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テクノクラートが支える国だったはずなのに

 旗を振る政治家がぶれたりぼけたりしても優秀なテクノクラートが支えているから大丈夫――そういう理解の国だったはずなのに無惨に信頼感が消えていった福島原発事故でした。23日にも《福島原発、当初は事故でない「レベル3」と評価 保安院》に加え《政府「東電データ未入手」 衆院経産委 吉井議員の追及に》、さらに《日弁連キレる 文科省「児童の被曝基準20mSvはぶっちゃけ適当」「え?この線量労災レベル?」》と、「ちゃぶ台返し」級の失態が表に出ました。

 「事故」ではなく「事象」に分類されるレベル3は「地震発生から約10時間後の3月12日午前0時半の段階。福島第一1〜3号機、福島第二1、2、4号機について地震と津波の影響で、外部電源も非常用電源も使えなくなっており、原子炉から熱を除く機能が失われたことから評価した」のだそうです。フルパワーだった原子炉を含む電源が非常用も含めて全て喪失した――原発について学んだ事があれば背筋が凍る状況です。経済産業省原子力安全・保安院に想像力が欠けていたのではなく、知識レベルが全く足りなかった訳です。

 見たことも聞いたこともない環境に置かれたら、どんなに優秀であっても仕事を進めるために情報を集めて状況をドライブしていくしかありません。「日本共産党の吉井英勝議員が22日の衆院経済産業委員会で、原発事故の収束をはかる上で東京電力に、放射能の放出状況などを示す基礎的データを含む全データを提出させよと迫り、政府がいまだに東電の1次データをつかんでいないことが明らかになりました」というのも酷すぎるエピソードです。政府は1カ月を過ぎた今もなお、東電が「解釈」した状況をオウムがえしに国民に伝えていただけなのです。その解釈は本当に正しいのか、一応のチェックはされていると思ってきたのに裏切られました。

 次は児童の放射線許容量を年間20ミリシーベルトとする安全基準が出された問題での交渉風景です。文部科学省と内閣府原子力安全委員会の係長クラス4人が「放射線管理区域の線量レベルが年間5ミリシーベルトであり、労働基準法上18歳以下が働いてはいけないことになっていることや、20ミリシーベルトは原発労働者が白血病になった際、労災認定されるレベルであることなどを知らなかった」ことが暴露されています。

 この問題では安全委員会が最初は10ミリシーベルトと言いだして引っ込めるなど不審な動きが見えていましたが、現在の法律で決まっている公衆の許容量1ミリシーベルトから出発しないのが間違いの始まりです。《東日本大震災:福島第1原発20キロ圏の大熊町、毎時最高124マイクロシーベルト》で住民に2時間の一時帰宅を認める根拠も公衆の許容量1ミリシーベルトに基づく計算です。放射線への感受性が高い子どもへの基準として認めがたいものです。

 20ミリシーベルト安全基準についてのマスメディアの報道は《校庭利用制限13か所…放射線量、国が安全基準》をはじめ、問題意識を全く欠いた「大本営発表」記事でした。テクノクラートと同様に、この国の既成メディアの信頼感も崩れ落ちています。

 【参照】インターネットで読み解く!「マスメディア」関連エントリー


コメント
事態は急を要します。フクシマの子供を守るために、文部科学省の暴挙をWHO又はユニセフに訴え、外圧で政策転換させるべきです。
  • スルッとKANTO
  • 2011/04/25 1:33 AM
  •  
 私は福島原発の事故については、津波から数日間、毎日の様に原発を水素爆発させたことに問題を感じています。
 私がテレビなどで知りうる限り、東電は原子炉の冷却と水素を爆発させないために十分な対策を取りませんでした。原発の事故は今回の様な深刻な問題を引き起こしますから、東京電力はすべてに優先して、電力の回復や水素濃度を上げないための対策を取る必要がありました。一番深刻な2号炉の水素爆発は15日でしたから、その様な緊急対策が間に合った可能性があったのではないかと、私は思っています。4つの原発すべてで水素爆発を許したことは、論外としか言いようがありません。
 余震で津波注意報が出たら、原発を放り出して避難することにも、あきれています。どこでどの程度の地震が生じたか数分で分かりますから、作業員が働いている10メートルの場所に津波が届くかどうかは、少し知識のある人なら直ぐ判断できるはずです。
 線量計が不足していることを知りながら他の原発から取り寄せることが遅れたり、作業員に対し十分な休息を取れる環境を与えることなど、東京電力は現状認識の甘さと、努力をする意志が不足していると思います。ちなみに、仙台市のガスを復旧させるために全国から来ていた人達は、温泉旅館などに泊まっていました。
安全委員会は、計算間違いで、放出放射線量を低く見積もっています。
 読売新聞は、4月23日21時15分の記事として、「原子力安全委員会が、これまで、4月5日の放射線の放出量は、ヨウ素131が毎時0.69テラベクレル、セシューム137は、同0.14テラベクレルなので、足し算して、1テラベクレル以下としてきたが、INESの国際的な評価基準では、(セシューム137には、40かけて足すことになっているので)6.4テラベクレルになることがわかった。これまで、低く見積もっていた」と報道しています。朝日は、このことを無視して、結果だけを報道している。あまりにも基本的なことが、出来ていません。安全委員会とは、専門家の集まりではなかったのでは?20年前から始まった「ゆとり教育」が、日本の若者の科学的思考力を低下させていることは、OECDのいろいろな調査で、明らかになっています。文科省の調査でも、若い教師が、理科教育に不安を感じていることは、示されています。専門家も劣化しているのでしょう。
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