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核開発に暴走のイラン、制裁で市民生活崩壊へ

 イランが核開発の意図を不用意に漏らしてしまったために、EUによる経済制裁が厳しさを増しており、市民生活が崩壊しかけています。イランが核兵器を持てば、対抗上、サウジアラビアや湾岸諸国は米国の核の傘に入らざるを得なくなります。複雑な中東情勢にまた厄介な要因が増えます。経済制裁を解かせるために、タンカーを座礁させて原油流出でホルムズ海峡を封鎖する計画まで立てられているのに、日本のメディアがほとんど注目していないのはどうしたことでしょうか。

 ロイターの《EUが対イラン制裁強化、銀行・輸送・産業セクターに全面制裁へ》は「EUはこれまで、一般市民への悪影響などを懸念し、制裁対象を特定の個人・企業に限定していた。だが今後は方針を転換し、銀行・輸送・産業セクターに対し全面制裁を課す」と報じました。

 ここまで踏み切らせたのはイランが軍事用ウラン濃縮を漏らしたからです。MEMRIの《軍用に90%ウラン濃縮意図を明らかにしたテヘラン ―目的の一つは原潜建造― 》がこう伝えています。「この数ヶ月、イランは要人を使った一連の声明キャンペーンを展開してきた。それは、原子力船と原子力潜水艦用のウラン濃縮意図に関する内容である」「水上船舶用には50−60%の濃縮ウランで済むが、原子力潜水艦用には90%のものが必要であり、これは核爆弾用の濃縮レベルと同じ」「この声明キャンペーンは、西側の制裁に対する反撃であった。制裁によって石油の使用が制限され、世界との結びつきを維持していくためには、通商輸送用の代替燃料を開発せざるを得ない。これが経済制裁反対のポイントであった。ところが、論述展開の過程で建前を踏みはずしたのである。勢いあまって本音がでた」

 10月に入って、イランの通貨リアルの非公式レートは1ドル35000リアルにも達しました。1年前の3倍です。インフレの進行は強烈です。2月にロイターが伝えた《イラン市民襲う経済制裁、生活困窮で「核問題よりパン」》の段階ではレートは2倍でした。10月に入って一部で暴動が起きたのも当然の成り行きです。

 それでもイラン政府は民衆に配慮するそぶりは見せません。核開発を押し止めることは難しそうです。《イラン、核兵器に使えるウラン製造に2─4カ月=米研究所》(ロイター)によれば秒読みに近い感覚です。《イランが濃度20%のウランを今後さらに製造することができた場合、予想以上に早く核兵器を保有する可能性があり、米国と同盟諸国は「イランが核保有を決定した場合には、厳しく対応できる能力を保持する」べきだと指摘した》

 食料はまだ禁輸されていませんが、インフレが極端になれば北朝鮮並みの困窮もあり得ます。既に2月の段階で、「物価は毎日上がり、暮らしにはお金がかかる。鳥肉などは月に1回しか買えない。以前は週2回は買えていたのに」と訴える状況だったからです。


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