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原子力規制委員に前学会長は完全な骨抜き人事

 原子力規制委員に前原子力学会長の田中知・東大教授を推す国会同意人事案は規制の完全骨抜きを意図しています。同氏が中心の福島事故学会報告はみんなが悪かった、誰の責任でもないと原子力ムラの意向そのものです。原子力学会は「関西電力大飯原発3、4号機運転差止め裁判の判決に関する見解」で福井地裁判決を批判しています。学会報告で直接原因のみならず、根本原因まで明らかになっていると胸を張るのですが、報告を読むと小学生の作文のような無内容に驚かされます。マスメディアが学会報告を取り上げなかったのは当然ですが、こうした考え方の人物を原子力規制委員に充てる人事については明確に批判すべきです。

 学会見解は地裁判決の「事故原因が究明されていないとの指摘は事実誤認であります」と言い、明らかになっているとします。政府や国会など各種事故調の結論が一致しない中、原子力学会が専門性を発揮して切り込んでくれたのかと思いきや、学会ウェブにある報告の中身を見て愕然とします。

 事故の直接要因は「1. 不十分であった津波対策 2. 不十分であった過酷事故対策 3. 不十分だった緊急時対策,事故後対策および種々の緩和・回復策」とした上で、「過酷事故の現場対処に不手際が認められるが、それは事前準備に起因するもので、直接要因とは言えない」と具体的な問題点の指摘を一切しません。1号機の非常冷却システムの使い方を誰も知らなかったのも準備不足で片付けられるようです。誰が準備をしなかったか問われるべきですが、全ては「不十分」で片付けます。

 根本原因としては事故の背後要因を並べます。「専門家の自らの役割に関する認識の不足」「事業者の安全意識と安全に関する取組みの不足」「規制当局の安全に対する意識の不足」「国際的な取組みや共同作業から謙虚に学ぼうとする取組みの不足」など淡々と不足項目があがります。これでは不始末を犯した弁解書を書いているだけです。専門性のかけらもありません。

 これに対して、学会に批判されている地裁判決は例えば「いったんことが起きれば、事態が深刻であればあるほど、それがもたらす混乱と焦燥の中で適切かつ迅速にこれらの措置をとることを原子力発電所の従業員に求めることはできない。特に、次の各事実に照らすとその困難性は一層明らかである」と地震から始めて津波や外部電源喪失などを詳しく検証しています。真剣度は段違いです。

 田中氏が会長の原子力学会は事故当初から個人責任を追及しないよう声明で求めました。さらに『自分で福島事故を究明しなかった原子力学会』で指摘した通り、福島原発事故から1年間、何もしなかった無様を身内から批判されて、田中氏が委員長の学会調査委が立ち上がりました。それから2年掛けて「不十分」と「不足」でまとめたアバウト報告を出して平然としている人物が原子力規制委員に適任とは考えられません。全てを曖昧にしたい政府・原子力ムラの意向に沿った人事です。メディアは維新や民主の不同意の動きを報じるだけで済ませるべきではありません。

 【参照】第381回「福島原発事故、国家として原因不詳でよいのか」
     第309回「科学者・技術者への不信感と原子力学会の欺瞞」


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