条例案によると「十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」を取り締まるというのです。どうにでも拡大解釈できる条文であり、この問題点を条例案が提案された段階で見抜けなかったマスメディア各社の権力監視機能は死んだも同然です。
「たけくまメモ 」の「都条例『非実在青少年』規制問題について」が問題提起で先駆けた藤本由香里・明治大学国際日本学科准教授の指摘を収録しています。見方を変えれば「国の方で何度も改正(改悪)が話題に上りながらも、反対が多く先に進まないでいる『児童ポルノ法』における、「単純所持規制」(=とくに売買する意思を持っていなくとも、『児童ポルノにあたるもの』を単純に『持っている』だけで逮捕)、『マンガ・アニメ・ゲームその他、画像として描かれる青少年の姿にも児童ポルノ法を適用する』というもくろみを、都の条例で先に決め、規制してしまおうという法律です」
提案と審議の日程も驚くべき拙速さです。「2月24日に案が発表されて、都民が意見が言えるのは25日まで(つまり1日だけ)」「議会での質問が許されるのは3月4日(代表質問)・5日(一般質問)だけで、これも数日前には質問を提出していなければならない。(つまり議員でさえ、検討できるのは3日程度)で、18日の13:00の付託議案審査がもっとも重要で、今月末には投票、決定、ということになります」
都庁の記者クラブに常駐している多数の記者たちは、いったい何をしていたのでしょうか。ネットで今回の記者会見を伝える記事を拾うと、質問でもフリーのライターたちに後れを取っているようですし、それでもなお都庁よりの姿勢だったとの指摘もあります。