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村上春樹VS小澤征爾を定額制音楽配信でフォロー

 新作が評判の村上春樹さんが一昨年出した『小澤征爾さんと、音楽について話をする』も随分話題になりました。この連休、村上さんの膨大なコレクションの向こうを張って定額制音楽配信で聴きながら読み直しました。この本を楽しく読むための専用CD3枚組が発売になっていますが、序盤でお二人の話の本線になっているベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を色々と聞き比べ得る点だけでも、音楽配信の方が断然、優位です。

 十代のころに身に付いた習慣で、ベートーヴェンというとピアノ協奏曲とチェロ・ソナタ、交響曲のいずれも第3番の3曲を最もよく聴きます。ピアノ協奏曲第3番ならバックハウスやグルダなどドイツ本筋の巨匠たち、新しいところならば若手フォークトによるベルリン・フィル定期演奏会での秀演が印象鮮烈です。ところが、村上さんはカナダ人グレン・グールドによる、とても風変わりな演奏を聴くところから説き起こしています。

 バーンスタインが「あまりにも遅いテンポはグールドの望みだから」と釈明して伴奏した演奏はCD3枚組(3000円)にも収録されています。遅すぎて指揮棒を振る間が持てなくなっている、いや待ちきれなくなっているのがありありと分かるのは面白のですが、何度も聞こうとは思わない演奏でしょう。

 この後、同じ曲でカラヤン先生と演奏したグールドは意外におとなしかったり、バーンスタインがゼルキンと演奏すると超高速テンポで走る走る、ぐんと踏ん張るところが特徴の曲なのにどこにもその気配なしと、正統派の演奏とはかけ離れた空間から演奏の在り方に踏み込み、音楽を聞く楽しさにアプローチしていきます。いわゆる名盤をコレクションしたい音楽マニアからは「何でこんな演奏を紹介しているの」と言われかねない有様です。この場合、月額980円のソニー定額制音楽配信は気楽に便利な素材を提供してくれます。

 実は名盤をコレクションしたい人にも定額制音楽配信は有効だと思います。レコードやCDをよく買っていた頃、小遣いは無制限ではありませんから、悩ましいのは自分の嗜好に合った演奏か、どう判別するかでした。『レコード芸術』などで自分の好みに近い評論家に目星をつけて評論を読むしかなかったものです。多数の演奏を自由に聴ける今になって「CLASSIC MUSEUM」のようなサイトの名演奏ランキングを、自分の耳で確かめると同意しかねるケースがかなり多いと気付きます。

 音楽の好みはとても個人的なものです。『定額音楽配信サービスで音楽産業は持ち直すか 』『音楽産業の方向転換と音楽ライフ様変わりの可能性』でも指摘した、新しい可能性が開けた点を歓迎したいと思います。


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