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エネルギー基本計画の錯誤、核燃サイクルは瀕死

 政府策定中のエネルギー基本計画をめぐり高速増殖炉もんじゅに言及するニュースが続いています。まだ活用できるとの錯誤は、再処理工場を含め核燃料サイクルが技術的瀕死状態にあると知らないから出来る愚かな議論です。イエスマンだった原子力安全委員会時代ならば、政府が核燃サイクルを動かす決定ができました。しかし、独立した原子力規制委員会は航空機テロによる破壊まで考えて重大事故時の安全性を厳しくチェックする姿勢です。第407回「核燃料再処理工場の不合格確定、核燃サイクル崩壊」で重大事故を考えない再処理工場は新規制基準をパスする見込みが無くなったと指摘しました。水を掛けて冷やせない金属ナトリウム冷却の高速炉もんじゅは、重大事故に至ったら打つ手を無くして爆発的に暴走します。どう使うにせよ、運転を許可される見込みは極めて薄いのです。

 2月8日の日経新聞《もんじゅ転用 壁高く 「増殖炉」エネ計画に盛らず》が口火を切った感があります。《政府は新たなエネルギー基本計画で2050年までに高速増殖炉を実用化する従来目標を盛り込まない方針。原子力発電所から出る核のゴミを減らす研究機能を前面に出す案も検討している》

 16日の朝日新聞《もんじゅの研究機能強化、自民が検討 3月に最終決定》は《自民党の高市早苗政調会長は16日のNHK番組で、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の役割について「高レベル放射性廃棄物の減容化、毒性期間の短縮化を実現できるか、党内で検討させている」と述べ、核のごみを減らす研究開発機能を強化する考えを示した》と伝えています。

 北海道新聞などが「もんじゅの単なる延命策であり、廃炉にして核燃サイクルから撤退する方策を示すのが筋」と批判しています。ナトリウム漏れ事故以降のずさんな保守管理状況から、原子力規制委はもんじゅの運転準備さえ禁じているのが現状です。もんじゅの技術的な問題は第353回「高速炉もんじゅ稼働を絶望にする安全設備要求」に詳しく書きました。

 いまエネルギー基本計画を作るならば、核燃料サイクル計画全体に正面から向き合うべきです。2兆円も投下して完成できない核燃料再処理工場、1995年から停止したままで年間200億円の維持費がかかる高速増殖炉もんじゅ、そして何よりも外国への再処理委託でプルトニウムを44トンも所有してしまった始末です。8キロあれば原爆が1発できるプルトニウムをこんなに膨大に持ってどうするのか。過去の路線失敗を隠すために、もんじゅを延命する小細工をしても始まりません。完工延期を17年も続けている再処理工場が現設備では運転できないと判明する、全面的な行き詰まりが年内に露呈します。


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