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福島原発事故の無為で告発さるべきはマスメディア

 福島原発事故の3事故調の委員長らを集めた日本記者クラブ討論会の報道に大きな違和感があります。マスメディアはまるで他人事ですが、あれだけの大惨事が起きて社会を変えなかったのはメディア自身の責任なのです。本当に差し迫った炉心溶融と高レベルの放射能汚染拡散を知らせる責務を、当時の政府による「大本営発表報道」に自ら委ねて放棄したままでした。今に至っても原発再稼働の是非そのものを報道の対象にしないで原子力規制委員会の処分任せにし、地震の可能性など細かな検討事項をめぐる報道をして足れりとしています。

 時事通信の《「社会変わる気配ない」=3事故調元委員長ら―福島原発》は《東京電力福島第1原発事故から3年を迎えるのを前に、事故の原因や対応を検証した政府、国会、民間の各事故調査委員会の元委員長らを集めた討論会が10日、東京都内の日本記者クラブで開かれた。国会事故調の黒川清元委員長は「あれだけの事故が起きても日本の社会が変わる気配がない。誰も責任を取らない」と指摘した》と伝えました。

 国家として誰かの責任を問う必要もあります。それ以前に未だにどうして福島原発事故が起きたのか分かっていないことこそ不思議なのです。昨年、第381回「福島原発事故、国家として原因不詳でよいのか」でこう申し上げました。

 《いくつもの事故調が違った結論を出し、放り出されている現状は「原子力ムラ」の意志なのかもしれません》《責任者を出さないと決めていた原子力学会や原子力ムラ政府官僚がほくそ笑む展開です。これほど影響が大きい大事故ならば原因をピンポイントで究明してシステムを改善するべきところを、原子力規制委による新規制基準は事故調報告を参照もしない安全システムの大風呂敷展開でかわしています。全てが曖昧模糊になっているようでは、現代屈指のテクノロジー国家として失格だと敢えて申し上げます》

 「3.11」東日本大震災3周年を前にした時事通信の企画記事《「事故に学ぶ姿勢足りず」=新規制は「ハード偏重」−班目氏〔東日本大震災3年〕》は事故当時、無能とされた原子力安全委員長のコメントを記録しました。驚くべきことに独立組織になった原子力規制委は前任者からの聴取さえしていないのです。「規制委は私を呼んで話を聞かなくていいのか。当時のコミュニケーションがどうだったかなど、一番大切なことなのにやっていない。あれだけの事故があっても何も学ばないなら(規制を)やる資格がない」(当時の経緯:第347回「無傷で終わる可能性が十分あった福島原発事故」

 マスメディアの事故当時の報道をめぐる言い訳も第282回「原発震災報道でマスメディア側の検証は拙劣」で書いたレベルからまるで変わりません。知らぬ顔を決め込んだまま、社会が変わらないとか伝えるのはとても奇妙です。


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