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再発必至、中国高速鉄道事故の無意味な政府調査結果

 年の瀬になってもう出ないかと思っていた中国高速鉄道事故の中国政府による調査結果が公表されましたが、これほど役に立たない事故調査報告も珍しいと思います。毎日新聞の「中国:前鉄道相ら54人処分…高速鉄道事故」は「列車制御システムの設計上の重大な欠陥と応急措置の不備など人為ミスによる事故だった」と伝えています。額面通りに受け取れば中国高速鉄道網は即刻、運行を停止して列車制御システムを一新しなければなりません。関係者の処分など二の次のはずです。

 「制御システムは鉄道省と関係が深い国有企業が請け負ったが、設計段階から開発管理が混乱し、システムに重大な設計上の欠陥と安全上のリスクが生じた。だが、鉄道省の入札審査や技術審査が甘く、欠陥が修正されないまま導入された」「落雷で欠陥のあるシステムに障害が起き、誤って後続列車に進行を許す青信号が発信されたことが主因と断定。運行を管理する上海鉄路局作業員の安全意識も低く、障害への対応の不備で事故を防ぐことができなかった」

 列車追突により死者40人の事故を起こしたのですから、再発を防ぐことが第一義であり、責任追及はその次です。ところが、事故前に汚職疑惑で解任されていた前鉄道相に罪をかぶせることが前面に出てしまっています。高速鉄道では高速すぎて人間の注意力では安全を保証できないから、通常の信号だけでなく列車同士の接近を許さない高度な列車運行制御システムも備えている意味を本当に理解しているのか疑わしくなります。

 「核心は信号の青・赤ではない:中国高速鉄道事故」で時事通信報道を引用して「CTCSと名付けられている列車運行制御システムには、中心的技術として日本の川崎重工業のものが導入されているほか、仏独など欧州各国の技術も使われている。しかし『中核のプログラムは解析すらできていない』と関係者が認めるように、つぎはぎ状態で、業界内では以前から信頼性を疑問視する声があった」と指摘しています。中核プログラムがブラックボックスでも想定問答の範囲内では入力内容と出力内容が相応しいているから使えているだけで、恐ろしいことに想定外の入力があったときにシステムがどう返答するのか、「それは運任せだ」と言っているのと同じなのです。

 制御システムがこのような悲惨な状況にあるのに、導入責任者の罪を問うたとて始まりません。急ぐべきは工学的常識の範囲に収まる検証済みのシステムを構築することです。それでなければ大量公共輸送機関とは言えません。このまま運行を続ければ必ず悲惨な事故が再発します。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国高速鉄道」関連エントリー


コメント
「CTCSと名付けられている列車運行制御システムには、中心的技術として日本の川崎重工業のものが導入されているほか、仏独など欧州各国の技術も使われている。」

二度も同じ間違い記事を引用されてますが、川崎重工は車両屋さんであり、信号システムは作っていませんよ。
システムは欧州の技術ベースで、日本側は車上で受ける側。元記事もそうですが、どこからそんな話が沸いて出たのでしょう?(日立が車上設備に絡んでいる程度です)。
  • げーも
  • 2012/01/16 5:48 PM
  •  
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