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インテルのPCプロセッサ支配に黄昏が訪れた

 永遠に続くかに思われたインテルのコンピュータ・プロセッサ業界支配に、ようやく黄昏の時が来ました。《プロセッサの売れ行きの主流がARM系SoCになりIntelは売上予測を下方修正》(jp.techcrunch.com)が第3四半期の売上高は「売上の当初予想142億ドルに対して、今回の修正予想は138億ドルだ。それはAMDとの競合によるものではなく、AMDも同じ問題に直面している」と伝えました。インテルのマイクロプロセッサはウィンドウズPCやマックPCに使われている頭脳部分で、AMDと覇を競ってきました。

 台頭した競争相手は携帯電話に使われてきたARM系SoCで「SoC:Systems on a Chip」が示すようにワンチップに機能を統合しながら低消費電力であり、かつ高い演算能力を持ちます。パソコンの潜在的な対抗馬スマートフォンからパソコンと直接競合し始めたタブレット、さらに小型のパソコンにまで搭載されています。開発元のARM社(英国)は技術をライセンスするだけで自社生産はしておらず、プロセッサ生産は世界で数十社が手掛けています。

 もちろんパソコンの市場が消えることはありませんが、売り上げは落ちていてヒューレットパッカード社は第3四半期に89億ドルの赤字を見込んだそうです。インテルの主力商品の市場は斜陽化していく一方です。実は何年も前からインテルのPCプロセッサはオーバースペックではないかと思われ始めていました。そんなに高速で演算する用途は個人ユーザーには存在しないと言われつつも、2年ごとに約2倍、トランジスタの集積度が上がるという「ムーアの法則」の看板は掲げたままで高集積高速化は高発熱を生みました。夏場にエアコンが使えない我が家では冷却ファンでは足りず、水冷式のプロセッサ・クーラーを付けないと不安定でたまらない状況です。「どこでもコンピュータ」の時代にインテルは合っていません。

 「あいふぉんす。」の「iPad以前とiPad以後」が2011年のタブレットとパソコンの相克についてまとめています。「さらに興味深いことは、pad(=tablet)の出荷台数である。2011年Q4のDesktopPCの出荷台数は2千9百万台。一方tabletの出荷台数は、2千6百万台を越えた。2011年を通すと、まだDesktopPCの出荷台数はtabletの出荷台数を上回っているが、tabletがDesktopPCの出荷台数を追い抜くのは時間の問題であろう」

 「今なぜtabletが爆発的に普及し始めたのだろうか」。もともとタブレットは特定用途向けにあちこちで使われていたが「iPadはこの壁を打ち壊したのである。iPadは、この壁を打ち壊し、特定用途ではなく、どの様な用途にも変化を遂げるデバイスとしてtabletを蘇らせたのだ」「ただそれを実現する為には、いくつかの技術的な要素が揃わないければならない。思うに、その技術的要素とは、次の3つであろう。まずは、マルチタッチというUI技術。次は、低消費電力を常に目指してきたARMのCPU性能の向上。3点目は、無線通信インフラの整備を基盤としたインターネットの普及」

 ARM社の日本法人は横浜市にあって、そのホームページで技術情報を提供しています。「モバイル コンピューティング ― ネットブック、スマートブック、タブレット、およびeリーダー」には桁違いの低い電力消費で済む優位ぶりが書かれています。「ローカルおよびWebベース アプリケーション向けの超低消費電力プロセッサ・コア」の性能は「最大電力消費200mW(今日のPCの10W台に対して)」「アイドル時の電力消費約10mW(今日のPCの数W台に対して)」

 ARM社の創業は1990年で、アップルなど3社のジョイントベンチャーです。それから20年余り、インテル全盛の時代を日陰で生き抜いてきて、ついに表舞台に登場してきました。

 【参照】インターネットで読み解く!「パソコン」関連エントリー


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