メディアの対策論調は火力発電であり、電力会社間の融通ですが、設備投資が半年後に間に合うはずがありません。しかし、個人住宅や企業のビル・工場の屋上に太陽光発電システムを設置することは容易です。国内では電力業界が再生可能エネルギー装置の送電網への接続を嫌って、過小評価する傾向が続いていますが、実は違うのです。1997年に書いた第22回「太陽を友に暮らそう」で、電力中央研究所の報告を紹介しています。「ピーク電力需要が特に大きい日には、蓄電池を併置しなくとも太陽光発電システムの総合設備容量の50%程度まではピーク電力需要を削減できる」と。設置件数さえ増やせば大きな力になります。同様な新しいデータもあります。
猛暑をもたらす日差しと太陽光発電効率の向上は完全にシンクロしているから可能なのです。もちろん蓄電池を設けたきちんとしたシステムである方がベターですが、簡易なシステムを大量生産することで深刻なピーク電力を抑えられます。また、本来は原発の存在を前提にしている揚水発電所も、夜間に火力発電で水を蓄えて昼間のピーク時に発電する運用を積極的に進めなければなりません。
ドイツは福島原発事故で脱原発を決め、原発の半分8基を停止しました。しかし、毎日新聞の「ドイツ:脱原発でも電力輸出超過 再生エネルギー増加で」が伝える通り、電力不足の原発大国フランスに電力輸出するほどになっています。「昨年秋に入ってから好天が続き、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電に有利な条件が整った。また、ドイツ政府が住宅の断熱化などエネルギー効率化を推進したのに加え、原油価格の高騰も手伝って、エネルギー消費量が前年比約5%減になった。このため昨年10〜12月の電力収支は輸出超過を回復。11年の通年で約4200ギガワット時の輸出超過になった」
昨年夏のように東電や関電などに任せきりで乗り切れるはずがありません。火力発電燃料費増加による電気料金値上げも発生します。国家規模での取り組みと、国民の納得と協力をスムースに得られるよう、政府が司令塔を早急に立ち上げるべきです。原発再稼働にこだわって時機を失してはなりません。民主党政権が政治主導で官僚をドライブしていくと言うのなら、今がその時です。
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