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安全性疑義封印のまま中国高速鉄道網が概成

 昨年7月に死者40人の追突事故を起こした安全性をめぐる疑義が解明されぬまま報道を禁止、中国高速鉄道の建設が急ピッチで進んで、年内に営業距離9千キロと日本の新幹線網の3倍に達します。主要都市間がほぼ結ばれて、米国NASAが公開した夜の地球写真を見てもらうと、鉄道網は街の明かりが作る点と線そのものです。安全性についての続報と合わせて、中国高速鉄道網の現時点をチェックしておきます。まず、「地上の星か 夜の地球をとらえた鮮明な写真、NASAが公開」から衛星写真を、japanese.china.org.cnからネットワーク路線図を引用します。



 年内最後の開通は《京広高速鉄道、12月26日開通へ=武漢−北京が4時間19分―中国》です。内陸部中央を南北に連なる光の点が路線をくっきりと見せてくれます。12月始めには《ハルビン―大連の高速鉄道が開業、世界初の寒冷地高速鉄道―中国》がありました。これも東北部の光の列で示されます。

 10月末時点で総延長距離が7735キロと報道されており、新たにハルビン―大連が921キロ、京広の新規開通「北京―鄭州間」も500キロを超えます。北京から広州まで2200キロ(8時間)には邯鄲、鄭州、許昌、赤壁、岳陽、汨羅、長沙など春秋戦国から三国志など戦史を彩る地名が溢れています。《「四縦四横」の高速鉄道網、ほぼ完成―中国》にある南北方向「四縦」は出来上がり、東西方向の「四横」がやや遅れているようです。追突事故があった温州は上海・寧波から福州・深センに南下する途中です。

 今年になって大事故は伝えられていませんが、鉄道路盤の安定を待つ期間や試運転・習熟期間の短さは日本国内の常識から遠いものです。3月の《中国:高速鉄道の未開通部分が崩壊、湖北省−安全懸念が再燃》のような際どいニュースが絶えません。「事故は同省の省都である武漢市と宜昌市を結ぶ漢宜高速鉄道(全長291キロメートル)の一部で9日に発生。現場は300メートルにわたって崩壊し、修復のため数百人の作業員が派遣されたという。同区間の試験運転は既に済んでおり、5月に開通予定だった」

 NHKは《中国鉄道事故から1年 教訓はいかされたのか》を制作しています。「今年、事故から1年もたたないうちに高速鉄道の建設を再開したのです」「新たに5兆円もの建設費を予算に計上し、整備の遅れを取り戻そうとしています。しかし、高速鉄道の整備が再び加速する中、事故の教訓を活かした改革が進んでいないことに専門家は警鐘を鳴らしています」として、北京交通大学教授の次のコメントを入れています。「このまま再び建設のスピードをあげれば、安全管理はおろそかになるだけです。そもそも、こんなに急ピッチで建設を進める必要があるのか、どのように安全を確保するのか、考えなければなりません」

 目視ではブレーキが間に合わない高速鉄道の命綱は自動列車制御システムです。昨年末の「再発必至、中国高速鉄道事故の無意味な政府調査結果」で「制御システムは鉄道省と関係が深い国有企業が請け負ったが、設計段階から開発管理が混乱し、システムに重大な設計上の欠陥と安全上のリスクが生じた。だが、鉄道省の入札審査や技術審査が甘く、欠陥が修正されないまま導入された」「落雷で欠陥のあるシステムに障害が起き、誤って後続列車に進行を許す青信号が発信されたことが主因」と中国政府の発表を伝えました。その欠陥が除去された保証がありません。日本や欧州からつぎはぎ導入したシステムを完全にするのは至難です。依然として中核部分はブラックボックスである可能性が高く、想定外の異常事態に正しい応答をする保証が無いはずです。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国高速鉄道」関連エントリー


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