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全町避難だから異議が言える異常な線量基準

 福島原発事故で全町避難している双葉町が、国が設けた避難区域の線量基準に異議を唱え、町民の帰還に向けた区域再編協議を拒んでいます。年間線量が5ミリシーベルトを超えていても20ミリシーベルトまでは住民を帰す国方針では安全が確保できないと考えているからです。5ミリシーベルトはチェルノブイリ事故での移住基準であり、放射線障害防止法で定める放射線管理区域の設定基準にも相当し、健康に問題があると考えて当然です。ところが、福島市や郡山市など広い範囲が現在も5ミリシーベルト以上なのです。福島県内の自治体が住民を繋ぎ止めるためにしない異議申し立てが、全町避難の双葉町だから出来る構図になっています。今なお国に依存しているマスメディアには不思議に思う気配すらありません。

 福島民報の《国の線量基準に不満 双葉町が再編協議拒否の理由示す》はこう伝えています。《チェルノブイリ原発事故で立ち入り禁止とされた区域の放射線量と国の「居住制限区域」の線量を比較し、日本側が4倍も高いと指摘。国の基準で区域を再編した場合、町民の安全は守れないなどとしている》《国は50ミリシーベルト超を「帰還困難区域」とする一方、20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下は住民の帰宅や通過交通を認める「居住制限区域」、20ミリシーベルト以下は除染やインフラの整備を進め住民の早期帰還を目指す「避難指示解除準備区域」に再編する方針。町内については、この線量基準などに基づき3区域に再編する案を示しているが、町側は住民の安全確保などの観点から町内全てを帰還困難区域にするよう求めている》


 上に掲げたのは4月の「20mSvで居住可の無茶を何年も続けて良いのか」で取り上げた5年後の空間線量予測地図です。帰還困難が年間20mSv以上と限れば原発がある双葉町でも赤色とオレンジ色、黄色の部分は半分以下です。しかし、放射線管理区域の基準で見れば町全体が該当します。そこで放射線管理区域では禁じられている飲食はもちろん、寝泊まりして生活することになったらたまらない――とても正常な判断だと考えます。住民の離散を防ごうと、こんなに高い線量なのに事故直後から避難を妨げている実態がアブノーマルです。「ふくしま集団疎開裁判」の《判決前夜アクション:矢ヶ崎克馬氏の警鐘「いま、申立人の子どもたちは全員、チェルノブイリ避難基準の移住義務地域で教育を受けている」》が指摘する「年間1mSv以上で移住権利、5mSv以上が強制移住」が奇異に受け取られている福島の現状がおかしいのです。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー


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