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現状把握が出来ない東電に代わり政府廃炉本部を

 問題は出尽くしたとの保証が無くて対策を立てる意味がありません。福島原発の放射能汚染水流出問題で、東電が現状把握すらしていない実態が明らかになったのだから政府責任で廃炉実施本部を作るしかありません。東電非難だけが続いているのは不当で、責任を放棄している政府こそ非難されるべきです。構内全域で放射線量の記録をする程度の実務能力にも欠けている東電に代わって、モニタリング体制の構築からやり直さなければなりません。そんな細かい実務指示までスタッフが手薄な原子力規制委に委ねるのは不可能ですから、別の執行機関が必要です。

 新たなタンクからの汚染水漏れと側溝からの海洋流出は、政府が8月はじめに打ち出した汚染水流出対策に含まれていない後背地で起きています。対策に入っている原子炉建屋から海に迫った場所でも、新たな高濃度大量汚染水が見つかったばかりなのにです。

 NHKの《原子力規制委員「東電は国に要望を」》を見て再び驚かされました。《更田委員は「タンクから漏れることを前提とした準備が取られていたとは思えない。異常に気付くには小さな変化も見逃せないが、そのために必要となるタンク周辺の通常の放射線量の記録などが残されていないのは点検に対する姿勢を疑わざるをえない」と東京電力の対応を批判しました》《東京電力側からは「点検を強化するには4倍の人員が要る」などと説明があったということで、これに対して更田委員は「できないことがあれば声を上げてほしい」と呼びかけた》

 重大な問題を呼ぶ異常を早く見つけるには、変化をモニターして検出しなければならないという技術常識すら東電の幹部にはありません。後背地には大量の汚染水タンクがひしめいています。安普請をして間に合わせたタンク群、これまでの安直な対策実施にどんな瑕疵があるか、分かったものではないと考えられます。きちんとした作業マニュアルを作る能力が無いと見受けられますから、廃炉実施本部にはプラントの現場が分かる専門家の動員が要ります。

 原子力に批判的な京大原子炉の小出裕章助教は《報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」》で、2011年4月にあった高濃度汚染水海洋流出と漏れ口をコンクリート投入で塞いだ処置についても、根本的な疑問を投げています。

 《ピットというところがあって、海に向かってジャージャーと滝のように汚染水が流れている事が目に見えたのです》《「これは大変だ」という事で、東京電力はそこを大変な苦闘をしながら塞いだのです。その塞いだ途端にマスコミの方々は「ああ、これで汚染水の漏れは防いだ」と思ったのかもしれませんが、そんなことはある道理が無いのです。コンクリートというのはもともと水を蓄える・漏らさないという力はありませんし、福島第一原子力発電所の場合には大きな地震に襲われて、そこいら中にひび割れが生じているはずで、目に見えなくても地下で汚染水はもうダダ漏れだったのです》それならば流出放射能量はこれまでの推定よりも遥かに多いことになります。

 国際的な批判が高まってきている汚染水海洋流出です。流出を封じる本格的な遮水壁で囲うには1〜2年はかかると、のんびり構えていられるのでしょうか。判断の主体が東電でなく政府ならば、海外への説明・対応を考えても手ぬるすぎると言われるでしょう。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


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