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沈没事故に見る韓国の総無責任、秩序国家は無理か

 ローマ法王の言葉「韓国民がこの事件をきっかけに倫理的に生まれ変わることを望む」に接し、時宜にかなった至言と申し上げます。旅客船セウォル号が明かした総無責任の実態は国家基盤を危うくする無秩序ぶりです。官民を問わず誰も自分の職責に忠実でなくて、どうやって国を運営するのです。戦前の大日本帝国を追及するエネルギーの半分でも回していれば、波もない穏やかな白昼の海に修学旅行生ら300人余が飲み込まれる悲劇は起きなかったでしょう。これまでに伝えられた経緯を集約するとこんなストーリーです。

 【ザル規制すり抜け改造、無謀な操舵】

 日本のフェリー会社から購入した中古船の最上部に客室を増設した結果、重心が上がって復元力が落ちました。船の長さや幅には改造規制があったのですが、高さ方向には規制が無かったのです。復元力を考慮した積載可能トン数の4倍近い車両とコンテナを積んでいたと報じられています。政府の役人は不安定性については考えていなかったと言います。貨物は鎖やワイヤーではなく普通のロープで固定されていた上に、さらに恐ろしい情報として海が穏やかならば、その固定さえしなかったケースもあったようです。

 事故現場で経験1年もない三等航海士が5度だけ舵を切るように指示したのに、操舵士が大きく回してしまった結果、荷崩れが起きたとされています。時速40キロ近いフルスピードで突っ走っている大型客船が舵を切るのは、乗用車ならば100キロで急カーブに入るのと同じです。積んだ貨物の不安定さを知れば、まず減速してからにすべきでした。以前にも舵を切って食堂の皿が滑り落ち大騒ぎになった経験をしているのに、この危険信号は共有されませんでした。

 【避難訓練の経験がない安月給船員】

 船長が月給27万円の1年契約職だったのを始め、船員も他の船会社に比べて6、7割の安月給だった点で、船員の士気が低い事情は分かります。おまけに船会社は定期的に義務付けられている避難訓練などの安全教育を全くしていませんでした。安全運行についてのチエックは当然ながら公的機関が実施していて、積載貨物の検査も含めて官僚の天下り先にもなっている規制組織が全く働いていなかったようです。

 避難訓練の経験もなく事故マニュアルを読んだことがない船員ばかりと知らされて、管制センターとの珍妙なやり取りの意味と背後が分かりました。船が大きく傾いている段階で避難の決断をせず「救助してくれるのか」と尋ねるばかりでした。救命胴衣の着用を指示してなお「船室で待つように」と放送しています。救命胴衣を着けたら甲板に出なければなりません。浸水する船内では救命胴衣は逆に脱出の妨げになります。

 【司令塔なきアマチュア救助態勢】

 韓国政府はこのような大事故には対策本部を設置してコントロールタワーになる人物を決めるとしていたのに、これに失敗しました。2、3日の間は海洋警察も海洋水産部も軍もばらばらに行動しました。首相が現地に赴いてトップに立つ形ばかりは作ったものの、ばらばらに上がってくる情報を横流しにするだけだったようです。海難救助経験豊富な日本の海上保安庁が支援を申し入れて断られていますが、意地だ、面目だという以前に、受け入れの決断を下せる司令塔不在だったと見るべきです。残念なことに、沈没してから丸2日間も船内への突入はなりませんでした。海上保安庁の特殊救難隊なら可能性があったかも知れません。

 沈没1時間前に現場に着いていた海洋警察が船内に突入すべきだったとの声が、今になって韓国メディアに出ています。『必死でないベストは役に立たぬ:韓国船と福島原発』では福島原発事故との対比で、『沈没報道の韓国メディア、海洋警察の劣悪さ無視』では日本の海上保安部取材を経験した常識として目の前の客室に多数の乗客がいると分かっているのに、傍観はないと論じました。何の装備もなく急行したからと弁明しているようですが、船に上がって救助に使えるロープやホースなどはないかも調べてもいません。単に待って、脱出してきた80人余りを収容しただけで「大きな仕事はした、文句はあるか」と海洋警察署の課長が居直ったそうです。


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