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ウナギ削減のウソ、近年稀な豊漁から2割だけ

 絶滅危惧種に指定されたニホンウナギを保護するための国際協議がまとまりましたが、開いた口が塞がらない無意味な合意です。稚魚の各国養殖場投入量を昨年の3倍豊漁だった今年分から2割削減するだけなのです。水産庁は何らかの規制を打ち出さないと、一足早く絶滅危惧種になったヨーロッパウナギのように国際的な取引規制が掛かるのを恐れてアリバイ的な削減合意をしたと評さざるを得ません。それをきちんと伝えるマスメディアが無く、持続的な資源保護が可能か論じるどころか、相変わらず食べる心配が先に立ちます。6月に『絶滅危惧種指定、ウナギの食べる心配報道は異様』と批判した状況と変わっていません。


 「シラスウナギの豊漁報道の異常性」からウナギ稚魚の漁獲推移グラフを引用させていただきました。2013年には5.6トンにまで激減したのが今年は15トンほどに増えました。特に資源保護策があったわけではありませんから、全くのフロックと見るべきです。来年以降、稚魚の漁獲は減るでしょう。今回の削減規制量よりも稚魚が採れない可能性が高いのです。

 水産庁の「ウナギの国際的資源保護・管理に係る第7回非公式協議」はこう合意を伝えました。《日本、中国、韓国及びチャイニーズ・タイペイの4者間で、以下を内容とする共同声明を発出することで一致しました。(1)各国・地域はニホンウナギの池入れ量を直近の数量から20%削減し、異種ウナギについては近年(直近3カ年)の水準より増やさないための全ての可能な措置をとる》

 ニホンウナギについても「直近3カ年」が比較のベースなら少しは意味がある削減になったであろうことは、上のグラフを見れば分かります。異種ウナギとは規制をくぐり抜けた密輸のヨーロッパウナギや東南アジアのビハーラ種で「増やさない」とは大甘な規制です。


 世界のウナギ消費量の7、8割は日本人のお腹に入るとされています。養殖池に入れられるウナギの稚魚シラスウナギの資源量がどう変動したのか、グラフで生産量推移と対照しました。資源量のグラフは温帯ウナギ3種について1960〜70年代を100とした推移であり、絶対量推移ではありません。ニホンウナギは1980年には既に資源が減っていますが、ヨーロッパウナギやアメリカウナギは豊かだったのです。それが1990年に向かって奈落の底に沈んでいきます。ヨーロッパウナギは中国が安く輸入して養殖、日本のウナギ消費が価格が下がって大衆化していく過程でどっと日本市場に流れ込みました。

 こうして世界のウナギ資源を食べ尽くしてきた現実をメディアは未だに直視しないようです。国際自然保護連合から絶滅危惧種指定の次は、国際的な取引規制です。ニホンウナギ稚魚の輸入が絶たれたら国内業界には甚大な打撃です。メディアは警鐘を乱打するべき時期を失しています。


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