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政府こそ原子力ムラ:規制委人事、ゼロに難題

 政府は新たに発足する原子力規制委の委員人事について、与党内にも大異論があるのに国会の同意を得ることなく、首相の権限で任命します。原発ゼロをめぐる経済産業省の難題山積み文書といい、脱「原子力ムラ」の政策が模索されるどころか、政府こそが原子力ムラ本体であると判明しつつあります。国会は7日まで審議はでき、同意人事の採決は可能でした。福島原発事故を受けて民主党は脱原発なのですが、間もなく政権を去ることが確実な情勢では官僚を動かすことが出来ず、官僚に振り回されています。

 原子力規制委員会の人事については、8月の「原子力規制委員長にはレフェリー役の中立派を」で紹介しているように原子力の専門家や体制派ばかりの顔ぶれに与野党から疑問が噴出しました。それにもかかわらず、規制委人事差し替えが検討された形跡すらありません。その上での国会無視、強行突破です。

 東京新聞の《原発監視はや「骨抜き」 事後同意も不要論 規制委人事 国会素通り》は「国会同意人事に関し、今国会では採決せず、野田佳彦首相の権限で任命する方針を固めた。次の国会での事後同意を求めないことも検討している。規制委は政府からの独立性が高いにもかかわらず、国会のチェックを受けようとしない姿勢は政権として無責任と言われても仕方ない」と主張します。

 経済産業省が出した「エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項について」は原発をゼロにすれば大変なことになるとのトーンで貫かれています。電力料金の大幅値上げや原子力安全を支える技術と人材の喪失、外交・安全保障への影響、地球温暖化対策への支障など、マイナス要素のオンパレードです。

 脱原発を実現するために知恵を絞ればこのようなシナリオがあるとの文書が存在した上でなら理解できますが、これでは「無理だからお止めなさい」と言っているも同然です。50兆円、100兆円の巨額費用が掛かると脅されて、注釈無しで伝えるマスメディアも同罪と言えるでしょう。前提の置き方でどうにでも変わる数字を確定的に扱うマスコミがどうかしています。

 原発維持と核開発の潜在能力が関係しているかの議論について、河野太郎議員が「原発と抑止力」で鋭い指摘をしています。「もしプルトニウム爆弾を作って核実験をやれば、NPT違反になるのだから、外国からの原発のウラン燃料の供給は止まる。だから、もし万が一、日本が核開発をやろうというならば、原子力への依存度をあらかじめ下げておく必要がある」

 地球温暖化についても墨守する前提が間違っていることは、昨年末の「京都議定書延長で良い子ぶる余裕は存在しない」で「東日本大震災と福島原発事故の収拾・復興へ膨大なエネルギーを投じるよう迫られている現在、冷ややかに一歩引いて対処するべきです」と述べた通りです。ニューヨークタイムズがウェブに掲示している「各国別の温暖化ガス排出量グラフ」で日本のボリュームがいかに小さいかを見てください。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


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