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大虚報の後始末が不可解に過ぎる読売新聞

 iPS細胞のノーベル賞受賞決定後に余りにもタイミングが良すぎた「世界初の臨床応用」ニュースが大虚報だったことが確実視されています。12日夜のNHKニュース「“移植実施”報道の2社が見解」が報道した読売新聞と共同通信の見解を伝えています。「研究データの点検など裏付け取材を十分尽くさず、誤った情報を読者にお伝えしたことをおわびします」とした共同通信に比べて、読売新聞は誤報だった1面トップ記事などをウェブから削除し、他のメディアがしているその後の事実関係フォローも避ける不可解な対応をしています。

 読売新聞で現在読める記事は《「iPS心筋移植」報道、事実関係を調査します》との釈明だけです。ニューヨークでの口頭発表取り止めを受けて《読売新聞は11日朝刊1面「iPS心筋を移植」の見出しで、森口尚史氏らが、あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞から心筋の細胞を作り、重症の心不全患者に細胞移植する治療を6人の患者に実施したことが分かったと報じました》《本紙記者は、事前に森口氏から論文草稿や細胞移植手術の動画とされる資料などの提供を受け、数時間に及ぶ直接取材を行った上で記事にしました》《現在、森口氏との取材経過を詳しく見直すとともに、関連する調査も実施しています。読者の皆様には、事実を正確に把握した上で、その結果をお知らせいたします》

 毎日新聞の《iPS臨床問題:「共同研究者」直接関与を否定》など続報で「森口氏の共同研究者とされる東京大学や東京医科歯科大学の研究者が12日相次いで記者会見した。いずれも共同研究への直接的な関与を否定し、臨床研究自体が実施されなかった可能性が高まってきた」とされています。読売新聞は沈黙したままです。

 世界的な大ニュースであるとの認識がありながら、東大などの「共同研究者」に裏付けをとる取材が為されていません。既に消されているインタビュー記事《iPS心筋移植、日本なら書類の山…森口講師》を読んで、無茶を書くなと感じました。日本では規制があって難しいが、米国ならどんどんやれるとの趣旨です。国際的に権威がある雑誌などに論文を載せるなら、世界で同じように研究内容が各施設の倫理委で承認されるよう求められます。これも裏をとるのは難しくありません。医学研究の事情に疎い記者が直接取材を信じ込んだケースかも知れませんが、担当デスクや編集責任幹部から裏付けを求める指示がなかったとは驚きです。

 ネット上で大きな話題になっており、《【iPS心筋移植】 Web上の記事を全て消して逃亡していた読売新聞、誤報を認める 「事実関係を調査する」》には消された元の記事保存先が掲示されています。

 【追補】日経新聞「本社も2年前に森口氏の記事掲載 事実関係調査」が《東京医科歯科大学が12日、「このような実験、研究が行われた事実はない」と否定したC型肝炎の創薬について、日本経済新聞社は2010年6月2日付日経産業新聞に「ハーバード大研究員ら C型肝炎治療 副作用少なく iPS細胞活用」と題した記事を掲載していたことが判明した》《医科歯科大はiPS心筋の臨床応用を「大学で行われた事実はない」とするとともにiPS細胞を使ってC型肝炎の新たな治療法を見つけたとの2010年5月1日付大阪読売新聞の記事について事実関係を否定した。日経の記者は同年4月に森口尚史氏を直接取材し執筆していた》と伝えました。これも裏付けを欠いた取材のようです。

 【追補2】朝日新聞「森口氏、iPS研究の詳細説明あいまい 朝日新聞も取材」は《10月3日、東大病院の敷地内の会議室で3時間、話を聞いた。「研究はすべてハーバード大で行った」との説明。「17日か18日に英科学誌電子版に論文が掲載される」とした。だが渡された草稿の共著者はいずれも日本の研究者で、iPS細胞の研究者も臨床医もおらず、移植手術の実施場所も明示されていなかった。ニューヨークでの国際学会で発表するというが、学会のウェブサイトには発表予定がなかった。森口氏は「東京大特任教授だ」と言ったが、東京大や東大病院に確認すると「東大病院特任研究員」と判明した》と、信頼に足りなかった要因を列記しています。

 【追補3】読売新聞13日朝刊の検証記事「論文・動画、記者にメール…東大病院で取材」
《記者は常に科学部の医学担当次長らに取材経過を報告、相談しており、4日の取材後も内容を伝え判断を求めた。森口氏は論文をランセットやネイチャーなどの有力専門誌に掲載したと主張しており、医学担当次長らは同氏の業績に一定の評価を与えていたが、さらに慎重に、この研究の評価を専門家に仰ぐよう記者に指示した。
 再生医療の第一人者である大学教授に森口氏の論文草稿について意見を聞いたところ、「本当に行われたのなら、6か月も生存しているというのは驚きだ」とのコメントを得た。こうした取材を踏まえて9日昼、担当次長が部長に概要を説明。部長は記者に「物証は十分か」と確認したうえ、できるだけ早い掲載を指示した》

 相手の主張の真偽を第三者にあたって検証するのではなく、信じ込んで前のめりになっています。これをチェックできないのでは素人と評するしかありません。


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