枝野幸男経済産業相は債務超過の対策になる1兆円の公的資金注入の前提として「国が経営権を取得する」考えを示しています。これに対して「東電には国による経営関与拡大への警戒感がある。資金注入は受け入れても議決権のない種類株を中心とし、民間企業として経営権を維持したい考えだ」。財務省も「賠償や廃炉などの責任が全て国に回ってきかねない」と異論を唱えています。
大事故を起こした経営の責任を取ろうとしない態度、遅れに遅れている被災者への賠償といい、「電気料金値上げは権利」と開き直る点も世間一般の常識にないものです。事故から10カ月が経過しているのに改まらない東電の姿勢に国民はうんざりしています。まず国有化して、筋道はきちんと通さねばなりません。また、現行法による賠償の枠組みから東電に責任を負わせていますが、原発の安全審査でオーケーを出した政府の責任が消え去っている訳ではありません。政府は「東電が、東電が」と逃げてきた経緯を反省して迅速に行動すべきです。
「電気料金値上げ、関電の否定で東電の根拠崩壊」で指摘したように、電力業界のナンバー2である関西電力が「値上げは考えていない」状況では、拙速な値上げの根拠は無くなったと評すべきです。過去に本来認められている費用以外の多くの経費を電気料金に盛り込んで、不正に溜め込んできた資金の清算が済んでいません。値上げ前にするべき資産売却も聞こえてきません。企業向けばかりでなく家庭向けの値上げも前提にし、しかも値上げの根拠を明確に示さない非常識も経営権を握ってやり直させない限り改まりません。
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