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2、3号機救えた:福島原発事故の米報告解読

 米国の原子力専門家組織が、福島原発事故について初めて時間を追って現場の措置・経過を詳細に記した98ページ報告書を公表しました。事故後8カ月も経過しながら国内に同種の報告が存在せず、どうして原子炉が3つまでも炉心溶融を起こしてしまったのか、統一した理解が出来ませんでした。報告を解読して浮かび上がるのは、どの炉でも炉心を冷やす注水の判断遅れが根底にある点です。津波襲来で全電源を失った今回事故でも自動的に冷却を続けてくれる最後の持ち時間はあり、その間に早く廃炉の覚悟をし海水注入に踏み切れば2号機、3号機は炉心溶融から救えたと読めます。東電の愚図愚図ぶりに苛立ちを覚えます。これだけの大事故の収拾にはナショナルチームであたるべきなのに、一企業の欲得がらみの対処に任せた政府の責任は大きいと考えます。

 報告は東京電力の操作員や幹部からの聞き取りと東電データ閲覧で出来ています。「Special Report on the Nuclear Accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station」で、日本国内では「事故対応に追われているから」と本格的な事故経過取材に応じていない東電のダブルスタンダードに、マスメディアは怒らないのでしょうか。

 【1号機】住民避難完了を待ちベント?

 最後の持ち時間は各原子炉に備えられた緊急時対応装置によって決まります。一番短いのが旧式の1号機で非常用復水器は最大8時間しか動きません。3月11日午後4時前には津波による全電源喪失ですから、11日中に代替えの冷却を始めなければ核燃料が溶け始めると覚悟しなければなりません。夕方には消防車による炉心注水を決めますが、消防車は道路が地震で破壊されて到着が遅れ、淡水注入を始めたのは翌12日午前6時前です。午前2時45分には原子炉圧力容器に穴が開いて格納容器と同じ圧力に下がったと観測されていますから、この時点で炉心溶融は起きてしまっていたとみるべきでしょう。既に勝負は着いていました。非常用復水器はなぜか途中で運転が停止され、冷却機能は3分の1しか使われなかったと判明しています。

 1号機では格納容器の高圧破壊を防ぐための大気放出「ベント」が遅れ、被害を大きくしたとの批判があります。当時の菅首相が12日早朝に現地入りした関係で遅れたとの見方がありましたが、この報告は注目すべき東電側釈明を入れています。「6時50分、経済産業省は1号機のベントを命令」「7時11分、首相到着、討議の後、東電は住民の避難が完了したら午前9時にベントすると約束した」。この報告を紹介しているニューヨークタイムズの「Report Gives New Details of Chaos at Stricken Plant」は「この報告が示唆するところ、当初のベント遅れは原発幹部が周辺住民の避難を待つよう求めたからだ」としています。

 しかし、9時すぎ実際にベント操作を始めてみると電源があるとの前提で書かれた手順書と違って、容易に進みません。遠隔操作できないので現場に行ってバルブを操作しようとしても、放射線量が高すぎて帰ってくる作業チームも出ます。電池を持ち込んだり、空気圧縮器を導入したりして午後2時半にようやくベントが成功しました。この直後に防火用水からの淡水源が尽きてしまい、所長から海水注入に切り替える指示が出され、作業員は海辺からの中継ホースの設置に追われました。

 格納容器から外部へ放出があったのですから、穴で繋がった圧力容器から、ジルコニウム水蒸気反応で作られた水素が格納容器に流れ込みました。設計圧力の2倍もの高圧に長く晒された格納容器に隙間が出来ていた恐れは強く、原子炉建屋にも漏れだしたと見られます。正確なガス流出経路は不明ですが、午後3時36分に水素爆発が起きてしまいました。早々に炉心溶融した状態で長時間、ベントを遅らせたのが不利な条件を生んだ点は否定できないでしょう。海水注入は爆発の後で始まりました。

 【3号機】海水注入に切り替えで失敗

 2番目に爆発した3号機の緊急時対応は原子炉隔離時冷却系で20時間後の12日正午過ぎに停止し、代わって高圧注水系が自動的に起動してくれました。しかし、高圧注水系も13日午前2時過ぎには電池切れで停止しました。消火用ディーゼルポンプで注水を始めますが、圧力容器が1号機と違って高圧すぎて水が入りません。逃がし安全弁を開いて圧力を下げるべきなのですが、これも電源無しでは動きません。格納容器のベントは午前8時半ごろに成功、間もなく集めてきた電池で逃がし安全弁も開くことができ、淡水注水が始まりましたが、正午過ぎには淡水源が尽きてしまいました。

 海水注入に切り替えるべく急ぎましたが、余震発生による避難などでもたつき、炉心の水位は大きく下がってしまいました。午後1時の測定では核燃料の上端から2メートルも露出していると判明しました。海水注入が始まっても核燃料の露出はずっと収まりません。原子炉の水位や圧力は一度、変動してしまうと簡単には元に戻せません。最初から海水注入を続けていれば善かったケースでしょう。結局、丸1日、核燃料の冷却は足りず、炉心溶融から水素ガス発生に至ります。消防車の追加や自衛隊給水車の派遣を要請しても遅く、14日午前11時過ぎに原子炉建屋で水素爆発が起きました。爆風は周辺に配置されていた発電機や消防車、給水ホースなどに大きな被害を与えました。

 【2号機】60時間もの余裕を生かせず

 1号機と3号機の爆発で割を食ったのが2号機です。2号機は12日午後3時半には応援に駆けつけた電源車との接続が出来て機能回復に向かっていたのに、わずか6分後に隣の1号機が爆発し、電源車も接続ケーブルも直撃されて回復不能に陥りました。14日の3号機爆発では圧力抑制室のバルブが閉じられなくなり、海水注水用に展開した消防車や中継ホースが痛めつけられ、準備作業に支障を来しました。

 悪いことに爆発から間もない14日午後1時過ぎ、緊急時対応の原子炉隔離時冷却系が止まったと判断され、この時、原子炉水位は核燃料の上端から2.4メートルも上でした。しかし、午後4時半には核燃料の露出が始まりました。海水注入には圧力容器が高圧すぎるので逃がし安全弁を開く準備に掛かりますが、集めた電池のパワー不足で開きません。注水無しで水位は下がり続け、ジルコニウム水蒸気反応で水素ガスが発生していきました。

 午後6時には逃がし安全弁の開放に成功しましたが、圧力はなかなか下がらず、水位はどんどん下がる副作用を生んで核燃料の全面露出にまで至ります。逃がし安全弁開放で水素ガスと放射性希ガスは格納容器に流れ出しました。海水注入が可能になったのは午後7時20分でした。その後も炉心の水位回復は進まず、翌15日午前6時頃、圧力抑制室付近での小爆発による損傷で大量の放射性希ガス外部流出に至ったと考えられます。3つの原子炉で最も長い60時間以上も時間的な余裕があったのですから、原子炉隔離時冷却系が止まる前に海水注入の条件整備をしておけばと悔やまれます。

   ◇◆◇

 民間レベルで福島事故の調査活動をしている「FUKUSHIMAプロジェクト 」の委員長、山口栄一同志社大教授は「FUKUSHIMAの本質を問う【1】原発事故はなぜ起きた?」で「1号機の場合は毎時25トンの水を入れ続ければ熱暴走を防げますが、貯水タンク内の淡水では到底足りません。豊富にあるのは海水だけ。もはや、海水注入以外の選択肢はなかったのです」と指摘しています。淡水が尽きたら海水に切り替えるのは素人目には当たり前でも、今回の報告にある原子炉の思うようにならない特性を考えると、3号機のように海水注入で将来は廃炉やむなしの判断を先送りして、まず淡水を使ってみる戦術は自殺行為と評すしかありません。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー

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コメント
自分も人災だと思っています。
 1号機のベント遅れは政府が止めていたからです。
政府の非公式打診と正式な命令が有り、非公式に1,2号機のベント禁止命令(枝野官房長官としての発表の動画に残っている)を7時前の保安院の圧力抑制命令は圧力が低い2号機も同時に出されていることより、ベント禁止指示の解除です。(その後のベント遅れについては設計ミスの可能性が高い)
 本題に入ります。 http://p.tl/n_bk 政府の動きを纏めてあります。
 福島第2には自衛隊が協力して冷温停止していますが、第1にはヘリからの散水が終了するまで政府は何もしていません。
 http://p.tl/PtT1 p8には東電にに対して大臣からヘリの放水を最優先するように指示がありますが、政府は何も公表していません。理由は管内閣は下記のように収束よりパフォーマンスを最優先したからだと思ういます。
 NEWSポストセブン|菅氏指示の福島原発ヘリ放水 米政府は絶望的気分味わった http://p.tl/3AtL

 ネットでの監視がついているので来月には非公開にしますが他所しければ読んで下さい。『パフォーマンス最優先で原発壊した菅内閣』元気な日本への道しるべ|tinyurl.com/3wqc47y
政府はIAEAに詳しいデータを付けて報告しており、それを読めばある程度分かりました。1号機は数時間でメルトダウンが始まったようですので、(事前に用意していない)機器も専門家も外から届ける余地が無かったと思います。しかし、2号機と3号機はある程度の時間がありました。放射性物質が何時出たかのデータも上記報告書に書いてありますが、1号機の水素爆発辺ではあまり放射性物質は出ず、2,3号機が問題を起こした3月15日頃に沢山出た様です。
本質的な問題として、原子炉事故への対応が電力会社に任されていて、政府が手を出す余地が少なかったことがあります。さらに東電内では福島第一原発所長をサポートする体制が十分に出来ていなかったと思います。柏崎原発でも少し前に問題を起こしていましたから、この様な点は修正しておくべきだったと思いますし、今後のことを考えると、至急手を打つべきです。電力会社と政府の危機対応体制が問題です。
1号機では、
空気圧縮機が届くまで(丁度、水素ガス爆発が起こる直前の頃まで)、
ベントすることは技術的に不可能だったのですから
(ベントのハンドルを回すにも、放射線が強く短時間ずつしか回せなかったが、
... ハンドルの負荷が高くて、ほとんど回らなかった)、
空気圧縮機の無かった、ベントの不可能だった間は、
たとえ海水であっても注入することは不可能だったのです
(格納容器内の圧力が高過ぎたから)。
そもそもあの時点では目の前に真水があったのですから、
あの時点の話として、真水か海水かを問題にすること自体、おかしい。

国会で真水か海水かが問題にされたのも、
ベントできて水が入るようになってから後の対処について、
しかも真水が枯渇してから後の対処について、ですよね。

空気圧縮機が届くまで、お手上げだったのです。

官邸が海水注入を許可していたら空気圧縮機が早く届いていた筈だ
とでも言うのでしょうか?

官邸がベントの中止命令を出していなければ
(本当に中止命令を出していたのかも疑問ですが)
空気圧縮機が早く届いていた筈だ、
とでも言うのでしょうか?

事故後の官邸の対応は適切でなかったかもしれませんが、
「事故後の官邸の対応が適切なら原発に危険性は無い」
と日本の国民1億人に思い込ませるよう印象操作するのは、どうも...

そんなことより、
空気圧縮機の用意に時間がかかったのはなぜか?
そもそも空気圧縮機が必要な事態にまで進展してしまったのはなぜか?
の検証の方が重要です。原発再稼動の是非を考える上では...

ベントのハンドルの負荷が高くてほとんど回らなかった理由は、
格納容器内が8気圧になってしまったからですが、
格納容器内が8気圧になってしまった理由の方の話になると、
その、米国の原子力専門家組織は、なぜか故意に避けています。

それ以上におかしな話は、
地震当日の夕方の時点で、すでに、
「放射線が強く短時間ずつしか回せない」状態になってしまうほど、
建屋内が大量の放射能で充満していたことには、
その、米国の原子力専門家組織は、全く触れていません。

その放射能がなければ、
ベントのハンドルを長時間に渡って回し続けることができたので、
官邸がベントの中止命令を出していたことが原因とするのもあり
かもしれませんが、
この放射能の話に触れずに
「事故後の官邸の対応が適切なら回避できた」
という結論に誘導するのは、どうも...

ただし、
ハンドルの負荷が高過ぎて全く回らなかった
という可能性があるので、
その放射能がなくて、かつ、官邸がベントを許可していた
としても、あの水素ガス爆発は避けられなかった、
という可能性はありますが...
(ハンドルを回す作業をした人の証言を、公開してほしい)。

真実を表に晒すことができれば
設備に様々な不備があったのかことが発覚して来るとは思いますが、
それらの不備を解決すれば済むのか、
というと、そうではない。

もっと大きな視点で見ると、
次の事故では、今回とは違った経緯で進行すると考えるのが自然で、
発覚した不備を解決して事故が起きる確率を減らすことはできても、
無視できる程、小さくすることはできない、
いつかは必ず事故は起きるものだ、
という前提で、
そのときの被害の大きさは容認できる大きさか?
を考えないといけないと思います。

滅多に起きない事故であっても、
事故の程度によっては地球全体が滅亡する(人類滅亡)のなら、
とても、容認できるものではないと思います。
http://youtu.be/abVflo2p0Oc 1号機は手動で止めている。

http://ustre.am/_132X3:KXN (110620共同会見IWJ)

動画55:00〜56:30の間に東電も「通常は55℃/h以下になるように定められているが大きな事故の場合は守らなくてもよい。

http://p.tl/62c9 2号機3号機は55℃/H以上で冷却している。 ( http://p.tl/6ByQ 出来るだけ早く冷却するのが正しいと思う)

http://p.tl/ZL4N 一号機のベント実施圧力は設計圧力の倍となっているのもミス。パッキン類が破損して漏れて現場作業が出来なかった。

原子炉格納容器耐圧漏えい試験と漏えい率試験 http://p.tl/2VcY 一度も2倍の漏れテストしてない。

原子炉格納容器漏えい率検査 http://p.tl/H794

http://p.tl/YgVU 2ページ目弁には手動のハンドルは無い。

ラプラチャディスクが設計圧の2倍で破裂するのをつけていたからダクトからベントした可能性有ると疑っている。詳しくは下記のブログに書いてありますが、これも期間限定で非公開にします。

『上杉隆氏は正しい。非常用復水器を止めたからメルトダウン!人的ミスが無ければ冷温停止していた』元気な日本への道しるべ| tinyurl.com/64vup5m

政府も東電もデタラメ事故調査委員長もグルだからこのままでは闇に葬りされれる

 
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