手しただけの巡査を摘発したのです。巡査のパソコンにはダウンロードしたファイルのキャッシュ(一時保存ファイル)が残っていて、他の利用者が要求すればコピーされうる状態でした。それを捉えて公衆送信権の侵害とみなしたわけです。

 ウィニーは不特定多数のパソコン・ハードディスクを連結して膨大な記憶倉庫として使いますから、接続していればどんなキャッシュが来るかもしれません。それに著作権があるファイルが混じれば摘発対象になると言う話です。「今後、多くのウィニー利用者は摘発を恐れ、パソコンからキャッシュを消去するとみられる。すると、ウィニー上のデータが激減して魅力がなくなり、利用者は減る。結果、ウィニーに大打撃を加えることになりそうだ」と記事は希望的観測をします。【ネット取材班】の署名まであり、「ネット君臨」で名を売ったチームかとも思いましたが、どうも迫力不足です。

 「Winny完全終焉?『ダウンロード』で逮捕」は「合法ファイルをダウンロードしようと思って立ち上げていても、勝手に違法ファイルのキャッシュが貯まっていきます。この書類送検によって、Winnyは終焉の時を迎えたといえるのではないでしょうか」と本気で心配してます。

 「Winny、二次放流者も著作権法違反容疑に問われる模様」も「意図はないにしても、その構造を知っていたことで、責任を問われるということは、おそらく私はWinnyを使ってはいけない、ということなのだろうか。違法に共有されているファイルをダウンロードするわけではないが、少なくとも著作権侵害ファイルを中継しかねない、ということを理解している。それに関してはどのように判断されうるのだろうか」と思案顔。ただし、心配派はそう多くないようです。最近、ウィニー利用者は確実に増えているのですが、テクノラティの頻度グラフを見ても、いまウィニー利用の是非が話題にってなっている様子はありません。

 2ちゃんねる「【Winny】 警官、Winnyで著作権法違反…兵庫」での議論は事情が分かった人が多いせいか、収束しかねるよう。「自覚の有無は警察に引っ張られてから取調室で確認される事で、例え無自覚無罪だったとしても、令状持った警察が押しかけて来て押収され本人もパトカーで連れてかれたという事実は消えない。一人暮らしならまだいいが、自宅だったら引っ越しせなならんかもね」(739)とか、「こりゃまた無理筋な摘発だな」「流出したファイルの責任は一次放流主が一元的に負うってwinny正犯の判例無視か。多分流してる奴のIP辿って摘発してみたら単なるキャッシュ保持者だったから仕方なく書類送検→不起訴って事だろう」(754)とか。

 有罪判決まで行くのなら、確かに画期的な摘発例になります。それにしても、反応がこれくらいでは、この記事、ネットでは読まれていませんね。


日本人の起源を読み解く@2008リンク集

親サイトでは、インターネットで読み解く!第157回)

 昨年11月にNHK「サイエンスZERO」で「第184回 日本人の起源に迫る」が放送されてから、1997年6月に書いた第7回「縄文の人々と日本人の起源」へのアクセスが増え続けています。Googleで「日本人の起源」を検索すると4番目に出てくるからでしょうが、中身は当然ながら古くて申し訳ないなと思ってきました。「サイエンスZERO」は録画して見て「最新の成果を」との看板の割にはいまひとつ物足りない内容でした。いま調べてみて結論を言えば、「2010年に現在進行しているプロジェクトが成果を出すまでしばらく待ちなさい」となるのですが、当面、話題になりうるリンクを集めて関心を持つ皆さんのお役に立ちたいと考えました。

 「サイエンスZERO」は細胞のエネルギー源を司るミトコンドリアのDNAで明らかになった研究成果に依拠していました。ミトコンドリアDNAは細胞核DNAと違って細胞質中にあり、母から子に伝えられるだけです。「日本人の大半は16のグループに入るということから、日本人は16人の母を持つともいえる」となりました。各グループの仲間が世界各地にいて、この列島にいかに様々な遺伝子が持ち込まれたのかが分かります。また、ミトコンドリアDNAは核と違って大量にあって白骨化しても残る確率が高く、縄文人や弥生の渡来人の古人骨から採取できます。両者と現代日本人のグループ分けを比べると、縄文人にしかなくて現代に引き継がれたグループ、弥生の渡来人が持ち込んだグループが現れ、混血によって日本人が形成された様子が歴然とします。

 まとまったボリュームのある資料を古い順に紹介すると、まず1997年制作の九大総合研究博物館・インターネット博物館「倭人の形成」を挙げるべきでしょう。九大は縄文・弥生遺跡が多い地の利を生かして、早くから発掘される古人骨の研究を精力的に進めてきました。そのハイライトが「縄文人と弥生人■身長・遺伝■」のページにある系統図「頭骨の形態小変異22項目に基づく東アジア、北アメリカ、オセアニア集団の類縁関係」でしょう。縄文、アイヌ、古墳、江戸、現代、モンゴル、タイ、ハワイから北米先住民まで類縁関係とその距離が明かされています。

 次は2001年の国立科学博物館「日本人はるかな旅」展です。残念ながら「第5章 そして日本人が生まれた」の最後「分子レベルでみた日本人のルーツ」では雑然と研究成果が示されるだけで、では何が言えるのか釈然としません。この企画とタイアップしたNHKスペシャル「日本人はるかな旅」で、縄文人を形成した北方からの民の移動を過大に言い過ぎて専門家の間で問題視されたことがありました。逆に、国立遺伝学研の遺伝学電子博物館「遺伝子からわかる人の進化」の「縄文人骨からの解読」も「約6000年前に日本列島の中心部(現在の埼玉県)に住んでいた縄文人は、現代の東南アジア人と共通の起源を持つという可能性が示唆される」と興味深くはあっても断片的なデータです。

 2004年の「理戦78」に所収の論文「ブレンド人種・日本人の誕生」(藤尾慎一郎・国立歴史民族博物館)は先史考古学の立場で研究の流れが全体として見えるよう提示し、なかなかにチャーミングです。縄文文化の華、三内丸山遺跡の時代は現代で言う地球温暖化が進んだ時期で、北国青森なのにクリ林を果樹園のように管理し、主食としていました。この時期、西日本は暑すぎて人口は少なかったようで、東北の繁栄は数千年続いたのに寒冷化で気温が元に戻り始めると崩壊してしまいます。そして稲作がもたらされ、富の蓄積により戦争が起き始めるのです。「縄文人と弥生人、どっちが幸せ?」と筆者は問いかけます。縄文人と渡来人の遺伝子はどれくらいの割合で現代日本人に伝わっているのかも論点です。

 いわゆる「科研費」、日本学術振興会科学研究費補助金による「更新世から縄文・弥生期にかけての日本人の変遷に関する総合的研究」が2005〜2009年度の期間で進行しています。「日本人形成過程のシナリオ」にある疑問、問題点をどこまで解き明かせるのか注目です。例えば、縄文人はかなり長期、1万年くらい孤立したためにアジア周辺に近親集団が見あたらない古いモンゴロイドのようです。私も以前に書いたように成人T細胞白血病ウイルスを母系垂直感染で長年保持し、同じウイルスを持つ集団がカリブ海やパプアニューギニアで見られる不思議な人たちです。一方、寒冷期に耐える体づくりをした新モンゴロイドの弥生期渡来人の出自もよく分かりません。研究班からは「2010年3月に、本研究班が再構築した現代日本人形成過程のシナリオを登載する予定ですので、ご期待下さい」とあります。

 ブログやウェブでの声も欠かせませんね。研究班の一人、篠田謙一さんの著書をパラフレーズし論じている「日本人になった祖先たち」や、最近の類書の評論が面白い「日本人の遺伝子(+言語系統とヒト移住)」もリストに加えておきます。日本を「単一民族国家」と考える一部政治家の愚かしさは論じるまでもありません。アイヌや沖縄の人たちに縄文人の血が濃いのは事実ですが、Y染色体の研究者からは日本人遺伝子の半分は縄文人由来との見方すら出されているのです。

 ナショナル・ジオグラフィックの「ジェノグラフィック・プロジェクト」が2005年に5年間かけて「世界各地で数十万人のDNAサンプルを収集・解析し、人類がどのように地球上に広がったかを探る」と発表しています。このプロジェクトで興味深いのは百ドル弱のキットを買って、頬の内側から採取したサンプルを提供すると、自分の先祖がたどった移動の歴史を知ることが出来る点です。もちろん、この費用にはプロジェクトへ寄付の意味も含まれています。世界各地の先住民からはデータ量が大きい血液サンプルを集めることになりますから色々と批判もあるようですが、日本の研究だけが進んでも周辺地域のデータが薄い現状では意味が無いことを考えると、とてもありがたいプロジェクトだと思えます。2010年には上記の研究班と合わせて、我々のルーツ探しの視界が一挙に開けたら楽しいですね。期待して待ちましょう。


日銀総裁空席めぐる社説のアンフェア

 総裁空席で副総裁が代行に落ち着いた19日任期切れ前のドタバタ。16日付、毎日「社説ウオッチング:日銀総裁人事 民主党への批判が大勢」を見て非常な違和感を感じました。どの新聞の社説も「民主党に非あり」の大合唱でしたからこう書かざるを得なかったのでしょうが、一線の取材陣が伝えている記事のデータを冷静に読みとれば、非が一方にあるとすることには疑問ありだったのです。

 ブログから「アンフェアを語りたい」と感覚が合ったので引用します。「読者に色眼鏡をかけさせるための小手先の印象操作や、都合の悪い情報は徹底的にスルーするといったアンフェアなことが大嫌いなのです。一度色眼鏡をかけさせることに成功したら、あとは多少強引な論理展開でも読者に納得してもらえます」

 「日銀総裁人事 民主党への批判が大勢」も「うーん、私も『民主党はこの最悪な時期に何でゴネルんだ?』とつい怒ってしまいました」「しかし、冷静になって考えてみると、やはり自民党の方が横暴を極めていると言える気がします」

 「日銀総裁選び」は「この騒動、あちこち社説を読んでみても何が言いたいのかよく解らない」「とりあえずこの原因として理解できたところは、速水、福井と続いて大蔵事務次官がはずされ、この経緯のなかで小泉が次は武藤と約束し副総裁に落ち着かせたということ。これに民主が異議を唱えているらしいこと」「なんと日銀総裁が大蔵(財務)事務次官の天下り先だというのは、あまりに『官僚国家』らしい事態ではないか」と事情を知って呆れます。

 19日のフィナンシャル・タイムズ社説「求む、日銀総裁」だって「日本銀行の総裁探しは急務だと思われるかもしれない。しかし野党・民主党が『この人は強大な財務省に近すぎる』とみなす候補に次々と反対するのは、正しいことだ。市場は脆弱だし、妥協可能な候補を早急に見つける必要があるが、しかし理想の候補は『マクロエコノミスト』として優れた実績をもつアウトサイダーであるべきだ」と主張しています。海外の経済専門紙に類した社説にはお目に掛からず、各紙がそろって政府が持ち出した財務省OBに同意を迫るとは、論説委員とはいかに政権に近い存在か自白したようなものです。

 その理由ははっきりしています。多くの論説委員氏の情報源、ニュースソースが霞ヶ関、永田町周辺にしかないからです。


新ブログをオープンします

 2004年末から続けた「ブログ時評」に代わる新しいブログ「Blog vs. Media 時評」(略称:BM時評)をオープンしました。この3年余り続けてきた社内外の枠組みから今春、自由になり、再スタートして伸び伸びと運営したいと考えています。スパムコメント類が増えて面倒になって来た事情もあり、対策がしやすい自前のドメイン「dandoweb.com」内に適当な落ち着き先を見つけました。

 国内マスメディアはネットとのつきあい方を学ぼうとし始めた段階です。まだまだ不慣れであるゆえの摩擦が起きます。先日も毎日「まいまいクラブ−記者の目・読者の目」の「在日コリアンが暮らすウトロ地区」で「炎上」事件を目撃しました。これは良く分かっているはずのサイト管理者の不手際まであったケースでした。

 ネットではブログの他に個人ニュースサイトなども大きな勢力になっています。そうしたネット勢と既存メディアの対峙、相克、協働……がどう展開していくか、1988年の「サイエンスネット」からもう20年、ネットに関わってきた新聞記者の目でウオッチしていきます。時には個人的な趣味の話も交えて、ブログらしくフランクにやっていきたいと思います。