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津波の猛威と対決を選んだ浜岡原発は大丈夫か

 中部電力浜岡原発の大津波対策「防波壁」が1.6キロに及ぶ姿を現しました。報道された写真で見える薄っぺらさが話題になっており、強度について本格的な説明が公開されていない点に問題があります。津波の猛威と対決する選択をしたのは正しかったのか、津波が来てみなければ分からないのでは困ります。昨年3月の大津波を見た国民には「壁」があるから大丈夫には見えません。それなのに海抜高さ18メートルの現状をさらに4メートル嵩上げする計画変更を加えて、1500億円も投じることになります。費用は電気料金に転嫁できる仕組みだからいくらでも使えるのでしょう。



 壁の構造は上図の通りです(「津波対策30項目実現に向けた浜岡原子力発電所の今」から)。報道写真はこちらなど。地上は厚さ2メートルながら地下に7メートルの地中壁を6メートル間隔で並べています。地中壁は岩盤の中にまで根を入れてあるとの説明です。横幅12メートルの1ブロック当たり1万4千本のボルトで組み立てているのだからブロックとしての強度は高いはずですが、泣き所は岩盤を含めた強度、津波への抵抗力に全面的な信頼があるかでしょう。もともと浜岡原発の地下にある岩盤が強固かは異論があるところです。

 東洋経済オンラインの「中部電力・浜岡原発の防波壁工事、津波需要で広がる原発ビジネス」にこんな記述があります。《壁の部分は鋼材と鉄骨・鉄筋コンクリートの複合構造で、断面で見るとL字型の構造になる。「L」の左を海側に、右を陸側にすることによって、海から消波ブロックや砂丘堤防を乗り越えて津波が押し寄せた場合、倒れないで踏ん張ることができる。もし壁を乗り超えてしまっても、そこから滝のように降り注ぐ海水で地盤がえぐれ、防波壁を横倒しする「洗掘」を避けられる》

 壁が乗り越えられた際に洗掘の心配があるのならば、地中壁の間にある土壌部分の流出も恐れるべきだと考えられます。何度も襲う津波で壁外側を守る砂丘も無事ではありません。さらに取水路と放水路で原発が海と繋がっている構造上の欠陥は逃れられません。そのために防波壁が乗り越えられなくても構内は1〜2メートルの海水で溢れます。原子炉建屋周辺に防水壁をめぐらせ、建屋の密閉性を高める、屋上に空冷式のディーゼル発電機を設置するなど対策は多数で、心配の種は尽きない感じです。

 浜岡原発の本当の危険性は東海地震の震源域に位置していることです。菅政権下で運転が停止させられたのもその心配のためです。再稼働を目指して外洋の津波対策ばかり熱心なのを見ると、世間で言う「原発震災」の元祖は浜岡なのに、自覚されていないと思ってしまいます。

 【参照】インターネットで読み解く!「浜岡原発」関連エントリー