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人間の顔をしていない中国当局の転覆事故管理

 中国の大型客船「東方之星」転覆事故で最後の行方不明者発見後に、生存者の数が14人から12人に減らされる珍事が起きました。事故被害者を数として見て名前で管理せずでは本当に捜索が完了したのかも疑問です。中国当局はなぜこんな不始末になったのか明確な説明をせず、信頼が失われた点に気付きません。地元メディアに一切取材させず、捜索隊が頑張っているニュースばかり流す一方、事故から1週間を経過してようやく遺族と遺体を対面させるなど、人間の顔をしていない事故管理は、2011年の高速鉄道事故と比べられます。

 生存者が減った原因は新華社による「多くの捜索ユニットや救助部隊からデータを集約するときに重複が起きた」という木で鼻をくくった説明があるだけです。生存14人とされた段階で名前が伝えられたのは船長を含む船員5人と乗客3人、旅行ガイド1人の9人だけでした。12人に減った時点で残り5人の名前不詳生存者が3人に減ったのです。当局がこんな僅かな数の人間を名前で把握していない国があるでしょうか。

 船会社の調査で乗客と乗員の数が456人から454人になって数合わせをすると、捜索で発見した遺体数442人が多すぎる――だから生存者の方を2人減らすと言われたら、捜索活動全体がきちんと実行されたのか疑って当たり前です。しかし、生存者や家族へのメディア取材を一切認めない中国当局には何も表面化させない自信があるのでしょう。

 ウォールストリートジャーナルの《中国客船転覆、生存者数訂正で政府の透明性に疑問》が中国ネットでの不信感を伝えています。《政府の集計を疑問視する投稿は数百件に上り、ある利用者は「私の3歳の息子でも20まで数を数えられる」と書き込んだ》《災害後の混乱時には正確な数字の入手は困難だとして、数字の矛盾を擁護する声も上がった。一方、生存者数の数え間違いがどうやって起きたかについて中央テレビが説明しなかったことに疑問の声も上がっている》

 中国政府に批判的な大紀元の《長江転覆事故、当局奮闘記の讃歌へ 世界を欺く中国のプロパガンダ》がこう伝えました。《政府系マスコミの宣伝は、救助の結果とのコントラストを鮮明に浮かび上がらせている。あらゆる報道は与党への讃歌となり、煽情的内容が記事のタイトルから始まる。たとえば、「中国人に生まれてなんと幸せ!」(国営新華社通信のニュースサイト・新華網)、「救助現場、最もハンサムな男たちがここにいるよ」(中国共産党機関紙・人民日報)、「世界は客船転覆事故で中国の決心が分かる」(人民日報の国際版・環球時報)》

 こんな「自己陶酔」をしていたら事故収束の最終段階で生存者数を減らす自己欺瞞に思いを致すこともないでしょう。2011年の第271回「高速鉄道大事故でも運行停止しない中国政府」で事故原因が分からないのに運転を続行した問題点を指摘しました。これは後日の『中国高速鉄道事故、システム本質欠陥を発見できずか』で「日本などから導入、継ぎ接ぎしたシステムの本質的な欠陥を発見できなかったから、苦し紛れに人為的ミスに持ち込んだと見るべきでしょう」とフォローしています。高速鉄道事故での事故車両埋め込みと言い、普通の国ではあり得ない事故への対処、事故現場の管理は依然として改まっていません。


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