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恐ろしいほどのプロ精神欠如:福島原発事故調報告

 福島第一原発事故について政府の事故調査・検証委が26日、中間報告書を公表しました。夕方、伝えられている情報を見る限りで一言にまとめれば「恐ろしいほどのプロ精神欠如」です。事故前の想定の甘さ、事故対応・作業の不手際を取り上げればきりがないほどであり、そこに一貫して見えるのは取り返しが付かない重大事故を起こし得る原発に対する謙虚さの欠如です。私の原発取材は関西電力がメインでしたが、伝えられる東京電力の仕事ぶりに比べればずっと真摯だった記憶があります。

 500ページを超す報告書。今のところオリジナルデータが豊富なのは中日新聞で《福島第1原発 政府事故調の中間報告(上)》《福島第1原発 政府事故調の中間報告(下)》で、ほぼ全体像がつかめます。

 最初に爆発した1号機で電源喪失後に残る最後の安全装置「非常用復水器(IC)」について「1号機の全運転員はIC作動の経験がなかった」との報告にはまさかと思い、目が点になりました。発電所幹部はICが順調に作動していると思いこんで「1号機の海水注入が遅れた一因はICの作動状態の誤認識にある。1号機のベント(蒸気を放出して圧力を下げる措置)に時間がかかったのは、ICの作動状態の誤認に起因すると考えられる」としています。しかし、最後の頼みの綱である安全装置起動が運転訓練に組み込まれていない東電の運転員養成態勢は異常すぎます。3号機で安全装置を運転員が勝手な判断で停止した件と合わせて、人災による事故拡大が確定しました。

 政府側のお粗末さも深刻です。「経済産業省の緊急時対応センター(ERC)に原災本部事務局が置かれたが、原子力安全・保安院は助言が遅れ、決定に影響を与えることはほとんどなかった。官邸地下の危機管理センターに関係省庁の局長級の緊急参集チームがいたが、菅直人首相や閣僚らが集まった官邸5階の決定を十分把握できなかった」のですから、あの危機時に専門家チームの助言無しにアマチュアが手探りで決断していたことになります。注水の応援派遣で消防庁より先に警視庁を呼ぶなど、おかしなことだらけでした。保安検査官が原発の事故現場を放棄して退避した点も問われています。

 津波の想定について保安院の対応は叱責されています。「保安院は09年8月、東電に津波評価の現状説明を求め、翌9月、東電が貞観津波の試算を説明した。保安院の審査官は対策工事の要求はせず、上司の森山善範審議官(当時、原子力安全基盤担当)らに報告もしなかった」「津波対策基準の提示は保安院の役割だが、その努力がなされた形跡はなかった」となっています。やはりプロ精神を欠く人災と結論づけられる要因でしょう。

 【参照】「東電技術力は2級品:NHKスペシャルで確認」
 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー

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コメント
 事故調査・検証委員会の中間報告書は      http://icanps.go.jp/
に出ています。概要もあります。
 新聞の記事は新聞社により異なるので、私はこれを読んでいます。
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