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日本発の海洋技術冒険「Wave Power Boat」

 半世紀ほども前、初の太平洋単独横断航海「太平洋ひとりぼっち」を成功させたヨットの堀江謙一さん(69)がいま新しい冒険の真っ最中です。波の力を推進力に変える「波浪推進船:Wave Power Boat」を造って、ハワイから紀伊水道まで約6000キロメートルを波の力だけで航海しています。波浪推進船による初めての実用航海です。既に日付変更線を通過しました。詳しい記録は彼のホームページでご覧下さい。歩くような速さでゆっくり走っています。

 これまでのヨット航海と違う新奇さにニューヨークタイムズなども注目して、結構多くの英語メディアに紹介されました。ブログではWave Powered Boat Begins Voyageとか、ハワイの地元紙によるWaveriderとかが写真満載でいいです。

 堀江さんが東回り単独無寄港世界一周航海をした際に取材を担当した縁で、お付き合いを続けています。彼はケープホーン沖の風向きが悪い故に難しい西回りを先に成し遂げ、東回りと合わせて両周り達成という珍しい記録を持っています。両周りの先人はオーストラリア人一人ですが、北半球から出発しないと意味が薄いので、実質的に堀江さん一人の記録だと思っています。

 彼は禁欲的な航海者で、大きなクルーザーには冷蔵庫などの電気製品を備えるのが常識なのに、ほとんど持たないでやってきました。今回、太陽電池を増強して初めて電子レンジを入れたので、毎日、ガスでご飯を炊く手間が省けたという具合です。航海中、ビールも飲みますが、冷蔵庫がないので常温です。

 これまでは「風と波の音」だけを聞いて航海してきました。その中で波で走れないかという発想が膨らんでいったのです。そして、東海大海洋学部で水槽実験だけで埋もれていた技術を船の形にし、大航海に持っていってしまったのですから、冒険者として面目躍如です。ヨットで帆を張って走っていると操船の手間はかなり多いのですが、今回は帆は緊急時限定です。したがって少しはのんびり出来るのでしょう。パソコンで視聴できるDVDやCDを持っていき、外付けスピーカーも初めて積みました。


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