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反例:低線量でガン増加確認のスウェーデン

 ネット上で良心的な仕事をされてきた松永和紀さんが《超訳・放射能汚染1〜疫学が示す「年間100mSv未満は大丈夫」》を書かれているのを読んで、困った風潮と感じました。私は低線量の被ばくでも確率的な影響はあると考えており、読者の皆さん自身に判断していただくには適切な反例を挙げればよいと思いつきました。25年前のチェルノブイリ事故から流れた放射能雲で汚染されたスウェーデンで、数ミリシーベルトの線量がガン発生の増加を招いていると突き止められています。

 松永さんの論理はこうです。「『100mSv以上であれば発がんリスクがわずかに上がる』というところでは、大多数の疫学者の意見が一致している」「しかし、放射線被曝がそれよりも少なくなると、リスクの上昇を見出せなくなってしまう。これは、もうがんは起きない、つまり発がんリスクゼロを意味するのではなく、ほかのさまざまな要因や個々人の生活習慣の違いなどによるがん化の影響が大きいために、自然放射線を除く“追加”の放射線被曝の影響はもはや区別できなくなり、隠れてしまうのだ」「隠れてしまうようなリスクは、あったとしても非常に小さなものなので、現実の生活の中では無視できる」

 京大原子炉の今中哲二さんらが加わった研究チームが2007年に「チェルノブイリ原発事故の実相解明への多角的アプローチ〜20年を機会とする事故被害のまとめ〜」を出しています。そこにスウェーデンのマーチン・トンデルさんの論文「北スウェーデン地域でのガン発生率増加はチェルノブイリ事故が原因か?」が入っています。

 「住民の被曝量は、居住地域、野外活動、食習慣に依存するものの、最初の1年間で1-2mSv、最大で約4mSvと見積もられている」「年齢、性別、先行する2年間の居住地区といった情報を備えた、114万3182人の集団が得られた」「我々の解析によると、2万2409件のガンのうち、849件がチェルノブイリからの放射能汚染によるものである」「低線量被曝によるガン影響は、国際放射線防護委員会ICRPの予測に比べて早く現われ、いくらか大きめである」

 チェルノブイリ事故の影響はあったとして小さいだろうから感度が高い調査計画が立てられ、ガン発生率が大きい大都市は入っていません。さらにスウェーデンでは地域のガン登録が徹底されている点が見逃せません。事故で社会的大混乱に陥った旧ソ連と違い、住民の移動もわずかでした。疫学調査をする上で条件を整えれば、低線量被曝でも影響は見えてくるのでした。

 日経新聞朝刊の不見識な見出し「放射線の発がんリスク、100ミリシーベルトで受動喫煙並み」や、《放射能の危険性は本当? 英国で議論呼ぶ異説》の「100mSvを健康被害が発生し始める“閾値(しきい値)”と捉え、少なくとも閾値以下の低線量被曝なら、細胞の自己修復機能が働くとも主張する」など、「100ミリシーベルト伝説」はますます猛威をふるっています。

 確率的影響としての発ガンは、その集団の誰に現れるか知れません。影響は低線量域から正比例で増加すると考えるべきですが、判断は読者に委ねます。


コメント
つい先日に最新のデータが出ました。

線量限度の被ばくで発がん 国際調査で結論

 【ワシントン30日共同】放射線被ばくは低線量でも発がんリスクがあり、職業上の被ばく線量限度である
5年間で100ミリシーベルトの被ばくでも約1%の人が放射線に起因するがんになるとの報告書を、
米科学アカデミーが世界の最新データを基に30日までにまとめた。

報告書は「被ばくには、これ以下なら安全」と言える量はないと指摘。

国際がん研究機関などが日本を含む15カ国の原発作業員を対象にした調査でも、
線量限度以内の低線量被ばくで、がん死の危険が高まることが判明した。

低線量被ばくの人体への影響をめぐっては「一定量までなら害はない」との主張や
「ごく低線量の被ばくは免疫を強め、健康のためになる」との説もあった。

報告書はこれらの説を否定、低線量でも発がんリスクはあると結論づけた。

http://www.47news.jp/CN/200506/CN2005063001003768.html

細胞の自己修復機能も、医者に言わせればかなり間違って治すから完璧ではないとの事。
  • KAT
  • 2011/04/27 1:57 AM
  •  
発ガンのリスクは 当然あがると思う
ただ それが人生において
それほど大切だとは 思っていない。
危険だから 排除
リスクがあるから 排除は 受け入れられない。
危険とリスクと 正しく付き合うことが必要。
「条件を整えれば低線量放射線の影響が見出せる」=「条件の整え方によっては低線量放射線の影響は見出せない」=「通常は低線量放射線の影響よりもずっと影響の大きな複雑な条件の中で生活している」・・・ということ。

片や「高線量地域における疫学調査では何らの影響が見出せない(ラドン温泉の付近では発がん率が高いというのかい?)」・・・という事実もあり、お互いに「こっちが正しい」という証明不能の水掛け論を永遠に続けるだけのこと。

私個人としては、「条件をいじくり回して出した科学的と称する研究結果」よりも「自然に存在する事実」の方を重視しますがなぁ・・・。
  • 己にとって都合のいいものを科学と見なす
  • 2011/06/15 9:16 AM
  •  
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