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食の安全も特権:中国で幹部専用農場暴かれる

 原発事故に目を奪われている間に、食の安全が危機的になっている中国で特筆モノの報道があったようです。ブログ「幹部専用の食糧生産基地が存在した」(中国という隣人)によると、専用農場では「化学肥料を一切使わず、農薬の使用もかなり制限した野菜が栽培されていました。洗わずにそのまま直に食べられるレベル」といいます。「南方周末」が《「こっそり」野菜を栽培》で報じました。

 報道のきっかけは記者が北京税関専用の農場を聞き込んだ事に始まり、「各省へ提供するためだけに作られた食料基地が同じく順義区や全国各地に存在するんだとか」「野菜以外にも、豚、鶏、アヒルや魚の養殖などが行われる『基地』もあり、実際に従事しているのは周辺に住む農民。これらはすべて党機関や政府機関の食堂や、職員が自宅で使う食材用に育てられます」と広がっていて、中華人民共和国建国以来続いている幹部特権としています。

 5月はじめのニューヨーク・タイムズ報道を転載した《中国の「食の安全」事情はまだまだ厳しい》は「この数週間だけでも、違法薬物の『痩肉精(塩酸クレンブテロール)』入りのブタ肉、カドミウムに汚染されたコメ、亜ヒ酸入りの醤油、抗生物質入りのモヤシなど食の安全を脅かす事件が相次いだ。そして、それは『不可侵領域』と思われるタマゴにまで広がった。化学品やゲル、パラフィンを使い、ニセタマゴを作ったものと思われる」とまとめています。1年前には「混沌の現状と将来像を占う中国異聞3件」で下水から再生したリサイクル食用油が年間300万トンも使われている、胸が悪くなる報道を紹介しました。

 中国政府の反応が私たちには意外に見えるほど鈍い原因は、自らの食の安全が完全に保証されていたからなのですね。庶民と幹部では所得格差があるからと解釈していましたが、同じ中国に住んでいると言いつつ、実は別世界に生きていたわけです。

 「南方周末」の記事はグーグルで調べると数百のブログなどにそのままコピーされています。漢文の知識に機械翻訳の力も借りてコメント欄を見てみました。「中国産品は一流品は官僚に、二流品は輸出に回り、三流が庶民のものだ」「権力は腐敗するものだ。中国歴代王朝の衰亡期が証明している」と相当に手厳しいものがありました。ただ、ネットでも表現規制が厳しい中国ですから、本当に強烈な批判は削除済みかも知れません。


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