日経の記事に付いているグラフはインドの大手鉄鋼10社粗鋼生産がこれから10年で5倍、年間2億トンに迫ると示しています。ところが、一緒に書いてある中国粗鋼生産は過去10年で1億トンが6億トン近くにもなっているのです。この10年間、米国も日本も1億トン前後のラインで終始し、むしろ最近の不況で頭打ちです。
朝日の記事は、大幅な上昇が予想される2010年度の鉄鉱石価格交渉についてのインタビューです。中国鉄鋼業協会長が資源メジャーを「採掘コストが十数ドルの鉄鉱石を中国に百ドル超で売っている」と非難しているのですが、こんな市場原理を無視した発言が世界に通用するはずがないでしょう。10年5倍という、無茶苦茶な増産をしていたら、原料供給側の一方的な売り手市場にならない方がおかしいのです。供給側にだって設備投資の膨大さや、それに伴う将来へのリスクが頭にあるでしょう。中印の言うままに供給をし、もし倒れたら膨大化した設備・従業員とも一蓮托生ではかないません。
限りある資源をどう使うのか、頭を冷やして考えねばならない時が既に来ていると思います。市場の自律的な抑制力はむしろ活用すべきです。私には、中国の粗鋼年間生産6億トンは途轍もない資源無駄遣いに見えます。
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