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非常用復水器使わず:原発事故、人災が決定的(追補)

 福島第一原発事故は不可抗力の天災か、あるいは人災か、果てしない議論が続いてきましたが、人災説が決定的になったと思えます。本当の山場で電源を必要としない「非常用復水器」が使われなかったことが明白になりました。

 NHKニュース《1号機 地震後の状況は(5月17日 19:40更新)》が「午後3時に止まった非常用復水器は、本来、電源がなくても動きますが、再び弁が開けられたのは午後6時18分」「しかし、冷却機能の最後のとりでである非常用復水器は、その後も起動と停止を繰り返していました。再起動から僅か15分後に弁が閉じられています」と伝えました。

 メディアの報道は、津波襲来前の11日午後3時に手動で停止した事を問題視していますが、決定的だったのはむしろ6時18分の再起動と15分後の再停止です。下図に示すように、ここが事故進展にとって極めて重要なタイミングでした。



 冷却水が減り続けて核燃料の頂部まで下がったのが18時ごろ、19時半には一番下まで露出してしまいました。燃料の頭がのぞき始めた時点で非常用復水器がフル稼働していたら、1号機は救われたかも知れません。下に敦賀1号機の非常用復水器系統概要を引用します。



 異常時の説明図で余分なことが書いてありますが、原子炉圧力容器との間にある弁さえ開けば、自動的に蒸気が送り込まれて復水器で水になり、蒸気が出ていった後を補うように水が炉心に戻っていく仕組みです。一度、再起動した非常用復水器をどうして短時間で停止したのか、どのような判断ミスが運転員にあったのか、あるいは自動的に停止してしまったのか、現時点では判りません。しかし、非常用発電機を含めて全ての電源が失われている11日午後6時段階で、無電源で働く非常用冷却システムが動いたのに使わずメルトダウンに至ったことだけは、はっきりしました。3号機では13日まで、2号機では14日まで別の非常冷却系が動きました。1号機が救われていたら、対処の仕方は大きく違っていたはずです。

 ただし、データが明らかでなく不詳ですが、非常用復水器系統が地震のショックで使えないほど壊れていた可能性があります。津波襲来前の起動と停止など、何度も繰り返されているのは試し調べるためかも知れません。これまでの東電の説明では津波までは正常だった事になっていますが、既に説明の信頼性は失われつつあるので疑いたくもなります。 (4月4日保安院の報告書「2011年東北地方太平洋沖地震と原子力発電所に対する地震の被害」「3-7. 1号機における主要な事象の進展(1/4)」では高圧注入系が津波で運転不能になっても「隔離時復水器」運転可能とされる)

 【18日夕に追補】WSJ日本版の《福島第1原発、事故直後の新事実が明らかに―WSJ分析》は津波による交流電源喪失でも「本当に深刻な事態に発展するまで、電源を復旧させる時間はまだ8時間あると考えていた。原子炉の燃料棒の冷却や主計器の電源となる予備電源は8時間持つと想定されていたためだ。予備電源は、発電所の最後の頼みの綱だった」と伝えています。つまり予備バッテリーで動く高圧注入系はまだ使えると現場は考えていたかも知れません。実際は予備電源は浸水で消えました。

 また、「福島第1原発に夕暮れが近づくと、技術者たちは取り外した車のバッテリーを使って臨時装置の電力とし、原子炉の中で何が起こっているのか解明しようとした。午後9時21分には危険なサインを発見した。1号機の水位が急激に下がっており、燃料棒がいまにも露出しそうだった」というのですから、水位低下の認識はずいぶん遅かったようです。1号機水位計の不確かさは一貫しているので、この時点で燃料は露出していたと見てよいでしょう。メルトダウンが既に始まっている段階で危機認識の入り口に立ったのです。手探りしながら起きている事態を完全に見抜くことは無理ですが、津波襲来後に全く注水できない中で最悪まで考えて対処すべきであり、想像力の欠如は否定できません。


コメント
NHKニュース《1号機 地震後の状況は(5月17日 19:40更新)》を読んで、人災説が決定的になったとは思えない。
>東京電力が定めている原子炉が停止した際の運転手順では、原子炉を冷やす水の温度が1時間に55度以上下がる場合には、原子炉の損傷を防ぐため、非常用復水器を止めるとされています。
と書かれている通り、手順通りの操作であり判断ミスではないことがまず言える。

また午後3時37分のSBO以降、原子炉水位は直線的に低下しており
>燃料の頭がのぞき始めた時点で非常用復水器がフル稼働していたら、1号機は救われたかも知れません。
とは到底考えられず、これと関連させて炉心最高温度のグラフを示すことは”18時33分の弁閉塞が大問題であった”と読み手に錯誤させる見せ方であると考える。
炉心最高温度の上昇は燃料が露出したことによる温度上昇であり、問題とすべきは炉心が露出するまでの水位の変化であると考えるが、このデータの見せ方では18時33分の弁閉塞が燃料の温度を異常に上昇させたと考えてしまうだろう。
また、このように短時間で炉心が露出してしまった理由としては、復水器が使用されていなかったことが大きな原因となることは分かるが、SBO以降は温度や圧力等のデータもすべて取得できなくなっており、弁の状態を普段通りに知ることができない状況で、この弁を後から開放しなおすことができたのなら、そのどこに落ち度があるのか私は納得いかない。
そして、午後3時の作業も午後9時半の作業も記録が残されているのに、18時33分の弁閉塞については記録がないということであるので、ここから人災であるか否かを議論するのは不自然ではないだろうか。

この記事を読ませていただいた所感は以上のとおりであるが、
私は震災直後から、”インターネットで読み解く”を拝見させていただき、ここに記載されたさまざまな情報は、原子力に疎い自分が興味を持って原子力について知る上で非常に役立ったと思う。
そのためそれ以降記事が更新されるたびにチェックし読んでいたのだが、この記事については以上のように私の理解するところと異なる部分が大きかったためコメントさせていただいた。
また、重要なことではないが、福島第一1号機は原子炉の型がBWR-2で、参考資料として挙げられた敦賀1号機はBWR-3ではなかっただろうか?
参考にされた系統については違いは無いのかもしれないが、異なる型の原子炉の概要を資料として使用される際はそのように明記してもらった方が不安に思わず済むのでお願いしたい。
(震災直後のマスコミも炉型の異なる模型で説明していたようです)
  • 2011/05/18 11:51 PM
  •  
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110517/k10015934421000.html
ここで、
>午後2時52分に「非常用復水器」と呼ばれる冷却装置が起動しましたが、およそ10分後の午後3時ごろに停止
>原子炉の中の圧力が70気圧から45気圧まで急激に下がったため、運転員が原子炉の損傷を避けようとして手動で装置を停止させた可能性がある

圧力容器の蒸気を凝縮するのですのから、気圧が下がるのは分かるのですが、10分間で25気圧も急激に下がる事はあり得ることなのでしょうか?
  • 2011/05/19 12:00 AM
  •  
以下のコメントは、先人のコメント:圧力容器内の圧の変化:に関する議論とリンクしないコメントにつき、ごめんなさい。

1)非常用復水器系は「無電源で動く非常用冷却システム」とあるが、この系の配管の入口側と出口側にあるそれぞれ2個の弁の開閉は電動だから、無電源で機能するとはいえないのでは。

2)非常用復水器18:18に再起動とあるが、地震直後の手動停止15時から18:18まで約3時間もなぜ再起動しなかったか。

3)その後、15分後に停止しているが、バテリー容量低下すると弁が自動的に閉じる要因はないか。

4)淡水の注水開始が翌日12日の05:50に至ったのは、時々刻々展開する事象すべてが未経験で、AM対応の訓練が行われていなかったためか。

5)炉心が溶融する過程で、溶融体が再循環配管内に落ち込み、圧力容器バウンダリーの破壊移行は考えられないか。

6)淡水の注入停止14:50から海水の注入開始19:04までの無給水時間は、廃炉覚悟を躊躇した時間か。それとも保安院が求めるAMには、海水注入までは想定していないから、戸惑いと機材準備に要した時間か。

7)未曾有の電源喪失環境下で、かつ、同時進行する四つの炉を相手に、よくぞ此処まで持ちこたえてくれた現地の関係者に、元気を送り届けたい。
マニュアルに従って非常用復水器を止めたとあるが、温度や圧力が下がってなぜ問題なのですか?

マニュアルに問題があるか、(運転停止時用の)正しいマニュアルを使用していたのでしょうか?

素人目には、原子炉内の温度や圧力が減れば成功と見えるのですが?
  • mongaikan
  • 2011/05/28 4:16 AM
  •  
mongaikan氏

「原子炉を冷やす水の温度が1時間に55度以上下がる場合には、原子炉の損傷を防ぐため」
  • 2011/08/17 1:43 PM
  •  
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