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核燃サイクル推進の読売も見放せぬ原燃に苛立ち

 核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成予定が2016年3月に延期されました。1997年完成予定でしたから20年遅れが視野に入り、推進の読売新聞ですら冷えた態度ありありで苛立ちを隠せなくなったのが印象的です。朝日や毎日が淡々と伝えたのに読売が完成時期の不透明ぶりを強調したのは、第448回「死に体の核燃料再処理、政府の救済人事も無理か」で指摘した、民間企業ながら国策として存在する日本原燃の甘え体質が我慢の限界を超えつつあるからでしょう。認可法人化して政府が強力にドライブすべきとの議論が高まりそうです。

 《再処理工場完成延期 審査期間、なお不透明》は原燃側の言い分は書いた上で強い叱責を与えます。《主要論点の放射性物質や放射線が外部に大量放出される重大事故対策については「原発に比べて複雑だ。時間がかかる」(工藤社長)として、規制委の要求にかなう具体策をいつ示せるかも定かではない。原燃が耐震性を考慮する上で参考とする「出戸西方断層」や、活動性を否定する太平洋沖の「大陸棚外縁断層」の本格的な議論もこれからだ。関係者からは「いつ審査が終わるかは誰も分からない」(規制庁関係者)との声も出ている》

 《エネルギー資源を海外に依存している日本にとって、ウラン資源の有効利用などの利点を考えれば、核燃料サイクルは重要な政策だ。核燃サイクルの要となる再処理工場の稼働に向け、規制委は審査の迅速化を図るべきだが、原燃も万全の対策を講じて真摯に説明を尽くさなければならない》

 重大事故対策で原子力規制委から出された多数の疑問に回答はゼロに等しく、大問題の地震対策についてはこれから議論が始まる段階ですから、事情を知っている記者なら1年半の延期期間で具体的な対策を示し、対応する改善工事が出来るとは到底思えないはずです。

 青森地元紙の《電力各社、高まるリスク 原燃認可法人化議論に影響も/再処理工場完成延期》は《経済産業省は2016年4月にも始まる電力小売り全面自由化を見据え、同工場の事業主体である日本原燃について、認可法人化を検討中だ。原燃に出資する電力各社の経営リスクを遠ざけるのが狙いとみられるが、今回の延期は、電力会社にとってリスクを上積みした結果となり、経産省内の議論に影響を与える可能性もある》と報じました。

 《工場の廃止措置や返還放射性廃棄物の管理などを含め、再処理事業に必要な費用は約12兆円。だが、電力各社の積立金は現在2・5兆円にとどまる。従来の地域独占が崩れ、厳しいコスト競争下に置かれた場合、巨額の費用負担は各社の重荷になりかねない》との主張や読売の書き方に経済産業省の意向が反映していると見られます。しかし、こうした「体制内」的な叱咤激励はあまりに遅すぎたと申し上げます。再処理工場はやはり駄目だったと見込んで、大量に貯まっているプルトニウムや使用済み核燃料の処分など核燃サイクルを看取る準備に掛かるべきです。


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