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自民の超大勝を有権者は望んでいなかった:参院選

 世論調査と実際の選挙結果を比べると意外な事実が浮かびます。参院選で大敗した民主党はむしろ超大敗を免れており、自民党は期待ほど勝てなかったのです。時の政権への批判票が力を発揮する構図がまだ継続中です。総選挙が昨年末で、これから3年間は国政選挙が無くなりそうですから、この時間を使って野党側にどのような受け皿を構成できるかが問われます。ただし、民主党が2大政党の一方である時代は終わりました。公明党以下の比例区得票数に落ちたのですから、参院選の2人区で他党が容赦なく候補を立ててくるでしょう。このままなら2010参院選の貯金は3年後に消滅、公明なみの党勢になります。


 NHKが実施した世論調査の政党支持率と、国政選挙の比例区得票率を2009年総選挙以降でまとめ、グラフにしました。今回の参院選で目立つのは42%もの支持率を持つ自民が35%程度の得票しか得ていない点です。自民支持者も他党に流れた可能性を示します。逆に8%の支持しか無い民主が14%に迫る得票率ですから、議席の多くは失ったものの実は大健闘です。政権への批判票は維新の会やみんなの党にも流れていると読みとれます。公明や共産が政党支持率以上の得票率になるのは昔から「隠れ支持者」がいるからですが、今回は政権批判の要素もあったと見ます。

 4回の国政選挙を見通すと、2009年には自民と民主の支持率差はわずかでしたから、政権交代は無党派層が民主に肩入れして実現しました。2010参院選で民主は少し議席を減らすも支持率並みの得票はしています。批判票は自民とみんなの党に向かっています。2012総選挙では批判票は維新の会などに大量に流れ込み、自民と民主は支持率相当の得票でした。民主大敗の理由はそもそも15%しかない支持率で解散に打って出たからです。これでは公明という下支えがある自公複合体にはかないません。もちろん支持率を下げたのは政権運営の失敗によります。

 今回参院選で自公が大勝したのは政権批判票がかなり発生しても問題にならないほど高い支持率を得ていたからです。第332回「有権者の信賞必罰投票とマスメディアの漂流」で指摘した、小泉郵政解散選挙以降に生まれた有権者行動パターンは変わっていないと思います。『政治から降りずパスした有権者ゲーム感覚に問題』でも述べたように、非常に低い投票率が続く中、敢えてパスを続ける有権者が多いのが問題です。支持政党を育てる有権者の行動が無ければ、既存の自公共しか組織政党は存在しなくなります。

 国民が安倍政権の有り様に全幅の信頼を置いているのではない点は、中国新聞の「内閣支持率56%に急落 共同通信世論調査」でも明らかです。「安倍内閣の支持率は56・2%で、前回6月調査の68・0%から11・8ポイント急落した。支持率が50%台となったのは昨年12月の第2次安倍内閣発足以来、初めて。不支持率は31・7%で、前回(16・3%)からほぼ倍増」です。国民の意識を選挙の結果に反映できるような政党の枠組みが崩れてしまっている現状が問題です。


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