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30前後世代に明確な結婚回帰:国勢調査を分析

 2010年国勢調査の抽出速報が利用できるようになり、独自に考え出した手法で分析してみると、非婚化・晩婚化の傾向が言われる中で意外にも30歳前後の若い世代で結婚率が強く回復していました。生涯未婚率はなお高まる見込みではありますが、天井知らずに上がっていく恐れは薄らぎました。現在20歳前後の世代でも男性で32%、女性は23%前後で止まる見込みです。

 【注】このエントリーの計算は国勢調査速報版によるものでした。確定版はかなり数字が変わっており、《生涯未婚率は男35%、女27%にも:少子化対策無力》でやり直しているので、是非ご参照ください。

 国勢調査は5年ごとで、5歳の年齢階級別に婚姻関係の数字が出ます。5年前の調査で「40〜44歳」の世代は、今度の調査では「45〜49歳」のところに現れます。したがって過去の国勢調査結果を並べると、同一世代の行動を5年間隔でモニターできるのです。下に未婚率に焦点を当てて集計した表を掲げます。5年間で未婚率がどれくらい下がったかを計算し「脱未婚ポイント」と名付けています。一部に赤字がありマイナスを表していますが、速報が百分の1の抽出集計結果であるための誤差で、ゼロとして処理します。



 一番の注目は30〜34歳の世代が25〜29歳からの5年間に出した脱未婚ポイントです。該当する水色のセルを右下方向に見ていくと、現役世代、5歳上の世代、さらに5歳上……と過去に出来た傾向と今回の違いが読みとれます。男性では30歳をまたいだ脱未婚、すなわち結婚する率はずるずると落ち込む一方でしたが、最新5年間は24.9%でその前に比べ2.6ポイントもアップしました。女性では極めてゆっくりと増える傾向でしたが、大幅3.7ポイント増加の25.7%と、こちらも流れが変わりました。水色の一つ上のセル列は25〜29歳世代になっていて、男女とも従来傾向とは違う反転増加や下げ止まりの変化が読みとれます。

 生涯未婚率は人口学で50歳時点と定められています。今の若い世代がどうなるか、この5年間に年上世代が示した脱未婚ポイントが将来になると仮定して予測しました。右の黄色セルに一覧があり、男性32%、女性23%くらいで頭打ちになる点は、前回調査時に同じ予測をした第152回「20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ」のグラフがどこまで上がるか判らない勢いだったのと大きく異なります。

 結婚・婚姻の回復傾向を裏付ける社会調査に、国立社会保障・人口問題研究所の「第13回結婚と出産に関する全国調査・独身者調査」があります。様々な要因について調べていますが、端的な傾向を示すグラフをひとつ引用します。「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と答えた結婚意思を持つ未婚者が調査のたびに減り続けていたのに、2005年にはっきり持ち直したのです。



 婚姻件数の実際の変動はどうなっているのか、人口動態統計で2000年以降を調べました。2010年はまだ推計値です。国勢調査で見える基底部からの指向変化に比べると表面的な変動になりますが、見ておきましょう。

  2000	798,138
  2001	799,999
  2002	757,331
  2003	740,191
  2004	720,417
  2005	714,265
  2006	730,971
  2007	719,822
  2008	726,106
  2009	707,734
  2010	706,000

 2005年まで減り続けているのに、2006年と2008年には確かに回復しています。あの年に何があったか、最近の事でも忘れがちです。こういう場合は電通の「広告景気年表」が一番です。2006年は「堅調な輸出、旺盛な設備投資、底堅い個人消費を背景に景気回復基調」でしたが、2008年は「アメリカ発の金融不安による世界経済の減速を背景に景気が悪化」です。むしろテレビの高視聴率番組を挙げた方が記憶が蘇りそうです。2006年はトリノ冬季五輪、ワールド・ベースボール・クラシック、サッカーのワールドカップドイツ大会、2008年はNHK大河ドラマ「篤姫」に北京オリンピックです。


コメント
 私は、少子化が競争の緩和を通じて、学力の低下に至る過程を研究しています。経済力を含む国力の源泉は、国民の質と人口にあり、双方が低下する現状を嘆いています。
 結婚回帰は、その意味では好ましい兆候の一つですが、「親の数が少ないと、出生率が回復しても、人口は増えない」と言うことがあり、一度始まった少子化は、簡単には止められません。
「税金や労働コストが高くなるなら、国外に仕事を移す」という大企業の経営者にも、少子化が国力や人材の質を損なっている現状を、自分たちの問題として理解して欲しいと思っています。
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