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中国大気汚染ドキュメは4億視聴も抹殺の動き

 中国の女性記者、柴静さんが自主制作した中国大気汚染ドキュメンタリーが推定4億視聴と網易教育サイトが伝えました。しかし、中国ではネットで見られなくなり、人民日報が記事削除と政府側に抹殺の動きがあります。一方で全国人民代表大会直前に清華大学長から環境保護大臣に起用された陳吉寧氏は、これまでの無能な大臣とは異なり、環境汚染に強い危機感と巨額予算の必要性を表明しました。環境保護を巡るせめぎ合いはマダラ模様で進んでいます。

 先日の第468回「中国大気汚染に女性記者がNスペ自作、視聴1億超」で紹介の「穹頂之下(Under the Dome)」が「7日から動画サイトで視聴不可」と報じたのは8日のAFP通信です。これと同時に公開当初は好意的に伝えていた中国共産党機関紙、人民日報が関連記事を削除したようで、「柴静」でサイト検索しても2月17日までの昔の記事しか現れなくなりました。人民日報日本語版でも検索すると4本の記事がヒットしますが、記事の本文は削除されて見られません。しかし、4億の閲覧は中国のネット人口が6億5000万人であることを考えれば強烈な影響を残したと言えます。

 凸凹模様と言うべきか、その記事のひとつは中国網日本語版《中国、PM2.5テーマの人気ドキュメンタリー 環境保護部「意義ある」》に転載されていて読めます。頭隠して尻隠さず状態になっています。

 《中国中央テレビ(CCTV)の元記者・柴静さんが自費製作した環境保護がテーマのドキュメンタリー「穹頂之下」(103分)が2月28日、インターネットを通して発信され、話題を呼んでいる。陳吉寧・環境保護部部長は1日午後、記者会見で、同作品を見たことを明かし、「国民の環境保護に対する意識が日に日に高まっており、環境の質の改善や健康な体を守ることに対する強い期待が感じられた。国民全体に対して環境問題に対する関心や自覚を呼びかけ、社会全体で協力して環境保護のために努力するのに意義がある」との見方を示した。人民網が報じた》《「これは、ニューメディアの時代において、政府メディアと国民がいかに触れ合えば良いかを示している。メディアを通して、環境情報を積極的に発信し、国民の環境保護業務に対する支持を得、参加に対する自覚を呼びかけるべき」と指摘した》

 とても真っ当な指摘ながら、メディアの統制は環境保護部とは全く別の共産党宣伝部門が担当しています。大気汚染ドキュメンタリーを4億人が見てしまえば、いまさら無かったことには出来ないのですが、ネット上で視聴した人から「責任は政府にある」との書き込みが氾濫していますから、官僚的な対応が発生してしまうのかもしれません。

 新しい環境保護大臣は強いメッセージを発信しています。《中国環境相「わが国の汚染物質排出強度は、史上最悪とされたドイツや日本をはるかに超えている」―中国メディア》では「人口密度や工業化による単位面積当たりの汚染物質排出量では、われわれはすでに過去最悪だったドイツ、日本を2−3倍上回っている」「われわれは人類史上いまだかつてないレベルの、発展と環境間における矛盾に直面している。環境問題は国民生活や民族の未来に関わる長期的な問題。その解決を急ぎ過ぎてはいけないが、おざなりにするのはもっといけない」と語りました。これとは別に数年で最大190兆円の投資が必要になるとも言っています。研究者だけあって、これまでの官僚とは違う取り組みが期待できるかも知れません。


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