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実効ない大気汚染対策に中国学者が経済発展転換論

 北京などで丸6日も重篤スモッグが続いた後、国会に当たる全人代が開かれ李克強首相は大気汚染に宣戦布告と表明しました。しかし、粗放な経済成長のツケを正面から払うのは難しく、経済発展転換論が叫ばれています。スモッグ後の中国の報道では科学技術の専門家から「北京の空気は昨年より改善されたが気付いてもらえない」といった負け惜しみ、「海外のようにスモッグ解消に30年もかからない」とのピント外れ発言が続出して失笑モノでした。経済学者から出ている「GDP優先をやめて国民の幸福最大化」の提言が生きる時が来るのか予見できぬものの、ようやく真っ当な議論が登場と感じます。

 ウォールストリートジャーナルが「支出額に反映されない中国の環境対策――言葉では意気込み示す」で批判精神を欠く中国メディアにない視点を提供しています。

 《財務省が5日に発表した報告書によると、2013年の環境保護とエネルギー保全向けの支出は前年比9.7%減の1800億元(約3兆円)。これは昨年それら項目に割り当てられた予算のわずか86%にすぎない。2012年には、そうした項目に対する支出は予算を上回り、23%増の約2000億元だった。それに対して、政府によると、昨年は軍事支出に7200億元を投じた。李克強首相は今回、総力を挙げて環境汚染と闘う方針を表明した。5日の報告書では支出を前年から17%引き上げ、2100億元とすることも要求している》

 要するに中国政府首脳が声高に叫んでいる中国の環境汚染対策の内実はこの程度に貧しいのです。増え続ける軍事費まで含めて予算の大枠を変える気も無いのですから、劇的な改善があろうはずがありません。大気汚染の専門家は「北京の大気1立方メートル当たりPM2.5が平均400マイクログラムあった昨年1月に比べて、今年は300マイクログラムに減っている。しかし、一般人に気付いてもらうには100マイクログラム程度まで落とさなければ分からない」と言っています。

 インターネット検索をすると国家行政学院の張孝徳・経済学教授が重篤スモッグについて発言しているのが昨年来、目立ちます。「スモッグ克服と日常防護」(原文中国語)は人民日報による6日間スモッグ後の最新インタビューです。非常な長文ながらエッセンスをまとめると次のようになります。

 「都市の空気中に汚染物質は沈殿していて、風が吹かないと非常に強いスモッグとなる」「北京、上海などの大都市では、肺がんの発生率が8倍に増加したデータがある」「背景には欧米諸国からの汚染移転があり、エネルギーを使い出稼ぎ労働者の低賃金による安い製品生産で中国に汚染を残すようになった」「克服には根本的な原因を解決する必要がある。第一の問題はGDP増大の単純追求を改めること。国家のGDP最大化から国民の福利最大化に転じるべきだ」「私たちの生活はまだ米国のレベルに達していないが、多消費病に陥っている。着る服を数十着持ち、それを入れる部屋が必要になるべきではない」「1人当たり1万米ドルの年間所得ではあっても、我々は、先進国に比べて幸福になりうる。新たな目標が必要であり、いかにして最も省エネルギーで幸福と健康を最大化するかだ」

 宮本憲一さんが『環境経済学新版』(岩波書店)で、インド独立の父、ガンジーが「(人口が多い)インドが英国と同じことをすれば、地球がいくつあっても足りない」と主張し、地域に根ざしたネットワークを生かす経済発展を志向したと紹介しています。映画「ガンジー」に見る質素な衣服はそれを自ら体現していたわけです。インドよりも多い13億人の民がいる中国も、例えば年間に石炭なら世界の半分を一国で消費する資源・エネルギー浪費型の経済発展を根本から見直すべきなのです。

 第412回「中国重篤スモッグの巨大さが分かる衛星写真」は衝撃的で、非常に多数の方に見ていただきました。9百キロずつ離れた北京・南京・西安3都市間を丸呑みにした、人間の手に余る化け物ぶりに「『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない」と改めて思わざるを得ませんでした。


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