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インド国勢調査と経済大国予測のギャップ

 BRICS首脳会議に合わせた「2050年にはインドが世界一の経済大国」(CNN)の予測を見て、2011インド国勢調査の速報値を知ったばかりだったので、世帯の半分以上にトイレが無い現実とのギャップの大きさに戸惑ってしまいました。中国共産党のような開発独裁のリーダーシップが存在せず、非効率的な官僚組織が幅を利かせているインドにそのような大変貌が可能なのか――成長率の数字だけいじっている近未来予測には疑問符です。

 英ナイトフランクと米シティプライベートバンクがまとめた「世界の富の配分に関する報告書」はこうです。「中国は2020年に米国を抜いて世界最大の経済大国となる見通し。しかしインドの国内総生産(GDP)は購買力平価(PPP)ベースで2050年までに85.97兆ドルに達して中国の80.02兆ドルを上回ると予想。米国は30.07兆ドルで3位に後退するとした」「ブラジルとロシアが上位10カ国にとどまり、インドネシア、ナイジェリア、メキシコ、エジプトも上位10カ国入りを果たすと予想。日本は6.48兆ドルで9位に後退している」

 GDPが米国30兆ドルで日本6兆ドルの時に、80兆ドル台のインドと中国が存在しているとの予測なのです。宮本憲一さんの『環境経済学新版』(岩波書店)にインド独立の父、ガンジーが「インドが英国と同じことをすれば、地球がいくつあっても足りない」と主張したとの記述があります。地球規模の資源限界を超えかねない、まさにその事態でしょう。

 南インドに日本から嫁いでいる女性のブログ「2011国勢調査結果からインドの現状を知る」(マドゥライから)が統計値が見やすく興味深いと思いました。人口12億人の国の世帯別で、「住居1部屋のみ」37%、「上水道あり」32%、「電気あり」67%、「トイレあり」46%、「テレビ所有」47%、「電話(固定または携帯)」63%、「自転車」44%などなど並んだ数字を眺めると、生活インフラ整備が途轍もなく遅れていると分かります。大人口国ですから改善に要する資金とエネルギーの大きさはちょっと想像できません。


 トイレについては「東南アジアにおける衛生設備の不備がもたらす経済損失」に比較データがありました。インドの都市部81%、地方30%の家庭トイレ普及率をグラフにならべてみると、だいたいインドネシア並みです。特に地方は東南アジア2004年の平均水準の半分と遅れてます。つまり野外で用を足している訳でトイレットペーパーはほとんど使われず、自然にあるもので代替しているはず(紙資源消費参照)。

 「月収が約3万円を超えているのは人口の2.5%のみ」「月収1万円以下が、国民全体の77%」という所得水準のグラフが上記ブログに掲げられています。月収4981〜6640円と3321〜4980円の世帯が最も多く、それぞれ4000万戸を超えています。貧困からの脱出は簡単ではありません。「今の平均月収が3万円だとして、毎年10%ずつ経済成長して、月収も10%ずつ増えても、10年後にも約8万円にしかなりません。インドが順調に経済成長し続けても、彼らが、海外旅行へ行くことは、10年後でも容易では無いのです」

 英エコノミスト誌は最近、「インド経済:魔力を失いつつある国」をリリースしています。「インド経済が拡大を続けることを疑う人はいない。だが、インド経済の軌道の角度は急降下してしまった。前四半期には6.1%まで成長が減速した。政府が期待しているように成長が回復するとしても、多くの人は、トレンド成長率が7%を大きく超える可能性は低いと心配している」と、古めかしい絶望的な官僚主義が蝕んでいる現状を指摘します。

 思い出せば1年前にもジョセフ・S・ナイ・ハーバード大学教授が「インドは中国と並ぶ大国になれるのか?」(東洋経済オンライン)を書いていました。《中国国民の91%は識字能力があり、43%が都市に住んでいる。だが、インドの識字率は61%で、都市居住者は29%にすぎない。毎年インドでは、エンジニアリングやコンピュータを専攻する大学卒業生が米国の2倍生まれる。しかし、英『エコノミスト』誌によると、「ソフトウエア会社で働く能力を持つ卒業生は4・2%にすぎず、6カ月の訓練を施した後でも、17・8%しかITサービス会社で働ける水準に達しない」。これはインドの大学のレベルが低いためである》。インドのソフトウエア産業は強いと思いこみがちですが、大量養成して一部の技術者が使い物になる実態のようです。

 また、長く続いた低成長に慣れたお役所の仕事ぶりは、高度成長の歪みをフォローするどころではないようです。「インドの大気汚染は中国以上で世界最悪の報道」も最近ありました。上記ブログの女性宅には電気は来ていますが、1日に何度も何時間も停電するのが常態化しています。外国資本の導入、工場進出で停電はますます酷くなっているそうです。

 【参照】インターネットで読み解く!「インド」関連エントリー


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